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シナリオ
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明李音の母親から連絡があったのは事故から三日後の事だった。
頭の損傷により回復が遅れたが何とか目を覚ました。食欲もあり、正常な状態を保っている。
だが、、
「はい。」
「明李音。」
「イケメンさんだ。
初めまして、渡邊 明李音です。」
彼女は、記憶を失くした。
目を覚ました彼女に僕の両親は会いに行ったが、僕はどうしても体が動かなかった。
記憶喪失。
そのワードが絡まったイヤホンのように、いつまでたっても解けず引っかかっていた。
僕が会いにいったのはそれから三日後の事だった。
もしもう会えなくなったら。そんな恐怖心が重い腰を上げてくれた。
なるべく早く着くように、この間走った道を横目にバスに揺られながら病院を目指した。
病室は彼女だけのもので、かなり広かった。
彼女の病室のドアをノックし、聞き覚えのある声が聞こえてから開けた。
「明李音。」
彼女はこちらを向いて。微笑んだ。
この日は日差しが優しかったからだろうか。
無重力空間にいるように、ふわふわと、白く、まるで天使のような彼女は、
「イケメンさんだ。
初めまして、渡邊 明李音です。」
そう丁寧な挨拶にお世辞を含め、また少し優しく、微笑んだ。
頭の損傷により回復が遅れたが何とか目を覚ました。食欲もあり、正常な状態を保っている。
だが、、
「はい。」
「明李音。」
「イケメンさんだ。
初めまして、渡邊 明李音です。」
彼女は、記憶を失くした。
目を覚ました彼女に僕の両親は会いに行ったが、僕はどうしても体が動かなかった。
記憶喪失。
そのワードが絡まったイヤホンのように、いつまでたっても解けず引っかかっていた。
僕が会いにいったのはそれから三日後の事だった。
もしもう会えなくなったら。そんな恐怖心が重い腰を上げてくれた。
なるべく早く着くように、この間走った道を横目にバスに揺られながら病院を目指した。
病室は彼女だけのもので、かなり広かった。
彼女の病室のドアをノックし、聞き覚えのある声が聞こえてから開けた。
「明李音。」
彼女はこちらを向いて。微笑んだ。
この日は日差しが優しかったからだろうか。
無重力空間にいるように、ふわふわと、白く、まるで天使のような彼女は、
「イケメンさんだ。
初めまして、渡邊 明李音です。」
そう丁寧な挨拶にお世辞を含め、また少し優しく、微笑んだ。
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