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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…
第477話 お仕事のお時間です。 (8)
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「なんかすごい騒ぎになってるね~。」
「やっぱり昨日の放送の影響なんじゃないですか?」
テレビ局の前に集う群衆、皆興奮の面持ちで誰かを待っている様であった。
『あの、すみません。皆さん誰かの出待ちの様ですが、そんなに凄いスターがいらっしゃってるんですか?』
『何あなた知らないの?昨日の放送見なかったの?ニューヒーローの誕生を見逃しただなんてついてないわね。ヨウツーベで”逃走王本選”って検索してみなさいよ、激戦の切り抜き動画がたくさん上がっているから。』
早速スマホで検索してみる。そこに映し出されたのは死屍累々の中一人佇む男、Sakiの姿であった。
『そうそう彼、Mr.Saki。彼に一目会いたいが為に彼が現れそうな場所にこうして集まっているって訳。ここにいても会えるって保証はないんだけどね、思い込んだら即実行、それがフロンティア魂って奴でしょ♪』
ウインクをしそう答えてくれた女性、周りの人々も皆楽しげだ。
昨日の行われた”逃走王フロンティア大会本選”、生中継で放映されてました。
いやいやいや、あんなの生中継するような競技じゃないでしょう、編集しようよ編集。やってる方は良いとしても見てる方は大変よ?カメラワークとかどうしたのよ。
フロントボールとか野球の中継で鍛えられてるから大丈夫?そう言うもんなの?
そう言えば昨日の会場にもセレブ専用VIP席が用意されていてなぜかドレス姿の観客がいたよな~。ボクシングの試合観戦感覚だったりしたんだろうか。
昨日の閉会式も大変だったんだよな~。スタッフは要救助者の対応で大慌てだし、会場は興奮しすぎて訳分かんないことになってるし。
俺ってコロシアムに降り立ったグラディエーターじゃないのよ?逃走王だからね?勘違いしないでね?
数名の鬼役が”心拍数が”とか”心肺停止”って言われた時は大急ぎで張り扇ボンバー蘇生モードをかましましたけどね。あの時は焦ったわ~、AED早く持ってこいとか言ってるんだもん、危うく事故が起きる所だったわ。
大丈夫と説明してもう一度診察してもらって事なきを得たんだけどね。
そんで戦場の傍らでヒーローインタビューと続いての表彰式を終えて帰路に就いたわけなんですけど、競技場周辺物凄い人だかり。一目Sakiに会おうと駆け付けちゃったんだって。
まぁ当のSakiさんとっくにのっぺりチェンジしちゃったんで誰にも気付かれなかったんですが。
タクシー拾ってホテルへGO。なぜかホテルの周りも人だかり。
どうやらテレビ局側から情報が漏れたようです。”どうやらお客様と同名の方が番組でご活躍されたようでして”と、苦笑い交じりで教えてくれたホテルスタッフさん。ご迷惑をお掛けしてごめんなさい、それ俺です。
夕食は再び昨日のもつ煮を食べに。家に帰ったらマミーに作って貰わないと。癖になるお味でした。
帰りがけに公園へ寄ったけどヒーローが暴れてなかったな~。
そんなに事件ばっかりあったら危な過ぎてこんな商売できないよって屋台のお姉さんには笑われたけどね。
で、今。番組プロデューサーのキャッシー・加藤さんに挨拶に来たんだけど、これってSakiになるのは危ないよね。
緊急措置です、気配を消して不法侵入いたしましょう。
俺はブリジットと共にサクッと移動するのでした。
『Ms.加藤、そこをどうにかするのが君の手腕じゃないか。彼はウケるよ、このまま島国に帰すなどもったいない、我が局で抱え込もうじゃないか。』
『制作局長、無茶は言わないでください。彼ほどの男性を強引に引き込んだなんてなれば国際問題ですよ、大和政府が黙ってませんよ。』
『それはほら、彼自身が留まりたいと言えば問題ないだろう?金銭トレードだろうがハニートラップだろうがあらゆる手段を厭わない、それが君の持ち味じゃないか。』
『そう言う問題ではないと言っているんです。それにそろそろ彼が訪ねて来るんですから制作局長もデスクに戻ってください。』
『だったら話しが早い、私が直接・・・』(ガクッ)
黙り込んだままソファーに倒れ込む制作局長。
『あ、すみません。あまり話が長くなりそうでしたので少々お休みしていただきました。』
俺はソファーの背後に立ちながらそう答えた。
『あ、えっ?いつの間に?その、制作局長は大丈夫なんですか?』
『あぁ、こちらの女性ですか?少々疲れがたまっていたんじゃないんですかね。しばらく仮眠されたら目を覚まされますよ。フロンティアの方は皆さん仕事熱心ですものね。』(ニコッ)
驚きの表情を見せるキャッシー・加藤プロデューサー。
こうしてフロンティア連合国での”逃走王”の仕事は、静かに幕を閉じたのでした。
「やっぱり昨日の放送の影響なんじゃないですか?」
テレビ局の前に集う群衆、皆興奮の面持ちで誰かを待っている様であった。
『あの、すみません。皆さん誰かの出待ちの様ですが、そんなに凄いスターがいらっしゃってるんですか?』
『何あなた知らないの?昨日の放送見なかったの?ニューヒーローの誕生を見逃しただなんてついてないわね。ヨウツーベで”逃走王本選”って検索してみなさいよ、激戦の切り抜き動画がたくさん上がっているから。』
早速スマホで検索してみる。そこに映し出されたのは死屍累々の中一人佇む男、Sakiの姿であった。
『そうそう彼、Mr.Saki。彼に一目会いたいが為に彼が現れそうな場所にこうして集まっているって訳。ここにいても会えるって保証はないんだけどね、思い込んだら即実行、それがフロンティア魂って奴でしょ♪』
ウインクをしそう答えてくれた女性、周りの人々も皆楽しげだ。
昨日の行われた”逃走王フロンティア大会本選”、生中継で放映されてました。
いやいやいや、あんなの生中継するような競技じゃないでしょう、編集しようよ編集。やってる方は良いとしても見てる方は大変よ?カメラワークとかどうしたのよ。
フロントボールとか野球の中継で鍛えられてるから大丈夫?そう言うもんなの?
そう言えば昨日の会場にもセレブ専用VIP席が用意されていてなぜかドレス姿の観客がいたよな~。ボクシングの試合観戦感覚だったりしたんだろうか。
昨日の閉会式も大変だったんだよな~。スタッフは要救助者の対応で大慌てだし、会場は興奮しすぎて訳分かんないことになってるし。
俺ってコロシアムに降り立ったグラディエーターじゃないのよ?逃走王だからね?勘違いしないでね?
数名の鬼役が”心拍数が”とか”心肺停止”って言われた時は大急ぎで張り扇ボンバー蘇生モードをかましましたけどね。あの時は焦ったわ~、AED早く持ってこいとか言ってるんだもん、危うく事故が起きる所だったわ。
大丈夫と説明してもう一度診察してもらって事なきを得たんだけどね。
そんで戦場の傍らでヒーローインタビューと続いての表彰式を終えて帰路に就いたわけなんですけど、競技場周辺物凄い人だかり。一目Sakiに会おうと駆け付けちゃったんだって。
まぁ当のSakiさんとっくにのっぺりチェンジしちゃったんで誰にも気付かれなかったんですが。
タクシー拾ってホテルへGO。なぜかホテルの周りも人だかり。
どうやらテレビ局側から情報が漏れたようです。”どうやらお客様と同名の方が番組でご活躍されたようでして”と、苦笑い交じりで教えてくれたホテルスタッフさん。ご迷惑をお掛けしてごめんなさい、それ俺です。
夕食は再び昨日のもつ煮を食べに。家に帰ったらマミーに作って貰わないと。癖になるお味でした。
帰りがけに公園へ寄ったけどヒーローが暴れてなかったな~。
そんなに事件ばっかりあったら危な過ぎてこんな商売できないよって屋台のお姉さんには笑われたけどね。
で、今。番組プロデューサーのキャッシー・加藤さんに挨拶に来たんだけど、これってSakiになるのは危ないよね。
緊急措置です、気配を消して不法侵入いたしましょう。
俺はブリジットと共にサクッと移動するのでした。
『Ms.加藤、そこをどうにかするのが君の手腕じゃないか。彼はウケるよ、このまま島国に帰すなどもったいない、我が局で抱え込もうじゃないか。』
『制作局長、無茶は言わないでください。彼ほどの男性を強引に引き込んだなんてなれば国際問題ですよ、大和政府が黙ってませんよ。』
『それはほら、彼自身が留まりたいと言えば問題ないだろう?金銭トレードだろうがハニートラップだろうがあらゆる手段を厭わない、それが君の持ち味じゃないか。』
『そう言う問題ではないと言っているんです。それにそろそろ彼が訪ねて来るんですから制作局長もデスクに戻ってください。』
『だったら話しが早い、私が直接・・・』(ガクッ)
黙り込んだままソファーに倒れ込む制作局長。
『あ、すみません。あまり話が長くなりそうでしたので少々お休みしていただきました。』
俺はソファーの背後に立ちながらそう答えた。
『あ、えっ?いつの間に?その、制作局長は大丈夫なんですか?』
『あぁ、こちらの女性ですか?少々疲れがたまっていたんじゃないんですかね。しばらく仮眠されたら目を覚まされますよ。フロンティアの方は皆さん仕事熱心ですものね。』(ニコッ)
驚きの表情を見せるキャッシー・加藤プロデューサー。
こうしてフロンティア連合国での”逃走王”の仕事は、静かに幕を閉じたのでした。
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