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優しいは悪魔

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昔から優しいという観点でいえば誰にも負けないほど優しい人間でした。
ただ、、それだけ。

それだけの取り柄でずっと人生を生きてきた。
「私から優しいを取ったら、何が残るんだろう。」
そんな恐怖と戦いながらも、気持ちを紛らわせながら生きていました。

気づけばその優しさは人への拠り所となり、そして
いじめの対象になりました。

「こいつは何しても怒らない。」
「こいつは優しいから大丈夫。」
「優しいからどんなことしてもいいや。」

は?正気かよ。
と怒鳴り散らかしてみようかと思うほど、度の過ぎたからかい。いじめを受けました。
優しいとは、人を助け、人を笑顔にし、感謝され、互いが互いを思いやれる。そういった素敵な人間性だと思っていたのに、なんの疑いもなくのうのうと信じた自分を殴りました。

「優しい」という部分を、「弱い」「何も出来ない」と解釈するバカがこの世にはいて、それは悲しく苦しい現実です。

優しさに縋ってなんでもして言い訳ないでしょ。
その人だって人間で、傷ついたり、苦しんだりする。
あんたの操り人形じゃねぇんだよ。
と、法に触れない程度にそういう奴らを脅してやりましょう。
私が怒ったら何するか分からないよ?と。
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