とら×とら

篠瀬白子

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飛び散った鮮血がシーツに染みた。
俺は必死に体を丸めて、できるだけ大事にならないよう、いるかも分からない神様にただ祈っている。

力強く恐ろしい罵声が耳を刺すと、その次の衝撃を予想すると同時に背中を蹴られた。

痛い、とか。
怖い、とか。

もうそんなん当たり前で、ただただ事が終わることを待っていた。


――それが、唯一覚えている親父の記憶だった。


話は変わるが、俺、朝日向小虎(あさひなことら)の親父は中学卒業と同時に他界した。
これでやっと解放される、俺は自由だ――それが親父の死を知ったときの俺の感想である。

最低? 最悪? 知ったことか。

万々歳! 万々歳!
これからの俺の人生は光り輝く自由な世界だ!

とか思っていたら。


「今日からここに住め」


両親が離婚した際、離ればなれになった兄に引き取られたのである。
これが優しい兄であったのなら俺だって2LDKの部屋に鍵をつけ、ひたすらに閉じこもることもなかった。

なぜって……両親が離婚した理由というのが、今や唯一の血縁者となった兄の暴力だったからなのである。

――ガンッ!

朝から大きな物音を立てて、ヤニで汚れた壁に俺の体は打ち付けられる。
一番打撃面積の広い肩からは刺すような痛みが広がった。


「俺がいるときに出てくんな、目障りなんだよ」


金髪サイドバックの髪型をばっちり決め、同じ親から生まれたとは思えない恐ろしく整った顔に闇を宿らせながら、兄はそう言った。
俺は返事をする元気もなく、ただただその端正な顔を眺め、必死に浅い呼吸を繰り返す。
それが勘に触ったのか、兄は舌打ちをこぼすなりさっさと玄関から出て行った。


「……はぁ」


兄が消えて空気が軽くなった部屋でため息をこぼす。

――親父とお袋は別に仲の悪い夫婦ではなかった。らしい。
だけど兄の非行から、その仲は一変した。
親父は兄の存在を早々に否定し、嫌うことで自分のプライドなんかを守ろうとしたが、お袋は兄を見放すことなく、最後まで必死に面倒を見続けた。
……たとえ、家庭内暴力があったとしても、だ。

『本当は悪い子じゃないんです』
『ただ、ちょっと不器用なだけで』
『だって、毎日帰って来てくれるんです』

そんな言葉を壊れたラジオのように繰り返していたらしい。

だがそんなお袋にも限界はあった。それは精神的でも金銭的でもない。そう、肉体的に、だ。
もともとキャリアウーマンで高給取りだったお袋はぶっ倒れたのだ。原因は疲労。

それを機に入院したものの、自分が働かなければ兄を食わせていけないと、ふらつく足取りのまま仕事を続けた。
……それがいけなかった。お袋は信号待ちの横断歩道で軽い貧血を起こし、車道のほうへと倒れる。運悪くやって来たのは大型トラック。

親類たちは一様に兄を責めた。お前が母親を殺したのだ、と。

そしてお袋の葬式にすら現れなかった兄は、以前よりその凶暴な性格に磨きをかけた……らしい。

というのも、それらはすべて兄を忌み嫌う親類たちに聞かせてもらった話であり、真実かどうかも分からない。
なんせ、俺はお袋の葬式にすら呼ばれなかったのだから。

お袋と兄が俺の知らないところで暮らしていたように、俺もまた、親父と誰も知りえない生活を繰り返していたのだから。
酒と煙草と罵声と、表面だけのいい親父から受ける――家庭内暴力の日々を。


◇◇◇◇◇


「足は一点、腕は二点、腹と背中は三点で、顔面は最高得点百点満点!」


ぎゃははは、汚らしい笑い声が教室の中に響いている。
俺は黒板のほうを必死に向く教師の背中に消しゴムやシャーペン、火のついた煙草が飛んでいくのを眺めていた。

俺と兄が通う高校は馬鹿と不良を集めたような場所で、そこでは生徒が絶対であり、教師たちはイジメにより一ヶ月も持たない……などと言われるほどの最低な学校だった。
実際、一ヶ月で辞めるやつもいれば、何年も続けるやつだっている。しかし世の中というのは悪評のほうが人の耳に残りやすく、風に乗るよりも早く伝わってしまうものだ。

つい先日辞めた教師の代わりに赴任してきた英語の教師の震える肩を眺め、俯く。

馬っ鹿みたい。どいつもこいつも、馬っ鹿みたい。


「つーかてめぇよぉ、早くこっち向けっつーの。百点取るまで終わんねーんだからよー」


クラスの誰かがそう言うが、英語の教師がその言葉でこちらを振り向くはずもなく、痺れを切らした数人が教師の腕を掴み、廊下へと出ていく。
すぐに叫び声や笑い声がして、俺は見てもいない廊下でなにが行われているのかを理解した。

この高校は……暴力が絶対なのだ。

親父の死を境にこの高校に転入してきた俺も当初はその対象だった。
しかしいくら殴ろうが蹴ろうが声も上げず、抵抗すらしない俺の反応がつまらなかったのか、生徒たちはすぐ俺から違う人へ標的を変えたのである。
新しい標的には悪いが、助かったと思う。


「トラちゃんトラちゃん」
「ん? あぁ……なに?」


俯いたまま寝てしまったのか、いつの間にか昼になっていた教室はクラスメートもまばらに、みな惣菜パンやコンビニ弁当を広げて談話している。
俺は声をかけてきた人物のほうに顔を向け、眠い目を擦った。


「あんね、ここの敵の倒し方分かんないの」
「どれ? ……あー、これはさ、五回体当たりしてきたら下にくるから、体当たりを避けて、下にきたときに集中攻撃すりゃいいよ」
「んー、分かった。さんきゅーね」
「んー」


俺のアドバイスを聞き、すぐゲームに集中し始めたそいつをしばらく眺め、思い出したように鞄から弁当を取り出す。コンビニで買っておいたお茶を飲みながら、弁当を開けた。


「また弁当? 手作りだっけ? すごいよねー、俺料理できる人って尊敬する」
「……それじゃあ大抵の人間はお前に尊敬されるな」
「えー? 女は別だよ?」
「それでも、だ。料理くらいできる男がこの世に何万人いると思ってんだよ。最近の男はなー、料理教室にまで通ってんだぞ」
「マジー? なにそれすげくね? 俺無理なんだけど」


手に持った懐かしのGBから視線を外すことなく、隣の席である内山は楽しそうに笑う。
俺はそんな内山を横目で見ながら黒板にでかでかと描かれた作者不明の巨乳ねーちゃんのらくがきを見た。
くびれすぎだろ、キモいわ。


「つーかトラちゃんバイトの面接どーだったの?」
「あー……ダメだった」
「またぁ? ぎゃははっ! ここまで来るとうける!」
「……俺は全然面白くないんだけどな」


敵を倒すことに成功したのか、内山は片手でガッツポーズを取るやいなやGBから視線を外し、俺のほうへとニヤついた顔を向けた。


「だってさぁー、トラちゃんがことごとく面接落ちる理由って、玲央さんのせいっしょー?」
「……まぁ、な」


玲央(れお)――朝日向玲央、俺の実の兄であり、この高校の最高権力者。そして……県内一の不良チームのトップである男のことだ。

この男のせいで俺は面接に落ちている。それはなにも皮肉などではなく、事実だ。
面接にて兄と名字が同じだと軽く言葉を交わし、もしかして知り合い? みたいに聞かれてしまえば、俺は濁しながらでも「えぇ……まぁ……」なんて答えるしかない。
それを聞いた途端、面接官たちは顔を青くし接客スマイルにもなっていないそれを浮かべながら言うのだ。


『そ、そうなんだー……あはは』


そして後日、電話にて伝えられる言葉はいつも一緒。今回はご縁がなかったということで。

馬鹿みたいな話だが、兄はそれほどまでにこの街で最悪な存在として畏怖されている。
少し道を歩いただけで人垣は某神話のように割れるし、肩がぶつかっただけで土下座までしたのに殴られるし、可愛い女の子たちはこぞって股を開く。
極道なんかと喧嘩をしても構わず外を歩いていられるのは、全国でもトップに近い極道の若頭だとかに気に入られているからだ。……なんて噂もあるくらいだ。


「じゃあさー、トラちゃんに朗報」
「あ? なんだよ急に」
「いやいや、これが耳寄りな情報なんですよ、へへへ」
「内山……怪しすぎるんだけど」


両手をすり合わせて笑う内山を一蹴するが、彼は気にするでもなく一枚のビラを取り出した。


「……さくら?」
「そ! 時代はいまやさくらですよ! お兄さん!」


どこぞのキャッチみたいな大袈裟な言い振りをする内山に数人のクラスメートたちが怪訝な目を向けていたが、当の本人は気にするでもなく俺の顔面にビラを押し付ける。


「募集人数はたったの二人! ――つーわけで、俺と応募しよ?」
「……」


つまり俺はついでかよ。
心の中でぼそりと呟き、それでも職が欲しい俺は頷いた。

放課後、俺はスキップでもしそうな勢いのある内山に腕をがっちり掴まれたまま、面接先であるバー、カシストに向かっていた。途中で不良らしき男たちに絡まれたりもしたが、それらはすべて内山の手により夢の中……いや、地獄の果てまで飛ばされた。

迷いのない足取りの内山は怪しげなビルの中へと入り、そのままエレベーターに俺を押しこめる。
上に行くのかと思いきや行先はB4という不吉な地下で、エレベーターの扉が開くと、そこはワンフロア吹き抜けの静かなバーだった。


「仁さーん! 面接来ちゃいましたー!」
「あ? 雄樹(ゆうき)? お前マジで来たのかよ」


入ってすぐ左に位置する黒いカウンターの向こうで、煙草をくわえた黒髪短髪の強面な男が呆れたように内山を見る。
その視線がすぐ俺のほうへ向けられたりもしたが、男は煙草を灰皿に捨てると、手慣れた手つきでグラスを二つ取り出し、水を入れ、カウンターに置いた。


「ま、とりあえず面接してやるよ。座れ」


はーい! なんて元気な返事をする内山に続いてカウンターチェアに腰を下ろす。
目立たないように視線だけで店内を見回すが、青と紫のライトだけが光となった静かなバーでしかなかった。


「で、お前は?」
「トラちゃんって言うんだよ。朝日向小虎」
「朝日向……? おいおい、まさか玲央の弟とか?」
「すごーい! 仁さん大正解!」


思わずブッと吹き出しそうになる。
俺がことごとく面接に落ちる理由を真っ先に明かしやがった内山を睨むが、彼は気にするでもない笑みを仁とやら男に向けていた。
そっと男に視線を移せば、彼は品定めでもしているようなじっとりとしたそれを俺に向ける。


「ふーん……案外似てないもんだなぁ、兄弟ってのは」
「そうなんだよねー。トラちゃんって玲央さんと全然似てないの。あははっ! おっかしー!」


内山、とりあえずお前のテンションが高いことは分かった。分かったからとりあえずデコピンさせてくれ。一発でいいから。


「ま、そんなんどうでもいいけどさ、バイトしたことあんの? えーと、小虎くん?」
「えっ!? あ、いやっ、ない……です」
「そうなんだ? まー、あの兄がバックとなりゃそりゃバイトすんのも難しいよな。ははっ」
「……すみません」
「ん? なんで君が謝んの? 悪いのは玲央のほうだろ」


男……仁さんはきょとんとした目を俺に向け、すぐに微笑む。
俺はといえば初めて受ける対応にただ目を丸くして、信じられないような瞳を仁さんに向けていた。隣に座る内山が「見つめあってるぅー」とかほざくと、仁さんは内山にデコピンを繰り出す。

……なんか、兄弟みたいだな。


「じゃ、採用。なんかトラくんって人畜無害そうだし」
「え!?」


信じられない言葉に立ち上がる。しかし仁さんはその強面の姿からは想像できないような柔らかな笑みを浮かべ、


「ま、せいぜいしっかり働いてくれよ?」


なんて言ってくれたのだ。


その翌日から、俺と内山は仁さんがマスターを務めるバー、カシストで働くことになった。

可笑しな話だが、仕事内容というのが上の階にあるクラブやバーに行き、そこにいる客をカシストに流す……なんていうものだった。それはさくらとは違うのではないかと思ったのだが、仁さんいわく「とりあえず客入り悪くてよー。ま、頑張ってくれや」である。
詳しく聞けば、俺に見せてきたビラはなんと内山の手作りらしく、この世にたった一枚しかないんだよ? とか自慢していたが、俺からしてみればアホのような話でしかなかった。

とにかく、だ。

仁さんは客が欲しいらしく、内山はそれを助けたいらしく、俺は働きたい。つーか金を稼ぎたい。

そんな三人が意気投合するのは時間の問題でもなんでもなかったという訳である。


「んじゃ説明ね。B1、B2のバーも仁さんみたいに人を使って客の呼び込みしてんの。でもさぁ、B3のクラブがさぁ……そりゃもー、信じられないくらい人で溢れてて~」
「つまりそのクラブの客をカシストに流せばいいんだな?」
「そういうことー」


教室にて作戦会議なるものをする俺と内山は、またもや内山手作りの変ならくがきだらけの紙を見ながら確認し合う。クラブの名はデスリカ。恐ろしいことに兄が総長を務めるチームの溜まり場でもあった。


「でもさぁ、しゃーないよね~。玲央さんたちの溜まり場だもん。女とか超集まってくんのはさー」
「いや、知らねーけど」
「ん、まぁいいけど。とにかく頑張ろー」
「おー」


なんとも互いにやる気もくそも感じられない返事である。

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