上 下
514 / 525
第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…

第501話 文化祭の出し物

しおりを挟む
「皆さんおはようございます。私はこのGクラス担任の橋本ゆかりです。今回皆さんは残念ながらこのGクラスへの配属となりました。ですがこれは決して終わりではありません。現に前回中間考査試験においてこのクラスに配属になった女子生徒の皆さんは素晴らしい成績で上位クラスへと上がって行かれました。一度クラスが決まればそれが固定化されると言った固定概念を見事覆してくれた訳です。
そんな前例がある以上、皆さんがこのクラスに固定化される事がある訳がありません。次の後期中間考査では必ずや返り咲いてくれるものと期待しています。
ではこのクラスの男子生徒を紹介します。二人共前にお願いします。」

橋本先生上手い事言いくるめたよな~。まさにポジティブシンキング、大人になるってそう言う事なのね。

「前に会った事がある子もいるかな?天海光彦です。趣味はコーヒーを淹れる事、あの熱湯を注ぎ入れる時に立ち昇る香りが堪らなく好きだ。俺の事は気軽にマスターとでも呼んでくれ。まぁそれは冗談だが、好きに呼んでくれて構わない。
Gクラスへようこそ。」

お、天海君中々ウエットにとんだご挨拶です事、喫茶店のマスターがそんなにお気に召していたのね。私としても大歓迎です事よ?何だったら将来仕事にする?ウチの系列扱いで雇われマスターやっちゃう?

「はじめまして、永久Gクラス、佐々木大地です。俺の事は噂程度には知ってるかと思うけど、裏口じゃないからね、正規の手続きを踏んでるから。誤解のない様にちゃんと説明すると、俺は外部進学生徒退学問題の対策要員です。以前この学園の男子外部進学生徒が次々に辞めて行ってしまうという問題がありまして、その解決の為に特別に呼ばれた生徒です。調べてもらえれば分かると思うけど上級生の男子生徒の人数が明らかに少ないでしょ?それの対策ですね。
お陰様で概《おおむ》ね上手く行きまして現在の男子生徒退学者数はゼロ、見事仕事を全うしたと言う訳です。皆さんにとってはご不満かと思いますが、イケメン男子が減らずに済んだと思えば安い物でしょう?私の事は裏方、黒子だとでも思って、皆さんは楽しい学園生活を謳歌してください。
イケメンは上位クラスにいます、皆さん頑張ってくださいね。」

これで少しは敵愾心も収まったかな?納得は出来なくても理解はして貰えたと思います。現に上級生のFクラスGクラスには男子生徒がいないしね。
決して分けてあげないという弱肉強食主義、桜泉学園高等部恐るべし。

「はい、二人ともありがとうございます。皆さんも同じクラスの仲間として仲良くしてあげてください。では本日の一時限二時限目の授業ですが、文化祭におけるクラスの出し物についての話し合いとなります。何かやりたい事のある方は率先して発言してください。」

”バッ”

「では天海君、何かありますか?」

「はい、喫茶店がやりたいです。細かい仕様は口出ししません、俺にコーヒーを淹れさせてください。」

「はい、欲望全開ですね。あの何事にもやる気のなかった天海君が積極的になってくれて喜んでいいのか、自分の欲求に忠実過ぎて悲しんでいいのか先生は悩んでしまいます。他に意見のある方はいませんか?」

む?橋本先生何故にそこで私を見る。俺は何も悪い事はしてませんからね。いいじゃんグレた訳でもあるまいし、健全な男子生徒の姿じゃないですか。
”はぁ~”と俺の方をジト目で見ながら深いため息を吐く橋本先生、解せん。

その後の話し合いでGクラスの出し物は本格メイド喫茶に決まりました。私の執事喫茶の案はあえなく却下、無念です。
それで厨房風景はあえて隠さず目の前でコーヒーを淹れるスタイル、天海君の独壇場ですね。
私は何をするのか?細々とした雑用厨房スタッフですが何か?
裏方一筋十六年、佐々木大地、頑張ります。

―――――――――――――――――

新作始めました。
「転生勇者の三軒隣んちの俺」

https://www.alphapolis.co.jp/novel/886526424/555816121

みんな大好き異世界ファンタジー物です。
よろしくお願いします。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

腐女子転生 ~異世界で美少年になりました~

木兎ゆう
ファンタジー
 こんにちは、腐女子です。異世界転生して美少年になりました。  そう、自分で言うのもナンだが、かなりの美少年だ。銀の髪に青い瞳で、お肌も白くてつるつるだ。  ……と言いながら、実はもうすぐ十一歳になる今もまだちょっと半信半疑ではある。何故なら神様らしきものにも会ってないし、チート能力も授かっていない。ちなみに死因は病死だ……。 ★転生前の腐女子の様子は、公開中のBL小説『猫の王様の、なんでもない話』にある「腐女子とリアルでファンタジーな話」でチェック! こちらは腐女子視点によるライトなBLです。完全独立の短編なので、これだけ読んでも楽しめます! *今後も公開日程が決まり次第お知らせするので、どうぞよろしくお願いします。

ふざけんな!と最後まで読まずに投げ捨てた小説の世界に転生してしまった〜旦那様、あなたは私の夫ではありません

詩海猫
ファンタジー
こちらはリハビリ兼ねた思いつき短編の予定&完結まで書いてから投稿予定でしたがコ⚪︎ナで書ききれませんでした。 苦手なのですが出来るだけ端折って(?)早々に決着というか完結の予定です。 ヒロ回だけだと煮詰まってしまう事もあるので、気軽に突っ込みつつ楽しんでいただけたら嬉しいですm(_ _)m *・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・* 顔をあげると、目の前にラピスラズリの髪の色と瞳をした白人男性がいた。 周囲を見まわせばここは教会のようで、大勢の人間がこちらに注目している。 見たくなかったけど自分の手にはブーケがあるし、着ているものはウエディングドレスっぽい。 脳内??が多過ぎて固まって動かない私に美形が語りかける。 「マリーローズ?」 そう呼ばれた途端、一気に脳内に情報が拡散した。 目の前の男は王女の護衛騎士、基本既婚者でまとめられている護衛騎士に、なぜ彼が入っていたかと言うと以前王女が誘拐された時、救出したのが彼だったから。 だが、外国の王族との縁談の話が上がった時に独身のしかも若い騎士がついているのはまずいと言う話になり、王命で婚約者となったのが伯爵家のマリーローズである___思い出した。 日本で私は社畜だった。 暗黒な日々の中、私の唯一の楽しみだったのは、ロマンス小説。 あらかた読み尽くしたところで、友達から勧められたのがこの『ロゼの幸福』。 「ふざけんな___!!!」 と最後まで読むことなく投げ出した、私が前世の人生最後に読んだ小説の中に、私は転生してしまった。

ようこそ、ここは君が主人公の世界です

かかし
BL
―――俺はよくある異世界転移者だ。 とはいえ別にトラックに轢かれたとかじゃないし、すっごいチートを持ってる訳じゃない。 誰かの転移に巻き込まれた訳じゃないし、異世界転移した先にあったのは煌びやかな王宮でもなかった。 じゃあ真っ暗な森の中で、魔獣に襲われそうになったのかと言われるとそうでもない。 (本編抜粋) ※差別的な表現があります。ご注意ください。 どこにでもあるような、異世界転移の物語に巻き込まれた主人公(モブ)の話。 主人公は自分じゃないということだけを明確に感じながら、 それによって拗れたり卑屈になったりしながらも本人なりに懸命に生きていく話。 はたして【主人公】は誰なのか。 ………に、なれば良いなぁと思いながら書きました。 ん?これどっかで見たことあるかもしれないをテーマに書きました。 既視感が多数あるやもしれませんが、これだけは言えます。 パクリとかは、絶対にしてないです。 エールやブクマ、本当にありがとうございます! 毎日のモチベーションにしております!! 完結保証、毎日8:00に更新されます!

私とお母さんとお好み焼き

white love it
経済・企業
義理の母と二人暮らしの垣谷操。貧しいと思っていたが、義母、京子の経営手腕はなかなかのものだった。 シングルマザーの織りなす経営方法とは?

婚約も結婚も計画的に。

cyaru
恋愛
長年の婚約者だったルカシュとの関係が学園に入学してからおかしくなった。 忙しい、時間がないと学園に入って5年間はゆっくりと時間を取ることも出来なくなっていた。 原因はスピカという一人の女学生。 少し早めに貰った誕生日のプレゼントの髪留めのお礼を言おうと思ったのだが…。 「あ、もういい。無理だわ」 ベルルカ伯爵家のエステル17歳は空から落ちてきた鳩の糞に気持ちが切り替わった。 ついでに運命も切り替わった‥‥はずなのだが…。 ルカシュは婚約破棄になると知るや「アレは言葉のあやだ」「心を入れ替える」「愛しているのはエステルだけだ」と言い出し、「会ってくれるまで通い続ける」と屋敷にやって来る。 「こんなに足繁く来られるのにこの5年はなんだったの?!」エステルはルカシュの行動に更にキレる。 もうルカシュには気持ちもなく、どちらかと居言えば気持ち悪いとすら思うようになったエステルは父親に新しい婚約者を選んでくれと急かすがなかなか話が進まない。 そんな中「うちの息子、どうでしょう?」と声がかかった。 ルカシュと早く離れたいエステルはその話に飛びついた。 しかし…学園を退学してまで婚約した男性は隣国でも問題視されている自己肯定感が地を這う引き籠り侯爵子息だった。 ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★8月22日投稿開始、完結は8月25日です。初日2話、2日目以降2時間おき公開(10:10~) ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

悪役令息の従者に転職しました

  *  
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました! スパダリ(本人の希望)な従者と、ちっちゃくて可愛い悪役令息の、溺愛無双なお話です。 ハードな境遇も利用して元気にほのぼのコメディです! たぶん!(笑)

「自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-」

mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
 ネットでみつけた『異世界に行ったかもしれないスレ』に書いてあった『異世界に転生する方法』をやってみたら本当に異世界に転生された。  チート能力で豊富な魔力を持っていた俺だったが、目立つのが嫌だったので周囲となんら変わらないよう生活していたが「目立ち過ぎだ!」とか「加減という言葉の意味をもっと勉強して!」と周囲からはなぜか自重を求められた。  なんだよ? それじゃあまるで、俺が自重をどっかに捨ててきたみたいじゃないか!  こうして俺の理不尽で前途多難?な異世界生活が始まりました。  ※注:すべてわかった上で自重してません。

愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました

海咲雪
恋愛
「セレア、もう一度言う。私はセレアを愛している」 「どうやら、私の愛は伝わっていなかったらしい。これからは思う存分セレアを愛でることにしよう」 「他の男を愛することは婚約者の私が一切認めない。君が愛を注いでいいのも愛を注がれていいのも私だけだ」 貴方が愛しているのはあの男爵令嬢でしょう・・・? 何故、私を愛するふりをするのですか? [登場人物] セレア・シャルロット・・・伯爵令嬢。ノア・ヴィアーズの婚約者。ノアのことを建前ではなく本当に愛している。  × ノア・ヴィアーズ・・・王族。セレア・シャルロットの婚約者。 リア・セルナード・・・男爵令嬢。ノア・ヴィアーズと恋仲であると噂が立っている。 アレン・シールベルト・・・伯爵家の一人息子。セレアとは幼い頃から仲が良い友達。実はセレアのことを・・・?

処理中です...