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1章
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うう、今回のビアンカとのお茶会は大変だったな。ちょっと相談しただけなのに、なんかめちゃくちゃ根掘り葉掘り聞かれたし。ジョシュアからすごく心配されたけど、それはなんとか誤魔化すことができた。
それに、収穫もあったし。
夕ご飯も終わり、お風呂にも入って、あとは寝るだけになった頃。自分の部屋で、僕は目の前にある茶色の塊をじっと見つめた。
「これ……レッサーパンダ?」
ビアンカからこっそり貰ったのは、腕にすっぽり収まるくらいのぬいぐるみだった。どうやらビアンカ特製らしい。ふわふわだし、あったかいし、抱きしめると気持ちがいい。
空想上の生き物だと言われたけど、現世では普通に動物園で見ることができた。この世界は僕が生きていた世界と少し違うみたい。まあ、魔法が使える時点で違うのは当たり前か。
「光属性の練習にどうぞ、って言われてもなぁ。光魔法なんて最上級魔法だよ」
上位魔法の氷魔法さえ上手く使えないのに。そのさらに上、限られた人しか使えないと言われている光魔法なんて。
今の僕にはまだまだ遠いところにある。
「このレッサーパンダに光魔法を上手に注げたら、真の力を発揮する。こんなアイテム、ドキサバにあったかなぁ?」
無限とも言えるほどのやり込み要素が売りのドキサバを何百時間もやり込んだけれど。こんなアイテム、一度も見たことがない。もしかして隠し要素? でも、ゲームはジョシュアが成人してからのお話がメインだし、この時代のストーリーって本当にちょっとしかない。
だから取りこぼしている可能性もあるけど、そうだとしても目の前にある高い高い壁は変わりようがない。
「光魔法の前に、まずは氷魔法だ!」
「何がですか?」
「ひょあああ!」
力強く意気込んだ直後、いきなりドアが開けられた。そこにはもちろん、ジョシュアが寝る支度をして立っている。
うわわ、聞かれちゃったかな。
「ノックしてよ!」
「しましたよ。声もかけたけど、一人でぶつぶつ言っていたから勝手に入りました」
「もう! びっくりしたでしょ!」
危ない危ない、僕がこっそり書いている作戦ノートはちゃんと机の引き出しに隠している。怪しいことは何もない、はず。
氷魔法とか光魔法とかは聞かれたかもしれないけど、それは僕の目標ってことで誤魔化すことができるはず。
「それ、なんですか?」
「あ、これ? ビアンカがくれたの。光魔法の訓練に使えるんだって」
「ああ、なるほど。光魔法は魔力のコントロールが難しいですからね」
ふう、なんとか誤魔化せた。
「お名前はあるんですか?」
「へ? 名前?」
「ええ。せっかくだし、お名前をつけてあげたらどうですか?」
ふうむ。なるほど、確かにそうだなぁ。ぬいぐるみだけど、名前をつけたら愛着も湧くだろうし。
愛着が湧いたら、魔法の修行も頑張れるかも。
何がいいかな。せっかくだから可愛いのがいいなぁ。この子、体が茶色くて丸々しているから。
「みたらし?」
「え? なんですか、それ」
「あー! えっと」
しまった、この世界にみたらし団子はないんだった!
うーん、うーん。
あ、そうだ!
「ミーティア! ミーティアはどう?」
英語で、流星って意味。ちょっとおしゃれだし、みーちゃんって呼べばみたらしの面影を感じられる気がする。
「いいですね、素敵な響きです」
「でしょ? えへへ、よろしくね、ミーティア!」
こうして、僕の元にふわふわで可愛いミーティア(本名みたらし)がやってきた。
この子が僕の強い味方になってくれるんだけど、それはまだまだ先の話。
それに、収穫もあったし。
夕ご飯も終わり、お風呂にも入って、あとは寝るだけになった頃。自分の部屋で、僕は目の前にある茶色の塊をじっと見つめた。
「これ……レッサーパンダ?」
ビアンカからこっそり貰ったのは、腕にすっぽり収まるくらいのぬいぐるみだった。どうやらビアンカ特製らしい。ふわふわだし、あったかいし、抱きしめると気持ちがいい。
空想上の生き物だと言われたけど、現世では普通に動物園で見ることができた。この世界は僕が生きていた世界と少し違うみたい。まあ、魔法が使える時点で違うのは当たり前か。
「光属性の練習にどうぞ、って言われてもなぁ。光魔法なんて最上級魔法だよ」
上位魔法の氷魔法さえ上手く使えないのに。そのさらに上、限られた人しか使えないと言われている光魔法なんて。
今の僕にはまだまだ遠いところにある。
「このレッサーパンダに光魔法を上手に注げたら、真の力を発揮する。こんなアイテム、ドキサバにあったかなぁ?」
無限とも言えるほどのやり込み要素が売りのドキサバを何百時間もやり込んだけれど。こんなアイテム、一度も見たことがない。もしかして隠し要素? でも、ゲームはジョシュアが成人してからのお話がメインだし、この時代のストーリーって本当にちょっとしかない。
だから取りこぼしている可能性もあるけど、そうだとしても目の前にある高い高い壁は変わりようがない。
「光魔法の前に、まずは氷魔法だ!」
「何がですか?」
「ひょあああ!」
力強く意気込んだ直後、いきなりドアが開けられた。そこにはもちろん、ジョシュアが寝る支度をして立っている。
うわわ、聞かれちゃったかな。
「ノックしてよ!」
「しましたよ。声もかけたけど、一人でぶつぶつ言っていたから勝手に入りました」
「もう! びっくりしたでしょ!」
危ない危ない、僕がこっそり書いている作戦ノートはちゃんと机の引き出しに隠している。怪しいことは何もない、はず。
氷魔法とか光魔法とかは聞かれたかもしれないけど、それは僕の目標ってことで誤魔化すことができるはず。
「それ、なんですか?」
「あ、これ? ビアンカがくれたの。光魔法の訓練に使えるんだって」
「ああ、なるほど。光魔法は魔力のコントロールが難しいですからね」
ふう、なんとか誤魔化せた。
「お名前はあるんですか?」
「へ? 名前?」
「ええ。せっかくだし、お名前をつけてあげたらどうですか?」
ふうむ。なるほど、確かにそうだなぁ。ぬいぐるみだけど、名前をつけたら愛着も湧くだろうし。
愛着が湧いたら、魔法の修行も頑張れるかも。
何がいいかな。せっかくだから可愛いのがいいなぁ。この子、体が茶色くて丸々しているから。
「みたらし?」
「え? なんですか、それ」
「あー! えっと」
しまった、この世界にみたらし団子はないんだった!
うーん、うーん。
あ、そうだ!
「ミーティア! ミーティアはどう?」
英語で、流星って意味。ちょっとおしゃれだし、みーちゃんって呼べばみたらしの面影を感じられる気がする。
「いいですね、素敵な響きです」
「でしょ? えへへ、よろしくね、ミーティア!」
こうして、僕の元にふわふわで可愛いミーティア(本名みたらし)がやってきた。
この子が僕の強い味方になってくれるんだけど、それはまだまだ先の話。
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