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可愛い子、怪しみ
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1時間後…了とメイの2人はアリサのいる酒場まで帰って来ていた。
もちろんドクドク茸はカンスト。
木の棒と違ってこんなに早く終わったのはやはり話し相手がいた事が大きいだろう。
無限回収の途中、メイとは沢山の会話をした。
話の大部分はこのゲームのクリア方法について。
メイもストーリーをクリアする方法は知らなかったもののアイロニーをクリアする方法については少し噂を耳にした事があるという。
それが"全クエストのクリア"。
酒場には常時10個のクエストが張り出されており、それほ の紙が取られる度に新しいクエストが張り出される。
だがクエストには被りがひとつも無いらしい。
似たようなクエストはあるものの報酬の数だったり参加人数だったり少しずつ違っているらしい。
だからいずれクエストは全て終わる…と言う訳だ。
本当なのか…?まぁでも俺にとっては関係ない。
どうせ全てクリアするつもりだから。
「はい!ドクドク茸30個頂きました!報酬を受け取ってください!」
アリサからGが手渡された。
どうやら参加者全員に報酬が全額払われるらしい。
これは良仕様。
持ち物を確認すると木の棒やドクドク茸が入っている枠とは別に右上に新たな枠があり、そこに100と表示されていた。
「わんさん!ありがとうございました!!」
「いやいやこちらこそありがとう!じゃあまたね」
俺はあまりプレイヤーと仲良くならないようにしている。
こういうゲームは本当にネタバレが怖いからね。
いつポロッと言われるか分かったもんじゃない。
俺も昔散々な思いをしたことがある。
それに誰かに手伝ってもらったり足でまといを作ったりしたくないしね。
俺はお辞儀をして酒場を後にしようとした。
「わんさん!」
服に違和感を感じ振り返るとメイが俺の服を少し引っ張っていた。
「どうしたの?」
メイはモジモジした様子で俺の目を見て話し出した。
「…私たち…沢山お話して…仲良くなったじゃないですか…」
何が言いたいんだ?さっぱり分からない。
「だから…もし良かったら…フレンドになってくれませんか!」
フレンド…そんな機能あるんだ!
まぁよく考えたらあるか。うーんどうしたものか…
この先フレンド必須のクエストがあるかもしれない。
しかもフレンドがいたら楽しいゲームライフが送れるだろう。
いやでもまだ会って数時間の見知らぬプレイヤーとフレンドになっていいのか?
ていうか俺の無限回収見て若干引いてたよな…
もしかして俺を晒し者にする気じゃ……
心の中で早口を披露した結果、俺は結論に達した。
……よし。断ろう!
「ごめん!ちょっと急いでて!また会った時で良い?ごめん!!」
俺は逃げるかのようにメイとは逆方向へ走っていった。
「わんさん…」
またメイの顔が赤くなった。
「もう...ツンデレなんだからっ…!」
~~~
俺はメイから逃げた後、とある建物の前に来た。
外観は少しメタリックで『武器屋』という看板が表に吊るされている。
そう。俺は武器を買いに来た。
これもメイから教えてもらった情報だ。
このゲームには武器が必須になってくる。
クエストや森などで敵モンスターと戦闘する際に使うと便利だとか。
そしてこの武器屋で武器を作ったり買ったりする事が出来るらしい。
作るのは素材が、買うのはGが、それぞれ必要と聞いた。
たぶんまだ俺は素材を持っていないので買うためにここに来たという訳だ。
俺は武器屋の暖簾を潜り中に入った。
「いらっしゃい!」
頭にハチマキを巻いて青いハッピを着た男に迎えられた。
中は武器や防具を身につけたマネキンやガラスケースに素材などが飾られている。
俺はとりあえずハチマキの男に話しかけた。
「あのすいません!武器を買いに来たんですけど」
男はこちらに振り返りニカッと笑顔を見せた。
「はいぃ!俺は職人のテツジって言うんだ。武器を買いに来たってぇ?予算はいくらだいぃ?」
「100Gです」
「う~んウチではそんなに安いのはないねぇ。武器が欲しいなら買うより作った方がお手軽だよぉ」
100Gってそんなに安いのか…
まぁあのクエスト自体簡単だったしそれに見合った報酬とも言えるな。
「ちなみに今俺の持ってるアイテムを使って出来る武器とかないですか?」
「そうだねぇ。…ちょっとないかなぁ。でも今から石を50個取ってきてくれたら良いの作れるよぉ」
石50個!?
それって……
楽勝じゃないか!!!
俺は石を取るため、また森へ向かった。
-???
「ねぇ"ショウ"~!暇だよ~こっからどうするの~?」
「ちょっと黙っとけよ"クラウン"!ショウが考えてんだろが」
「うるさいわよ"はぁと"ちゃん。もっとわたくしのようにおしとやかになられては?」
とある4人組がこの先の予定について話し合っていた。
だが話し合いは平行線で3人が言い争いをしてどんどん話題が逸れていく。
そんな中、ショウと呼ばれる淡い赤髪の男は争う3人を見ながら1つの決断を下した。
「そうだ!この街もそろそろ飽きてきたし新しい人呼ぼう!久しぶりに戻るか~……"アイロニー"に」
ショウは不敵な笑みを浮かべ、その街を去った。
--続く
もちろんドクドク茸はカンスト。
木の棒と違ってこんなに早く終わったのはやはり話し相手がいた事が大きいだろう。
無限回収の途中、メイとは沢山の会話をした。
話の大部分はこのゲームのクリア方法について。
メイもストーリーをクリアする方法は知らなかったもののアイロニーをクリアする方法については少し噂を耳にした事があるという。
それが"全クエストのクリア"。
酒場には常時10個のクエストが張り出されており、それほ の紙が取られる度に新しいクエストが張り出される。
だがクエストには被りがひとつも無いらしい。
似たようなクエストはあるものの報酬の数だったり参加人数だったり少しずつ違っているらしい。
だからいずれクエストは全て終わる…と言う訳だ。
本当なのか…?まぁでも俺にとっては関係ない。
どうせ全てクリアするつもりだから。
「はい!ドクドク茸30個頂きました!報酬を受け取ってください!」
アリサからGが手渡された。
どうやら参加者全員に報酬が全額払われるらしい。
これは良仕様。
持ち物を確認すると木の棒やドクドク茸が入っている枠とは別に右上に新たな枠があり、そこに100と表示されていた。
「わんさん!ありがとうございました!!」
「いやいやこちらこそありがとう!じゃあまたね」
俺はあまりプレイヤーと仲良くならないようにしている。
こういうゲームは本当にネタバレが怖いからね。
いつポロッと言われるか分かったもんじゃない。
俺も昔散々な思いをしたことがある。
それに誰かに手伝ってもらったり足でまといを作ったりしたくないしね。
俺はお辞儀をして酒場を後にしようとした。
「わんさん!」
服に違和感を感じ振り返るとメイが俺の服を少し引っ張っていた。
「どうしたの?」
メイはモジモジした様子で俺の目を見て話し出した。
「…私たち…沢山お話して…仲良くなったじゃないですか…」
何が言いたいんだ?さっぱり分からない。
「だから…もし良かったら…フレンドになってくれませんか!」
フレンド…そんな機能あるんだ!
まぁよく考えたらあるか。うーんどうしたものか…
この先フレンド必須のクエストがあるかもしれない。
しかもフレンドがいたら楽しいゲームライフが送れるだろう。
いやでもまだ会って数時間の見知らぬプレイヤーとフレンドになっていいのか?
ていうか俺の無限回収見て若干引いてたよな…
もしかして俺を晒し者にする気じゃ……
心の中で早口を披露した結果、俺は結論に達した。
……よし。断ろう!
「ごめん!ちょっと急いでて!また会った時で良い?ごめん!!」
俺は逃げるかのようにメイとは逆方向へ走っていった。
「わんさん…」
またメイの顔が赤くなった。
「もう...ツンデレなんだからっ…!」
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俺はメイから逃げた後、とある建物の前に来た。
外観は少しメタリックで『武器屋』という看板が表に吊るされている。
そう。俺は武器を買いに来た。
これもメイから教えてもらった情報だ。
このゲームには武器が必須になってくる。
クエストや森などで敵モンスターと戦闘する際に使うと便利だとか。
そしてこの武器屋で武器を作ったり買ったりする事が出来るらしい。
作るのは素材が、買うのはGが、それぞれ必要と聞いた。
たぶんまだ俺は素材を持っていないので買うためにここに来たという訳だ。
俺は武器屋の暖簾を潜り中に入った。
「いらっしゃい!」
頭にハチマキを巻いて青いハッピを着た男に迎えられた。
中は武器や防具を身につけたマネキンやガラスケースに素材などが飾られている。
俺はとりあえずハチマキの男に話しかけた。
「あのすいません!武器を買いに来たんですけど」
男はこちらに振り返りニカッと笑顔を見せた。
「はいぃ!俺は職人のテツジって言うんだ。武器を買いに来たってぇ?予算はいくらだいぃ?」
「100Gです」
「う~んウチではそんなに安いのはないねぇ。武器が欲しいなら買うより作った方がお手軽だよぉ」
100Gってそんなに安いのか…
まぁあのクエスト自体簡単だったしそれに見合った報酬とも言えるな。
「ちなみに今俺の持ってるアイテムを使って出来る武器とかないですか?」
「そうだねぇ。…ちょっとないかなぁ。でも今から石を50個取ってきてくれたら良いの作れるよぉ」
石50個!?
それって……
楽勝じゃないか!!!
俺は石を取るため、また森へ向かった。
-???
「ねぇ"ショウ"~!暇だよ~こっからどうするの~?」
「ちょっと黙っとけよ"クラウン"!ショウが考えてんだろが」
「うるさいわよ"はぁと"ちゃん。もっとわたくしのようにおしとやかになられては?」
とある4人組がこの先の予定について話し合っていた。
だが話し合いは平行線で3人が言い争いをしてどんどん話題が逸れていく。
そんな中、ショウと呼ばれる淡い赤髪の男は争う3人を見ながら1つの決断を下した。
「そうだ!この街もそろそろ飽きてきたし新しい人呼ぼう!久しぶりに戻るか~……"アイロニー"に」
ショウは不敵な笑みを浮かべ、その街を去った。
--続く
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