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更に更に、その後。
恐れ。
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ハーブティーにお酒を少しと、眠れる薬と。
それで完璧に眠ってる筈なのに。
《あら、起こしちゃったかしら》
『俺、薬とか利きが悪いんですよ、色々』
《そうなの、大変ね》
『で、俺の寝室で何をしてるんですか?ステラ』
ローレンスは寝てる筈だったのに。
《今日、色々と有ったじゃない?だからほら、様子見にと思って》
『成程、鍵を開けて』
《開いてたんじゃない?》
『閉めたんですけどね』
《開いてたのよ、起こしてごめんなさいね》
『ステラ、その手に持ってるのは何ですか?』
《匂い袋よ、もし眠れなかったら渡そうかと思って》
『ありがとうございます、是非貸して下さい』
あら、コレは。
《あ、袋を開けた方が香るわよ》
『先ずは嗅いで貰えますか?』
《私はほら、コレから部屋に戻らなきゃいけないから》
『なら部屋の前まで送りますよ』
《じゃあ、お願い》
もしかしたら、コレでローレンスは。
『あぁ、何ですかこの白い粉は』
そう言って彼は私に粉を。
《何するのよ!》
『何でそんなに慌ててるんですか?』
《それは、だから、眠る、粉で》
『幻覚作用の有る麦角菌入りの粉、じゃなくて?』
《どうして、そんな》
『ココの者が教えてくれたんですよ、この中身をすり替えておけって。折角だから毒にしておいたんですけど、そろそろ苦しく無いんですか?』
《そんな、酷い》
『え?』
《アナタを幸せにする為なのに》
『完璧になれる、じゃなくて?』
《そう、そうなの、アナタもそう思ってくれてたのね》
『いえ、日記を読んだんです、俺を得れば完璧になれるって。けど意味が分からないんですよね、どうして俺なんですか?』
《若さも何もかも、アナタは完璧だから》
『だから何が、まさか、マジでチ〇コの大きさとか言わないで下さいよね』
『正解、やはりローシュの勘は鋭いですね』
《アナタは》
『はい、ガブちゃんですよ』
ガブちゃんを見て倒れる人って、初めてよね。
『コレ、どうする?』
「お手間だけどベアトリスを呼びましょう、このままで」
そして急いで馬車を走らせて来て貰って、ずっと伸びてるステラの前へ。
『本当に、ごめんなさい』
「いえいえ、お任せするけど、避難出来る家は無いかしら?」
『ドルフィン家へ、こうした騒動に特に厳しい方ですから。ウチの馬車を使って下さい』
「助かるわ」
そしてドルフィン家へ。
《詳しい事を聞きたいのですが》
「お互いに明朝に致しましょう」
《ですね》
そして、明朝には。
『おはようございますローシュ』
「おはようベアトリス、ちゃんと眠れた?」
『仮眠でしたら』
《事情は聞きました、災難でしたね》
「ですが何事も無かったので、どうかここは穏便にお願い致しますね」
《寛大なご配慮、感謝致します》
「いえいえ、じゃあ、寝直しても良いかしらね?」
《どうぞどうぞ、後はお任せ下さい》
本気で2度寝しちゃって、ローレンスが絡んできて起きて。
「ローレンス、お腹が減ったの?」
『そんな犬猫みたいに、お昼になりますよ、流石に何か食べないと』
『この家のって事?』
『そうです、心配して俺の部屋に来たんです、当主が』
「マジでガチ寝してただけなのにねぇ」
『ココ日当たりが良いんだよね』
「食べたら一緒に寝る?」
『エロい意味でですかね』
『元気だねぇ』
真夜中にロレダン家の馬車がウチへ。
しかも中に居たのは、ジュスティニアーニ家の賓客、カサノヴァ家のローシュとローレンス。
全く何が起きているのか分からないまま、ロレダン家とジュスティニアーニ家、両家に使者を送り。
明朝に説明に伺う、と、ジュスティニアーニ家からベアトリス夫人の書簡が届き。
「すみません、寝心地が良くて遅くなりましたわ」
《いえ、安眠して頂けたなら幸いです》
「えぇ、とっても、ねぇローレンス」
『伯母は嫌な事が有ると良く眠る人で、ご心配をお掛けしました』
《いや、構わないよ。さ、食事にしよう》
ローレンスは勿論、彼女もまた、全く気にしていないらしく。
「美味しいですね、このトルテッリーニ」
《ぁあ、気に入って頂けて何よりです》
馬肉のシチューも何もかもが、彼女の胃の中へと消えていった。
どれかしらがお気に召せばと、なのにそれらが殆ど。
「大変素晴らしいお料理でしたわ、では」
《あぁ、はい》
ベアトリス夫人も同席し、食事中に改めて説明をする筈が。
『凄い、食べてらして、つい』
《あぁ、説明する間が無かったね、ベアトリス夫人》
あっという間に食べ終え、風の様に去ってしまった。
『ごめんなさい』
私はローシュ、アーリス、そしてローレンスと向き合い謝罪する事に。
「どの事について、かしらね」
『さも残忍だと批判めいた事を何度も口にしたり、そもステラを紹介した事も、問題が起きる前に対処しなかった事も全て。ごめんなさい、見通しが甘くて、見抜け無かった』
「私は良いのだけど」
『やだ、謝るだけで許して貰おうだなんて、凄い傲慢だとは思わないんだ?』
『そこは勿論、出来るだけの事を』
『ビビって何も出来無いのに、何が出来るの?』
『それは、本当に、転生者に会わせる事も』
『なにも望まれなかったら、何を差し出せる?』
『何も』
『うん、欲しい物が何も無いならどうするの?どう償う?』
それこそ、謝罪も要らない。
私の持ってるモノ全て、周りを含めたとしても、この人達にとっては無価値。
「最初はね、正史で行われていた行事をこなす為に国外にと。アレ知ってるかしらね、仮面舞踏会」
『少しなら、はい』
「で、コレから暑くなるから、仮面じゃなくてレースで。その合間に噂を聞いて劇を見に行って、まぁ、こうなったのよね。パルマ公みたいに何か行事を悪しき事に使う輩が現れる前に、ココに沿った何かをしようと思ったのだけど、余計な事だと思う?」
『そんな、いえ、余計な事だなんて』
「全部そんな感じで、平和の延長線上が理想郷に繋がったのよ。恐怖心を煽る為じゃなくて、平和の為だったのだけど、アナタにしてみたら怖いのよね」
『成果を上げれば怖がられて、何もしないと仲間になれるなら要らない。別に変えたいからでも成果の為でも無い、平和の為なのに怖がる様な人達は周りにも要らない、関わりたく無い』
「と言うかソチラの理想を聞きたいのよ、ベネチア州には一切関わるなとか、それこそ全てソッチに任せろとか」
『いえ、それは』
『で、成果を出すと怖がられるの?嫌だよ、関わらないのが1番じゃない?』
『私が言った事は、その先は、つまり、そうした事なんですよね』
「それも非難しないわ、自分達の配分で動きたいのは分かるから、だから教えて欲しいのたけど。それも嫌となると」
『いえ、私達の配分だとか、目標は平和です、けど、動きが悪い負い目が有って。あまつさえ負い目から非難と言うか、結果的に、行動を抑制する事に。本当に、そんなつもりは無かったんです、私自身もそうですが、自分達を守る為だけで』
『畏怖、ですかね、強力で大きい力が色んな意味で怖くなった。まるで神に感じる様な畏怖』
『はい、ですね』
『人ですよ、ローシュも貴女と同じ人間、持ってるモノが少し違うだけで同じ女性。いきなり国を任せるに足る力と国を任され、少し動いて恐れられて。分かりませんかね、貴女が違う存在だと差別している事、理不尽に区別して勝手に恐れて理解しようともしてない』
「何か、沸点が違くてごめんなさいね、本当に気にして無いのよ。ガッカリはしてるけど、直接関わらなくてもそう困らないだろうと、高を括ってるから。だから気にしないで、好きに要望を言ってくれて良いのよ」
私達は、気にもならない、取るに足らない存在。
『すみません、出直してきます』
「お疲れ様」
困らないから好きに要望を言ってくれ、と。
「圧倒的強者よねぇ」
『全ての行いが平和の為だと信じてれば、なのに、逆に私は足を引っ張る様な事を』
「言ったわねぇ、怒られるのが怖いから会わせない、転生者は純真無垢で優しい」
『まるで、恐怖の大魔王の様に、そんなつもりは無いのに』
「女も大魔王なのかしらね?」
『もぅ、虚栄心』
「吐いた唾が身に降り掛かられて泣かれてもねぇ、しかも相手は優しさを見せて、要望を言ってくれとまで言ってるんだもの。卑屈が過ぎて完全に失敗したわね」
『ぅう』
「人の身で魔王並みの力が有って、転移転生者の知識と心を持ってたら、悲しいでしょうね」
『なのに、彼女、気にしないって』
「そこまで至れてるって事よね、恐れられて当然で、だから情報を直ぐに開示した。なのに結局は恐れられて、ですよねって感じだけど、周りが許さない」
『ぅう、ふぇぃ』
「で、アンタは最初、どうしたかったワケ?本当に最初、どんなつもりでいたか」
『凄いから、成果が無い人を、責めるんじゃないかって。だから、関わらないで欲しい、動く時は教えて欲しいと』
「そう言えば良かったじゃない、見栄っ張り」
『うぅ』
「で、今は?」
『動く時は教えて欲しい、だけ』
「で、何でそう言わないのよ」
『制限、制御されて平和の樹立が遅れたら、私、責任なんて』
「はいはい落ち着いて、息を止めてからゆっくり吐く、ゆっくり吸う。はい、責任が取れない事を言ったと怖くなったのね」
『ぅん』
「アンタ、補正って言葉を知ってるでしょうに、負の補正が掛かって何故か転移者を敵認定してんのよね。何?何が有ってそうなったワケ?」
前は無かった筈なのだけど。
『多分、転生者側の事しか、考えて無かったんだと思う』
「なのに仲裁者、仲介役気取りで転移者に逆にケンカを売った」
『ふぇぇ』
「情けない声を出すんじゃないの。全く、善意を悪意に取られたら戦が起こるだけだって、アンタ言ってたじゃないの」
『ぅう、でも、理解を超える何かが存在するって、知ったから』
「で、彼女がそうかも知れない、と」
『多分、ぅう』
「なら家名を乗っ取るだとか、アンタを操るだとかしてんじゃないの?」
『でも、謝罪すらも、何も要らないって』
「そこ、完全に詰んでるのよねぇ」
『ふぇぇ』
「って言うか社交の場だとしても、差し出せるモノが無いって分かった時点で対等じゃないって、分かるでしょうよ」
『あんまりに、事が、大き過ぎて』
「って言うか知ってたんじゃないの?」
『情報半分だったのと、彼女が、そこまで主導してると思わなくて』
「まぁ、補佐が居たにせよ、主軸は彼女でしょうね」
『なのに、本当に、何も要らないって』
「本当に女王陛下のお墨付きだって、知らなかったの?」
『だって、少し、協力しただけなのかなって』
「あー、自分達の基準で評価しちゃったのね」
『ぅん』
「まぁ、会わないと確信は持てないけど、見事に見誤って詰んでるワケよね」
『ふぇぇ』
「もー、ほら、子供じゃ無いんだから泣き止みなさい」
『わだじ、どうじよう』
「何を贈ってももう、ご機嫌取りにしか思われない。もうコチラの要望だけ伝えて、迷惑を掛けない、関わらない以外に無いわね」
『うまぐ、言える』
「はいはい、言ってあげるから。アンタは凄い失敗をしたって夫に泣き付きなさい、そんで知り合いに仲介役を頼んだって、はい、印章貸して」
『ぅう、ごめんなざい』
「良いわよ別に、この程度のガキの尻拭い、魔王のせいで追い立てられた時よりマシよ」
『ぅう』
「はい泣くのは家で、さっさと戻りなさい」
『ぅん』
で、例の人間じゃない子と、話す事に。
怖いけど話が通じそうなのはこの子なんだけど、ダメなら会うしかないわよね。
「動く時は教えて欲しい。本来なら相談して欲しいと言いたいんだけど、まぁ、やらかしたので。動く時は教えて欲しい、出来たら相談して欲しい、ごめんなさいねって感じね」
「成程」
「ひゃっ、ちょっ、何処に居るのよ」
ローシュはベールで姿を隠してる、僕の横で。
「まぁ、目の前ですね、アーリスの横です」
「ぁあ、そう、どうも」
「どうも」
最初から、そう言ってくれるだけで良かったのに。
『何で最初からそう言ってくれなかったんだろ?』
「昔は神様が姿を現してたじゃない?けどほら、今は居ないで、要は神様離れよ、慣れて無いのよ、そうした存在に」
「私、人間なんですが」
「でしょうね、でも自分の力だとかは理解してるわよね?」
「まぁ、そこそこ」
「普通、ココでの普通もそう変わらないんだけど、普通は魔王と組んでも少数精鋭で国を1つ1日で潰すのは難しい。なのにアナタやってのけた、そこはもう、普通から逸脱してるでしょう?」
「ですね」
「つまりは神に等しい力を持ってると普通は思うの、畏怖よ、畏怖慣れして無いの。特に若い世代は自分達で何とかココまで平和にしたんだって子も居るのよ、知らないから、会った事が無いから。ソッチと同じ感じ、神の力を感じられず、自分達の力を過信する者すら居る」
「それで」
「で、まぁ、アナタの存在にビックリして、失礼な事を言ったの、畏怖込みで」
「私は納得しましたが」
『何で、貴族で転移転生者や大罪の事を知ってるのに、そうなの?』
「まぁ、そこよね。正直、私も驚いてるんだけど、あの子とは10年も会って無くて、そこで変わっちゃったのかしらね、と。転生者側に染まった、肩入れし過ぎたのだと思うわ」
「お母様が転生者ですものね」
「家族こそ大事にすべき、例えどんな理不尽な目に遭っても許せ、受け入れろ、但し大罪を犯したなら死ね。まぁ、そんな感じの母親で、教会でも悪目立ちしてたのよね」
「教会で?」
「の周りでね、噂話って凄いから、可哀想な子供の噂が直ぐに入って。まぁ、悪者として攫っちゃおうかと思ってたんだけど。結局は、おかぁさん、ってなってね」
「クソ親でも親は親と思うのが子供ですからね」
「で、まぁ、見守るしか無いかって。スイスから人を差し向けて様子見してたら、転生者だと分かって、人間が守る事になった、ついでに他の転生者探しの道具にもした」
「まぁ、知る者を下手に増やすより、適格者だったとは思いますよ」
「けど、重圧だったのかも知れないわ、少し離れてコレだもの。進化すると思ったら退化してて、ごめんなさいね、私の見通しも甘かったの」
「かなり単語や知識を知ってらっしゃいますけど」
「そらもう敵と対話しまくったもの、大罪め、覚悟しろって。で、虚栄心とは何か、大罪とは何か教えなさいよって、大概は無理矢理な屁理屈だとか筋が通って無かったり、そうね、既に分化した時にはこの水準だったのだけど、魔王は違うのよね」
「知能の差で会話が成立しない事も有るそうで」
「ね、凄い時間が掛かったり、全くダメだったり。アンタは違うのにね、ごめんなさいね」
「保護者みが凄い」
「そら面倒見ちゃってる感じだし、私も色欲も。あ、色欲に興味が有るのよね?」
「まぁ、少し、能力が相殺出来ないかと、半ば興味本位です」
「正直。ただ凄いわよ、影響」
『ウチのも凄いんだよね?』
「まぁ、1度体験しましたけど、アレが媚薬かと思う感覚でしたね」
「あー、色欲系統ね、確かに打ち消し合ってくれたら助かるかも」
『助かる?』
「何でも誘惑しちゃうのよ、意図しなくても。あ、私とか魔王は平気なのよ」
「神様とか精霊も?」
「そこ、確認が難しいのよね、会えた事が無いから」
「あー、魔王も言ってましたわ、会った事も見た事も無いって」
「ただ私はほら、転生者と関わったから、天使とは少し面識が有るのよ」
『ですね』
「私的にはこう、ホイホイ現れる感じでして」
「まぁ、でしょうね、それなりの支援が無いと直ぐに死んじゃうでしょうし」
「逆に、感染性が怖かったですけどね、広めるかもと考えさせられた時」
「あー、それで身動きが取れなくなるのね、成程」
「まぁ、でしょうね、開き直らないと難しいかと」
「楽ね、アンタ」
「ご苦労なさってるかと、あ、気晴らしに良い話し相手が居ますよ、パルマ公」
「アレ、死んだんじゃ?」
「仮死状態にしてからウチで保護してます、知識は重要なので」
「ちょっと興味有るけど、アンタに提供出来るのって、色欲と会わせるのと場所の提供位よ?」
「構いませんよ、いつか無茶を言うかも知れないので、その時に考えて頂ければ良いだけですから」
「器がデカいのね」
「後ろ盾が大きいですから」
「ココの女王だけじゃないのよね」
「脅さずに、ですね」
「でしょうね」
「あ、ジュスティニアーニ家の後見人とか世話役になって下さいよ」
「は?」
「ベアトリスを影で補佐、ステラの子供達を補佐、お願いします」
「ちょっと、幾らあの子の保護者だからって」
「あ、家名が必要でしたら言って下されば良いのをご用意しますわ」
「ちょっと、私は大罪よ?本気?」
「あ、無理ですか?」
「待って、そう煽らないでよ」
「子の責任は保護者が、それに、こうすれば全て丸く収まるのでは?」
「確かに、一時的にでも立て直すには」
「貴族に介入するには何も無しには難しい、何処の貴族が良いですかね」
「なら、アレね、クロアチア州の」
「ヴニッチ家ので宜しいかしら」
「まさか、アンタ」
「はい、魔女狩り狩りのついでに半分だけ統治させました」
「こわっ」
「そうなりますよねぇ」
「どんだけ神に愛されてるのよ?」
「普通では?」
「普通って、アンタ、東洋人の普通と一緒にしないでくれる?」
「あー、そこですか、成程」
「そうよ、向こうでの割合的には一神教が圧倒的に多いんでしょう、だからそこまで協力を得られてるのが珍しい方なの」
「ほう」
「分かったわ、アンタみたいな規格外に来られると確かに普通とされる者もお互いに困る、基盤作りが出来上がるまでね」
「ありがとうございます」
それで完璧に眠ってる筈なのに。
《あら、起こしちゃったかしら》
『俺、薬とか利きが悪いんですよ、色々』
《そうなの、大変ね》
『で、俺の寝室で何をしてるんですか?ステラ』
ローレンスは寝てる筈だったのに。
《今日、色々と有ったじゃない?だからほら、様子見にと思って》
『成程、鍵を開けて』
《開いてたんじゃない?》
『閉めたんですけどね』
《開いてたのよ、起こしてごめんなさいね》
『ステラ、その手に持ってるのは何ですか?』
《匂い袋よ、もし眠れなかったら渡そうかと思って》
『ありがとうございます、是非貸して下さい』
あら、コレは。
《あ、袋を開けた方が香るわよ》
『先ずは嗅いで貰えますか?』
《私はほら、コレから部屋に戻らなきゃいけないから》
『なら部屋の前まで送りますよ』
《じゃあ、お願い》
もしかしたら、コレでローレンスは。
『あぁ、何ですかこの白い粉は』
そう言って彼は私に粉を。
《何するのよ!》
『何でそんなに慌ててるんですか?』
《それは、だから、眠る、粉で》
『幻覚作用の有る麦角菌入りの粉、じゃなくて?』
《どうして、そんな》
『ココの者が教えてくれたんですよ、この中身をすり替えておけって。折角だから毒にしておいたんですけど、そろそろ苦しく無いんですか?』
《そんな、酷い》
『え?』
《アナタを幸せにする為なのに》
『完璧になれる、じゃなくて?』
《そう、そうなの、アナタもそう思ってくれてたのね》
『いえ、日記を読んだんです、俺を得れば完璧になれるって。けど意味が分からないんですよね、どうして俺なんですか?』
《若さも何もかも、アナタは完璧だから》
『だから何が、まさか、マジでチ〇コの大きさとか言わないで下さいよね』
『正解、やはりローシュの勘は鋭いですね』
《アナタは》
『はい、ガブちゃんですよ』
ガブちゃんを見て倒れる人って、初めてよね。
『コレ、どうする?』
「お手間だけどベアトリスを呼びましょう、このままで」
そして急いで馬車を走らせて来て貰って、ずっと伸びてるステラの前へ。
『本当に、ごめんなさい』
「いえいえ、お任せするけど、避難出来る家は無いかしら?」
『ドルフィン家へ、こうした騒動に特に厳しい方ですから。ウチの馬車を使って下さい』
「助かるわ」
そしてドルフィン家へ。
《詳しい事を聞きたいのですが》
「お互いに明朝に致しましょう」
《ですね》
そして、明朝には。
『おはようございますローシュ』
「おはようベアトリス、ちゃんと眠れた?」
『仮眠でしたら』
《事情は聞きました、災難でしたね》
「ですが何事も無かったので、どうかここは穏便にお願い致しますね」
《寛大なご配慮、感謝致します》
「いえいえ、じゃあ、寝直しても良いかしらね?」
《どうぞどうぞ、後はお任せ下さい》
本気で2度寝しちゃって、ローレンスが絡んできて起きて。
「ローレンス、お腹が減ったの?」
『そんな犬猫みたいに、お昼になりますよ、流石に何か食べないと』
『この家のって事?』
『そうです、心配して俺の部屋に来たんです、当主が』
「マジでガチ寝してただけなのにねぇ」
『ココ日当たりが良いんだよね』
「食べたら一緒に寝る?」
『エロい意味でですかね』
『元気だねぇ』
真夜中にロレダン家の馬車がウチへ。
しかも中に居たのは、ジュスティニアーニ家の賓客、カサノヴァ家のローシュとローレンス。
全く何が起きているのか分からないまま、ロレダン家とジュスティニアーニ家、両家に使者を送り。
明朝に説明に伺う、と、ジュスティニアーニ家からベアトリス夫人の書簡が届き。
「すみません、寝心地が良くて遅くなりましたわ」
《いえ、安眠して頂けたなら幸いです》
「えぇ、とっても、ねぇローレンス」
『伯母は嫌な事が有ると良く眠る人で、ご心配をお掛けしました』
《いや、構わないよ。さ、食事にしよう》
ローレンスは勿論、彼女もまた、全く気にしていないらしく。
「美味しいですね、このトルテッリーニ」
《ぁあ、気に入って頂けて何よりです》
馬肉のシチューも何もかもが、彼女の胃の中へと消えていった。
どれかしらがお気に召せばと、なのにそれらが殆ど。
「大変素晴らしいお料理でしたわ、では」
《あぁ、はい》
ベアトリス夫人も同席し、食事中に改めて説明をする筈が。
『凄い、食べてらして、つい』
《あぁ、説明する間が無かったね、ベアトリス夫人》
あっという間に食べ終え、風の様に去ってしまった。
『ごめんなさい』
私はローシュ、アーリス、そしてローレンスと向き合い謝罪する事に。
「どの事について、かしらね」
『さも残忍だと批判めいた事を何度も口にしたり、そもステラを紹介した事も、問題が起きる前に対処しなかった事も全て。ごめんなさい、見通しが甘くて、見抜け無かった』
「私は良いのだけど」
『やだ、謝るだけで許して貰おうだなんて、凄い傲慢だとは思わないんだ?』
『そこは勿論、出来るだけの事を』
『ビビって何も出来無いのに、何が出来るの?』
『それは、本当に、転生者に会わせる事も』
『なにも望まれなかったら、何を差し出せる?』
『何も』
『うん、欲しい物が何も無いならどうするの?どう償う?』
それこそ、謝罪も要らない。
私の持ってるモノ全て、周りを含めたとしても、この人達にとっては無価値。
「最初はね、正史で行われていた行事をこなす為に国外にと。アレ知ってるかしらね、仮面舞踏会」
『少しなら、はい』
「で、コレから暑くなるから、仮面じゃなくてレースで。その合間に噂を聞いて劇を見に行って、まぁ、こうなったのよね。パルマ公みたいに何か行事を悪しき事に使う輩が現れる前に、ココに沿った何かをしようと思ったのだけど、余計な事だと思う?」
『そんな、いえ、余計な事だなんて』
「全部そんな感じで、平和の延長線上が理想郷に繋がったのよ。恐怖心を煽る為じゃなくて、平和の為だったのだけど、アナタにしてみたら怖いのよね」
『成果を上げれば怖がられて、何もしないと仲間になれるなら要らない。別に変えたいからでも成果の為でも無い、平和の為なのに怖がる様な人達は周りにも要らない、関わりたく無い』
「と言うかソチラの理想を聞きたいのよ、ベネチア州には一切関わるなとか、それこそ全てソッチに任せろとか」
『いえ、それは』
『で、成果を出すと怖がられるの?嫌だよ、関わらないのが1番じゃない?』
『私が言った事は、その先は、つまり、そうした事なんですよね』
「それも非難しないわ、自分達の配分で動きたいのは分かるから、だから教えて欲しいのたけど。それも嫌となると」
『いえ、私達の配分だとか、目標は平和です、けど、動きが悪い負い目が有って。あまつさえ負い目から非難と言うか、結果的に、行動を抑制する事に。本当に、そんなつもりは無かったんです、私自身もそうですが、自分達を守る為だけで』
『畏怖、ですかね、強力で大きい力が色んな意味で怖くなった。まるで神に感じる様な畏怖』
『はい、ですね』
『人ですよ、ローシュも貴女と同じ人間、持ってるモノが少し違うだけで同じ女性。いきなり国を任せるに足る力と国を任され、少し動いて恐れられて。分かりませんかね、貴女が違う存在だと差別している事、理不尽に区別して勝手に恐れて理解しようともしてない』
「何か、沸点が違くてごめんなさいね、本当に気にして無いのよ。ガッカリはしてるけど、直接関わらなくてもそう困らないだろうと、高を括ってるから。だから気にしないで、好きに要望を言ってくれて良いのよ」
私達は、気にもならない、取るに足らない存在。
『すみません、出直してきます』
「お疲れ様」
困らないから好きに要望を言ってくれ、と。
「圧倒的強者よねぇ」
『全ての行いが平和の為だと信じてれば、なのに、逆に私は足を引っ張る様な事を』
「言ったわねぇ、怒られるのが怖いから会わせない、転生者は純真無垢で優しい」
『まるで、恐怖の大魔王の様に、そんなつもりは無いのに』
「女も大魔王なのかしらね?」
『もぅ、虚栄心』
「吐いた唾が身に降り掛かられて泣かれてもねぇ、しかも相手は優しさを見せて、要望を言ってくれとまで言ってるんだもの。卑屈が過ぎて完全に失敗したわね」
『ぅう』
「人の身で魔王並みの力が有って、転移転生者の知識と心を持ってたら、悲しいでしょうね」
『なのに、彼女、気にしないって』
「そこまで至れてるって事よね、恐れられて当然で、だから情報を直ぐに開示した。なのに結局は恐れられて、ですよねって感じだけど、周りが許さない」
『ぅう、ふぇぃ』
「で、アンタは最初、どうしたかったワケ?本当に最初、どんなつもりでいたか」
『凄いから、成果が無い人を、責めるんじゃないかって。だから、関わらないで欲しい、動く時は教えて欲しいと』
「そう言えば良かったじゃない、見栄っ張り」
『うぅ』
「で、今は?」
『動く時は教えて欲しい、だけ』
「で、何でそう言わないのよ」
『制限、制御されて平和の樹立が遅れたら、私、責任なんて』
「はいはい落ち着いて、息を止めてからゆっくり吐く、ゆっくり吸う。はい、責任が取れない事を言ったと怖くなったのね」
『ぅん』
「アンタ、補正って言葉を知ってるでしょうに、負の補正が掛かって何故か転移者を敵認定してんのよね。何?何が有ってそうなったワケ?」
前は無かった筈なのだけど。
『多分、転生者側の事しか、考えて無かったんだと思う』
「なのに仲裁者、仲介役気取りで転移者に逆にケンカを売った」
『ふぇぇ』
「情けない声を出すんじゃないの。全く、善意を悪意に取られたら戦が起こるだけだって、アンタ言ってたじゃないの」
『ぅう、でも、理解を超える何かが存在するって、知ったから』
「で、彼女がそうかも知れない、と」
『多分、ぅう』
「なら家名を乗っ取るだとか、アンタを操るだとかしてんじゃないの?」
『でも、謝罪すらも、何も要らないって』
「そこ、完全に詰んでるのよねぇ」
『ふぇぇ』
「って言うか社交の場だとしても、差し出せるモノが無いって分かった時点で対等じゃないって、分かるでしょうよ」
『あんまりに、事が、大き過ぎて』
「って言うか知ってたんじゃないの?」
『情報半分だったのと、彼女が、そこまで主導してると思わなくて』
「まぁ、補佐が居たにせよ、主軸は彼女でしょうね」
『なのに、本当に、何も要らないって』
「本当に女王陛下のお墨付きだって、知らなかったの?」
『だって、少し、協力しただけなのかなって』
「あー、自分達の基準で評価しちゃったのね」
『ぅん』
「まぁ、会わないと確信は持てないけど、見事に見誤って詰んでるワケよね」
『ふぇぇ』
「もー、ほら、子供じゃ無いんだから泣き止みなさい」
『わだじ、どうじよう』
「何を贈ってももう、ご機嫌取りにしか思われない。もうコチラの要望だけ伝えて、迷惑を掛けない、関わらない以外に無いわね」
『うまぐ、言える』
「はいはい、言ってあげるから。アンタは凄い失敗をしたって夫に泣き付きなさい、そんで知り合いに仲介役を頼んだって、はい、印章貸して」
『ぅう、ごめんなざい』
「良いわよ別に、この程度のガキの尻拭い、魔王のせいで追い立てられた時よりマシよ」
『ぅう』
「はい泣くのは家で、さっさと戻りなさい」
『ぅん』
で、例の人間じゃない子と、話す事に。
怖いけど話が通じそうなのはこの子なんだけど、ダメなら会うしかないわよね。
「動く時は教えて欲しい。本来なら相談して欲しいと言いたいんだけど、まぁ、やらかしたので。動く時は教えて欲しい、出来たら相談して欲しい、ごめんなさいねって感じね」
「成程」
「ひゃっ、ちょっ、何処に居るのよ」
ローシュはベールで姿を隠してる、僕の横で。
「まぁ、目の前ですね、アーリスの横です」
「ぁあ、そう、どうも」
「どうも」
最初から、そう言ってくれるだけで良かったのに。
『何で最初からそう言ってくれなかったんだろ?』
「昔は神様が姿を現してたじゃない?けどほら、今は居ないで、要は神様離れよ、慣れて無いのよ、そうした存在に」
「私、人間なんですが」
「でしょうね、でも自分の力だとかは理解してるわよね?」
「まぁ、そこそこ」
「普通、ココでの普通もそう変わらないんだけど、普通は魔王と組んでも少数精鋭で国を1つ1日で潰すのは難しい。なのにアナタやってのけた、そこはもう、普通から逸脱してるでしょう?」
「ですね」
「つまりは神に等しい力を持ってると普通は思うの、畏怖よ、畏怖慣れして無いの。特に若い世代は自分達で何とかココまで平和にしたんだって子も居るのよ、知らないから、会った事が無いから。ソッチと同じ感じ、神の力を感じられず、自分達の力を過信する者すら居る」
「それで」
「で、まぁ、アナタの存在にビックリして、失礼な事を言ったの、畏怖込みで」
「私は納得しましたが」
『何で、貴族で転移転生者や大罪の事を知ってるのに、そうなの?』
「まぁ、そこよね。正直、私も驚いてるんだけど、あの子とは10年も会って無くて、そこで変わっちゃったのかしらね、と。転生者側に染まった、肩入れし過ぎたのだと思うわ」
「お母様が転生者ですものね」
「家族こそ大事にすべき、例えどんな理不尽な目に遭っても許せ、受け入れろ、但し大罪を犯したなら死ね。まぁ、そんな感じの母親で、教会でも悪目立ちしてたのよね」
「教会で?」
「の周りでね、噂話って凄いから、可哀想な子供の噂が直ぐに入って。まぁ、悪者として攫っちゃおうかと思ってたんだけど。結局は、おかぁさん、ってなってね」
「クソ親でも親は親と思うのが子供ですからね」
「で、まぁ、見守るしか無いかって。スイスから人を差し向けて様子見してたら、転生者だと分かって、人間が守る事になった、ついでに他の転生者探しの道具にもした」
「まぁ、知る者を下手に増やすより、適格者だったとは思いますよ」
「けど、重圧だったのかも知れないわ、少し離れてコレだもの。進化すると思ったら退化してて、ごめんなさいね、私の見通しも甘かったの」
「かなり単語や知識を知ってらっしゃいますけど」
「そらもう敵と対話しまくったもの、大罪め、覚悟しろって。で、虚栄心とは何か、大罪とは何か教えなさいよって、大概は無理矢理な屁理屈だとか筋が通って無かったり、そうね、既に分化した時にはこの水準だったのだけど、魔王は違うのよね」
「知能の差で会話が成立しない事も有るそうで」
「ね、凄い時間が掛かったり、全くダメだったり。アンタは違うのにね、ごめんなさいね」
「保護者みが凄い」
「そら面倒見ちゃってる感じだし、私も色欲も。あ、色欲に興味が有るのよね?」
「まぁ、少し、能力が相殺出来ないかと、半ば興味本位です」
「正直。ただ凄いわよ、影響」
『ウチのも凄いんだよね?』
「まぁ、1度体験しましたけど、アレが媚薬かと思う感覚でしたね」
「あー、色欲系統ね、確かに打ち消し合ってくれたら助かるかも」
『助かる?』
「何でも誘惑しちゃうのよ、意図しなくても。あ、私とか魔王は平気なのよ」
「神様とか精霊も?」
「そこ、確認が難しいのよね、会えた事が無いから」
「あー、魔王も言ってましたわ、会った事も見た事も無いって」
「ただ私はほら、転生者と関わったから、天使とは少し面識が有るのよ」
『ですね』
「私的にはこう、ホイホイ現れる感じでして」
「まぁ、でしょうね、それなりの支援が無いと直ぐに死んじゃうでしょうし」
「逆に、感染性が怖かったですけどね、広めるかもと考えさせられた時」
「あー、それで身動きが取れなくなるのね、成程」
「まぁ、でしょうね、開き直らないと難しいかと」
「楽ね、アンタ」
「ご苦労なさってるかと、あ、気晴らしに良い話し相手が居ますよ、パルマ公」
「アレ、死んだんじゃ?」
「仮死状態にしてからウチで保護してます、知識は重要なので」
「ちょっと興味有るけど、アンタに提供出来るのって、色欲と会わせるのと場所の提供位よ?」
「構いませんよ、いつか無茶を言うかも知れないので、その時に考えて頂ければ良いだけですから」
「器がデカいのね」
「後ろ盾が大きいですから」
「ココの女王だけじゃないのよね」
「脅さずに、ですね」
「でしょうね」
「あ、ジュスティニアーニ家の後見人とか世話役になって下さいよ」
「は?」
「ベアトリスを影で補佐、ステラの子供達を補佐、お願いします」
「ちょっと、幾らあの子の保護者だからって」
「あ、家名が必要でしたら言って下されば良いのをご用意しますわ」
「ちょっと、私は大罪よ?本気?」
「あ、無理ですか?」
「待って、そう煽らないでよ」
「子の責任は保護者が、それに、こうすれば全て丸く収まるのでは?」
「確かに、一時的にでも立て直すには」
「貴族に介入するには何も無しには難しい、何処の貴族が良いですかね」
「なら、アレね、クロアチア州の」
「ヴニッチ家ので宜しいかしら」
「まさか、アンタ」
「はい、魔女狩り狩りのついでに半分だけ統治させました」
「こわっ」
「そうなりますよねぇ」
「どんだけ神に愛されてるのよ?」
「普通では?」
「普通って、アンタ、東洋人の普通と一緒にしないでくれる?」
「あー、そこですか、成程」
「そうよ、向こうでの割合的には一神教が圧倒的に多いんでしょう、だからそこまで協力を得られてるのが珍しい方なの」
「ほう」
「分かったわ、アンタみたいな規格外に来られると確かに普通とされる者もお互いに困る、基盤作りが出来上がるまでね」
「ありがとうございます」
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