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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…

第421話 隣の芝生を見に行こう

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「天海君、天海君はお昼ってどうしてるの?」

「あ~、学食?いつも日替わり定食食べてるかな。」

「じゃあ、一緒に行かない?みんなで食べたらおいしいよ。」

「あ~、まぁ~、構わないけど。」

「じゃあ行こう♪」

昼休み、天海君に果敢に挑む女子クラスメート。でも君たち、忘れてないかな?学食には君たちの王子様小山君がいると言う事を。果たして小山君の存在を無視して天海君を構う事が出来るのかな?
これで小山君と合流しようものなら余計天海君の残念イケメン度が増してしまうよ?
この先どう言う結果になろうと多分態度の変わらない天海君に優しく接しようと、心に誓うのっぺりなのであります。
で、チョイと梶原さんたちに聞きたいんだけどFクラスに友達っている?
俺は教室で三人仲良くお弁当を広げる内部進学三人娘に話し掛けました。

「ん?確か同じ内部進学生徒の底辺常連者がいたはずよ。よく同じクラスに成ってたからそれなりに親しいけど。」

じゃあ悪いんだけど紹介してくれる?俺、FクラスやEクラスの男子生徒がどう言った風になってるのか知りたいんだよね。
勝手に誰も知らないクラスに行くってのもあれかなと思ってさ、俺って他と違った意味で目立つから。女子生徒の話も聞いてみたいし。

「ふ~ん、まぁいいけど。じゃあお昼食べたら行ってみる?」

ぜひお願いします。
そうして俺たちはお弁当の後、下位クラス見学ツアーに行く事にしたのでした。


「北見さん、ちょっといいかしら。」
Fクラスはすぐ隣、ウチのクラスはどこぞの暗殺者養成教室の様に底辺クラスだからと言って離れた校舎にある訳じゃないので、顔を出そうと思えばすぐに行けます。
ただ何となく敷居が高くってですね、佐々木君その辺は小市民ですから。

「あら梶原さん、どうしたの?他所のクラスに顔を出すなんて珍しいじゃない。」
お互い苦笑いで挨拶を交わす二人、男子生徒がエサのこの学園では他所のクラス他人の縄張り遊びに行く侵入することは暗黙の了解で避けられているようです。

「うん、ウチのクラスの佐々木君がね、他のクラスの男子生徒の様子を知りたいって言うから連れて来たの。」

梶原さんに紹介され頭を下げる俺。”あ~、裏口の”って俺裏口入学じゃないから、正規の手続き踏んでますから。”え~、だってイケメンじゃないじゃん”ってその通りなんだけどね、その辺は大人の事情なの、諦めて頂戴。
で、このクラスの男子生徒ってどんな感じなの?ウチのクラスに来た天海君を見たら他所の事が気になっちゃって。

「う~ん、なんて言ったらいいのかな、微妙?中等部でもあったじゃない?女子生徒による誘導教育。下位クラスの男子生徒って基本外部進学組でしょ?だからそう言った教育が済んでなくって余計内部進学組と比較されちゃってたのよね。ここ一月ほど高等部でも女子生徒が積極的に取り組んでいたお陰か大分角は取れてるかな。
でもEクラスFクラスGクラスは女子の方も外部進学生徒だったからテクニックがね~。その割にはもとGクラスの小山君は凄いわよね、あそこまでの変貌は内部生でも見られないんじゃない?彼少なくてもBクラスには行くと思うわよ。」

おぉ、意外な所から小山君の高評価が。こう言うのって嬉しいものですな~。
でもそうか、野獣のテクニックにも違いがあったのか。

「これは私の経験上の感想だけど、上のクラスの女子連中って教育の仕方も上手いのよね、そうなると仕上がるイケメンの出来も違うでしょ?結果二年三年になると男子生徒の移動って余り起き難くなる様なのよね。」

なるほどね~、鎬を削る女子生徒は男子生徒にも妥協せずしっかり仕上げるって事ですね。なんか格差社会の一端を垣間見た気がする、深いな~。

「後自分の世界観を持ってる男子は余り上位クラスに行かないかな。基本皆イケメンだしね、こちらの思う反応が帰って来ない様な男子に投票する人も少ないでしょ。」

おぉ~、だから上のクラスにはパーフェクトイケメンが多いんだ、康太君が中学時代に下位クラスにいたのも納得だわ。じゃあ横田先輩も下位クラスだね、男子も色々大変だ。

「今うちのクラスにいるのはあそこで固まってる三人かな、さっきも言ったけど個性的って訳でもないし正直微妙。どちらかと言えば俺様感が抜けきってないって感じ?
隣のEクラスも似た様なものだって友達が言ってたよ。」

なるほどね、凄い参考になった。北見さんだっけ、ありがとうね。俺はGクラス固定みたいだから何かあったら声掛けてよ。ウチのクラスに来る分には縄張り問題は発生しないから。
俺の物言いに乾いた笑いで”そうなのよね~”っと答える梶原さんたち。

「へ~、そうなんだ。今度遊びに行くね。」
北見さんの話しにとても満足した俺は意気揚々とGクラスへと戻って行くのでした。
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