隠れSubは大好きなDomに跪きたい

友達

とうとう昼の時間。今日は高橋くんを2人に紹介しなくちゃいけない。


(はぁ、高橋くんを紹介するの嫌だな。)


「千鶴お昼行こー！」
「おう。そいえばさ、高橋くん今日お昼来るって。」
「マジで！」
「うん。先に2人には言っておくけど、本当に高橋くんは噂みたいな悪い子じゃないから、失礼なことは言わないように。」
「わかってるって。ハイランクだからSubにも影響するって聞いた時はびびったけどな。」
「高橋くん傷ついちゃうから、怖がったりもしないでね。」
「分かってるよ！だって、千鶴が声かける前から無理して頑張ってたんでしょ？それが本当ならいい子だよね。」
「初めて話すな、ちょっと緊張。でも今日は俺らで千鶴の仮パートナーに相応しいか見極めるんだ！」
「あ！」
「なんだそれ、2人とももしかして最初からその気で、！」
「ごめんね千鶴！でもほんとに心配だったの！騙されてるかもしれないし、、、。」
「悪かったよ、、、。でもやばいやつだったら、千鶴が大変だと思ってさ。」


俺がざっとしか説明してなかったせいで、2人に無駄な心配をかけていたようだ。2人の気持ちはもちろん嬉しい。でもそれで高橋くんが傷つくことがあってはいけない。仮とはいえども彼は俺のパートナー。守るべきものに変わりはない。


「俺の説明不足で心配かけたな。でも本当にいい子だから、怖がらないであげてな。」
「うん、じゃあ俺ら先行ってるな。」
「あとでね！」






高橋くんのクラスに行くと、机で1人弁当を抱えて座っていた。


「高橋くん、行こっか？」
「！おう。」


声をかけると、かすかに微笑んで、控えめに俺の後ろを歩いてくる。


「緊張する?」
「ちょっとな。榊の友達だし、」
「大丈夫だよ、ちょっと騒がしいかもしれないけど。」
「俺嫌われてねえかな。みんなに迷惑かけてるし、」
「それは誤解だって伝えてあるよ。大丈夫。」
「おう。」


俺がなんと言っても、高橋くんの緊張した面持ちは変わらない。


(きっと頑張ってるんだな。終わったらいっぱい褒めよう。)



「はじめまして。高橋です。よ、よろしく。」
「俺川崎！初めて話すよな！よろしく！」
「私愛だよ！よろしく！」


高橋くんはガチガチに緊張していたが、川崎と愛ちゃんに前もって言っておいたおかげでいい雰囲気だ。


「千鶴の隣に座れよ！」
「お、おう。」


(川崎も気が利くな)


「千鶴から話聞いたよ！誤解して傷つけちゃってたよね。ごめんね。」


愛ちゃんが申し訳なさそうに謝る。


「い、いや！元はと言えば俺がちゃんと管理できてなかっただけだし、」
「でも高橋くんも頑張ってコントロールしようとしてたんだろ？それでもああなっちゃうのは仕方ねーよな。」


川崎たちに迎え入れられた高橋くんは顔が少し赤くなって嬉しそうだ。


(かわいいなまじで)


「まあご飯食べようか。食べながらゆっくり話そう。」