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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第298話 駄菓子屋で駄弁る (20)

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”キュイキュイキュイ“
なんだつくね、もっと欲しいのか?しょうがないな。これで終わりだからな?
”キュイ”
俺はテーブルの上のうまい棒の袋を開け、つくねに差し出す。カリカリ音を立て美味しそうに食べるつくね、可愛い♪

「ねぇ親友、見えないから分らないんだけどさ、つくね君?ちゃん?ってどんな姿をしてるの?」 

そうだよね、イタチって言われても普通分からないよね、俺もずっとフェレットだと思ってたくらいだから。二人ともつくね見たい?
”コクコク”
じゃ、見せてあげるね。

俺はつくねを抱き上げると目を瞑り意識を集中する。部屋全体の細かい埃迄しっかり感知できるくらい、気配を隅々にまでいきわたらせる。ぽっかり空いたつくねの形、そこにすべての意識を持って行く。

はい、これで見えるはずだけど。

「「・・・・」」
急に現れたイタチに驚きの余り固まる二人。最初からここにいるって言ってたのに、信じてなかったの?

「いや、普通驚くからね。瞬間的にイタチが現れて驚かない方がおかしいから。何やったの親友。」

ん?あれね、部屋全体に意識を行き渡らせて、気配が消失している場所を明らかにしたの。そんでそこに意識を集中すると消失から出現に代わるんだと。絵実が見たがったから色々試してたら出来た。解説は後から葛の葉さんに聞いた奴、何でもこの手の術は看破されると解けちゃうんだって。つくねは自然体の状態でも姿消しの術を掛けてるのと同じ状態なんだってさ。そんなにぽかんとした顔しないでよ、不思議ワードを使ってるって自覚はあるんだから。
俺も消える事は出来ないけど限りなく認識されないってのは出来るよ、基本ぼーっとするだけだし。如月さんも良く使ってるよね、方法は違うけど。世の中不思議はいっぱいあるんだよ、深く考えたら負けなのさ。

「若、もんじゃのお替りしたいんだが許可貰えるか?後お菓子も。」

ほら、こちらが不思議のデパート葛の葉さん。最近ボディーガードムーブに嵌ってます。こうやってちゃんとお伺いを立てて来るのもそう言う設定だからです。調子に乗って偉そうな態度をとると、思いっきりいたずらされます。
ずっとそこでもんじゃ食べてたけど気付かなかったでしょ?隠密行動中は認識させないんだってさ。俺は気が付いちゃうんだけどね。

「そんなの若だけだからな。普通の人間どころか術者だって無理だから。つくねに気付くのだって超一流どころくらいだから、若はおかしいから。」

だから言い方。みんな俺に対して辛辣過ぎない?酷いよね全く。
って聞いてないし。つくねに夢中って。

「「だってこんなに可愛いんだもん、親友(佐々木様)ばっかりずるい!」」
”キュイキュッキュ~♪”
康太君と如月さんに構ってもらってご満悦のつくね。

そうだよね、モフモフいいよね、可愛いは正義だよね♪
愛らしい式神ペットに癒されまくる三人なのでありました。
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