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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…

第384話 蠢く小物 (4)

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(side:教職員)

「ねぇ、今日の緊急職員会議っていったい何の会議なの?」

「さぁ?でもこの桜泉学園高等部に係わる全部署が呼ばれているって事はよほど重大な発表があるって言う事じゃないのかな?」

「え~、私変な方針転換とかだったら嫌なんだけど。最近ウチの学生とは思えないほどの容姿の男子生徒が入って来たって言うじゃない?このイケメンの巣窟、伝統の桜泉学園に不細工はいらないって言うのよ。」

「まあそうぼやかないの、上には上のお考えがあるんじゃないの?私らには分らないナニカがあるんでしょうよ。」

「ほら、静かにしなさい。今から始まるわよ。」

「「はい、すみません、学年主任。」」

ここは桜泉学園高等部にある大講堂。現在学園高等部に関係のある各部署の職員を集めた統一会議が行われようとしていた。

「皆さん、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。これより私立桜泉学園高等部統一会議を行います。私は本日の司会を務めさせていただきます、マネジメント部の吉川と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

まず最初の議題になります、本年度外部入学生徒佐々木大地君について、各方面で色々な憶測が飛んでいる様ですので彼の起用とその経緯について今一度ご説明させていただきます。お手元の資料をご覧になられながらお聞きください。

まず彼が当校のスカウトを受ける事になった切っ掛けですが、外部進学生徒の退学問題にあります。近年急激に改善した我が校内部進学男子生徒の女子生徒に対する対応、それに比例してクローズアップされた外部進学生徒の女子生徒に対する接し方の悪さ。以上の点から女子生徒側から多数のクレームが出ていると言う事は皆さんもご存じだと思います。
多くの女子生徒による外部進学生徒の排斥の動き、結果多くの外部進学生徒が自主退学により我が校を去って行っています。これは当校の教育システムにとって非常に不味い状況と言わざるを得ません。
当校の男子生徒の役割、それは正にニンジンであり多くの女子生徒を走らせる餌なのですから。

ではこれらの問題に対して我々は具体的に何か対策を打てたのでしょうか?
結果からすればNOと言わざるを得ません。
そこで理事会から提案された一つの方策が、この佐々木大地君のスカウトでした。

まず彼の経歴ですが市立佐久間中学校出身となっています。
皆さんはこの佐久間中学校と言う名前に聞き覚えはございませんでしょうか?
鬼ごっこ同好会・不登校生徒ゼロを達成・ひろし君CDデビューの切っ掛けとなるミュージックビデオの制作元・女子生徒の意識改革に使われている各講座DVDの発祥の地。

彼、佐々木大地君の個人プロフィールをよくよくご覧いただけるとお分かりになられると思いますがその全てに彼が関わっております。

また彼は我が桜泉学園の中等部が崩壊した二年前の事件の後の学園再生にも多大な貢献を行っており、現在の様な優秀な内部進学男子生徒を作り出した立役者の一人でもあります。

”ザワザワザワ“
ご静粛に願います。では話を続けます。

当校において決して容姿のすぐれない彼が起用された経緯、それはひとえに彼の実績と当校が抱える問題にあったと今一度認識していただければと思います。

ではその彼が具体的に何を行ったのか?現時点において彼は新入学外部進学男子生徒の退学問題をほぼ解決へ導いたと言っても過言ではないでしょう。
彼はGクラスに配属されたその日に彼の入学に疑問を持つ女子生徒を独自の方法で説得、学園に騒ぎが広がる前にそれを鎮火してしまいました。
次に同クラスの外部進学生徒に対しこれまた独自のプランを持って対応し、これまでの下位クラス男子生徒とは決して思えない非常に人気の高い生徒へと変えて見せました。
さらに、入学してから得た新たな見識と視点を持って一年生女子に対するアプローチを掛け、女子生徒からの男子生徒に対する不満を一掃して見せました。
これらの実績は全てマニュアル化され、今後当校の運営に生かされて行くことでしょう。
以上の点が彼が我が学園の生徒たりうる理由であり意義であります。何かご質問の方はおられますでしょうか。
はい、どうぞ。」

「あの、佐々木大地君がこちらのプロフィールにある様にモデルSakiとして活躍されていると言う話は事実なんでしょうか。」

「はい、事実です。ですが言葉だけでは信用できないと思いますので、今回は佐々木君本人にそれを証明していただきたいと思います。」

”コツンッ、コツンッ、コツンッ”

そこには一人の男子生徒がいた。新緑の通学道をこれからの生活に胸躍らせ校舎へと向かう、そんな希望に満ちた男子生徒。その制服はそんな彼を引き立て彼もまたその着心地の良さをアピールしていた。
これがモデル、一瞬にして会場をファッションショーの舞台へと変える、一流トップモデルSakiの姿がそこにはあった。

「皆さんこんにちは、スタジオS&B所属ファッションモデルのSakiです。一部では逃走王としての名の方が分かり易いかもしれませんね。」(ニッコリ)

”はぁ~~❤”
会議場に漏れる感嘆のため息、皆蕩ける様なうっとりとした表情で彼の事を見詰めていた。

「では、皆さんに私がこちらの学園生徒、佐々木大地であると言う事を証明したいと思います。」
そう言うと彼はおもむろにクレンジングクリームを取り出し顔に塗り始める。見る見る崩れていくメイク、そして彼がタオルで顔を拭いた時、そこにいたのは先ほどの彼とは似ても似つかない特徴の乏しい男子生徒であった。

「どうもこんにちは、一年Gクラス佐々木大地です。スタジオS&B所属のタレントのっぺり佐々木としても活躍していますんで皆さんよろしくお願いします。
さて、皆さんには先ほどからマネジメント部の吉川さんを通じ、俺がなぜこの学園に在籍する事になったのかその経緯と意義について説明を受けたかと思います。
正直俺は皆さんに失望しています、なぜか?それは皆さんが己の責務を見失い日々の業務を行っているからにほかなりません。
では何をもってそんな事を言うのか?それはこちらの記録映像を見ていただければわかると思います。」

佐々木君の合図と共に映し出された映像、それは我が校の男子生徒がタバコを吸い、学園の不平不満を漏らすそんな映像でした。そして場面は剣吞な雰囲気になり、あわや事件へと発展しそうなところで映像は終わりました。

「はい、驚きの映像でしたね。これだけでも十分警察が動く証拠映像となりますが、事件自体は俺が介入し何事も無く収めましたのでご安心ください。
ここで注目すべき点は事件そのものではなくその背景、こうした当然の不満を抱える外部進学男子生徒を作り出しているあなた方にあるのです。
私は外部進学生徒の退学問題に対する対策としてこの学園に入学した以上、その責務を果たさねばなりません。その為にはあなた方に今一度基本に立ち返ってもらい、男子生徒が何のためにこの学園に入学しているのか、その意義とそのために自分に何が出来るのかをよくよく考えていただきたいのです。
はっきり言って彼らは競走馬を走らせるためのニンジン、それも全国から優秀な牝馬を集める為の極上品です。あなた方飼育員はそんな素晴らしい牝馬を作り出すための餌にどれだけ気を割いていますか?内部進学生徒が優秀だから外部進学生徒はどうでもいい?彼らはどうせ持ち上がりをよりよく見せる為の添え物?
ふざけるな、そんな甘い考えなら学園教師なんぞ辞めちまえ!
大体一学生が解決に導ける程度の問題を指をくわえて見ていた自分自身が恥ずかしいと思わんのか!」

佐々木君の怒気を含んだ叱責に、私たち教師陣は只々言葉を失うだけでした。

「失礼、私もつい熱くなってしまいました。これらの問題は一概にあなた方のみのせいではないと言うのに。これはこの学園を主導してきた経営側が大きく関わってくる問題でしたね。私からの話しは以上となります。」

佐々木君はそう言い残すと会議場を後にするのでした。

「佐々木君、ありがとうございました。これで皆さんも彼の件については納得していただけると思います。
では引き続きまして新理事長及び新校長について発表したいと思います。」

”ザワザワザワ“
再びざわめく会議場、脇のドアからは新理事長、新校長と見られる二人の人物が入って来た。

「皆静粛に、私がこの度新理事長に就任した鬼龍院広美だ。前任の鬼龍院一華は私の叔母に当たる。私はこれまで様々な企業の経営立て直しを行うコンサルティング企業で統括業務を行ってきた。当然私立の学校立て直しの経験もある、君たちに不安など与えない事を約束しよう。」

新理事長は前任であり創業者である鬼龍院一華様によく似た、覇気の強い頼もしい御方でした。

「皆さんこんにちは、中等部校長を務めていた鬼龍院静香です。この度人事異動と言う形で急遽こちら高等部の校長を務める事となりました。何卒よろしくお願いいたします。」

校長先生の後任は何と中等部校長の鬼龍院静香校長であった。彼女であればこの学園の運営についても詳しく、問題なく引継ぎが出来るであろう。

「さて、今回このような急な人事が行われたのには当然理由がある、これは我が学園の延いては我が大和国の醜聞になりかねないので他言無用に願いたい。正直この学園は腐っている。”文句があるなら実力を示せ”、先代一華理事長の思想の元完全実力主義を貫いてきた我が学園であるが、その裏で実力主義を勘違いした権力があれば何をしても良いと言った思想が蔓延していた。
先程新入生の佐々木君も言っていたが、驕り高ぶりもいい加減にしろよ!
外部進学生徒の事を”生贄”呼ばわりしそれを当然と受け止める教職員、お前らは何様だ!
その勘違いの結果生まれた数々の犯罪行為、本来だったら我が学園は業務停止どころではない、永遠に大和国の汚点として語り継がれるところであったのだぞ!
現在我が校にはユーロッパ王国より高貴なる身分の方を留学生として迎え入れている、その為我が国政府としてはこの醜聞を表に出す訳にはいかない。
すべての犯罪は密かに内密に処理されていると言うのが現状だ。
そしてその内偵調査は教職員の君たちにまで及んでいる。」

”バタン”

唐突に開かれた講堂の扉、そこからは黒いスーツに身を包んだ複数の女性が入室して来た。

「はい皆さん動かないでください、我々は男性保護観察局内閣情報統制局の合同捜査チームのものです。これから皆さんは一時的に我々の監視下に入っていただきます。現在学園教職員のデスク等から証拠品の押収が行われていますので、作業終了迄今しばらくお待ちいただけると大変助かります。あと何名かの方には身体検査にご協力いただければ幸いです。
違法捜査と思われる方もおられるでしょうから申し上げます。
この学園はすでに男性保護法及び刑事訴訟法の各犯罪行為における立件が決定しております。しかしながら国際的な理由によりその処分は内密に行われる事となっております。今回各犯罪に加担された方々は特別更生施設への収監が決定しておりますのでご了承ください。」

私たちは全く状況がつかめないまま、ただ流れに身を任せるしかありませんでした。

「失礼、こちら学年主任の橋本塔子さんで間違いないですね。あなたには男性保護法違反の容疑が掛かっています。御同行願えますか?」

「えっ、いや、私はそんな事はしていません、何かの間違いです。」
慌てて頭《かぶり》を振る学年主任。

「ハッハッハ、往生際が悪いですよ、橋本先生。外部進学男子生徒との乱交パーティーは楽しかったですか?主催者の田辺理事もお待ちですよ、さぁ、参りましょうか。」

「いやー!私は私は、誰か、誰か、鬼龍院校長を呼んできてよ、誰か!」

「そうそう、鬼龍院政子校長なら先に収監されています、お友達が増えるとお喜びになると思いますよ。」

両脇をがっしりと掴まれ連れて行かれる学年主任。
隣の席では同僚がガタガタ震えている。

「木島先生?」
こちらを振り返り声を掛ける捜査官
「木島先生、危なかったですね。お誘いについついつられてしまう気持ちは分からないでもありませんが、犯罪は犯罪ですからね。
今回は登録のみで犯行実績もありません、厳重注意と言った所でしょうか。でも気を付けて下さいね、こうした閉鎖的な社会は誘惑に逆らいずらいですから。」

顔を真っ青にした同僚は、まるで自動人形の様に頷きを繰り返すのでした。
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