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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第312話 それぞれの悲喜こもごも (2)
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朝の駅前、そこに集う様々な制服を着た少年少女たち。
自信に満ち溢れた顔の者、不安に押しつぶされそうな顔の者。
談笑する者、一人孤独を愛する者。
しかし彼らの目的地は一つ、ゾロゾロと歩く道行の先に見えるのはとある学校校舎。
”よっしゃ、有った~!合格だ!!”
”百五十二番、百五十二番、有った~!!キャーッ!”
合格に喜ぶ者、惜しくも希望を叶えられず悲しみの涙を浮かべる者。
「絵実、受験番号何番だっけ?」
「百八十三番。え~っと、有ったよ佐々木君。」
サクッと自分の番号を見つけ報告してくれる絵実さん。
なんかやけに冷静じゃね?普通こう言う時って喜びに大騒ぎするんじゃない?周りの皆さんそうなんだけど。ここってかなりの難関校だよね、なんでそんなに落ち着いてるの?
絵実ってめちゃめちゃ頑張ってたよね、それこそ目標に向かって只管冷静にって感じで。それが叶ったんだからもっと喜んでもいい様に思うんだけど。
「あぁ、それは試験の時に凄く落ち着いて問題に取り組めたからかな?
見直しもちゃんと出来たし、これまでで一番調子が良かったかも。だからかな、終わった時に絶対に受かるって確信しちゃったんだよね。自己採点評価も今までで最高だったしね。
今日は結果の確認と自分の感覚が間違ってなかったって確信したかったってのが主かな。」
おぉ、なんか絵実が出来る女になってる。ちょっと俺置いてきぼり食らってるみたいで不安なんですけど、もしかして捨てられちゃうの俺?
「佐々木君何言ってるの?私が佐々木君を捨てるなんてありえないよ、ずっと佐々木君に相応しい女になろうって頑張ってるんだから。
本当は佐々木君と同じ学校に行って楽しい高校生活を送りたかったけど、それは難しそうって言うのもあるけどそれだけじゃ駄目だと思って。私ももっと自分を磨いて行かなくちゃって。この学校はそのための第一歩、大学進学をっ見据えた進路なの。
きっとあなたに相応しい女って言われるようになるから期待して待っててね♪」
何この健気な女の子、いいのこんな俺で、なんか涙が止まらないんですけど。
ハンカチですか、どうもありがとうございます。ティッシュティッシュ、鼻水が止まらないよ~。
「記念に正門前で写真撮ろうよ。すみません、お願いしてもいいですか~。」
一瞬訝しげな顔を向けた学校職員さんも、俺たち、主に俺の顔?を見たら何故か慈愛の籠った眼差しで協力してくれました。
周囲にいた同じ受験生からは何故か拍手が、”頑張ってね”とか”お幸せにね”とか絵実に向かって掛けられる謎の声援。
”お前凄いよ、俺も頑張るよ。”と言って俺の肩を叩くイケメン男子受験生たち。
その上から目線なのか優しさの籠った眼差しなのかよく分からん視線は止めてくださいませんか?
学校入学案内を貰いに受付に向かった俺たち。手伝いの為駆り出されたであろう女子生徒が”チィッ、リア充が。”と一瞬睨むも、俺の顔を見た途端なぜかすぐに笑顔で対応。
「もしかして彼氏さん?彼女には変な虫が着かない様に生徒会でしっかりお守りするから安心して。」
「はい、ありがとうございます。私彼氏一本なんでよろしくお願いします。」
「そう、それならあなたたちのツーショット写真を新入学生の紹介として掲載させていただいてもイイかしら?学校中の生徒の目に留まると思うけど。」
「ぜひお願いします。下手に男子生徒に期待をさせるのも悪いので。」
笑顔なのにやけに力の籠った攻防だったような。
なんにしてもなんかすごくいい人ばかりの学校の様です。絵実の事、よろしくお願いします。
自信に満ち溢れた顔の者、不安に押しつぶされそうな顔の者。
談笑する者、一人孤独を愛する者。
しかし彼らの目的地は一つ、ゾロゾロと歩く道行の先に見えるのはとある学校校舎。
”よっしゃ、有った~!合格だ!!”
”百五十二番、百五十二番、有った~!!キャーッ!”
合格に喜ぶ者、惜しくも希望を叶えられず悲しみの涙を浮かべる者。
「絵実、受験番号何番だっけ?」
「百八十三番。え~っと、有ったよ佐々木君。」
サクッと自分の番号を見つけ報告してくれる絵実さん。
なんかやけに冷静じゃね?普通こう言う時って喜びに大騒ぎするんじゃない?周りの皆さんそうなんだけど。ここってかなりの難関校だよね、なんでそんなに落ち着いてるの?
絵実ってめちゃめちゃ頑張ってたよね、それこそ目標に向かって只管冷静にって感じで。それが叶ったんだからもっと喜んでもいい様に思うんだけど。
「あぁ、それは試験の時に凄く落ち着いて問題に取り組めたからかな?
見直しもちゃんと出来たし、これまでで一番調子が良かったかも。だからかな、終わった時に絶対に受かるって確信しちゃったんだよね。自己採点評価も今までで最高だったしね。
今日は結果の確認と自分の感覚が間違ってなかったって確信したかったってのが主かな。」
おぉ、なんか絵実が出来る女になってる。ちょっと俺置いてきぼり食らってるみたいで不安なんですけど、もしかして捨てられちゃうの俺?
「佐々木君何言ってるの?私が佐々木君を捨てるなんてありえないよ、ずっと佐々木君に相応しい女になろうって頑張ってるんだから。
本当は佐々木君と同じ学校に行って楽しい高校生活を送りたかったけど、それは難しそうって言うのもあるけどそれだけじゃ駄目だと思って。私ももっと自分を磨いて行かなくちゃって。この学校はそのための第一歩、大学進学をっ見据えた進路なの。
きっとあなたに相応しい女って言われるようになるから期待して待っててね♪」
何この健気な女の子、いいのこんな俺で、なんか涙が止まらないんですけど。
ハンカチですか、どうもありがとうございます。ティッシュティッシュ、鼻水が止まらないよ~。
「記念に正門前で写真撮ろうよ。すみません、お願いしてもいいですか~。」
一瞬訝しげな顔を向けた学校職員さんも、俺たち、主に俺の顔?を見たら何故か慈愛の籠った眼差しで協力してくれました。
周囲にいた同じ受験生からは何故か拍手が、”頑張ってね”とか”お幸せにね”とか絵実に向かって掛けられる謎の声援。
”お前凄いよ、俺も頑張るよ。”と言って俺の肩を叩くイケメン男子受験生たち。
その上から目線なのか優しさの籠った眼差しなのかよく分からん視線は止めてくださいませんか?
学校入学案内を貰いに受付に向かった俺たち。手伝いの為駆り出されたであろう女子生徒が”チィッ、リア充が。”と一瞬睨むも、俺の顔を見た途端なぜかすぐに笑顔で対応。
「もしかして彼氏さん?彼女には変な虫が着かない様に生徒会でしっかりお守りするから安心して。」
「はい、ありがとうございます。私彼氏一本なんでよろしくお願いします。」
「そう、それならあなたたちのツーショット写真を新入学生の紹介として掲載させていただいてもイイかしら?学校中の生徒の目に留まると思うけど。」
「ぜひお願いします。下手に男子生徒に期待をさせるのも悪いので。」
笑顔なのにやけに力の籠った攻防だったような。
なんにしてもなんかすごくいい人ばかりの学校の様です。絵実の事、よろしくお願いします。
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