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アンバランスなちょうどよさ

本当

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  「先走り、お尻にまで垂れてきてるよ」

俺は細くて長い指で亀頭から溢れ出る愛液を絡め取り、ゆっくりと滑らせてお尻の穴へと塗り込んでいく。

「挿れてほしい?」

「ハァ、アッ……ハァハァ」

「ねぇ、聞いてる?」

喘いでばかりいるナオちゃんに痺れを切らした俺は肩を噛み、お尻の穴に指を突っ込んだ。

「アッ……アアアッ」

職場で怒鳴り散らしている狂犬課長の欠片もなく、ナオちゃんは甲高い声を上げる。

「ちゃんと言って?」

「いや、やぁ……」

「じゃあ、止める?」

「お願いやから、ユ……タ、カ」

「なにを?」

冷静に言葉を投げかけながら指を2本に増やしてバラバラにかき回していくと目が潤んでいくナオちゃん。

「ユタカのおっきいので、俺のおちり……ううっ」

「お尻、どうすんの?」

俺が口説くような低い声で耳元で囁くから、ナオちゃんはそれだけでイキそうになる。

「はやく……なぁに?」

「おちり……を、貫いてぇ、やぁ」

甘えるような声で潤んだ瞳で吐息と共にナオちゃんが言う。

俺はかわいいと小さく呟いた後、指を抜いてすぐに竿でお尻の穴を貫いた。    
 

 「よく出来たから、ごほうびあ~げる♪」

側位のまま、ガツガツと下から突く振動とパチュパチュと響く愛液の音でより気持ちよくなっていくナオちゃんと俺。

「あ、アカンッ……ユタ、かぁイッちゃ、う」

「いいよ、イッても」

「いややぁ、いっショ、がぁいいっ」

子どものように駄々をこねるナオちゃん。


   動画が撮れたら、職場のみんなに……こんなにナオちゃんはかわいいんだって知られたらいいのに

イクまでのこの瞬間、俺はいつも思っている。

でも、それが不可能だということもわかっているのだ。

だからこそ、最後は噛みしめるように律動を遅め、味わうことにしている。


  「ハッ、ハッ……アアアアッ!」

気持ちよさで軽く痙攣を起こしたように震え出したナオちゃんを優しく抱きしめて、後頭部にキスを落とす俺。

「愛してるよ」

「お、おれ……も」

   俺が優しさでドロドロに溶かした本当の相手はナオちゃんだった。
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