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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…
第509話 夢の舞台、バトルフィールド (2)
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木村君かっけー。
"いずれまた戦おう。このバトルフィールドで俺は待っている。"って俺も言いたい。しかも相手が可愛いアイドルたちって何そのご褒美。俺なんて同じ事をしたら冷めた目線か張り扇ボンバーよ。
顔面格差の悲しさよ・・・。(ぐすん)
お前は金髪碧眼の美女が待っているだろうって?そうなんだけどね、彼女らどこかで見た事ある気がするんだよね~。何処だったっけかな~、タスマニア公国じゃないとは思うんだけどな~。やたらゴージャスな女性がいるし、フロンティアのNoirファッションショーの時のレセプションパーティーで会ってるとか?
外人さんの顔はよほど親しくない限り覚えられないよな~、大和民でも自信ないんだから尚更だっての。
スタッフ「赤の騎士、お時間です。お願いします。」
「うむ、では参るかな。」
俺はハッキリとしないモヤモヤを感じながらも、控え室を出て会場へと向かうのであった。
"続いての第二回戦は赤の騎士と"チームフロンティアの星"との対戦です。今回の種目は"One on Three"、本条さん、この種目はどう言った競技になるのでしょうか?"
"はい、一定の範囲の中で行われる超近接型鬼ごっこになりますね。対戦時間は三十分、挑戦者は逃走者一人に対し三人の捕縛者で挑む"Hunting"か、一人の捕縛者から三人で逃れる"Escape"のいずれかを選ぶ事が出来ます。
挑戦者の資質を最も発揮するにはどちらの選択がよいのか、戦力分析が重要な競技となりますね。"
"なるほど、鬼ごっこにも団体競技になることで戦略や戦術が活かされる様になると言う事ですね。
両者対戦位置に付きました、間もなくゲーム開始です。"
「はじめまして赤の騎士、貴方様と対戦出来る事を楽しみにしておりましたわ。」
「ふむ、何やら面妖な。その言い回しであると某との対戦を熱望していた様に聞こえるが。」
「そうですね、貴方との対戦はフロンティアの全ての女性が熱望しているのかも知れませんね、Mr.escaper。」
「うむ、な、何の事でござろうか。某は赤の騎士、主君を守る騎士でござるが。」
『酷いですわ、Mr。私たちをあれだけ蹂躙しておいて何処かへ消えてしまわれるなんて、私あの戦いを思い出しただけで身体の芯が熱く火照ってしまいますわ。』
『そうだぞMr。お陰でどれだけ悪党を倒しても物足りなくて仕方がないじゃないか。』
『強い男は乙女の憧れ、貴方は我々の理想そのものなんですよ。』
あ、分かった。コイツら逃走王フロンティア大会の時の鬼役の連中だわ。と言うか右側の奴、夜の公園で戦ってたキャットウーマンじゃん。こんなところで何をやってるスーパーヒーロー。
『本当に大変でしたのよ、調査員がいくら捜索しても貴方様に行き着かないんですもの。まさかあのお姿が仮の姿だとは思いもしませんでしたわ、のっぺり佐々木様?
本日はよろしくお願い致しますわね。』
「う、うむ。善き戦いをな。」
「”挑戦者よ、対戦形式は何を選ぶ。”」
「「「"Hunting"」」」
「”その望み、叶えよう。いざ、決戦の時!”」
女たちの瞳に怪しい光が宿る。彼女たちの気配が野生動物のそれへと変わる。
コイツらやベー。って言うか何で新番組の第一回目の収録に紛れ込めるんだよ、フロンティアの女性半端ないっての。
これは気を引き締め直さないと俺でも不味いかも。まずは動揺した気持ちを落ち着けないと、be cool, be cool.
俺は赤の騎士、バトルフィールドの守護者。何者の挑戦もはね除け君主を守る鉄壁の男。
よし、行こう。端からトップギアだ。
"Ready, Set."
高まる緊張、跳ねる鼓動、そして研ぎ澄まされる集中。
"GO!!"
"ギュンッ"
俺は咄嗟に身体を左側に撥ね飛ばす。
さっきまで立っていた場所には二人の女性が殺到していた。
やるな、フロンティア。
だがこれから三十分、まともに呼吸出来ると思うなよ?
"ギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュン、ズバンッズバンッズバンッ、バッ、ダダダダダダダダ、バッ、スパンッスパン"
まさに目にも止まらぬ攻防、三人の女性がまるで一匹の獣の様な見事な連携で赤の騎士に迫る。突き出される無数の手はガトリング砲の咆哮。その強大な敵の攻撃を避ける、走る、躱す、飛ぶ、跳ねる。赤い閃光がフィールド上を縦横無尽に駆け抜ける。
”凄い、正に激闘。私の目では赤の騎士の場所も挑戦者の位置も追い付けません。解説の本条さん、本条さんから見てこの戦いはいかがですか?”
”何で・・・”
”ん?本条さん?”
”何でわたしがあのフィールドに立てないんですか!?私もあの舞台で戦いたい、赤の騎士様との激闘、羨まし過ぎるでしょう!赤の騎士様~!!”
”本条さん、落ち着いてください~!
お~っと、会場では何か動きがあった模様だ~!”
『残り時間五分、命を燃やせ、本能解放!』
『『『GWooooー!!』』』
"自らのリミッターを無理矢理解除する、その意思や善し。"
"グイーン"
世界から音が消える。その目に見える全てから色が褪せ、モノクロの情景が広がる。時の流れが変わったかの様に、皆がゆっくりと動いている。今なら落ちてくる雨粒も全て避ける事が出来るだろう。
"さぁ、セカンドステージの始まりだ。共に踊ろう、戦いのワルツを。"
"ビーーーッ"
「"試合終了、勝者、赤の騎士。"」
"ドサドサドサッ"
倒れ伏す挑戦者たち、死屍累々、全員が白目を剥き気を失っていた。
「ソナタらの戦いぶり、見事であった。某は赤の騎士、バトルフィールドの戦士にして鉄壁の守護者なり。」
戦場に背を向け去っていく赤の騎士。残されたのは酸素吸入器を装着され担架で運ばれて行く挑戦者だけであった。
"いずれまた戦おう。このバトルフィールドで俺は待っている。"って俺も言いたい。しかも相手が可愛いアイドルたちって何そのご褒美。俺なんて同じ事をしたら冷めた目線か張り扇ボンバーよ。
顔面格差の悲しさよ・・・。(ぐすん)
お前は金髪碧眼の美女が待っているだろうって?そうなんだけどね、彼女らどこかで見た事ある気がするんだよね~。何処だったっけかな~、タスマニア公国じゃないとは思うんだけどな~。やたらゴージャスな女性がいるし、フロンティアのNoirファッションショーの時のレセプションパーティーで会ってるとか?
外人さんの顔はよほど親しくない限り覚えられないよな~、大和民でも自信ないんだから尚更だっての。
スタッフ「赤の騎士、お時間です。お願いします。」
「うむ、では参るかな。」
俺はハッキリとしないモヤモヤを感じながらも、控え室を出て会場へと向かうのであった。
"続いての第二回戦は赤の騎士と"チームフロンティアの星"との対戦です。今回の種目は"One on Three"、本条さん、この種目はどう言った競技になるのでしょうか?"
"はい、一定の範囲の中で行われる超近接型鬼ごっこになりますね。対戦時間は三十分、挑戦者は逃走者一人に対し三人の捕縛者で挑む"Hunting"か、一人の捕縛者から三人で逃れる"Escape"のいずれかを選ぶ事が出来ます。
挑戦者の資質を最も発揮するにはどちらの選択がよいのか、戦力分析が重要な競技となりますね。"
"なるほど、鬼ごっこにも団体競技になることで戦略や戦術が活かされる様になると言う事ですね。
両者対戦位置に付きました、間もなくゲーム開始です。"
「はじめまして赤の騎士、貴方様と対戦出来る事を楽しみにしておりましたわ。」
「ふむ、何やら面妖な。その言い回しであると某との対戦を熱望していた様に聞こえるが。」
「そうですね、貴方との対戦はフロンティアの全ての女性が熱望しているのかも知れませんね、Mr.escaper。」
「うむ、な、何の事でござろうか。某は赤の騎士、主君を守る騎士でござるが。」
『酷いですわ、Mr。私たちをあれだけ蹂躙しておいて何処かへ消えてしまわれるなんて、私あの戦いを思い出しただけで身体の芯が熱く火照ってしまいますわ。』
『そうだぞMr。お陰でどれだけ悪党を倒しても物足りなくて仕方がないじゃないか。』
『強い男は乙女の憧れ、貴方は我々の理想そのものなんですよ。』
あ、分かった。コイツら逃走王フロンティア大会の時の鬼役の連中だわ。と言うか右側の奴、夜の公園で戦ってたキャットウーマンじゃん。こんなところで何をやってるスーパーヒーロー。
『本当に大変でしたのよ、調査員がいくら捜索しても貴方様に行き着かないんですもの。まさかあのお姿が仮の姿だとは思いもしませんでしたわ、のっぺり佐々木様?
本日はよろしくお願い致しますわね。』
「う、うむ。善き戦いをな。」
「”挑戦者よ、対戦形式は何を選ぶ。”」
「「「"Hunting"」」」
「”その望み、叶えよう。いざ、決戦の時!”」
女たちの瞳に怪しい光が宿る。彼女たちの気配が野生動物のそれへと変わる。
コイツらやベー。って言うか何で新番組の第一回目の収録に紛れ込めるんだよ、フロンティアの女性半端ないっての。
これは気を引き締め直さないと俺でも不味いかも。まずは動揺した気持ちを落ち着けないと、be cool, be cool.
俺は赤の騎士、バトルフィールドの守護者。何者の挑戦もはね除け君主を守る鉄壁の男。
よし、行こう。端からトップギアだ。
"Ready, Set."
高まる緊張、跳ねる鼓動、そして研ぎ澄まされる集中。
"GO!!"
"ギュンッ"
俺は咄嗟に身体を左側に撥ね飛ばす。
さっきまで立っていた場所には二人の女性が殺到していた。
やるな、フロンティア。
だがこれから三十分、まともに呼吸出来ると思うなよ?
"ギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュン、ズバンッズバンッズバンッ、バッ、ダダダダダダダダ、バッ、スパンッスパン"
まさに目にも止まらぬ攻防、三人の女性がまるで一匹の獣の様な見事な連携で赤の騎士に迫る。突き出される無数の手はガトリング砲の咆哮。その強大な敵の攻撃を避ける、走る、躱す、飛ぶ、跳ねる。赤い閃光がフィールド上を縦横無尽に駆け抜ける。
”凄い、正に激闘。私の目では赤の騎士の場所も挑戦者の位置も追い付けません。解説の本条さん、本条さんから見てこの戦いはいかがですか?”
”何で・・・”
”ん?本条さん?”
”何でわたしがあのフィールドに立てないんですか!?私もあの舞台で戦いたい、赤の騎士様との激闘、羨まし過ぎるでしょう!赤の騎士様~!!”
”本条さん、落ち着いてください~!
お~っと、会場では何か動きがあった模様だ~!”
『残り時間五分、命を燃やせ、本能解放!』
『『『GWooooー!!』』』
"自らのリミッターを無理矢理解除する、その意思や善し。"
"グイーン"
世界から音が消える。その目に見える全てから色が褪せ、モノクロの情景が広がる。時の流れが変わったかの様に、皆がゆっくりと動いている。今なら落ちてくる雨粒も全て避ける事が出来るだろう。
"さぁ、セカンドステージの始まりだ。共に踊ろう、戦いのワルツを。"
"ビーーーッ"
「"試合終了、勝者、赤の騎士。"」
"ドサドサドサッ"
倒れ伏す挑戦者たち、死屍累々、全員が白目を剥き気を失っていた。
「ソナタらの戦いぶり、見事であった。某は赤の騎士、バトルフィールドの戦士にして鉄壁の守護者なり。」
戦場に背を向け去っていく赤の騎士。残されたのは酸素吸入器を装着され担架で運ばれて行く挑戦者だけであった。
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