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第2章
【妖精と御使い】
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【妖精と御使い】
昔々、遠い国にトンボの羽根を持った妖精達が産まれました。
美しい緑色の羽根を一目見た人間は、その話を自慢し、信じて貰えないとなると命懸けでアヴァロンへ入り。
トンボ妖精の羽根を毟り、皆に見せびらかしました。
その話と共にトンボ妖精の噂は広まり、諸外国の王達が集めてくるように命じます。
やがてその羽根を求め、競って人々が乱獲を始め、最後の妖精が捕まりそうになった瞬間。
天から白い羽根を生やした1人の人間が降って来ました。
その羽根の生えた青年が運良く密猟者の上に落ちたので、青年はかすり傷で済み、密猟者は死んでしまいました。
その密猟者の上で血塗れになっている人間を妖精女王が見付け手当すると、目を覚ましました。
「ココは何処なのでしょう?貴女は一体誰ですか?」
《ココはアヴァロン、妖精の国です。そして私は妖精女王、アナタが妖精を助けたので手当をしました》
青年は妖精女王の美しさに一目で惹かれてしまいました。
ですが彼女には夫が居る、慎ましい青年は誉め言葉1つも言えないまま、アヴァロンを去ります。
そして助けて貰った妖精は、青年を心配し、付いて行く事にしました。
『これから何処へ行くの?宛はあるの?』
「彼女に似た女性を探す旅にでも出るよ」
方々を探しましたが、彼女に似た美しい女性など居る筈も無く。
数年後、青年は再びアヴァロンへと舞い戻って来ました。
その時は丁度、王は狩りに出ていて女王だけが森に居ました。
彼女は変わらぬ美しさで湖の畔で水浴びをしています、ついに青年は意を決し女王に近寄ろうとした瞬間、妖精が青年の顔を目掛け粉を撒きました。
それはとても強い毒の粉だったので、顔も眼も溶け、青年は永遠に見えなくなり、口も聞けなくなりました。
その姿を可哀想に思った王は、青年が死ぬまでアヴァロンに居させる事と、青年の世話を女王へ命じました。
そして最後のトンボの羽根を持った妖精は、何処かへ消えてしまいましたとさ。
おしまい。
昔々、遠い国にトンボの羽根を持った妖精達が産まれました。
美しい緑色の羽根を一目見た人間は、その話を自慢し、信じて貰えないとなると命懸けでアヴァロンへ入り。
トンボ妖精の羽根を毟り、皆に見せびらかしました。
その話と共にトンボ妖精の噂は広まり、諸外国の王達が集めてくるように命じます。
やがてその羽根を求め、競って人々が乱獲を始め、最後の妖精が捕まりそうになった瞬間。
天から白い羽根を生やした1人の人間が降って来ました。
その羽根の生えた青年が運良く密猟者の上に落ちたので、青年はかすり傷で済み、密猟者は死んでしまいました。
その密猟者の上で血塗れになっている人間を妖精女王が見付け手当すると、目を覚ましました。
「ココは何処なのでしょう?貴女は一体誰ですか?」
《ココはアヴァロン、妖精の国です。そして私は妖精女王、アナタが妖精を助けたので手当をしました》
青年は妖精女王の美しさに一目で惹かれてしまいました。
ですが彼女には夫が居る、慎ましい青年は誉め言葉1つも言えないまま、アヴァロンを去ります。
そして助けて貰った妖精は、青年を心配し、付いて行く事にしました。
『これから何処へ行くの?宛はあるの?』
「彼女に似た女性を探す旅にでも出るよ」
方々を探しましたが、彼女に似た美しい女性など居る筈も無く。
数年後、青年は再びアヴァロンへと舞い戻って来ました。
その時は丁度、王は狩りに出ていて女王だけが森に居ました。
彼女は変わらぬ美しさで湖の畔で水浴びをしています、ついに青年は意を決し女王に近寄ろうとした瞬間、妖精が青年の顔を目掛け粉を撒きました。
それはとても強い毒の粉だったので、顔も眼も溶け、青年は永遠に見えなくなり、口も聞けなくなりました。
その姿を可哀想に思った王は、青年が死ぬまでアヴァロンに居させる事と、青年の世話を女王へ命じました。
そして最後のトンボの羽根を持った妖精は、何処かへ消えてしまいましたとさ。
おしまい。
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