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64 死にまつわるエトセトラ
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葬儀に続いて、『死』にまつわるあれやこれやの話。
私の地元だけの話かもしれないが、『年初めに女性が亡くなると、亡くなる人が続く』と言うものがある。
女性は集団行動が好きなので、1人ではあの世に行きたがらず、何人か連れて行くというのだ。
ある年、1月に近所で高齢女性が老衰で亡くなった。するとそこから、3ヶ月連続で同じ町内の高齢女性が病死や老衰で亡くなったのだ。
年齢や季節的にも、死亡者があってもおかしくない状況だったが、いずれも3人は同じ趣味仲間であり、仲の良い友人関係だった。
「仲良かったから、皆で川を渡って行ったんだね」
と、参列者は言ったらしい。
ちなみに、最初に亡くなった女性の告別式は菩提寺の都合で『友引』におこなわれ、2人目の女性は『友引』の日に亡くなった。
偶然かも知れないが、私はちょっと怖かった。
他に『寿命でのやむを得ない死者は盆や彼岸に出る』という話もある。
永く昏睡状態だったり、状態悪化と寛解を繰り返す人は、何故かその時期に亡くなるという。
年齢や病気は関係ないらしく、どちらかと言うとそれは「あの人はあれが寿命だったのだ」と、残された人が納得するための迷信の様な気もするが…。
ある年の瀬、母方の祖父が危篤状態になった時のこと。
私はこんな夢を見た。
夢の中で私は母方祖父母宅に居た。いつもの様に茶の間に行こうとすると。
「子供はこっちに来たらダメ!」
知らないお婆さんに一喝され、廊下へ締め出された。
(私、成人してるのに…?)
首を傾げつつ、廊下にある姿見をふと見ると、私は小学校低学年時の姿だった。
(本当だ、子供だ。じゃあ遊ぼう!)
そこで祖父母宅にある玩具を引っ張り出して遊ぶ、という夢だった。
母にこの話をすると。
「て、事はご先祖さまが寿命に関しての話し合いをしてるのね。臨終は正月かな、春の彼岸かな…」
先人達からすれば、子孫の私は幾つになろうが『子供』なのだろうか。
結局、祖父は1度持ち直したが寝たきりとなり、春の彼岸最終日の翌日にこの世を去った。
そして、『死人の出た水回りは必ず改修してから使う』だ。
風呂の浴槽で家人が死んだ場合、浴槽を交換したり、風呂場そのものをリフォーム工事しないと、死人に引っ張られて新たな死者が出る、というのだ。
水場には死者の魂が留まりやすいので、理にかなっている感じもあるが、死亡時に激しく汚れた場合、いかに家族だとしてもそのまま使いたくないのが心情だろう。
私の知人の隣人宅で、その家の父親が浴槽で亡くなった事があった。家自体が古かった事もあり、翌年新しく家を立て替えたそうだ。
ところがその翌年、その息子も風呂場で亡くなったという。風呂場をリニューアルしたというのにだ。
同じ家に住む家族が、2代続けて2年違いで亡くなったその家は、今もまだ健在らしいが、風呂場のリフォームをその後行ったかは不明だ。
以上が私の地元で語り継がれる、『死に関する迷信』である。
『迷信』ではあるが、私からすれば裏付けのある話ばかりなので、『迷信』とは思えないものもあるのだが…。
私の地元だけの話かもしれないが、『年初めに女性が亡くなると、亡くなる人が続く』と言うものがある。
女性は集団行動が好きなので、1人ではあの世に行きたがらず、何人か連れて行くというのだ。
ある年、1月に近所で高齢女性が老衰で亡くなった。するとそこから、3ヶ月連続で同じ町内の高齢女性が病死や老衰で亡くなったのだ。
年齢や季節的にも、死亡者があってもおかしくない状況だったが、いずれも3人は同じ趣味仲間であり、仲の良い友人関係だった。
「仲良かったから、皆で川を渡って行ったんだね」
と、参列者は言ったらしい。
ちなみに、最初に亡くなった女性の告別式は菩提寺の都合で『友引』におこなわれ、2人目の女性は『友引』の日に亡くなった。
偶然かも知れないが、私はちょっと怖かった。
他に『寿命でのやむを得ない死者は盆や彼岸に出る』という話もある。
永く昏睡状態だったり、状態悪化と寛解を繰り返す人は、何故かその時期に亡くなるという。
年齢や病気は関係ないらしく、どちらかと言うとそれは「あの人はあれが寿命だったのだ」と、残された人が納得するための迷信の様な気もするが…。
ある年の瀬、母方の祖父が危篤状態になった時のこと。
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夢の中で私は母方祖父母宅に居た。いつもの様に茶の間に行こうとすると。
「子供はこっちに来たらダメ!」
知らないお婆さんに一喝され、廊下へ締め出された。
(私、成人してるのに…?)
首を傾げつつ、廊下にある姿見をふと見ると、私は小学校低学年時の姿だった。
(本当だ、子供だ。じゃあ遊ぼう!)
そこで祖父母宅にある玩具を引っ張り出して遊ぶ、という夢だった。
母にこの話をすると。
「て、事はご先祖さまが寿命に関しての話し合いをしてるのね。臨終は正月かな、春の彼岸かな…」
先人達からすれば、子孫の私は幾つになろうが『子供』なのだろうか。
結局、祖父は1度持ち直したが寝たきりとなり、春の彼岸最終日の翌日にこの世を去った。
そして、『死人の出た水回りは必ず改修してから使う』だ。
風呂の浴槽で家人が死んだ場合、浴槽を交換したり、風呂場そのものをリフォーム工事しないと、死人に引っ張られて新たな死者が出る、というのだ。
水場には死者の魂が留まりやすいので、理にかなっている感じもあるが、死亡時に激しく汚れた場合、いかに家族だとしてもそのまま使いたくないのが心情だろう。
私の知人の隣人宅で、その家の父親が浴槽で亡くなった事があった。家自体が古かった事もあり、翌年新しく家を立て替えたそうだ。
ところがその翌年、その息子も風呂場で亡くなったという。風呂場をリニューアルしたというのにだ。
同じ家に住む家族が、2代続けて2年違いで亡くなったその家は、今もまだ健在らしいが、風呂場のリフォームをその後行ったかは不明だ。
以上が私の地元で語り継がれる、『死に関する迷信』である。
『迷信』ではあるが、私からすれば裏付けのある話ばかりなので、『迷信』とは思えないものもあるのだが…。
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