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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…
第454話 その頃のっぺりは
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「でね、ここがその伝説の樹って訳、凄く立派でしょ。」
「はい、まさか学園内にこんなに立派な樹木があるとは思いませんでした。」
目の前に聳え立つ一本の巨木、その大きさに思わず天を見上げる。本来なら学園のシンボルと言われても過言ではないその威容、それがなぜ森の片隅にひっそりと佇んでいるのか。
”やはりこの学園謎が多すぎるだろう。”いつぞやのゲームの舞台疑惑が妙な信憑性を帯びて来た事に戦慄を覚える男、どうも、のっぺり佐々木です。
お前は何をしているのか?いや~、ついこないだ学園の七不思議を探ってえらい目に遭ったじゃないですか?だもんで他にも地雷が埋まっていないかどうかの検証中です。放置して後で爆破でもされたら目も当てられない、何と言っても爆破しかねない主人公が当学園には在籍なさっておりますから。
お前の事だろう?違うからね、俺の場合どちらかと言えば爆破処理だから。天然さんは放置しておくとヤバいんだからね。周辺被害を最小限に抑えるのは裏方のお仕事でございます。
で、その手の学園情報に詳しそうな風見屋風紀委員長にお話しをお伺いしようとしたんですけどね、”だったら私が案内してあげるね♪”って案内係を申し出てくれちゃいましてね。いや、ありがたいんだけどさ、なんかこうグイグイ来られるってのが慣れてなくってですね~。月子さんは独特の不思議ちゃんの雰囲気があってそんなに気にはならなかったんですけど、風子さんの”お姉さんが何でもしてあげるね”って感じはどうしていいのか分からないと言いますか。これって絶対ダメ男製造機だよね。
ダメ男をさらにダメ男にしておいて”あの人は私がいないと駄目なの”って言いながら周りから同情されちゃうタイプ?
スゲ~厄介。悪い人じゃないんですよ?だから余計ね。
「それでね、この樹の下で告白してカップルになると、その恋人たちは一生幸せになるって言われているの。」
「へ~、そうなんですか。これだけ立派な樹だと何かそれだけの霊験あらたかなご利益がありそうですけどね。」
本当に何かご利益の在りそうな樹ではある。よく見ると薄っすら光っている様にも見える。
ん?薄っすら光ってる?樹って光るっけ?
「それでね、その、大地君?あの、私ね・・・❤」
顔を紅潮してモジモジし始める風子さん。その瞳は潤み、上目使いでこちらを見詰めている。
「その、大地君・・・」
その柔らかく瑞々しい唇がそっと開かれる。俺はそんな彼女から目が離せないって言うか”うりゃ!”
”ドゴンッ”
「はっ、あれ?私一体何を?あ、大地君、そうそう学園の不思議スポットの案内をしていたのよね。ごめんね、わたしちょっとボーっとしていたみたい。」
「ハハハ、大丈夫ですよ。風子さんは風紀委員の仕事の他にも受験勉強とかお忙しいんじゃないですか?きっとお疲れ気味なんですよ。ちょっと背中を失礼しますね。」
”ポンポン、ポン”
「わっ、何々?背中からスッと何かが抜ける感じがして凄いスッキリしたんですけど。大地君一体何をやったの?」
「これですか?近所の床屋さんに教わったマッサージですよ。掌を少し丸めるのがコツなんですよ。背筋がシャキッとして気持ちいいでしょ?教えてくれたおばちゃんのお墨付きですからね。」
「うん、凄くすっきりした。大地君ありがとう。」
「どういたしまして。今日はもう遅くなって来たんで残りはまた後日にしませんか?風子さんもお疲れのところ悪いですしね。」
「うん、そうね、じゃあ残りの案内はまた今度ね♪大地君も気を付けて帰るんですよ。寄り道してたら駄目だからね?」
こちらを覗き込む風子さん。うん大丈夫なようだ。
「はい、分りました。ではまた。」
俺は風子さんを見送った後、内ポケットからスマホを取り出す。
「もしもし朱音さん?ちょっと学園奥の森に来てくれる?大きな木があるところ。そう、そこ。待ってるんでよろしくね。」
通話を切り後ろの樹を見やる。その巨木は今だ薄っすらと光を帯びている。
”はぁ~”、俺はため息を吐かずにはいられなかった。
「はい、まさか学園内にこんなに立派な樹木があるとは思いませんでした。」
目の前に聳え立つ一本の巨木、その大きさに思わず天を見上げる。本来なら学園のシンボルと言われても過言ではないその威容、それがなぜ森の片隅にひっそりと佇んでいるのか。
”やはりこの学園謎が多すぎるだろう。”いつぞやのゲームの舞台疑惑が妙な信憑性を帯びて来た事に戦慄を覚える男、どうも、のっぺり佐々木です。
お前は何をしているのか?いや~、ついこないだ学園の七不思議を探ってえらい目に遭ったじゃないですか?だもんで他にも地雷が埋まっていないかどうかの検証中です。放置して後で爆破でもされたら目も当てられない、何と言っても爆破しかねない主人公が当学園には在籍なさっておりますから。
お前の事だろう?違うからね、俺の場合どちらかと言えば爆破処理だから。天然さんは放置しておくとヤバいんだからね。周辺被害を最小限に抑えるのは裏方のお仕事でございます。
で、その手の学園情報に詳しそうな風見屋風紀委員長にお話しをお伺いしようとしたんですけどね、”だったら私が案内してあげるね♪”って案内係を申し出てくれちゃいましてね。いや、ありがたいんだけどさ、なんかこうグイグイ来られるってのが慣れてなくってですね~。月子さんは独特の不思議ちゃんの雰囲気があってそんなに気にはならなかったんですけど、風子さんの”お姉さんが何でもしてあげるね”って感じはどうしていいのか分からないと言いますか。これって絶対ダメ男製造機だよね。
ダメ男をさらにダメ男にしておいて”あの人は私がいないと駄目なの”って言いながら周りから同情されちゃうタイプ?
スゲ~厄介。悪い人じゃないんですよ?だから余計ね。
「それでね、この樹の下で告白してカップルになると、その恋人たちは一生幸せになるって言われているの。」
「へ~、そうなんですか。これだけ立派な樹だと何かそれだけの霊験あらたかなご利益がありそうですけどね。」
本当に何かご利益の在りそうな樹ではある。よく見ると薄っすら光っている様にも見える。
ん?薄っすら光ってる?樹って光るっけ?
「それでね、その、大地君?あの、私ね・・・❤」
顔を紅潮してモジモジし始める風子さん。その瞳は潤み、上目使いでこちらを見詰めている。
「その、大地君・・・」
その柔らかく瑞々しい唇がそっと開かれる。俺はそんな彼女から目が離せないって言うか”うりゃ!”
”ドゴンッ”
「はっ、あれ?私一体何を?あ、大地君、そうそう学園の不思議スポットの案内をしていたのよね。ごめんね、わたしちょっとボーっとしていたみたい。」
「ハハハ、大丈夫ですよ。風子さんは風紀委員の仕事の他にも受験勉強とかお忙しいんじゃないですか?きっとお疲れ気味なんですよ。ちょっと背中を失礼しますね。」
”ポンポン、ポン”
「わっ、何々?背中からスッと何かが抜ける感じがして凄いスッキリしたんですけど。大地君一体何をやったの?」
「これですか?近所の床屋さんに教わったマッサージですよ。掌を少し丸めるのがコツなんですよ。背筋がシャキッとして気持ちいいでしょ?教えてくれたおばちゃんのお墨付きですからね。」
「うん、凄くすっきりした。大地君ありがとう。」
「どういたしまして。今日はもう遅くなって来たんで残りはまた後日にしませんか?風子さんもお疲れのところ悪いですしね。」
「うん、そうね、じゃあ残りの案内はまた今度ね♪大地君も気を付けて帰るんですよ。寄り道してたら駄目だからね?」
こちらを覗き込む風子さん。うん大丈夫なようだ。
「はい、分りました。ではまた。」
俺は風子さんを見送った後、内ポケットからスマホを取り出す。
「もしもし朱音さん?ちょっと学園奥の森に来てくれる?大きな木があるところ。そう、そこ。待ってるんでよろしくね。」
通話を切り後ろの樹を見やる。その巨木は今だ薄っすらと光を帯びている。
”はぁ~”、俺はため息を吐かずにはいられなかった。
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