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魂喰い《ソウルイーター》H
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頭をかきながら、ベッドに腰を下ろす。
エテルノも布団を敷き直して、ちょこんと座った。
「つれないことを言うでない。恐らく今後もこうなる故な」
「おい」
「そなたにとっても悪くはないと思うがのう。妾のような絶世の美女と同じ部屋で寝られるのじゃぞ?」
「中身入れ替えてから出直してこい」
「どーゆー意味じゃそれは」
「まんまの意味だよって寒っ!?」
今度はもみあげだ。
相変わらず凍らせる場所が陰湿すぎる。
「つーか、そうカパカパ魔力使うなよな。いざって時使えなくなったらどうすんだよ」
「じゃ?」
「いやほら、精霊つっても無尽蔵に魔力がある訳じゃねーんだろ?」
「妾がいくら魔力を保存しても意味がないのじゃ。そもそもアレは、全部そなたの魔力を使ったものじゃからな」
「……は?」
なんだろう。
目の前の精霊の口からとんでも無い事実が告げられたような。
「今の妾は己の魔力を殆ど使えぬ。その代わりにそなたの魔力を使って術を行使しておるんじゃ。それがどうかしたのじゃ?」
「……一応聞いとくけど、俺がぶっ倒れたのって」
「逆行時計の使いまくったところに妾の精霊術、しかも『アブソリュートゼロ』じゃ。まあぶっ倒れるのは当然じゃな」
「あれ俺の魔力だったんかい! 結局他人任せかよ!」
「いいじゃろ別に! そなたの無駄にある魔力を有効活用してやったんじゃ! むしろ感謝するのが筋じゃろうが!」
「てめっ、開き直るたあ良い度胸だなオイ! 結局精霊として落第じゃねえか!」
「なんじゃとう!? 妾を愚弄するとは引き際を見誤りおったな愚物!」
と、子供みたいな取っ組み合いをすること数分。
みだりに精霊術を使わないように言い聞かせたが、果たして聞いてくれるかどうか。
「仕方なかろうよ。ああしないと妾の威厳が保てぬのじゃ」
「だから、元から無い物をどうやって保つってんだよ」
「きいいいいいいいい! アンデッドじゃからって調子に乗りおって!」
「アンデッドぉ? まあ、見方によっちゃそうかもしれねーけどさ……」
アンデッド。
不死者の総称であり、ゾンビや吸血鬼、デュラハンやリッチーなどとにかくおどろおどろしいイメージがつきまとうが、
「俺の体、何処も腐ってなくね?」
「性根は腐っとるじゃろ」
「シャラップ」
ぱっと見た限りでは、俺の体には何の異常も無い。
肉はどこも腐ってないし、首も繋がっている。
日光を浴びてもどうと言うことなんて確認するまでもない。
「単純に体が再生するってだけでアンデッド判定ってのは、いくらなんでも暴論すぎねーか?」
それはあくまで逆行時計の力だ。
アンデッドじゃなくて能力者って呼んで欲しいもんだぜ。
なぜならそっちの方がカッコいいからな。
「阿呆、それくらい心得ておるわ。愚物なそなたは知らぬじゃろうが、魂というのはモノによって色彩がある。人間であるならば青のはずなんじゃが、そなたの魂はアンデッドと同じ灰色じゃ」
魂の色とやらを見ることができるのは初耳だったが、エテルノは精霊だしそれくらい出来るんだろう。
「灰色の脳細胞ならぬ灰色の魂ってか。なんかちょっとカッコイイな」
「安心せい。そなたは常に無様じゃ」
どこに安心できる要素があるんだ?
「まあアンデッドの中でも、そなたは特にイレギュラー極まりないがのー」
「どう言うことだよそりゃ」
「高位のアンデッドには再生能力を有する輩が存在するが、そなたはそれらとも一線を画すものじゃ。でなければ、服ごと再生すると言う奇天烈な事象が発生することは無かろうよ」
「まあ、時間を巻き戻す訳だからな。特殊と言やあ特殊か」
ともあれ、逆行時計がまた使えるようになったのは悪い話では無い。
冒険者は他の業種と比べて死亡率が高いが、逆行時計をもってすればそのリスクはあってない
ようなものだ。
「その代わり、色々面倒事も抱える事になるんじゃがな。異端審問官共に目をつけられれば真っ先に浄化されるじゃろうし、聖水に藻掻き苦しむ。魔獣を殺しても強くはなれんしのう」
「まあ、それくらいのリスクは……おい待て。今なんつった」
「じゃから異端審問官に」
「もっと後だ」
「聖水に藻掻き」
「苦しんだ後だ!」
「魔獣殺しても強くなれぬ」
「はいそれ! どう言うことだよ!?」
「そなたも知っとるじゃろ。魔獣が死んだ時に放出される魔力を取り込むことで魂の練度を上げる……転生者共がレベルアップとかほざいとるアレじゃ」
倒した際に練度が上がるか否か。
それが魔獣が動物と区別させられる一番の理由。
レベルやスキルという言葉はこの世界に元々あった言葉では無い。
が、転生者達の影響で練度をレベルと読んだり祝福をスキルと呼んでも普通に通じる。
実際の所、転生者である俺は『練度を上げる』より『レベルアップ』と言われた方がしっくり
くるのだが、今はしっくり来ている場合なんかじゃない。
「ま、まさか……」
震える手で、メモリアを取り出す。
案の定、アーマタトゥを倒したのにも関わらず、そこに表示されたステータスはまるで変化が
生じていなかった。
「これ以上練度を上げることは不可能っちゅーことじゃな」
「ぐああああああああああああああああああああああ!」
残酷な現実が、容赦なく千草へと襲いかかる。
「冗談じゃねえぞ!? いつまで経っても弱いまんまってことじゃねえか!」
これでは、報酬金が高額なクエストを受けられない。
それすなわち、一生ビンボー生活が続いていくことに他ならない。
「筋トレと言う方法もあるがのう」
「非効率すぎるわ!」
「いっそのこと、冒険者を止めて他の仕事に就くというのはどうじゃ? その方がよっぽどマシな生活を送れるじゃろ」
「嫌だよ!」
「何故じゃ?」
「冒険者で大成功してハーレム作るのが俺の目標なんだよ! 百姓ハーレムとか聞いたこと無いだろ!?」
「そりゃ目標じゃなくて願望じゃろ俗物めが」
「うるへー、夢はでっかいほうがいいだろうが」
「そなたのような愚物如きがハーレムを作ろうと思うだけでも断頭台ものじゃ」
「なんでそこまでボロクソ言われなきゃなんないんだよ! そこまで酷い面じゃねえだろ俺!?」
「ほう? では聞くが、今までそなたに恋人はいたのじゃ?」
「ぐはっ」
生まれてこの方、彼女がいたことなぞ一秒足りとてありゃしねえ。
せっかく隣に超絶美少女の幼馴染みがいたのにも関わらず、である。
「確かに、ここはそなたが産まれたのとは違う世界じゃ。じゃが、それ故に異性に好かれると言う甘っちょろい理由にはならんじゃろ?」
別にエテルノは罵詈雑言を吐いている訳では無い。
ただ単に事実を述べているだけ。
でもな、事実ってのは人を容易く殺す凶器にもなるんだぜ。
「畜生……! なんで俺はモテないんだ……!」
「分かりきってることじゃろ。その外見を腐らせるくらいそなたの性根がアレだっただけのことじゃ」
「お前だけには言われたかねーよクソッタレー!」
うおーんと月に向かって吠え始めた俺を尻目に、エテルノはベッドに投げ出されたメモリアを手に取った。
「まったく、少しは身の程を弁えよっちゅー話じゃ……ぬ? おい千草、いい加減人間に戻らぬか」
「うおーん……あ? なんだよ。アンニュイな気分に浸っているのを邪魔するなよな」
「どこがアンニュイじゃ愚物め。それよりもほれ、この祝福に見覚えはないのじゃ?」
「……なんだこの祝福スキル」
神によって与えられた力とされている祝福スキルは、その種類も多岐にわたる。
その定義から見れば俺の『逆行時計』は祝福では無いと言うことになるが、ちゃっかりメモリアには記れていた。
けど、今注目するべきはそこじゃない。
逆行時計の下に記されてあった祝福スキル。
それは名前から詳細まですべてが塗りつぶされ、おまけに殆どかき消えていた。
「……あー、そうか」
そう言えば、一つ無くなっているスキルがあった。
「して、どんなスキルなのじゃ?」
「もう寝るぞ。明日もクエストに行くからな」
「スルー!? それくらい教えよ。気になるのじゃ!」
「――いいから、もう寝ろ。お前に知られる筋合いは無い」
自分でも驚くほどの、冷たい声。
「千草……?」
あ、ヤベ。
エテルノが呆然としてる。
「なーんてな、冗談冗談。『逃げ足』っつー腰抜け祝福スキルだよ。そんじゃ、お休み」
「……むう、なんか誤魔化された気がするのじゃ」
不満そうにしていたエテルノだったが、睡魔が襲ってきたらしく、くあっと欠伸をしながら布団の中へ潜り込んでいった。
灯りを消して、俺もベッドに倒れ込む。
「……まさか、アレが無くなってたなんてな」
本当だったら、真っ先に気付きそうなものだが、エテルノに指摘されるまで気付くことは無かった。
無意識の内に、あの祝福スキルの存在から目を逸らしていた結果だろう。
『魂喰い』が無くなったことに、確かに安堵している自分がいた。
ふと自分の手の平に視線を滑らせる。
月明かりに照らされた手はもちろん、血にまみれてなどいなかった。
エテルノも布団を敷き直して、ちょこんと座った。
「つれないことを言うでない。恐らく今後もこうなる故な」
「おい」
「そなたにとっても悪くはないと思うがのう。妾のような絶世の美女と同じ部屋で寝られるのじゃぞ?」
「中身入れ替えてから出直してこい」
「どーゆー意味じゃそれは」
「まんまの意味だよって寒っ!?」
今度はもみあげだ。
相変わらず凍らせる場所が陰湿すぎる。
「つーか、そうカパカパ魔力使うなよな。いざって時使えなくなったらどうすんだよ」
「じゃ?」
「いやほら、精霊つっても無尽蔵に魔力がある訳じゃねーんだろ?」
「妾がいくら魔力を保存しても意味がないのじゃ。そもそもアレは、全部そなたの魔力を使ったものじゃからな」
「……は?」
なんだろう。
目の前の精霊の口からとんでも無い事実が告げられたような。
「今の妾は己の魔力を殆ど使えぬ。その代わりにそなたの魔力を使って術を行使しておるんじゃ。それがどうかしたのじゃ?」
「……一応聞いとくけど、俺がぶっ倒れたのって」
「逆行時計の使いまくったところに妾の精霊術、しかも『アブソリュートゼロ』じゃ。まあぶっ倒れるのは当然じゃな」
「あれ俺の魔力だったんかい! 結局他人任せかよ!」
「いいじゃろ別に! そなたの無駄にある魔力を有効活用してやったんじゃ! むしろ感謝するのが筋じゃろうが!」
「てめっ、開き直るたあ良い度胸だなオイ! 結局精霊として落第じゃねえか!」
「なんじゃとう!? 妾を愚弄するとは引き際を見誤りおったな愚物!」
と、子供みたいな取っ組み合いをすること数分。
みだりに精霊術を使わないように言い聞かせたが、果たして聞いてくれるかどうか。
「仕方なかろうよ。ああしないと妾の威厳が保てぬのじゃ」
「だから、元から無い物をどうやって保つってんだよ」
「きいいいいいいいい! アンデッドじゃからって調子に乗りおって!」
「アンデッドぉ? まあ、見方によっちゃそうかもしれねーけどさ……」
アンデッド。
不死者の総称であり、ゾンビや吸血鬼、デュラハンやリッチーなどとにかくおどろおどろしいイメージがつきまとうが、
「俺の体、何処も腐ってなくね?」
「性根は腐っとるじゃろ」
「シャラップ」
ぱっと見た限りでは、俺の体には何の異常も無い。
肉はどこも腐ってないし、首も繋がっている。
日光を浴びてもどうと言うことなんて確認するまでもない。
「単純に体が再生するってだけでアンデッド判定ってのは、いくらなんでも暴論すぎねーか?」
それはあくまで逆行時計の力だ。
アンデッドじゃなくて能力者って呼んで欲しいもんだぜ。
なぜならそっちの方がカッコいいからな。
「阿呆、それくらい心得ておるわ。愚物なそなたは知らぬじゃろうが、魂というのはモノによって色彩がある。人間であるならば青のはずなんじゃが、そなたの魂はアンデッドと同じ灰色じゃ」
魂の色とやらを見ることができるのは初耳だったが、エテルノは精霊だしそれくらい出来るんだろう。
「灰色の脳細胞ならぬ灰色の魂ってか。なんかちょっとカッコイイな」
「安心せい。そなたは常に無様じゃ」
どこに安心できる要素があるんだ?
「まあアンデッドの中でも、そなたは特にイレギュラー極まりないがのー」
「どう言うことだよそりゃ」
「高位のアンデッドには再生能力を有する輩が存在するが、そなたはそれらとも一線を画すものじゃ。でなければ、服ごと再生すると言う奇天烈な事象が発生することは無かろうよ」
「まあ、時間を巻き戻す訳だからな。特殊と言やあ特殊か」
ともあれ、逆行時計がまた使えるようになったのは悪い話では無い。
冒険者は他の業種と比べて死亡率が高いが、逆行時計をもってすればそのリスクはあってない
ようなものだ。
「その代わり、色々面倒事も抱える事になるんじゃがな。異端審問官共に目をつけられれば真っ先に浄化されるじゃろうし、聖水に藻掻き苦しむ。魔獣を殺しても強くはなれんしのう」
「まあ、それくらいのリスクは……おい待て。今なんつった」
「じゃから異端審問官に」
「もっと後だ」
「聖水に藻掻き」
「苦しんだ後だ!」
「魔獣殺しても強くなれぬ」
「はいそれ! どう言うことだよ!?」
「そなたも知っとるじゃろ。魔獣が死んだ時に放出される魔力を取り込むことで魂の練度を上げる……転生者共がレベルアップとかほざいとるアレじゃ」
倒した際に練度が上がるか否か。
それが魔獣が動物と区別させられる一番の理由。
レベルやスキルという言葉はこの世界に元々あった言葉では無い。
が、転生者達の影響で練度をレベルと読んだり祝福をスキルと呼んでも普通に通じる。
実際の所、転生者である俺は『練度を上げる』より『レベルアップ』と言われた方がしっくり
くるのだが、今はしっくり来ている場合なんかじゃない。
「ま、まさか……」
震える手で、メモリアを取り出す。
案の定、アーマタトゥを倒したのにも関わらず、そこに表示されたステータスはまるで変化が
生じていなかった。
「これ以上練度を上げることは不可能っちゅーことじゃな」
「ぐああああああああああああああああああああああ!」
残酷な現実が、容赦なく千草へと襲いかかる。
「冗談じゃねえぞ!? いつまで経っても弱いまんまってことじゃねえか!」
これでは、報酬金が高額なクエストを受けられない。
それすなわち、一生ビンボー生活が続いていくことに他ならない。
「筋トレと言う方法もあるがのう」
「非効率すぎるわ!」
「いっそのこと、冒険者を止めて他の仕事に就くというのはどうじゃ? その方がよっぽどマシな生活を送れるじゃろ」
「嫌だよ!」
「何故じゃ?」
「冒険者で大成功してハーレム作るのが俺の目標なんだよ! 百姓ハーレムとか聞いたこと無いだろ!?」
「そりゃ目標じゃなくて願望じゃろ俗物めが」
「うるへー、夢はでっかいほうがいいだろうが」
「そなたのような愚物如きがハーレムを作ろうと思うだけでも断頭台ものじゃ」
「なんでそこまでボロクソ言われなきゃなんないんだよ! そこまで酷い面じゃねえだろ俺!?」
「ほう? では聞くが、今までそなたに恋人はいたのじゃ?」
「ぐはっ」
生まれてこの方、彼女がいたことなぞ一秒足りとてありゃしねえ。
せっかく隣に超絶美少女の幼馴染みがいたのにも関わらず、である。
「確かに、ここはそなたが産まれたのとは違う世界じゃ。じゃが、それ故に異性に好かれると言う甘っちょろい理由にはならんじゃろ?」
別にエテルノは罵詈雑言を吐いている訳では無い。
ただ単に事実を述べているだけ。
でもな、事実ってのは人を容易く殺す凶器にもなるんだぜ。
「畜生……! なんで俺はモテないんだ……!」
「分かりきってることじゃろ。その外見を腐らせるくらいそなたの性根がアレだっただけのことじゃ」
「お前だけには言われたかねーよクソッタレー!」
うおーんと月に向かって吠え始めた俺を尻目に、エテルノはベッドに投げ出されたメモリアを手に取った。
「まったく、少しは身の程を弁えよっちゅー話じゃ……ぬ? おい千草、いい加減人間に戻らぬか」
「うおーん……あ? なんだよ。アンニュイな気分に浸っているのを邪魔するなよな」
「どこがアンニュイじゃ愚物め。それよりもほれ、この祝福に見覚えはないのじゃ?」
「……なんだこの祝福スキル」
神によって与えられた力とされている祝福スキルは、その種類も多岐にわたる。
その定義から見れば俺の『逆行時計』は祝福では無いと言うことになるが、ちゃっかりメモリアには記れていた。
けど、今注目するべきはそこじゃない。
逆行時計の下に記されてあった祝福スキル。
それは名前から詳細まですべてが塗りつぶされ、おまけに殆どかき消えていた。
「……あー、そうか」
そう言えば、一つ無くなっているスキルがあった。
「して、どんなスキルなのじゃ?」
「もう寝るぞ。明日もクエストに行くからな」
「スルー!? それくらい教えよ。気になるのじゃ!」
「――いいから、もう寝ろ。お前に知られる筋合いは無い」
自分でも驚くほどの、冷たい声。
「千草……?」
あ、ヤベ。
エテルノが呆然としてる。
「なーんてな、冗談冗談。『逃げ足』っつー腰抜け祝福スキルだよ。そんじゃ、お休み」
「……むう、なんか誤魔化された気がするのじゃ」
不満そうにしていたエテルノだったが、睡魔が襲ってきたらしく、くあっと欠伸をしながら布団の中へ潜り込んでいった。
灯りを消して、俺もベッドに倒れ込む。
「……まさか、アレが無くなってたなんてな」
本当だったら、真っ先に気付きそうなものだが、エテルノに指摘されるまで気付くことは無かった。
無意識の内に、あの祝福スキルの存在から目を逸らしていた結果だろう。
『魂喰い』が無くなったことに、確かに安堵している自分がいた。
ふと自分の手の平に視線を滑らせる。
月明かりに照らされた手はもちろん、血にまみれてなどいなかった。
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