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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第227話 のっぺり佐々木、死にたくないっす

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「学園探偵ゼット・あぶない二人」、シリーズ化が決定いたしました。(拍手)
こないだ収録した暗躍者とのラストバトル、大反響。中央都テレビの電話鳴りっぱなし、SNSトレンドランキング総なめ、制作ディレクター小躍りしてたそうです。
特に多かったのが支配者様のご尊顔を拝見したいという声、”謎の役者N・Sとはいったい誰?”ってのがワイドショーのネタに成ったりするレベル。
言えない・・・、”のっぺり佐々木”の略称だなんて決して言えない。
あの監督、上手いこと俺の顔が映らない様に撮影したから、後方から顎のラインまでしか分かってないんだよね。口元すら映ってないって言う徹底ぶり。
まぁ、次のシリーズでは支配者出てこないし、問題ナッシング♪
ないよね、出番ないよね、頼むぞ監督!(懇願)

まぁそんな感じで死亡フラグを一つ回避し、ほっと一息濃いめの緑茶を頂いていた所にマイマザーからお声が掛かりました。

「なぁ息子、責任取って逝って来い。」

へっ?いきなり何を言われるのでしょうかこの御方は。
行って来いじゃなく逝って来い?わたくし、まだ逝きたくないんですけど、いったいどういった事なんでしょうか。

「”咲夜”の歌謡歌合戦出場が決まった。」

えぇ~、咲夜そこまで売れてたの?まだデビューして半年くらいだよね?凄いじゃん、超快挙、木村君知ってるの?パーティーしようよ、パーティー!

「落ち着けバカ息子、話は終わってない、一つ問題がある。」
え、なになに?俺に出来る事なら頑張っちゃうよ?楽曲提供?今からだと厳しいけど月子さんなら大丈夫かな?

「"hiroshi"が今年も出場する。しかも”咲夜”の前に。」

…ハハハハハハ、乾いた笑いしか出ね~、嫌がらせか何かか?
昨年の惨劇を忘れた訳じゃなかろうに、出すかね"hiroshi"を。しかも咲夜の前って他の演者が嫌った結果じゃん、完全な新人潰しじゃん。
だから芸能界嫌い。
こんな変な時期に出場が決まったのだって、それが原因じゃないの?誰だってあの大混乱の後に歌いたくないっての。

「”咲夜”は乗り気だ、現場には町田とお前で行ってもらう。プラン全てはお前に一任する。すべての行動を許可する、あらゆる手段を尽くして”咲夜”に最高の舞台を用意しろ。
改めて言おう、死んで来い。」

うゎ、このばばぁぶっちゃけやがった。でも月子さんがやりたいって言うんならやらないと駄目か~。あの人の事だから「あとはのっぺりがどうにかする。」とか言って胸張ってそうだし。
やれるだけやってみますか~。

俺はポケットからスマホを取り出し、思いつく限り片っ端から電話を掛けるのであった。
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