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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…

第480話 ツッキーはご不満です。

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”グデ~”
”バウ~”

我が家のリビングは涼しい。なぜならクーラーがあるから、しかも対人センサー付き。
室内環境をAIが検知、程よい温度と風量で最適な風をプレゼント。
科学の勝利、文明の利器最高。
黒丸と一緒にダラダラしております。
お前夏休みの課題やらなくていいのか?
フッフッフッフッ、わたくしのっぺり、課題終了いたしました!(ドンドンパフパフ)
いや~、ハニ子超優秀、同じ自分とは思えないくらいの処理スピードでガンガン宿題終わらすの。粗方終わった時点で”残りはのっぺりの分だから~”と言ってダラケ始めちゃったけど、それでもこっちは助かる助かる。しかも最終的に統合するからしっかり自分でやった記憶もあるって言うね。
数十年前のパソコンと最新型のスーパーコンピュータ(これも言い回しが古いかな?)くらいの違い?ハードの違いが如実に表れる結果でございました。
そう言えばこのハニ子学習法のお陰でブリテン言語もスラスラ話せるようになったんだよね、本当ハニ子様々だわ。
当面の大きな仕事も終わったしこれで何も憂いなし、この夏はだらだら過ごすぞ~っと決意したのっぺりなのであります。

で、そんな私をさっきからジト目で見詰める月子さん、いったいどうしたって言うのさ。

「私はコンサート公演を頑張った。」

うん、聞いてる聞いてる、凄い盛り上がったんだってね。”咲夜”もすっかりメジャーシンガーとしての地位を確立したんじゃない?北川さん辺りはまだまだ序の口とか言いそうだけど、彼女の目は確かだったって事だよね。月子さんも大変頑張りました、褒めてあげます。

「ん、でもその間のっぺりは絵実ちゃん達とお泊りデート。」

お、おう。でもさ、ほら、婚約者な訳だし?お泊りは普通って言いますか、婚約者を蔑ろにしてはいけませんと言いますか。
はい、凄く楽しかったです。一人遊んでて申し訳ありませんでした。

「ん、のっぺりずるい、補填を要求。」

そうですか?あ、いや、そうですね~。えっと、私は一体何をいたしたらよろしいのでしょうか。
そうだ、執事喫茶に行きません?月子さんも楽しめると思いますよ?

「ん、それはまた今度。今回はプールに連れて行く。」

プールっすか?森林公園の所の市民プールですか?あそこだったら自転車でも行けますし。

「ここに行く、すぐ準備する。」

サッと二枚のチケットを取り出す月子さん。こ、これは、熱砂スパランドの入館チケット。えっ、こんなプレミアムチケットを一体どこで?

「ん、母に頂いた。で、どうする?」

”ガバッ”
俺は飛び起きると片膝を付いてこうべを垂れた。

「お供いたします、My Lord。」


いや~、暑かったですね~。あの日差し、溶けちゃうかと思いましたよ。

「ん、バスが時刻通りに来てよかった。」

決断したら即実行、俺たちはすぐに支度し、駅前から出ているバスに乗って熱砂スパランドへ向かう事になった。
既に準備は整っておりますと言ってノエルが水着他もろもろの入ったリュックを差し出して来た時は”メイドって未来予知も出来るの?”と驚いたが、月子さんがそれを平然と受け取っている所を見るとあらかじめ相談されていたのだろう。
ノエル的にもゴロゴロしてるのって駄目?たまにならいいけどずっとはダメと。そうですか、了解です。

駅までの道のりは夏の日差しに辟易としたが、バス車内のクーラーの快適な事。これ開発してくれた人達マジで神。異世界転生に憧れてる同士諸君、異世界にクーラーは多分ないぞ!君たちに耐えられるかね。
これも気温と湿度次第なんだけどね、高温多湿じゃなければたぶん行ける?砂漠だったら死ぬよ?
改めて転生先に恵まれたと思う元おっさん、のっぺり佐々木なのであります。

所で月子さん、月子さんは受験とか将来の事ってどうするの?
熱砂スパランドまではまだ掛かるので、何気に以前から気になっていた事を聞いてみた。

「ん、私は歌姫、仕事は続ける。でも大学も行く。」

おぉ~、志が高い。で、どんな大学を目指してるんです?

「私は心理学を学ぶ、その上でより多くの心に響く歌を歌う。」

う、前世の俺に聞かせてやりたい。ただ何となくキャンパスライフがしたくて大学に行った自分が恥ずかしい。
でもそれなら今は遊んでる場合じゃないんじゃないですか?受験勉強とか大丈夫なんですか?

「フッ、私は優秀。評定点で学校推薦が取れている。後は論文と面接のみ、今更焦る必要はない。」

隣で物凄いどや顔をキメる月子さん。子供っぽい所が可愛いです。

「だから今日は目一杯遊ぶ。妥協は許されない。」

Yes,my lord. 一生付いて行きます、月子さん。

「むっ、苦しゅうない。全て私に任せるといい。」

そう言い、顔を赤らめながらものっぺりの頭を撫でる月子。

”恥ずかしいならやらなきゃいいのに。”
そんな見当違いな事を考える無自覚女誑し、のっぺり佐々木なのでありました。
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