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氷の思い
新しい私 2
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「ん?ユリア、おはよっ」
「あぁ、おはよう。」
まだ、眠いのか、欠伸をかみ殺しているのは、グレンだ。彼については、まだまだ分からない事が山ほどある。これから徐々に知っていかなくてわ!と思う。まずは、いろいろと質問をしてみよう。
「グレン、君は、以前の私とどういう関係だったんだ?」
「お前と…友達だったんだ。アイリほどじゃないが、仲良かったんだぞ」
「友達?」
「あぁ…」
グレンは、そう言うと少し悲しそうな顔をしていた。私には、彼の言葉の中に不思議と、気になるところがあった。腑に落ちないと言うか…友達なのだろうか?何かちょっと違うような…そんな気がする。
「おはようございます。ユリア、ゆっくり眠れましたか?」
「おはよう、カイト。もう、ぐっすり眠れたわ。」(アイスを抱いてねっ、気持ちよく眠れたわ。)
私が、そう言うとカイトは、安心したように、カートに乗っけて運んで来た朝食をテーブルに並べた。
「美味しそうね!カイトが、作ったの?」
綺麗に並べられた、料理を見て私は、言った。すると、カイトは、嬉しそうに笑って「はい」と言った。あんなカイトの笑顔を見たのは、私が知っている中では、初めてだった。いつもカイトは、気難しい顔をしているから、新鮮に感じた。
「ところで、アイリさんは…」
「えっ?そういえば、朝会ったきりだ。」
「そうかぁ…」
カイトがアイリの事を気にするなんて、少し意外だった。こう言っては、何だが…カイトが、誰か自分以外を気にしたところを見た事なかった。私もアイリが今何処に居るのか心配だが、私よりカイトの方が心配して居るんだと思った。何故なら、アイリが居ないと始めに気が付いたのは、カイトだし、居ないと知ってからカイトは、心なしかオロオロしているからだ。いつものカイトらしくなく、落ち着かない感じだ。
しかし、本当にアイリは、いったい何処に行ったんだろう?
結局…アイリは、来なかった。屋敷の執事がアイリから手紙を預かったと言った。手渡された内容は、[昼、街の丘で待っています。]という内容だった。
朝食を済ませた私は、アイリとの約束の場所に向かった。
アイリとの約束の場所は、街外れの手入れされた丘だった。私は、ここへ来るのは、初めてのはずが…何故か懐かしい気持ちがこみ上げてくる。
『思いだせ…早く、わらわを思いだせ…』
頭に鳴り響く、女の声。すると、急に頭が痛くなった。まるで何かに押しつぶされているかのような…痛みに意識が飛びそうになったその時、誰かの優しい笑顔が頭にふと浮かんだ。
【ユリア…大丈夫だ。安心してくれ。】
その声、その言葉を私は、聞いた事がある。だが…記憶が無い…不安と恐怖が交差する中私は、アイスの声で我に返った。
『ユリア様っ?大丈夫ですか?』
「あっあぁ。大丈夫だ…」
あれは、誰だったんだ…気づくと私の頬はじんわりと暖かくなっていた。片目からは、苦痛を堪えていたのか、それとも別の何かなのか。
この頃の私は、自分がどんな時にどんな感情を持つかが分かるようになっていた。おかげで分からない事が増えた…自分が感情を得て嬉しかったが、カイトやアイリそして、グレン…一人一人に違う感情が芽生え、私は、自分の身体がそれぞれに反応が違う事を知ってしまい、戸惑っている。一番分からないのが…カイトとグレンに対する気持ちだ…アイリに会ったらスッキリするかもと思って、アイリを今待っている。アイリにも呼ばれたし、一石二鳥だ。
「おぅ、姉ちゃん。綺麗な格好して何処行くんだ?」
「うるさいわね、あなた達に構って居る暇は無いの!どっか行って頂戴?」
「そうかっかしないでくれよぉ~、良いじゃんかちょっとくらい。」
「鬱陶しいわね…って、きゃぁ?誰か助けてぇ?」
「誰か助けてぇ?」
何処かからか声がした。この声はアイリだ?アイリに何かあったんだ?私は、すぐさま丘を駆け下り街中の声のする方に向かった。
「えっ?ユリア様っ何処にいかれるのですか?」
私は、アイスの問いかけに答えず走った、ただがむしゃらに。
しかし、私がアイリの元に着く前にある人物が居た。その光景を見たとたん、私の胸の奥がかぁっと熱くなった…
アイリを助けたのは…グレンだった…
何故か私は、その場から去るようにして走った。無我夢中でただひたすらに…
「あぁ、おはよう。」
まだ、眠いのか、欠伸をかみ殺しているのは、グレンだ。彼については、まだまだ分からない事が山ほどある。これから徐々に知っていかなくてわ!と思う。まずは、いろいろと質問をしてみよう。
「グレン、君は、以前の私とどういう関係だったんだ?」
「お前と…友達だったんだ。アイリほどじゃないが、仲良かったんだぞ」
「友達?」
「あぁ…」
グレンは、そう言うと少し悲しそうな顔をしていた。私には、彼の言葉の中に不思議と、気になるところがあった。腑に落ちないと言うか…友達なのだろうか?何かちょっと違うような…そんな気がする。
「おはようございます。ユリア、ゆっくり眠れましたか?」
「おはよう、カイト。もう、ぐっすり眠れたわ。」(アイスを抱いてねっ、気持ちよく眠れたわ。)
私が、そう言うとカイトは、安心したように、カートに乗っけて運んで来た朝食をテーブルに並べた。
「美味しそうね!カイトが、作ったの?」
綺麗に並べられた、料理を見て私は、言った。すると、カイトは、嬉しそうに笑って「はい」と言った。あんなカイトの笑顔を見たのは、私が知っている中では、初めてだった。いつもカイトは、気難しい顔をしているから、新鮮に感じた。
「ところで、アイリさんは…」
「えっ?そういえば、朝会ったきりだ。」
「そうかぁ…」
カイトがアイリの事を気にするなんて、少し意外だった。こう言っては、何だが…カイトが、誰か自分以外を気にしたところを見た事なかった。私もアイリが今何処に居るのか心配だが、私よりカイトの方が心配して居るんだと思った。何故なら、アイリが居ないと始めに気が付いたのは、カイトだし、居ないと知ってからカイトは、心なしかオロオロしているからだ。いつものカイトらしくなく、落ち着かない感じだ。
しかし、本当にアイリは、いったい何処に行ったんだろう?
結局…アイリは、来なかった。屋敷の執事がアイリから手紙を預かったと言った。手渡された内容は、[昼、街の丘で待っています。]という内容だった。
朝食を済ませた私は、アイリとの約束の場所に向かった。
アイリとの約束の場所は、街外れの手入れされた丘だった。私は、ここへ来るのは、初めてのはずが…何故か懐かしい気持ちがこみ上げてくる。
『思いだせ…早く、わらわを思いだせ…』
頭に鳴り響く、女の声。すると、急に頭が痛くなった。まるで何かに押しつぶされているかのような…痛みに意識が飛びそうになったその時、誰かの優しい笑顔が頭にふと浮かんだ。
【ユリア…大丈夫だ。安心してくれ。】
その声、その言葉を私は、聞いた事がある。だが…記憶が無い…不安と恐怖が交差する中私は、アイスの声で我に返った。
『ユリア様っ?大丈夫ですか?』
「あっあぁ。大丈夫だ…」
あれは、誰だったんだ…気づくと私の頬はじんわりと暖かくなっていた。片目からは、苦痛を堪えていたのか、それとも別の何かなのか。
この頃の私は、自分がどんな時にどんな感情を持つかが分かるようになっていた。おかげで分からない事が増えた…自分が感情を得て嬉しかったが、カイトやアイリそして、グレン…一人一人に違う感情が芽生え、私は、自分の身体がそれぞれに反応が違う事を知ってしまい、戸惑っている。一番分からないのが…カイトとグレンに対する気持ちだ…アイリに会ったらスッキリするかもと思って、アイリを今待っている。アイリにも呼ばれたし、一石二鳥だ。
「おぅ、姉ちゃん。綺麗な格好して何処行くんだ?」
「うるさいわね、あなた達に構って居る暇は無いの!どっか行って頂戴?」
「そうかっかしないでくれよぉ~、良いじゃんかちょっとくらい。」
「鬱陶しいわね…って、きゃぁ?誰か助けてぇ?」
「誰か助けてぇ?」
何処かからか声がした。この声はアイリだ?アイリに何かあったんだ?私は、すぐさま丘を駆け下り街中の声のする方に向かった。
「えっ?ユリア様っ何処にいかれるのですか?」
私は、アイスの問いかけに答えず走った、ただがむしゃらに。
しかし、私がアイリの元に着く前にある人物が居た。その光景を見たとたん、私の胸の奥がかぁっと熱くなった…
アイリを助けたのは…グレンだった…
何故か私は、その場から去るようにして走った。無我夢中でただひたすらに…
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