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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…

第505話 文化祭、後日 (side : 高木康太)

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「「「お疲れ様でした~、乾杯!!」」」
私立桜泉学園高等部文化祭の翌日、一年Aクラスの男子生徒は学園最寄りの駅前レストランにて打ち上げの食事会を行っていた。

「あれ?高宮の奴がいないみたいだけど、誰も連絡しなかったのか?流石にハブは可哀想じゃね?」

「あ、高宮には俺が連絡しておいたぞ。何かラジオの収録があって抜けれないんだと。」

「あいつ本当に忙しいよな、まともに休みなんてないんじゃないのか?」

「あぁ、月に一回あるかないかじゃないのか?自宅ではヨウツーベの生配信もやってるらしいぞ。」

「マジかよ、俺だったら無理だわ~。うちの親父だってそこまで働かないわ。」

「うちの父親なんか毎日ゴロゴロしてるぞ。"あなたは働かなくて良いのよ♪"って母親達に甘やかされてるわ。」

「俺中等部に入りたての頃高宮の事嫌いだったんだよね、女子の人気一人占めしやがって生意気なって。今じゃ全く羨ましくもないんだけどな、むしろ大変そうだなって思うわ。何でも極端は良くないよな。」

「「「そうだよな~。」」」

しみじみとひろし君に同情する面々。ここには中等部の頃からひろし君と同じAクラスだった者も多いからな~。

「それはさておき無事文化祭を乗り切れて本当に良かったよ。これも警備員を手配してくれた木村と高木のお陰だ、本当にありがとう。」

「あれな、マジ助かったわ。警備員がいなかったら怖すぎて休憩時間にトイレも行けなかったって。」

「「「それな。」」」

「その事は気にしなくていいぞ、こっちもこんな事に巻き込んだ負い目があるしな。」

そうだよね、本当に安全を第一に考えるなら最初からこの演劇公演自体に反対すればよかったんだから。ここまでの騒ぎになるとは予想出来なかったけど、概ね計画通りなんだよね。

「それについてはこっちも感謝しているんだ。あのクラスの危険性を教えてくれてありがとう。まさか同じクラスにユーロッパ王国の第四王女とタスマニア公国の第三公女が留学生として来てるだなんて思わなかったからな。それにあのドラゴングループ双龍寺財閥のお嬢様だろ?こんなの逃走一択だろうが、絶対面倒事に巻き込まれるぞ。」

「第四王女に関しては前科があるしな。キャンプ場の一件、俺今まであれがなんだったのか正確に分かってなかったけど、高木の話しを聞いた時ゾッとしたわ。下手したら俺たち死んでたかも知れないじゃん。」

「そうだよな、あの事件、学園どころか政府も箝口令を敷いたんだろ?ヤバいどころじゃないって。」

「でも高木も考えたよな、敢えてクラスの男子生徒全員で悪役を引き受けることでAクラス落ちを狙うなんて。こっちは真面目に劇に取り組んだだけだから、同情されこそすれどこからも批判される事もないしな。」

"ピリピリピリッ"
一斉に鳴るスマホ、それは学園連絡用アプリの通知音、新着メッセージが入った知らせであった。

「よし、俺はDクラスだ。」
「俺はEクラスだな、木村はFクラスか。」
「あぁ、裏切りの騎士団長は相当ヘイトを集めたらしい。宰相閣下は・・・。」

僕はGクラスだね。今回の結果にはコメントなんかも掲載されるんだね。
アンチコメントは罵詈雑言だな~。敵役としては褒め言葉だけどね。

「俺の方も似た様なもんだな。ただ"貴方様に罵倒されたい"ってコメントにはどう反応すればいいんだ?」

木村君、そこはスルーでいいと思うよ。僕のところにも同じようなのあるし。

「これで全員二年生になるまでは安全かな、まず乾杯だ~!命大事に!」

「「「命大事に!」」」

目的も達成し和気あいあいと笑顔で食事をする俺たち。これも怪我なく文化祭を乗り切れたお陰、スタジオS&Bには感謝だね。
「"hiroshi"の警備には慣れている、任せてくれ。」って言ってくれた増山さん、たのもしかったな~。

「ところで最下位佐々木の所のコメントみた?」

ん?親友の所のコメント?どんなコメントなんだろう。

"クレープ生地の焼き具合が絶妙です。"
"クッキーのサクサクした食感が堪りません。甘過ぎない仕上がりがまたgood♪"
"苺クレープ最高でしたね。出店したら必ず買いに行きます。"

・・・食レポじゃん。
相変わらず斜め上を行く親友なのでありました。
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