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施術

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  「な~に考えてるの?」

間延びした柔らかい声と共にくっついた身体の温もりを感じた。

首筋からさっきの香水の強い匂いがして、避けていた欲情が戻ってきてしまった。

「アッ……ゥハッ……」

思わず熱い吐息を漏らすボク。

「余裕かましてると、痛い目見るよ」

深みのある低い声で言った後、ゆっくりと律動を始めるけんいぬ。

「ちょっ、あっ……おまっ、いつの間に!?」

入口を擦ってるとかだと思ったら、合体してる。

「ちゃんと挿れるよって宣言したら、うんって」

グチャ……グチュ……

生々しい音を立てながら身体を動かすけんいぬ。

「言ってねぇ、は、外せ」

抜けるようにボクは身体を揺するけど、引っ掛かってる感覚がある。

「イくまで抜けないって知ってるでしょ? αのチンコ」

中に入ると、亀頭がカギ爪状になるらしいんだ。
  
でも、そんなのはどうでもよくて。

おっきいもので突かれたらさすがに我慢できないくらい感じるし、後ろ髪が首筋に触れるのがより刺激になってどうしたらいいかわからなくなってる。

それに、香水が効いてきたからか、快楽で頭が痺れてきた。

ボクはけんいぬのもの。

そう錯覚してしまうほど惚ける。


 「んアっ、あッ、アっ、アアッ」

「かわいい声漏れてきたよ、気持ちいい?」

「気持ち、いい……」

けんいぬはふふっと笑い、ボクの後頭部に手を回して唇を寄せた。

チュッ、チュッと音を立ててキスをした後、長い舌が滑らかに入り込む。

クチュ……クチュ

キスまで上手いなんて、もうダメだよ。

「んっ……んンッ!」 

ボクも絡めようとすると犬歯にあたるから、撫でて絡めていく。

「んふっ……ふふっ」

満足そうに笑いながら絡めた舌の間からたくさん唾液を流すけんいぬ。

飲み込み切れなかったボクの口の端から垂れていく。

「だらしな~い……へたくそ♪」

こんな風にしたのはけんいぬのくせに。


 「はぁ……好き」

吐息のようにつぶやいた後、ワオーンと鳴くけんいぬ。

低いけど、響く声がカッコいい。
  
気持ちを上げるためだけだろうけど、ボクはドキッとしてしまうんだ。

だけど嬉しいから、キーキーと甲高い声で鳴き返す。
   
ヌチャ……グチャ……

「んアっ、もうッ、イく……ンンッ」

心はまだこのままでいたいのに、身体が限界だ。

「イッていいよ」

優しい声の割には激しく律動するけんいぬ。

「んっ、んッ、ンアッ……ああアアっ!」

この時だけはけんいぬにしがみつくしかない。

慣れないし

恥ずかしいけど

放出しなきゃ気持ち悪いから。

でも、嫌いじゃない。

けんいぬをボクのものに出来るから。

もう発情期なんてないままでいいよ。

いつまでもこの尊い時間はなくしたくないんだ。

ヒクヒクと震える身体を優しく抱きしめる温もりを感じながらボクは思った。
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