α様に囲われて独立が出来ません！

40、願いは簡単には叶わない

　人は、嫌なことがあると精神に異常をきたしてしまうことがあるらしい。
　ならば、僕もそうなりたい。
　そうすれば多分、起きても辛くなさそうだから。
　隆登と離されたことも、これから起こるであろう恐ろしいことも…
　でも、そう簡単に現実は変わらない。
　変わってしまえば楽だけれど、夢や希望も簡単に成ってしまうかもしれない。
　そうなれば夢や希望もえがくことなく、真っ白い世界になってしまうだろうから。
　だから、普段はそう簡単に叶わなくて良い。
　けれど、今だけ。
　今だけ、叶えて。
　お願い、そう望んでしまう。
　あぁ、眩しい。
　きっと、もう朝だ。
　意識が浮上していく。
李聖「起きた？那央」
熾「目が覚めたか。
　さぁ、これからのことを決めようか」
　分かってる。
　きっと、今の僕には拒否権なんてない。
　望まれたままにするしかない。
千里「まぁ、まぁ、那央がコワがるだろう？
　那央、まず前提としてだけど、しばらく外には行かせないよ」
　あの頃のぼっーとしていた時とは違う。
　僕だって、いろんなことを学んだし、知った。
蒼也「しばらくではないだろ？
　番になるまでだ。
　しっかり項を噛んで、俺達のモノだと理解したら外に行くのも許してやる」
李聖「それまで、お利口にしていなきゃ駄目だよ？
　そうじゃないとあの成って子と同じようになるよ？」
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