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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…

第463話 大霊能者マザー佐々木(笑) (2)

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白き炎、それは浄化の灯火ともしび
この世の全ての穢れを祓う聖なるほむら
それは心と身体に沈殿した悪しき淀みを焼き尽くし、新たなる未来へと導く最後の救い。
あぁ、神よ。
弱き人類子羊はただあなたの膝元に御縋おすがりするしかないので"ズバーン"

振り抜かれた精霊剣エクスカリバーは、ハニ子邪神の戯言を一刀のもとに切り伏せるのであった。
って言うか何やっとんじゃお前は!怪しいナレーション入れてんじゃないわ、どこぞの教祖か、新たな神を創造するんじゃねえ!

「ぐぉ~、そ、その聖なる波動は精霊剣エクスカリバー!なぜ貴様がそれを、我の中に封印されていた筈ではなかったのか~!」

阿呆か、この距離ならいつだって取り出せるだろうが。

「ぬかったわ、しかし我は不滅、いつの日か必ずや復活を遂げてみせようぞ。」

全身を白き炎に包まれ、ボロボロと火の粉となって崩れ消えていくハニ子邪神
悪は滅びた、だが俺たちの戦いは終わらない。頑張れ佐々木大地、負けるな佐々木大地。
世界に平和を取り戻すその時まで!

ってかあの野郎逃げやがった!
"我は満足じゃ、ハニ子ちゃん大勝利~♪"じゃねえわ。
何これ、満足感とムカつきの共有、混乱するわ!これって二日酔いそっくりじゃねーか、行き成り統合するんじゃねえ~!
部屋を見渡せば恍惚とした顔で涙を流し祈りを捧げる大人が三人。どうするのよこれ。
お、ブリは平気だったん?

「あぁ、私は既にご主人に使役されてますんで、フレンドリーファイアーは起きないんですよ。」

えっ、いつの間にGETしてたん?記憶に無いんですけど?

「ベッキンガム宮殿崩壊の時ですね。あの時の強烈な力の波動が以前の支配契約を塗り替えちゃいましたから。お陰で自由を取り戻したんですけどね。」

あぁ、あの時ね。どうする?自分の意思で付いて来た訳じゃないなら解放するけど?

「えっ、私クビですか?お願いですから捨てないで下さいよ、こんなにのびのび出来る環境なんて他にはないんですから。私絶対契約解除しませんからね!」

げっ、こいつ寄生する気満々じゃん。ま、本人が嫌がって無いんなら良いんだけどね。しかし怪異ね~、いつの間にか人間からはみ出してたとは。
のっぺりは人事登録しないんだからね!

俺はおもむろに張り扇を構える。
のっぺり流、気合い一閃
"スパンッスパンッスパンッ"

「「「はっ、私たちは一体。」」」

おはようございます。お目覚めの御気分はいかがでしょうか?
ノエル~、皆さんにコーヒーをお出しして~。
あ、ご安心下さい、ハニ子馬鹿はいませんので。

"ズズズズズッ"

はぁ~、美味しい。
皆さんも落ち着かれた様で何よりです。それで、お二人はあれがどういった存在かご理解頂けましたでしょうか?

「は、はい。あのお方は一体?」

あのお方・・・それ程大層なモノでもないのですが、まぁある種の天災みたいなものです。自ら関わりにならなければ過ぎて行きますから。下手に手を出せば・・・ね。

ま、聞きたい事は多いでしょうがあまり急がない方が宜しいかと。既に情報過多なのではないですか?
それと橘美鈴さん?立場上仕方がないとは思いますが、国で知り得た情報を橘家に流し続けるのは控えられた方が宜しいかと。今のあの家ではこちらにちょっかいを掛けかねませんからね。
葛の葉、ちょっと来てくれる。
こちらの葛の葉を見て何かお気付きになられませんか?

橘美鈴さんははじめ訝しげな表情をみせたが、次第に顔を青くしダラダラと冷や汗を流しはじめた。

そう言う事です。パンドラの箱ではありませんが無闇矢鱈と開けば良いと言うものではありませんよ?最後に希望が入ってるとは限りませんから。(ニコッ)

マミー、お二人ともお帰りだそうですよ、お見送りしないと。
それでは私はこの辺で。
そう告げ自室に戻る俺。まだ感覚がおかしい、期間を開けてからの統合は整理に時間が掛かるのね。
これからはその辺気を付けないと、色々と反省点の多いのっぺり佐々木君なのでありました。

(side : 内閣情報室桝添墨子)

マザー佐々木との面会、それは成功だったのであろうか、それとも失敗だったのであろうか。少なくとも我々はこうして生きている。今はその事を喜びたい。それ程にあの会談は強烈なものであった。

「村越、今回の件、お前はどう見る?」
私は助手席の部下に話し掛けた。

「あそこはおかしいです。あれ程の存在がゴロゴロいるのにも関わらず、全く土地に変化がないなんてあり得ません。それにその存在を完全に隠蔽している、強大な力の持ち主がですよ?
そんな話し聞いた事ありますか?」

部下の疑問ももっともだった。力があれば何者にも憚ることなく存在出来る、常に存在を隠す必要がないのだから。
それに力のあるモノが集えば澱みが生まれる。であるならばあの場所には何らかの変化がなければおかしいのだ。

「そう言えばお前あの葛の葉とか言う怪異に矢鱈とビビっていたがあれは何者なんだ?」

「・・・古都の特級怪異、鎮守の森の主です。なんでそんな大物がこんな所にいるんですか。マザー佐々木はこの国を滅ぼす気ですか!
私はこの案件から手を引かせて頂きます。地獄の業火に自ら飛び込むほど自殺願望は強くありませんので。」

「な、橘家との関係はどうするんだ、お前だって困るだろうが。」

「もうそんな事どうでもいいです。今の力の落ちた本家に何が出来ると言うんですか、命あっての物種ですから。」

あの生意気で野心家な部下の心が完全に折れてしまっている。
この一件をなんと報告をしたらいいのか。
桝添墨子は今後の事を考え頭を抱えるのであった。
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