518 / 525
第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…
第505話 文化祭、後日 (side : 高木康太)
しおりを挟む
「「「お疲れ様でした~、乾杯!!」」」
私立桜泉学園高等部文化祭の翌日、一年Aクラスの男子生徒は学園最寄りの駅前レストランにて打ち上げの食事会を行っていた。
「あれ?高宮の奴がいないみたいだけど、誰も連絡しなかったのか?流石にハブは可哀想じゃね?」
「あ、高宮には俺が連絡しておいたぞ。何かラジオの収録があって抜けれないんだと。」
「あいつ本当に忙しいよな、まともに休みなんてないんじゃないのか?」
「あぁ、月に一回あるかないかじゃないのか?自宅ではヨウツーベの生配信もやってるらしいぞ。」
「マジかよ、俺だったら無理だわ~。うちの親父だってそこまで働かないわ。」
「うちの父親なんか毎日ゴロゴロしてるぞ。"あなたは働かなくて良いのよ♪"って母親達に甘やかされてるわ。」
「俺中等部に入りたての頃高宮の事嫌いだったんだよね、女子の人気一人占めしやがって生意気なって。今じゃ全く羨ましくもないんだけどな、むしろ大変そうだなって思うわ。何でも極端は良くないよな。」
「「「そうだよな~。」」」
しみじみとひろし君に同情する面々。ここには中等部の頃からひろし君と同じAクラスだった者も多いからな~。
「それはさておき無事文化祭を乗り切れて本当に良かったよ。これも警備員を手配してくれた木村と高木のお陰だ、本当にありがとう。」
「あれな、マジ助かったわ。警備員がいなかったら怖すぎて休憩時間にトイレも行けなかったって。」
「「「それな。」」」
「その事は気にしなくていいぞ、こっちもこんな事に巻き込んだ負い目があるしな。」
そうだよね、本当に安全を第一に考えるなら最初からこの演劇公演自体に反対すればよかったんだから。ここまでの騒ぎになるとは予想出来なかったけど、概ね計画通りなんだよね。
「それについてはこっちも感謝しているんだ。あのクラスの危険性を教えてくれてありがとう。まさか同じクラスにユーロッパ王国の第四王女とタスマニア公国の第三公女が留学生として来てるだなんて思わなかったからな。それにあのドラゴングループ双龍寺財閥のお嬢様だろ?こんなの逃走一択だろうが、絶対面倒事に巻き込まれるぞ。」
「第四王女に関しては前科があるしな。キャンプ場の一件、俺今まであれがなんだったのか正確に分かってなかったけど、高木の話しを聞いた時ゾッとしたわ。下手したら俺たち死んでたかも知れないじゃん。」
「そうだよな、あの事件、学園どころか政府も箝口令を敷いたんだろ?ヤバいどころじゃないって。」
「でも高木も考えたよな、敢えてクラスの男子生徒全員で悪役を引き受けることでAクラス落ちを狙うなんて。こっちは真面目に劇に取り組んだだけだから、同情されこそすれどこからも批判される事もないしな。」
"ピリピリピリッ"
一斉に鳴るスマホ、それは学園連絡用アプリの通知音、新着メッセージが入った知らせであった。
「よし、俺はDクラスだ。」
「俺はEクラスだな、木村はFクラスか。」
「あぁ、裏切りの騎士団長は相当ヘイトを集めたらしい。宰相閣下は・・・。」
僕はGクラスだね。今回の結果にはコメントなんかも掲載されるんだね。
アンチコメントは罵詈雑言だな~。敵役としては褒め言葉だけどね。
「俺の方も似た様なもんだな。ただ"貴方様に罵倒されたい"ってコメントにはどう反応すればいいんだ?」
木村君、そこはスルーでいいと思うよ。僕のところにも同じようなのあるし。
「これで全員二年生になるまでは安全かな、まず乾杯だ~!命大事に!」
「「「命大事に!」」」
目的も達成し和気あいあいと笑顔で食事をする俺たち。これも怪我なく文化祭を乗り切れたお陰、スタジオS&Bには感謝だね。
「"hiroshi"の警備には慣れている、任せてくれ。」って言ってくれた増山さん、たのもしかったな~。
「ところで最下位佐々木の所のコメントみた?」
ん?親友の所のコメント?どんなコメントなんだろう。
"クレープ生地の焼き具合が絶妙です。"
"クッキーのサクサクした食感が堪りません。甘過ぎない仕上がりがまたgood♪"
"苺クレープ最高でしたね。出店したら必ず買いに行きます。"
・・・食レポじゃん。
相変わらず斜め上を行く親友なのでありました。
私立桜泉学園高等部文化祭の翌日、一年Aクラスの男子生徒は学園最寄りの駅前レストランにて打ち上げの食事会を行っていた。
「あれ?高宮の奴がいないみたいだけど、誰も連絡しなかったのか?流石にハブは可哀想じゃね?」
「あ、高宮には俺が連絡しておいたぞ。何かラジオの収録があって抜けれないんだと。」
「あいつ本当に忙しいよな、まともに休みなんてないんじゃないのか?」
「あぁ、月に一回あるかないかじゃないのか?自宅ではヨウツーベの生配信もやってるらしいぞ。」
「マジかよ、俺だったら無理だわ~。うちの親父だってそこまで働かないわ。」
「うちの父親なんか毎日ゴロゴロしてるぞ。"あなたは働かなくて良いのよ♪"って母親達に甘やかされてるわ。」
「俺中等部に入りたての頃高宮の事嫌いだったんだよね、女子の人気一人占めしやがって生意気なって。今じゃ全く羨ましくもないんだけどな、むしろ大変そうだなって思うわ。何でも極端は良くないよな。」
「「「そうだよな~。」」」
しみじみとひろし君に同情する面々。ここには中等部の頃からひろし君と同じAクラスだった者も多いからな~。
「それはさておき無事文化祭を乗り切れて本当に良かったよ。これも警備員を手配してくれた木村と高木のお陰だ、本当にありがとう。」
「あれな、マジ助かったわ。警備員がいなかったら怖すぎて休憩時間にトイレも行けなかったって。」
「「「それな。」」」
「その事は気にしなくていいぞ、こっちもこんな事に巻き込んだ負い目があるしな。」
そうだよね、本当に安全を第一に考えるなら最初からこの演劇公演自体に反対すればよかったんだから。ここまでの騒ぎになるとは予想出来なかったけど、概ね計画通りなんだよね。
「それについてはこっちも感謝しているんだ。あのクラスの危険性を教えてくれてありがとう。まさか同じクラスにユーロッパ王国の第四王女とタスマニア公国の第三公女が留学生として来てるだなんて思わなかったからな。それにあのドラゴングループ双龍寺財閥のお嬢様だろ?こんなの逃走一択だろうが、絶対面倒事に巻き込まれるぞ。」
「第四王女に関しては前科があるしな。キャンプ場の一件、俺今まであれがなんだったのか正確に分かってなかったけど、高木の話しを聞いた時ゾッとしたわ。下手したら俺たち死んでたかも知れないじゃん。」
「そうだよな、あの事件、学園どころか政府も箝口令を敷いたんだろ?ヤバいどころじゃないって。」
「でも高木も考えたよな、敢えてクラスの男子生徒全員で悪役を引き受けることでAクラス落ちを狙うなんて。こっちは真面目に劇に取り組んだだけだから、同情されこそすれどこからも批判される事もないしな。」
"ピリピリピリッ"
一斉に鳴るスマホ、それは学園連絡用アプリの通知音、新着メッセージが入った知らせであった。
「よし、俺はDクラスだ。」
「俺はEクラスだな、木村はFクラスか。」
「あぁ、裏切りの騎士団長は相当ヘイトを集めたらしい。宰相閣下は・・・。」
僕はGクラスだね。今回の結果にはコメントなんかも掲載されるんだね。
アンチコメントは罵詈雑言だな~。敵役としては褒め言葉だけどね。
「俺の方も似た様なもんだな。ただ"貴方様に罵倒されたい"ってコメントにはどう反応すればいいんだ?」
木村君、そこはスルーでいいと思うよ。僕のところにも同じようなのあるし。
「これで全員二年生になるまでは安全かな、まず乾杯だ~!命大事に!」
「「「命大事に!」」」
目的も達成し和気あいあいと笑顔で食事をする俺たち。これも怪我なく文化祭を乗り切れたお陰、スタジオS&Bには感謝だね。
「"hiroshi"の警備には慣れている、任せてくれ。」って言ってくれた増山さん、たのもしかったな~。
「ところで最下位佐々木の所のコメントみた?」
ん?親友の所のコメント?どんなコメントなんだろう。
"クレープ生地の焼き具合が絶妙です。"
"クッキーのサクサクした食感が堪りません。甘過ぎない仕上がりがまたgood♪"
"苺クレープ最高でしたね。出店したら必ず買いに行きます。"
・・・食レポじゃん。
相変わらず斜め上を行く親友なのでありました。
1
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?
貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
元おっさんの幼馴染育成計画
みずがめ
恋愛
独身貴族のおっさんが逆行転生してしまった。結婚願望がなかったわけじゃない、むしろ強く思っていた。今度こそ人並みのささやかな夢を叶えるために彼女を作るのだ。
だけど結婚どころか彼女すらできたことのないような日陰ものの自分にそんなことができるのだろうか? 軟派なことをできる自信がない。ならば幼馴染の女の子を作ってそのままゴールインすればいい。という考えのもと始まる元おっさんの幼馴染育成計画。
※この作品は小説家になろうにも掲載しています。
※【挿絵あり】の話にはいただいたイラストを載せています。表紙はチャーコさんが依頼して、まるぶち銀河さんに描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる