37 / 61
六階 主天使
(3)
しおりを挟む
時が動き出す。少々厄介な事になってしまったけど…それでもいいか。天使に好かれるという事は悪い事じゃない。寧ろ良い事だ…と思う。
「肇?何悩ましい顔してるんだ?」
「いいんだ、俺の事は」
「??親友の俺にも話せない事なのか?」
「そうだ、これは…誰にも話せない!」
「うぐぐ…しょうがない。頑張れよ!」
「何?このやり取り?」
「さあ?分からんけど…どうするの?あの人」
智一は美香を指さす。俺らの中では決まった事でも、もう一度説明しないといけないか。時が止まってたわけだし。
「部活に入ってもらうかな」
「そうか!いいな!これで女性二人、男性三人…どんどん増えるかもな!」
「なんか…考えてる?」
「い、いや?何も考えてないぞ?」
「そこの方は彼女ができるかも、と言う淡い期待を抱いておりますわ」
「な?!なんで知って?!いや、違う!!」
「はは~ん…?邪な事を考えていたんだ?」
「いいじゃん!俺も男の子なんだぞ?!」
「智一の場合は…野郎だね?」
「酷い事言うなよ?!」
皆で笑いあう。智一の彼女事情はまぁ…一旦置いておこう。今日は凄い疲れたし、解散でいいかな?
「じゃあ、今日は解散で」
「は~い…」
「うち…あんまり喋れてない…」
「うん?まぁ…明日もあるからさ!」
「そうだね!」
ごめんだけど…もう家に帰りたい。この騒動は思った以上に長引きそうだし…いや…待てよ?一つだけ…一つだけ収める方法があるのか。
「とりあえず、帰ろうか」
「はい、帰りましょう」
笑夢と一緒に部室を後にする。部室を出ると、大勢の人がまだ待っていたけど、俺らはスルー出来た。目当ては美香だから。美香は囲まれた人を無下にできず、そのまま質問攻めに…ごめん。それはどうにもできないや。
「良かったんですか?あれで」
「これ以上は…ね?俺も狙われそうだよ?」
「女子にですか?」
「な?!男子にだよ?刺されそうじゃない?怖いよ…」
「ふふ、邪魔したら大変な事になりそうですもんね」
「暴動とか起きるでしょ。」
「平和の象徴が原因で暴動が起きたらまずいですからね」
笑夢はニコニコしている。う~ん…地味に目の奥が笑っていない感じがするんだけど。どうなの?
「笑ってますよ?ちゃんと、ほら?」
笑夢はまっすぐ俺を見つめて、捕まえて笑顔を見せてくる。本当…だ?笑ってる?俺には心が読めないから分からないや。
「ちゃんと信じてくださいよ?別に何かするわけじゃないですから」
「そう…だね?ごめん」
「いえ、信じてもらえたならいいですよ?」
一安心か。それにしても、俺の結論を急がないと…でも、心は決まっていると思ってるんだけど。どうしても言葉に出来ないよな…恥ずかしい感じがするんだ。
「発見しましたわ!」
「うわぁ?!なんで前から?!」
美香が俺らの目の前に立ちはだかる。いい人なのは分かるんだ、だって天使だから。うん。でもさ、なんか…ストーカー気質な人が多くない?俺…今まで二人中二人にストーカーされている気がするよ。
「わたくしも一緒に帰らせていただきます!」
「パワフルな…」
「肇さん、行きましょう?」
「う、うん」
笑夢に引きずられながら帰る。後ろを美香が着いて来る。なんか、ゲームみたいだな。この場合…俺が主人公だけど、めちゃくちゃパワーレベリングされてる感じ?
「失礼ですね?」
「そ、そう?二人して強いからさ?」
「女性に対していう言葉ではありませんわね?」
こういう時だけ息ぴったりだ。計画を実行に移すためには…俺の覚悟が必要なんだよな…。
家に着くとまた何やらただならぬ気配を感じる。ああ、これ、居るわ。泥棒だ、泥棒。
「ほう?神に向かって泥棒とは失礼な奴だな?」
「だって、泥棒じゃん!別に盗んでないけど、勝手に居るんだよ?」
「ははは!そうだな?では、何か盗んでいくか?」
「ごめんなさい…勘弁してください!!」
「そうであろう?今回は許してやろう?」
「ははぁ、寛大な心感謝いたします!」
俺は土下座を決め込む。まぁ…この流れ自体は別にいつも通りか。所で昨日の今日みたいなペースで来たけど、何事?
「どうだ?天使に挟まれる生活は?」
「あ…勘弁してください。本当に…」
「うん?別に送り込んだのは小僧に対しての嫌がらせではないぞ?」
「嫌がらせ…ではないけど、正直困ってるよ」
天使二人は傅くけど、俺は全然対等に話している。この状況に違和感は覚えない。だって、飲んだくれてた神だからね?そうだな…一応敬ってはいるけど。
「失礼な!もう一人送り付けるぞ?」
「嫌がらせじゃん!それ!」
「冗談だ!そこの二人しか、物好きは居らん」
「それこそ失礼だ!物好きって…うん、間違ってない。」
「であろう?」
否定できない自分が悲しくなってきたよ。もう…どうにかしてよ。
「肇?何悩ましい顔してるんだ?」
「いいんだ、俺の事は」
「??親友の俺にも話せない事なのか?」
「そうだ、これは…誰にも話せない!」
「うぐぐ…しょうがない。頑張れよ!」
「何?このやり取り?」
「さあ?分からんけど…どうするの?あの人」
智一は美香を指さす。俺らの中では決まった事でも、もう一度説明しないといけないか。時が止まってたわけだし。
「部活に入ってもらうかな」
「そうか!いいな!これで女性二人、男性三人…どんどん増えるかもな!」
「なんか…考えてる?」
「い、いや?何も考えてないぞ?」
「そこの方は彼女ができるかも、と言う淡い期待を抱いておりますわ」
「な?!なんで知って?!いや、違う!!」
「はは~ん…?邪な事を考えていたんだ?」
「いいじゃん!俺も男の子なんだぞ?!」
「智一の場合は…野郎だね?」
「酷い事言うなよ?!」
皆で笑いあう。智一の彼女事情はまぁ…一旦置いておこう。今日は凄い疲れたし、解散でいいかな?
「じゃあ、今日は解散で」
「は~い…」
「うち…あんまり喋れてない…」
「うん?まぁ…明日もあるからさ!」
「そうだね!」
ごめんだけど…もう家に帰りたい。この騒動は思った以上に長引きそうだし…いや…待てよ?一つだけ…一つだけ収める方法があるのか。
「とりあえず、帰ろうか」
「はい、帰りましょう」
笑夢と一緒に部室を後にする。部室を出ると、大勢の人がまだ待っていたけど、俺らはスルー出来た。目当ては美香だから。美香は囲まれた人を無下にできず、そのまま質問攻めに…ごめん。それはどうにもできないや。
「良かったんですか?あれで」
「これ以上は…ね?俺も狙われそうだよ?」
「女子にですか?」
「な?!男子にだよ?刺されそうじゃない?怖いよ…」
「ふふ、邪魔したら大変な事になりそうですもんね」
「暴動とか起きるでしょ。」
「平和の象徴が原因で暴動が起きたらまずいですからね」
笑夢はニコニコしている。う~ん…地味に目の奥が笑っていない感じがするんだけど。どうなの?
「笑ってますよ?ちゃんと、ほら?」
笑夢はまっすぐ俺を見つめて、捕まえて笑顔を見せてくる。本当…だ?笑ってる?俺には心が読めないから分からないや。
「ちゃんと信じてくださいよ?別に何かするわけじゃないですから」
「そう…だね?ごめん」
「いえ、信じてもらえたならいいですよ?」
一安心か。それにしても、俺の結論を急がないと…でも、心は決まっていると思ってるんだけど。どうしても言葉に出来ないよな…恥ずかしい感じがするんだ。
「発見しましたわ!」
「うわぁ?!なんで前から?!」
美香が俺らの目の前に立ちはだかる。いい人なのは分かるんだ、だって天使だから。うん。でもさ、なんか…ストーカー気質な人が多くない?俺…今まで二人中二人にストーカーされている気がするよ。
「わたくしも一緒に帰らせていただきます!」
「パワフルな…」
「肇さん、行きましょう?」
「う、うん」
笑夢に引きずられながら帰る。後ろを美香が着いて来る。なんか、ゲームみたいだな。この場合…俺が主人公だけど、めちゃくちゃパワーレベリングされてる感じ?
「失礼ですね?」
「そ、そう?二人して強いからさ?」
「女性に対していう言葉ではありませんわね?」
こういう時だけ息ぴったりだ。計画を実行に移すためには…俺の覚悟が必要なんだよな…。
家に着くとまた何やらただならぬ気配を感じる。ああ、これ、居るわ。泥棒だ、泥棒。
「ほう?神に向かって泥棒とは失礼な奴だな?」
「だって、泥棒じゃん!別に盗んでないけど、勝手に居るんだよ?」
「ははは!そうだな?では、何か盗んでいくか?」
「ごめんなさい…勘弁してください!!」
「そうであろう?今回は許してやろう?」
「ははぁ、寛大な心感謝いたします!」
俺は土下座を決め込む。まぁ…この流れ自体は別にいつも通りか。所で昨日の今日みたいなペースで来たけど、何事?
「どうだ?天使に挟まれる生活は?」
「あ…勘弁してください。本当に…」
「うん?別に送り込んだのは小僧に対しての嫌がらせではないぞ?」
「嫌がらせ…ではないけど、正直困ってるよ」
天使二人は傅くけど、俺は全然対等に話している。この状況に違和感は覚えない。だって、飲んだくれてた神だからね?そうだな…一応敬ってはいるけど。
「失礼な!もう一人送り付けるぞ?」
「嫌がらせじゃん!それ!」
「冗談だ!そこの二人しか、物好きは居らん」
「それこそ失礼だ!物好きって…うん、間違ってない。」
「であろう?」
否定できない自分が悲しくなってきたよ。もう…どうにかしてよ。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
婚約解消は君の方から
みなせ
恋愛
私、リオンは“真実の愛”を見つけてしまった。
しかし、私には産まれた時からの婚約者・ミアがいる。
私が愛するカレンに嫌がらせをするミアに、
嫌がらせをやめるよう呼び出したのに……
どうしてこうなったんだろう?
2020.2.17より、カレンの話を始めました。
小説家になろうさんにも掲載しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる