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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第217話 いい旅、湯め気分♨

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壮絶な戦いであった第二回逃走王決定戦本選。
我ら鬼ごっこ同好会の戦士たちは、しばし休息の時間を必要とした。
って言うかお前ら全員して一週間も休んでんじゃないよ、鍛え方が足りないんじゃないのか本当に?
ん?お前は出てないんだから当たり前だろうって?
いやいやいや、出てましたから、皆さん逃走王地方予選見たんでしょ?北関東ブロック予選通過者にしっかり名前が載ってるじゃないですか。
ほらココ、ちゃんと書いてあるでしょ、予選通過者”スタジオS&B所属ファッションモデルSaki”って。
何きょとんとした顔してるのよ、”Saki”さんですよ、私。
”・・・あぁ~、”って酷くない?カミングアウトした私の心を返して。(ぐすん)
どうも、いまだに同一人物だと認識して貰えない”Saki”の中の人、佐々木です。
お前は大会の後大丈夫だったのかって?ご心配どうもありがとう。
当日は流石に死にそうになっていましたが、一晩経ったらケロッとしてました。
やっぱりお家が一番、慣れた布団で寝ると疲れが吹き飛びますな~♪
次の日やたらじゃれてくれる黒丸のかわいい事、心配してくれたのかな?い奴め、ウリウリ、ここか、ここが気持ちいいのか?
復活した鬼ごっこ同好会の皆さん、私の事を指さして化け物呼ばわりするのは止めてください。
これでも部長なんですよ、泣いちゃいますよ。(T  T)

なんやかんやあり~ので日常を取り戻したある日の放課後、家に帰ると見慣れぬ靴が。どなたかお客さん?

「Saki様、お帰りなさいませ。中央都テレビの植松様がお越しになっております。」

ん?植松さん?何の用でしょ。
取り敢えず着替えて来るから、俺の飲み物は渋めの緑茶でお願い。

「畏まりました。熱めでご用意させていただきます。」

流石はノエルさん、俺の好みが分かってる。下手をすると無言ですべての要件がすんじゃうからな、変に慣れない様になるべく要件は口にする様にしないと。
前世の嫁にも散々教育調教されたから、それ。要件や気持ちはちゃんと口に出して伝える、これとっても大事、ボクワスレナイ。(ガクブル)
 
「お待たせしました。中央都テレビの名ディレクター植松さんがわざわざどう言ったご用件で?そろそろ第二回逃走王決定戦本選の放送日ですよね、今一番忙しいんじゃないんですか?」

「いやいや、御心配いただきまして恐縮であります。
佐々木君にはこの度大変お世話になりまして、感謝し切りであります。
こちら、今回の第二回逃走王決定戦本選ディレクターカット版スペシャルDVDであります。時間の都合上本編の放送ではお見せ出来ないシーンなど、まさにスペシャルにふさわしい内容になっておりますので、ぜひお納めください。」

「えぇ~~~~、マジですか、こんなに貴重なものいいんですか、今更返せって言われてもダメですからね、我が家の家宝にするんですから。うっひょ~~、今夜はお祭りだ!!徹夜で何度も見直すぞ~~~!早速ハードディスクに落として、こっちのDVDは厳重に保管しておこう。
植松様、ありがとうございました!」

土下座の勢いでお礼を述べる俺に植松さんも困惑気味。
でも仕方がないよね、男のロマンが詰まりまくった戦いの記録、喜ばない方がおかしいって言うの。

「アハハハ、そんなに喜んでもらえればテレビマン冥利に尽きると言うものでありますな~。本放送は今週の金曜日ですから其方もよろしくお願いします。
さて、話は変わりますが、本日お伺いしたのはファッションモデル”Saki”様にお願いがあったから何でありますが・・・」

おや、”Saki”に用事とな?
まぁ、植松さんの事だから変な事にはならないとは思うけど、いったいどう言う要件なんだか。
これまでの経験からどうしても警戒してしまう佐々木君なのでした。
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