62 / 93
Z ※犯罪描写あり
しおりを挟む
『最近の若者なんて、』と言う言葉は、紀元前から言われていたという。
つまり、『最近の若者は~』などとのたまう年配者も、若い頃は更に当時の年配の人から、同じ事を言われていたのだ。
(確か私の同年代は『しらけ世代』とか、言われていたわね)
『○○世代』という言い方に疑問はあるものの、生まれた年代で趣味嗜好や考え方に共通点があるのは事実だ。
(みんな違う親から生まれて、育った場所も違うのに、何か似ているものなのよね)
時に敵対する要因にもなるが、ゆず子は異なった考え方を学べるいい機会と思っている。
「あれ? 赤石店長って『ゆとり世代』ですか?」
唐揚げ屋従業員:間渕がカップ麵をすする赤石に問うと、首を大きく振った。
「いや。『ゆとり』は俺よりもうちょっと下。5,6個下ぐらいかな」
「そっか、『ゆとり世代』ってもうそういう齢なんですね」
間渕の発言に、赤石は苦虫を嚙み潰したような顔をした。
「何だよ、人をジジイ扱いして」
「いえいえ。そういう意味じゃないっす」
2人のやりとりに思わず笑ったゆず子が、口を挟む。
「そういう間渕さんは『Z世代』ってやつだっけ?」
「そうっすね、『Z』らしいです」
間渕が頭を掻いて答えると、赤石は言った。
「まあ、『ゆとり』って出始めは結構大きく話題になったけど、俺の周りでは言うほどヤバイ奴は居なかったな」
「『円周率を3.14ではなく3』で習った世代ってイメージよね。ちゃんと挨拶する子も居れば、礼儀がしっかりしてる子もいっぱい居るし」
ゆず子も言った。
「むしろ、『ゆとり』以外の世代でも普通にヤバイ奴居るよね。いい大人なのにおかしな事、やらかすやつ」
赤石の言葉にゆず子も大きく頷いた。
「そうそう」
別の日。ゆず子がトイレ掃除をしていると、用を済ませた間渕が個室から出てきた。
「お疲れ様です」
「お疲れ様です~」
手を洗った間渕は、何かを思い出し、こんな事を言ってきた。
「鳴瀬さんて、ウチのお店の塚田って分かりますか?」
「塚田さん? …うーん、どんな子なの?」
「専門学校1年の男子です。基本土日だけで」
「あー、平日居ないんじゃ、ちょっと分からないわね。その子がどうしたの?」
「そいつがね、結構ヤバい奴なんです。働き始めて間もなくに、初任給の給与明細をSNSにアップしたんですよ」
ゆず子は目を瞬かせた。
「給与明細? 何でまた?」
「本人が言うには、『友達から載せて』って言われたから載せたって言うんですけどね。本社の人がたまたま見つけて、厳重注意受けたんです」
「そりゃあ、怒られるわね」
ゆず子が苦笑すると、間渕はこう言った。
「何か他にも、製造マニュアル無視で作った物をお客さんに売っちゃったとか、釣銭を何故かエプロンのポケットに入れてたとか、ヤバいんです。赤石店長が『ああいうのが【Z世代】なの?』って言ってて」
「Z世代ねえ…。でも、その子はちょっと違うかな?」
ゆず子が苦笑すると、間渕も口を尖らせた。
「そうなんですよ。とばっちりですよ、同じZ世代からしたら」
それから半月後。出勤したゆず子は館内設備担当者から連絡を受けた。
「先日、閉店後に飲食の店舗さんで、共有スペースのカーペット床を廃棄物で汚染する事案が発生しました。汚染箇所は専門業者さんに対応してもらいましたが、業務中に発生したり発見の場合は、事務局まで報告願います」
フードコート内で客が飲食物を床に溢した、なら通常業務の範囲だが、店舗から出たゴミでの汚染の場合、種類によっては通行止め案件なのだ。
(魚のアラとかだと、業者用の消臭薬剤が必要になるのよね。何を溢したんだろ?)
該当箇所には、うっすらと茶色いシミが点々と残っていた。
(油かな?廃油っぽい)
何となく下を見ながら掃除をしていると、反対側である向こうから、同じように下を見ながら進んでくる人間が居た。赤石だった。
「あ、お疲れ様です」
「お疲れ様です。…やっぱこれ、目立つよね」
赤石は渋い顔をしていた。ゆず子は言った。
「これ、どこの店舗だったんですかね」
「…すんません、ウチです」
赤石は、げっそりした様子で答えた。
「あ、あら。そうだったんですね」
「ウチのバイトでアホな奴がいて、閉店後の片づけ中にやらかしたんですよ。はあーあ」
赤石は盛大な溜息をついた。
「大変ですね、クリーニング代とか取られますよね」
「何でこうなったと思います? うっかり廃油缶の固定を忘れた、じゃないんですよ」
「違うんですか?」
「ゴミ運搬中に、ここで『ダンス動画』の自撮りをしたんですって」
「はあ?」
思わずゆず子は、声が大きくなった。赤石はこめかみをさすった。
「急に思い立って、自撮りして踊ってみたら、缶を倒しちゃったんだって。流した音楽に気付いた警備さんが来て、騒ぎになった。もう、ありえないし。昨日付けで解雇したよ」
(もしかして、例の彼かしら)
ゆず子は思ったが赤石の憔悴ぶりを見てると、とてもじゃないが質問はできなかった。
次の出勤日。フードコート側の唐揚げ屋の傍を掃除していると、会話が聞こえてきた。
「あれ? 塚田⁈」
さり気なく振り返ると、唐揚げ屋の返却口の所に、若い男が立っていた。
「お疲れ様です~。制服の返却に来ました」
小柄で黒髪の10代と思しき少年は、笑いつつ紙袋を唐揚げ屋の従業員に差し出す。受け取った女性従業員は険しい顔をした。
「ほんっと馬鹿だね、あんたは。赤石さん休憩行っちゃったよ? 行って謝って来なよ!」
「いやいや、いま行ったら殺されますよ。居ないの分かったから、返しに来たんすよ」
塚田は始終ニヤニヤしている。恐らく、赤石が休憩に行くのをフードコート内の何処からか見ていて、タイミングを見計らったのだろう。
「学校も単位ヤバいんでしょ? これを機にちゃんと勉強しろよ~」
「いや、学校は辞めるんすよ。で、新しいバイトも、もう決まってるんで」
女性従業員は顔をしかめた。ゆず子も同じ表情になりそうだった。
「親不孝だね、あんたは。せめて真面目に働けって」
「ああもう、真面目にやるつもりっすよ。簡単なバイトなので余裕っす。今日もね、これから新幹線で福島行かなくちゃならないんすよ」
「新幹線で福島?」
「はい、駅で人からお金を渡されるんで、それ持ってバ先に行くって言う」
「『はあ?』」
女性従業員と、ゆず子の動きが固まる。塚田は従業員通路の出入り口を見て、ハッとする。
「やべ。店長来た。じゃ、俺はこれで~」
塚田は逃げる様に帰った。
(バイトって、何なんだろう?人から渡されたお金を、持って行く?)
次の出勤日。思い出したゆず子は首を傾げつつ移動する。従業員トイレの前で、間渕と会った。
「あ、お疲れ様です」
「お疲れ様です。…塚田くんて人、こないだ初めて見かけたよ。すごいわね、色々やらかしたのね」
ゆず子が言うと、間渕は辺りを見渡して耳打ちするように話した。
「あいつ、こないだ大怪我して、ウチの店に遊びに来たんですよ」
「大怪我?」
「そう。顔とか腫れてて、絆創膏で手当てしてるし、腕も折れたとかでギプスしていて。仲良かった子に借りてた何か返すために、そんなでも来たらしくて」
「何で怪我したの?」
「何かね、闇バイトに手を出したみたいなんだよね、多分。で、バカだから『闇バイト中』に『闇バイトなう』的な画像とSNS投稿をして。バレて殴られたみたいですよ、結局警察に書き込みのせいで見つかって、闇バイトの他の仲間と一緒に捕まったんだって。わざわざ自慢げに話してた」
『バカ』は、悪事の場面からも必要とされないのかもしれない。とはいえ、1つの犯罪集団を検挙に至らせたのは、彼の最大の功績なのか。
彼が賢くなるよりも、心を入れ替えちゃんと大人になるのを、ゆず子は人知れず願うのだった。
つまり、『最近の若者は~』などとのたまう年配者も、若い頃は更に当時の年配の人から、同じ事を言われていたのだ。
(確か私の同年代は『しらけ世代』とか、言われていたわね)
『○○世代』という言い方に疑問はあるものの、生まれた年代で趣味嗜好や考え方に共通点があるのは事実だ。
(みんな違う親から生まれて、育った場所も違うのに、何か似ているものなのよね)
時に敵対する要因にもなるが、ゆず子は異なった考え方を学べるいい機会と思っている。
「あれ? 赤石店長って『ゆとり世代』ですか?」
唐揚げ屋従業員:間渕がカップ麵をすする赤石に問うと、首を大きく振った。
「いや。『ゆとり』は俺よりもうちょっと下。5,6個下ぐらいかな」
「そっか、『ゆとり世代』ってもうそういう齢なんですね」
間渕の発言に、赤石は苦虫を嚙み潰したような顔をした。
「何だよ、人をジジイ扱いして」
「いえいえ。そういう意味じゃないっす」
2人のやりとりに思わず笑ったゆず子が、口を挟む。
「そういう間渕さんは『Z世代』ってやつだっけ?」
「そうっすね、『Z』らしいです」
間渕が頭を掻いて答えると、赤石は言った。
「まあ、『ゆとり』って出始めは結構大きく話題になったけど、俺の周りでは言うほどヤバイ奴は居なかったな」
「『円周率を3.14ではなく3』で習った世代ってイメージよね。ちゃんと挨拶する子も居れば、礼儀がしっかりしてる子もいっぱい居るし」
ゆず子も言った。
「むしろ、『ゆとり』以外の世代でも普通にヤバイ奴居るよね。いい大人なのにおかしな事、やらかすやつ」
赤石の言葉にゆず子も大きく頷いた。
「そうそう」
別の日。ゆず子がトイレ掃除をしていると、用を済ませた間渕が個室から出てきた。
「お疲れ様です」
「お疲れ様です~」
手を洗った間渕は、何かを思い出し、こんな事を言ってきた。
「鳴瀬さんて、ウチのお店の塚田って分かりますか?」
「塚田さん? …うーん、どんな子なの?」
「専門学校1年の男子です。基本土日だけで」
「あー、平日居ないんじゃ、ちょっと分からないわね。その子がどうしたの?」
「そいつがね、結構ヤバい奴なんです。働き始めて間もなくに、初任給の給与明細をSNSにアップしたんですよ」
ゆず子は目を瞬かせた。
「給与明細? 何でまた?」
「本人が言うには、『友達から載せて』って言われたから載せたって言うんですけどね。本社の人がたまたま見つけて、厳重注意受けたんです」
「そりゃあ、怒られるわね」
ゆず子が苦笑すると、間渕はこう言った。
「何か他にも、製造マニュアル無視で作った物をお客さんに売っちゃったとか、釣銭を何故かエプロンのポケットに入れてたとか、ヤバいんです。赤石店長が『ああいうのが【Z世代】なの?』って言ってて」
「Z世代ねえ…。でも、その子はちょっと違うかな?」
ゆず子が苦笑すると、間渕も口を尖らせた。
「そうなんですよ。とばっちりですよ、同じZ世代からしたら」
それから半月後。出勤したゆず子は館内設備担当者から連絡を受けた。
「先日、閉店後に飲食の店舗さんで、共有スペースのカーペット床を廃棄物で汚染する事案が発生しました。汚染箇所は専門業者さんに対応してもらいましたが、業務中に発生したり発見の場合は、事務局まで報告願います」
フードコート内で客が飲食物を床に溢した、なら通常業務の範囲だが、店舗から出たゴミでの汚染の場合、種類によっては通行止め案件なのだ。
(魚のアラとかだと、業者用の消臭薬剤が必要になるのよね。何を溢したんだろ?)
該当箇所には、うっすらと茶色いシミが点々と残っていた。
(油かな?廃油っぽい)
何となく下を見ながら掃除をしていると、反対側である向こうから、同じように下を見ながら進んでくる人間が居た。赤石だった。
「あ、お疲れ様です」
「お疲れ様です。…やっぱこれ、目立つよね」
赤石は渋い顔をしていた。ゆず子は言った。
「これ、どこの店舗だったんですかね」
「…すんません、ウチです」
赤石は、げっそりした様子で答えた。
「あ、あら。そうだったんですね」
「ウチのバイトでアホな奴がいて、閉店後の片づけ中にやらかしたんですよ。はあーあ」
赤石は盛大な溜息をついた。
「大変ですね、クリーニング代とか取られますよね」
「何でこうなったと思います? うっかり廃油缶の固定を忘れた、じゃないんですよ」
「違うんですか?」
「ゴミ運搬中に、ここで『ダンス動画』の自撮りをしたんですって」
「はあ?」
思わずゆず子は、声が大きくなった。赤石はこめかみをさすった。
「急に思い立って、自撮りして踊ってみたら、缶を倒しちゃったんだって。流した音楽に気付いた警備さんが来て、騒ぎになった。もう、ありえないし。昨日付けで解雇したよ」
(もしかして、例の彼かしら)
ゆず子は思ったが赤石の憔悴ぶりを見てると、とてもじゃないが質問はできなかった。
次の出勤日。フードコート側の唐揚げ屋の傍を掃除していると、会話が聞こえてきた。
「あれ? 塚田⁈」
さり気なく振り返ると、唐揚げ屋の返却口の所に、若い男が立っていた。
「お疲れ様です~。制服の返却に来ました」
小柄で黒髪の10代と思しき少年は、笑いつつ紙袋を唐揚げ屋の従業員に差し出す。受け取った女性従業員は険しい顔をした。
「ほんっと馬鹿だね、あんたは。赤石さん休憩行っちゃったよ? 行って謝って来なよ!」
「いやいや、いま行ったら殺されますよ。居ないの分かったから、返しに来たんすよ」
塚田は始終ニヤニヤしている。恐らく、赤石が休憩に行くのをフードコート内の何処からか見ていて、タイミングを見計らったのだろう。
「学校も単位ヤバいんでしょ? これを機にちゃんと勉強しろよ~」
「いや、学校は辞めるんすよ。で、新しいバイトも、もう決まってるんで」
女性従業員は顔をしかめた。ゆず子も同じ表情になりそうだった。
「親不孝だね、あんたは。せめて真面目に働けって」
「ああもう、真面目にやるつもりっすよ。簡単なバイトなので余裕っす。今日もね、これから新幹線で福島行かなくちゃならないんすよ」
「新幹線で福島?」
「はい、駅で人からお金を渡されるんで、それ持ってバ先に行くって言う」
「『はあ?』」
女性従業員と、ゆず子の動きが固まる。塚田は従業員通路の出入り口を見て、ハッとする。
「やべ。店長来た。じゃ、俺はこれで~」
塚田は逃げる様に帰った。
(バイトって、何なんだろう?人から渡されたお金を、持って行く?)
次の出勤日。思い出したゆず子は首を傾げつつ移動する。従業員トイレの前で、間渕と会った。
「あ、お疲れ様です」
「お疲れ様です。…塚田くんて人、こないだ初めて見かけたよ。すごいわね、色々やらかしたのね」
ゆず子が言うと、間渕は辺りを見渡して耳打ちするように話した。
「あいつ、こないだ大怪我して、ウチの店に遊びに来たんですよ」
「大怪我?」
「そう。顔とか腫れてて、絆創膏で手当てしてるし、腕も折れたとかでギプスしていて。仲良かった子に借りてた何か返すために、そんなでも来たらしくて」
「何で怪我したの?」
「何かね、闇バイトに手を出したみたいなんだよね、多分。で、バカだから『闇バイト中』に『闇バイトなう』的な画像とSNS投稿をして。バレて殴られたみたいですよ、結局警察に書き込みのせいで見つかって、闇バイトの他の仲間と一緒に捕まったんだって。わざわざ自慢げに話してた」
『バカ』は、悪事の場面からも必要とされないのかもしれない。とはいえ、1つの犯罪集団を検挙に至らせたのは、彼の最大の功績なのか。
彼が賢くなるよりも、心を入れ替えちゃんと大人になるのを、ゆず子は人知れず願うのだった。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
悪魔だと呼ばれる強面騎士団長様に勢いで結婚を申し込んでしまった私の結婚生活
束原ミヤコ
恋愛
ラーチェル・クリスタニアは、男運がない。
初恋の幼馴染みは、もう一人の幼馴染みと結婚をしてしまい、傷心のまま婚約をした相手は、結婚間近に浮気が発覚して破談になってしまった。
ある日の舞踏会で、ラーチェルは幼馴染みのナターシャに小馬鹿にされて、酒を飲み、ふらついてぶつかった相手に、勢いで結婚を申し込んだ。
それは悪魔の騎士団長と呼ばれる、オルフェレウス・レノクスだった。
『こうすりゃ日本、もっと良くなるんじゃね?』的な妄想エッセイ
萌菜加あん
経済・企業
ある日、萌菜加あんは考えた。
『税金って高いよね』
20代の頃、親の実家で暮らしていたころは、選挙になんて全く興味がなかった。
だがしかし、結婚して生活を営むことになると、新居には納税通知書なるものが届くようになる。
そして目の当たりにする現実。
以後、心を入れ替えた萌菜加あんは、けっこう真面目に選挙に行っている。
やっぱり選挙って、大事だよね。
世界を見たときに、自由に代表を選挙できるってすごく恵まれたことなんだって思う。
こういう時代だからこそ、
とりあえずその権利を最初から放棄しちゃったらダメだと思うんだ。
そんな感じの、とりとめのない心の思いを
ゆるーくエッセイに綴っていこうかなと思っています。
まっ、いつかこれが小説のネタになるかもしれないしね。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
【完結】 いいえ、あなたを愛した私が悪いのです
冬馬亮
恋愛
それは親切な申し出のつもりだった。
あなたを本当に愛していたから。
叶わぬ恋を嘆くあなたたちを助けてあげられると、そう信じていたから。
でも、余計なことだったみたい。
だって、私は殺されてしまったのですもの。
分かってるわ、あなたを愛してしまった私が悪いの。
だから、二度目の人生では、私はあなたを愛したりはしない。
あなたはどうか、あの人と幸せになって ---
※ R-18 は保険です。
RICE WORK
フィッシュナツミ
経済・企業
近未来の日本、長時間労働と低賃金に苦しむ社会で、国民全員に月額11万円を支給するベーシックインカムが導入され、誰もが「生活のために働かなくても良い」自由を手にしたかに見えました。希望に満ちた時代が到来する中、人々は仕事から解放され、家族との時間や自分の夢に専念できるようになります。しかし、時が経つにつれ、社会には次第に違和感が漂い始めます。
『RICE WORK』は、経済的安定と引き換えに失われた「働くことの意味」や「人間としての尊厳」を問いかける物語。理想と現実の狭間で揺れる人々の姿を通して、私たちに社会の未来を考えさせるディストピア小説です。
夫から国外追放を言い渡されました
杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。
どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。
抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。
そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる