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冒険者登録
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「えーっと、冒険者ギルドはここだね! 」
「いやー、ライトお礼言ってそのまんま歩いて行ったんだもの。道、分かってるのかと思ってた」
「ごめんね。うっかりしてたよ……」
ホノカと一緒に冒険者ギルドへ向かう途中、二人とも道を知らないということが判明してしまった。まぁすぐ近くに地図の看板があって難を逃れたんだけどね。
「あっ、あの建物じゃない? 」
「おー、おっきいねぇ」
地図にあった場所に到着すれば、赤い屋根の大きな建物があった。多分三階建てくらいだ。
「それじゃあ中に入ろっか! やっぱこう言うのってワクワクするわね!」
「そうだね、なんだかとても懐かしいよ。」
前の世界で、僕が冒険者に登録したのは12歳のとき。それから8年間活動して……最後に来たのはもう16年も前だ。
死ぬ前はダンジョンに潜ったり、休んだりしているとき以外は毎日のように来ていたから、外観は違うけれどとても懐かしい気持ちになる。
「「お邪魔しまーす」」
ガヤガヤガヤガヤ
中に入れば大きなロビーが広がり、皆何処かに鎧や、剣、杖などを装備していた。
脇には酒場が併設されており、昼間から飲んだくれている冒険者もちらほら見える。昨日の稼ぎがよかったのかな?
「すごいね、とっても賑やか! 」
「うんうん! 」
「そういえば、サービス初日なのにみんな強そうよね? 」
確かにホノカの言うとおり、サービス開始にしては冒険者の装備がいい。ドラゴンの話だって聞こえる。あー、これは……
「……この世界の元々の住人なのかな? 所謂NPCの方々?まぁ何人かプレイヤーらしき人も見かけるけど、明らかに強そうな人がいっぱいいるもんね。」
「確かにそれしかないよね……。みんな生きてるみたい! ニャン太のときも思ったけど、本当に凄い技術力!」
そう、このゲームのAIは凄すぎる。まるで故郷のような、本物の異世界みたいだ。
「あっ、一瞬目的を忘れていたよ。冒険者登録しよっか! 」
「そうね! あそこが受付かな? 冒険者の人達が並んでるし、制服のキレーなお姉さんがいる! 」
ホノカが指指したところを見ると、確かに受付みたいだ。美人の受付嬢に群がる野郎冒険者……見覚えがある。
ホールを突っ切って受付にいけば、遠くから見るより遥かに長い列ができていた。
「うっへぇ~。並ぶの面倒ね! 」
「もう少し効率のいい受付システムにしてくれればいいのにね」
そう会話しながら、列の最後尾に並んだ瞬間……とても大きな声が響いた。
「おいオメーら! こっちにも並べよ! この敏腕受付ラドー様の窓口によぉ!! 」
声の方向を見ると確かに受付がある。そこにはスキンヘッドの褐色の大男が立ち上がり声を張り上げていた。
しかし列は流れず、それどころか言い返す人まで現れだした。
「どーして仕事から疲れて帰ってきてまで鬼の顔を見なきゃいけねーんだ! 俺たちは天使エリーちゃんに一目会う為にここにいるんだよぉ!」
「「そーだそーだ! 」」
大男……ラドーさんの列にはやはり誰も並ばない。僕はチラッとホノカを見ると提案する。
「ねぇ、あっちに並ばない? 早くゲーム始めたいし」
「良いわよ、っていうか私もそう思ってた所だったし。行きましょ」
「お前らなー! 俺が給料泥棒みたいになっちまうじゃねぇか!」
列を移動し、ラドーさんの前に立つ。
「ったくよぉ……って、お前ら何の用だ?」
「何の用って失礼ね? 呼んでたから来て上げたのよ。冒険者登録お願い。二人ね? 」
「お、おぉ! 1時間ぶりの仕事じゃねぇか! 登録な、わかったぜ!」
1時間も仕事してないって、本当に大丈夫かなこの人…?
ラドーさんは大きく頷きながら、大きな本を机から取り出した。
本を開けば、そこにはパンフレットが二刷。
「これ、取っとけ。読みながら話聞けよ?」
そう言うと、パンフレットを手渡してくれた。表紙にはデフォルメされた草狼のイラストと、冒険者案内の文字。
「それじゃあ冒険者登録について説明を始めるぜ!」
ラドーはおもむろに眼鏡を掛け、話を続ける。
「えーっと……冒険者登録は基本無料だぜ。登録するとカードが貰える。これが冒険者の証だな! 紛失したら、再発行の時は金を払って貰う。」
ふむふむ。無料なのはありがたいね。どうせインベントリにカードは入れるから、紛失の心配はないし。
「そら、お前さんらのカードだ。それに指を当てれば自動で名前が記入されるぞ。あぁ、お前さんらは登録したばかりだから素材は木だ。ウッド級と呼ばれているな。クエストで評価を上げ実力が認められればランクも材質も上がっていくぞ。」
そう言うとラドーは木で出来たプレートをこちらに二枚寄越してきた。ランク制度は前の世界と良く似ている。これなら僕はゴールドをここで目指せる。夢はまだ続けられる!
ワクワクしながらカードに指をつける。すると光が文字を映し、ライトの名が木片に刻まれる。
「うわぁ! これが冒険者カードね! やっぱ実際持って見ると、想像の数倍ワクワクするわね……」
ほぼ同時に指をつけたホノカも名前が刻まれたみたいだ。
「簡単な説明は以上で終わりだ。カードに名前が刻まれた時点で、データはこちらに来ているから登録も終わりだ! あっちにクエスト掲示板があるから見てくるといい。紙を取ったらこっちに持ってきてくれ。受領する」
「ありがとうラドーさん! 」
ホノカと共に掲示板を見に行く。
「あっ、そういえばこの後時間どう? 自然な流れでクエスト受けようとしてたけど、一緒に遊んでいいの?」
「私は大丈夫よ。改めて宜しくね!」
パーティーを結成した僕たちは掲示板でウッド級用のクエストを探す。
「えっと、これ……〔薬草採集〕と〔ゴブリン退治〕でいい? 」
「いいわよ。というかとっても冒険者っぽい! それ"が"いいわ!」
紙を破り取り、ラドーに見せる。
「受領したぞ。初冒険、頑張ってこいよ!」
さぁ、最初の冒険だ!
「いやー、ライトお礼言ってそのまんま歩いて行ったんだもの。道、分かってるのかと思ってた」
「ごめんね。うっかりしてたよ……」
ホノカと一緒に冒険者ギルドへ向かう途中、二人とも道を知らないということが判明してしまった。まぁすぐ近くに地図の看板があって難を逃れたんだけどね。
「あっ、あの建物じゃない? 」
「おー、おっきいねぇ」
地図にあった場所に到着すれば、赤い屋根の大きな建物があった。多分三階建てくらいだ。
「それじゃあ中に入ろっか! やっぱこう言うのってワクワクするわね!」
「そうだね、なんだかとても懐かしいよ。」
前の世界で、僕が冒険者に登録したのは12歳のとき。それから8年間活動して……最後に来たのはもう16年も前だ。
死ぬ前はダンジョンに潜ったり、休んだりしているとき以外は毎日のように来ていたから、外観は違うけれどとても懐かしい気持ちになる。
「「お邪魔しまーす」」
ガヤガヤガヤガヤ
中に入れば大きなロビーが広がり、皆何処かに鎧や、剣、杖などを装備していた。
脇には酒場が併設されており、昼間から飲んだくれている冒険者もちらほら見える。昨日の稼ぎがよかったのかな?
「すごいね、とっても賑やか! 」
「うんうん! 」
「そういえば、サービス初日なのにみんな強そうよね? 」
確かにホノカの言うとおり、サービス開始にしては冒険者の装備がいい。ドラゴンの話だって聞こえる。あー、これは……
「……この世界の元々の住人なのかな? 所謂NPCの方々?まぁ何人かプレイヤーらしき人も見かけるけど、明らかに強そうな人がいっぱいいるもんね。」
「確かにそれしかないよね……。みんな生きてるみたい! ニャン太のときも思ったけど、本当に凄い技術力!」
そう、このゲームのAIは凄すぎる。まるで故郷のような、本物の異世界みたいだ。
「あっ、一瞬目的を忘れていたよ。冒険者登録しよっか! 」
「そうね! あそこが受付かな? 冒険者の人達が並んでるし、制服のキレーなお姉さんがいる! 」
ホノカが指指したところを見ると、確かに受付みたいだ。美人の受付嬢に群がる野郎冒険者……見覚えがある。
ホールを突っ切って受付にいけば、遠くから見るより遥かに長い列ができていた。
「うっへぇ~。並ぶの面倒ね! 」
「もう少し効率のいい受付システムにしてくれればいいのにね」
そう会話しながら、列の最後尾に並んだ瞬間……とても大きな声が響いた。
「おいオメーら! こっちにも並べよ! この敏腕受付ラドー様の窓口によぉ!! 」
声の方向を見ると確かに受付がある。そこにはスキンヘッドの褐色の大男が立ち上がり声を張り上げていた。
しかし列は流れず、それどころか言い返す人まで現れだした。
「どーして仕事から疲れて帰ってきてまで鬼の顔を見なきゃいけねーんだ! 俺たちは天使エリーちゃんに一目会う為にここにいるんだよぉ!」
「「そーだそーだ! 」」
大男……ラドーさんの列にはやはり誰も並ばない。僕はチラッとホノカを見ると提案する。
「ねぇ、あっちに並ばない? 早くゲーム始めたいし」
「良いわよ、っていうか私もそう思ってた所だったし。行きましょ」
「お前らなー! 俺が給料泥棒みたいになっちまうじゃねぇか!」
列を移動し、ラドーさんの前に立つ。
「ったくよぉ……って、お前ら何の用だ?」
「何の用って失礼ね? 呼んでたから来て上げたのよ。冒険者登録お願い。二人ね? 」
「お、おぉ! 1時間ぶりの仕事じゃねぇか! 登録な、わかったぜ!」
1時間も仕事してないって、本当に大丈夫かなこの人…?
ラドーさんは大きく頷きながら、大きな本を机から取り出した。
本を開けば、そこにはパンフレットが二刷。
「これ、取っとけ。読みながら話聞けよ?」
そう言うと、パンフレットを手渡してくれた。表紙にはデフォルメされた草狼のイラストと、冒険者案内の文字。
「それじゃあ冒険者登録について説明を始めるぜ!」
ラドーはおもむろに眼鏡を掛け、話を続ける。
「えーっと……冒険者登録は基本無料だぜ。登録するとカードが貰える。これが冒険者の証だな! 紛失したら、再発行の時は金を払って貰う。」
ふむふむ。無料なのはありがたいね。どうせインベントリにカードは入れるから、紛失の心配はないし。
「そら、お前さんらのカードだ。それに指を当てれば自動で名前が記入されるぞ。あぁ、お前さんらは登録したばかりだから素材は木だ。ウッド級と呼ばれているな。クエストで評価を上げ実力が認められればランクも材質も上がっていくぞ。」
そう言うとラドーは木で出来たプレートをこちらに二枚寄越してきた。ランク制度は前の世界と良く似ている。これなら僕はゴールドをここで目指せる。夢はまだ続けられる!
ワクワクしながらカードに指をつける。すると光が文字を映し、ライトの名が木片に刻まれる。
「うわぁ! これが冒険者カードね! やっぱ実際持って見ると、想像の数倍ワクワクするわね……」
ほぼ同時に指をつけたホノカも名前が刻まれたみたいだ。
「簡単な説明は以上で終わりだ。カードに名前が刻まれた時点で、データはこちらに来ているから登録も終わりだ! あっちにクエスト掲示板があるから見てくるといい。紙を取ったらこっちに持ってきてくれ。受領する」
「ありがとうラドーさん! 」
ホノカと共に掲示板を見に行く。
「あっ、そういえばこの後時間どう? 自然な流れでクエスト受けようとしてたけど、一緒に遊んでいいの?」
「私は大丈夫よ。改めて宜しくね!」
パーティーを結成した僕たちは掲示板でウッド級用のクエストを探す。
「えっと、これ……〔薬草採集〕と〔ゴブリン退治〕でいい? 」
「いいわよ。というかとっても冒険者っぽい! それ"が"いいわ!」
紙を破り取り、ラドーに見せる。
「受領したぞ。初冒険、頑張ってこいよ!」
さぁ、最初の冒険だ!
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