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31、明日〔1〕

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 明日は、僕と隆登にとってとてもとても大切な日だ。
 なぜかって?
 それは、明日は外で遊ぶ日、つまり家出を決行する日だ。
 もう機会はないかもしれない。
 だから、明日にかけるんだ。
 そう、意気込みをしていると隆登から電話がかかってきた。
隆登「那央…今いいか?」
 なんだか隆登にしては弱気な、元気がない声だ。
「うん、良いよ。
 …隆登、元気ない?」
隆登「いや、ただ明日を思うと、な?
 失敗は出来ない。
 だからこそ怖い。
 もし、失敗したら…ってな」
「それは僕も一緒だよ」
 これまで計画を練ってきた。
 でも、僕達の運命の番達はアルファだ。
 しかも、最高位の。
 権力も財力も全部持ってる。
 僕達には彼らに勝てるものなんてない。
 だから、捕まったら…
 そう考えてしまう。
 でも…
「ここまで頑張ってきたじゃん。
 僕ね、考えたんだ。
 よく考えてみれば、意外と簡単なことだった。
 ちょっと家出するだけ。
 いつかここには帰ってくることになる。」
 そう、いつかここに帰ってくることになる。
 それは自分達から望んでなのか、それとも捕まってなのか。
 どちらかはまだ僕にはわからない。
「いつか…捕まるかも、しれない。
 それが今か、遅いか違うだけ。
 だからそんな重く考えなくても良いんじゃないかなぁ。」
 スマホから隆登の笑い声が聞こえてくる。
隆登「そっか、そうだよな。
 いずれはここに帰って来なきゃなんないんだもんな。」
 その言葉で僕達オメガはどれほど無力で、アルファに頼って生きていくしかできないのか、うっすらと認識させられた気がした。
◆◆◆◆
 久しぶりの投稿です。
 本番になったら強い那央と弱い隆登。
 何気に那央の方が芯が強いのかも?しれませんね。
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