46 / 47
43、隆登sibe〔1〕
しおりを挟む
ふわりとかおる心地よい香り。
この香りのままに、本能のままに行動できたらどれぼど楽なのか。
そんなこと分かってる。
だけど、那央も抗おうとしているものに簡単に屈したくはない。
その矜持だけでここまで耐えてこられた。
那珂都「いいかげんに、堕ちろよ?」
「はっ、誰が!」
遠矢「那珂都、記憶が戻る前からこいつは反抗的だっただろ」
徠斗「反抗的なのは、記憶がどうこうだからではなく、元からの性格がそういう本質だったということでしょうね」
こんなふうに、会話をしやがるこいつらには心底腹が立つ。
フェロモンを俺に集中的に向けてくる。
そのせいで、俺の周りはアルファのフェロモンだらけ。
発情期が今にも来そうになるのを気持ちで抑える。
あれは一度きたら、頭も何もかもがまわらなくなっておかしくなる。
徠斗「ふぅ、にしてもなかなか発情期に入りませんね。
…もう少しでしょうか?」
遠矢「本当か?」
徠斗「ええ、もうすぐですね」
俺を発情期に突入させて、俺を囲うこもうとするこいつらのどこが優しいんだか。
記憶がなくなったあの頃の俺は間違いなく世間知らずで馬鹿な野郎だ。
クソッ、胸糞悪い!
那珂都「もう一息だな」
ブワッと、香りが強くなり俺を包む様にまとわりついてくる。
「やめろっ!
っ俺は発情期になんかなりたくねぇ!」
那珂都「発情に入れば俺が相手して楽にしてやるのによ?」
「そんなもんいらん!!
どうせ、おかしくなった俺を好きなようにするんだろ?
変態だな」
はっ、と煽り笑ってやる。
これで少しでも取り乱してくれれば万々歳だが…
那珂都「変態だと?失礼な」
遠矢「躾がなっていないな。
コレを機にきちんと躾なければ」
発情期に入った奴を襲うバカを変態と言わなくてなんと言うんだ。
「結局は、俺を襲うんだろうが」
徠斗「間違ってはいませんよ。
ですが、それは最初だけです。
その後は貴方が我々に媚を売り、強請ってくるはめになるんですから」
そんなこと、鼻で笑ってやった。
◆◆◆◆
隆登視点で描いてみました。
私的には、気弱なイメージがある那央よりも強気で言葉遣いが荒い隆登の方が書くのは楽なんですよね。
この香りのままに、本能のままに行動できたらどれぼど楽なのか。
そんなこと分かってる。
だけど、那央も抗おうとしているものに簡単に屈したくはない。
その矜持だけでここまで耐えてこられた。
那珂都「いいかげんに、堕ちろよ?」
「はっ、誰が!」
遠矢「那珂都、記憶が戻る前からこいつは反抗的だっただろ」
徠斗「反抗的なのは、記憶がどうこうだからではなく、元からの性格がそういう本質だったということでしょうね」
こんなふうに、会話をしやがるこいつらには心底腹が立つ。
フェロモンを俺に集中的に向けてくる。
そのせいで、俺の周りはアルファのフェロモンだらけ。
発情期が今にも来そうになるのを気持ちで抑える。
あれは一度きたら、頭も何もかもがまわらなくなっておかしくなる。
徠斗「ふぅ、にしてもなかなか発情期に入りませんね。
…もう少しでしょうか?」
遠矢「本当か?」
徠斗「ええ、もうすぐですね」
俺を発情期に突入させて、俺を囲うこもうとするこいつらのどこが優しいんだか。
記憶がなくなったあの頃の俺は間違いなく世間知らずで馬鹿な野郎だ。
クソッ、胸糞悪い!
那珂都「もう一息だな」
ブワッと、香りが強くなり俺を包む様にまとわりついてくる。
「やめろっ!
っ俺は発情期になんかなりたくねぇ!」
那珂都「発情に入れば俺が相手して楽にしてやるのによ?」
「そんなもんいらん!!
どうせ、おかしくなった俺を好きなようにするんだろ?
変態だな」
はっ、と煽り笑ってやる。
これで少しでも取り乱してくれれば万々歳だが…
那珂都「変態だと?失礼な」
遠矢「躾がなっていないな。
コレを機にきちんと躾なければ」
発情期に入った奴を襲うバカを変態と言わなくてなんと言うんだ。
「結局は、俺を襲うんだろうが」
徠斗「間違ってはいませんよ。
ですが、それは最初だけです。
その後は貴方が我々に媚を売り、強請ってくるはめになるんですから」
そんなこと、鼻で笑ってやった。
◆◆◆◆
隆登視点で描いてみました。
私的には、気弱なイメージがある那央よりも強気で言葉遣いが荒い隆登の方が書くのは楽なんですよね。
40
お気に入りに追加
281
あなたにおすすめの小説
平凡な俺、何故かイケメンヤンキーのお気に入りです?!
彩ノ華
BL
ある事がきっかけでヤンキー(イケメン)に目をつけられた俺。
何をしても平凡な俺は、きっとパシリとして使われるのだろうと思っていたけど…!?
俺どうなっちゃうの~~ッ?!
イケメンヤンキー×平凡
同室の奴が俺好みだったので喰おうと思ったら逆に俺が喰われた…泣
彩ノ華
BL
高校から寮生活をすることになった主人公(チャラ男)が同室の子(めちゃ美人)を喰べようとしたら逆に喰われた話。
主人公は見た目チャラ男で中身陰キャ童貞。
とにかくはやく童貞卒業したい
ゲイではないけどこいつなら余裕で抱ける♡…ってなって手を出そうとします。
美人攻め×偽チャラ男受け
*←エロいのにはこれをつけます
俺が総受けって何かの間違いですよね?
彩ノ華
BL
生まれた時から体が弱く病院生活を送っていた俺。
17歳で死んだ俺だが女神様のおかげで男同志が恋愛をするのが普通だという世界に転生した。
ここで俺は青春と愛情を感じてみたい!
ひっそりと平和な日常を送ります。
待って!俺ってモブだよね…??
女神様が言ってた話では…
このゲームってヒロインが総受けにされるんでしょっ!?
俺ヒロインじゃないから!ヒロインあっちだよ!俺モブだから…!!
平和に日常を過ごさせて〜〜〜!!!(泣)
女神様…俺が総受けって何かの間違いですよね?
モブ(無自覚ヒロイン)がみんなから総愛されるお話です。
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
配信ボタン切り忘れて…苦手だった歌い手に囲われました!?お、俺は彼女が欲しいかな!!
ふわりんしず。
BL
晒し系配信者が配信ボタンを切り忘れて
素の性格がリスナー全員にバレてしまう
しかも苦手な歌い手に外堀を埋められて…
■
□
■
歌い手配信者(中身は腹黒)
×
晒し系配信者(中身は不憫系男子)
保険でR15付けてます
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる