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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第183話 夏だ、合宿だ、走れ走れ!

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”さて、今週の発掘アーティストは今話題沸騰、期待の新人「咲夜」です。今年の夏鮮烈なデビューを果たした咲夜、その歌声もさることながら魂に響く歌詞が注目されています。では聞いていただきましょう、咲夜で「月夜に吠える」”

なんか最近月子さん咲夜の曲、よくラジオで聞くよな~。音楽配信の方も順調だって言うし、北川さん一安心って言った所かな?
カーラジオから流れる咲夜の歌声に耳を傾け、友人の姉の成功にニンマリ笑みを浮かべる男、どうも佐々木です。

只今夏合宿の宿に向け移動中、今年もやってきました夏合宿。
山での合宿修行は却下を食らってしまったので、大人しく海へGO。
そう言えば俺って昨年泳いでないんだよね、今年は大丈夫だよね、泳いでもいいんだよね?
参加者女子には西城講師のありがたい講習と例のDVDを配布してあるので、大丈夫だと信じたい。(不安)
今年こそ海を満喫したいんや~!(魂の叫び)

いつものごとくメンバーは鬼ごっこ同好会部員と映像研究会部員たち。
春に卒業された斉藤先輩に代わり新しく部長になった三峯先輩、無口だけどとても優秀。お陰様でヨウツーベの配信も登録者数をキープしております。
彼女、下から見上げるカットが上手なの、お陰でかなり迫力のある映像に仕上がってます。それになんとドローン撮影導入しました。予算が潤沢だとやることが違うな~。
稼ぎ頭の両部活、おこぼれを貰っているほかの部活からは一切文句がありません。
一度生徒総会で公平に分配すべきだって生意気言う俺様がいたんで、”じゃあ止めます”って言ったらコロッと掌返しやがんの。
やはり世の中マネーパワーには勝てんのですよ、わはははは。(ゲス顔)
映像研究会の皆さん、さらなる迫力映像、お願いします。


「ようこそおいで下さいました、佐久間中学校”鬼ごっこ同好会・映像研究会”の皆様。
”海の宿 潮風亭”女将を務めさせていただいております、磯野かおりと申します。
皆さま長旅でお疲れでしょう、お部屋へご案内いたします、ごゆっくりとお寛ぎ下さい。」

「「「お世話になりま~す。」」」

「海だ~、おれはかえってきたぞ~!!」
”スパーン”

「うん、やっぱり佐々木と一緒の時は、張り扇聖剣は欠かせない。
お前それって去年もやってなかったか?少しは学習しろ。」

”ふん、ふん”とハリセンの具合を確かめる木村君。
だって仕様が無いじゃない、海だよ、砂浜だよ、真っ赤な太陽だよ、”Is't a Summer Beach”だよ?
男の子なら誰だってテンション上がるってもんでしょう~。

「まぁ、その気持ちは分からなくもないがな。お前の場合は表に出過ぎだ、少しは抑えろ。」

あ、そっすね、絵実ちゃんいたら二人にぼこぼこにされるところでしたね、自重します。
ところで木村君はこの後どうする?今日は移動だけでのんびり出来るけど。

「あぁ、俺は早速風呂に行かせてもらう。実はここの露天風呂結構気に入ってるんだ。どうも俺は温泉が好きな様でな、春にも家族で温泉旅行に行ったし、楽しみにしていたんだ。」

へ~、木村君渋い趣味を見つけたもんだね。
じゃあ、俺はその辺を少し散歩してくるよ。みんなに会ったらそう伝えておいて。

「あぁ、夕食までには帰れよ。」

了解了解、そんなに遅くはならないって。


お、あったあった、去年来たお堂。あんまり管理されてない様だったから気にしてたんだけど、思ったほど汚れてないし地元の誰かが掃除してくれているのかな?
ジャジャ~ン、持ってきましたお掃除セット。草むしりには根切り鎌は必須だよね、この場所は山とは違うからゴミも放置できないしゴミ袋も用意して参りましたとも。

よ~し、こんなものでしょう。あまり遅くなるとまた木村君や絵実ちゃんに怒られるからな~。
お供えを置いて、”パンパン”
どうかこの合宿が何事もなく無事にすごせます様に。

”コーーーーーン“
”ブワッ”

うへ~、また突風?俺ってお参りするたび突風吹いてない?吹かないのってお正月の神社くらいじゃね?
謎が多すぎだろ、雨男レベルの謎だぞこれって。
まぁ、実害はないし、どうでもいいんだけど。
じゃ、お願いしますね神様。

さっさと帰って飯だ飯、美味しいご飯が待ってるぞ~!
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