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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第162話 佐々木、引っ越しするってよ。

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「おはようございます。
昨日は宴会の手配、ありがとうございました。お母様は"hiroshi"様の酒宴にご出席とか。今朝は軽くお茶漬けにでもなさいますか?」

いや~、昨日の宴会は本当に楽しかった。そんな宴会を手配してくれたマイマザーには大感謝、全力で媚びを売りますとも。支援者にはしっぽマン振り、どうも、俺です。 
今日はお休み、昨日の疲れもあってゴロゴロしたいのは山々ですが、今回色々骨を折ってくれたマイマザーにはサービスする事やぶさか無しです。

「おい息子、あんたに頼みがあるんだが、ちょっといいかい?」

へいお母様、あっしに何なりとお申し付けください。

「そいつは助かる。やらないといけない祠の掃除があってね、本当ならあたしが行かないといけないんだが、スタジオの仕事で抜けれないんだ。お前さん行って来てくれないかい?」

祠の掃除?マイマザー時々そんな事やってたの?どこかの神社の氏子でもやってるのだろうか?
俺っちも前世でやってたから知ってるけど、年に何度か掃除してるんだよね。綺麗な神社や祠は地元住民の手で維持されている。お参りの際は感謝しないと。

そう言う事なら了解です、お任せくださいマム。(敬礼)

「あぁ、助かるよ。増山が迎えに来るから一緒に行って来ておくれ、掃除道具はリュックに入れて玄関に置いてあるよ。」

何と準備が良いようで。
それじゃ、増山のおっちゃんが来るまでのんびりして”ピンポ~ン”って早くない?
は~い。
おっちゃん、おはようございます。

「おう、坊主おはよう。姐さんから話は聞いてる、今日はよろしくな。」

お母さんから聞いたんだけど祠の掃除なんでしょ?
おっちゃんも神社の氏子かなんかなの?

「まぁ、似たようなもんかな?結構幅広くやらせてもらってる。」

?よく分からないけど、おっちゃん、今日はよろしくお願いします。

「じゃ、早速出発するぞ。荷物持って車に乗り込みな。」

は~い。


ねぇ、おっちゃん。

「なんだ坊主。」

ココって滝行やってる山だよね。

「そうだな、お前は確か二回来てたか。」

そんで俺、ここで祠って言うと一か所しか心当たりないんだけど、まさかそんな事ないよね?

「正解だ、よく分かったな。」

No~、なんてこった。
遠いだろ、めちゃくちゃ遠いだろ。マミー絶対面倒くさいからって俺に振っただろ。
ハメられた~!!

「坊主、早くしないと日が暮れちまうぞ。今回は掃除だけ、滝行が無いだけましだろうが。さっさと行くぞ。」

了解おっちゃん、今行きます。(涙目)

(二時間後)

うん、思ったほどじゃなかった。
俺ってめちゃくちゃ体力付いてた。
って言うかここまで来て全然余裕って、鬼ごっこ同好会の活動ってどんだけだよって感じ。一度アイツら滝行させてみようかな、ここまでのルートも訓練にはもってこいだし。タイムトライアルも面白そう、夢が膨らむな~っておっちゃんどうしたの?
珍しくへばってるじゃん。

「坊主、お前めちゃくちゃ早くなってないか?こっちは付いて行くのがやっとだったんだが。」

まぁ、なんやかんや言って三回目だし?道に慣れたからじゃない。
去年の夏に行った霊峰?より全然近いしねココ。夜道じゃないってこんなに楽なのね♪

「流石姐さんの息子。お前さんかなり一般からずれて来ているからな?少し自覚しといた方がいいぞ。」

?うん、心に留めておく。それよりはやく掃除しようか、ってまずは草刈りからだね。大分草が伸びてるみたいだし。

「そ、そうだな。早速始めよう。(しかし何でこいつはこの場所に来ても全然平気なんだ?俺なんかすでにきついって言うのに。何にしてもさっさと終わらせるに限るな。)」

おお、やっぱり道具があると違う。今回は軍手着用だし根切り鎌超便利。刃の部分のギザギザが良いんだよね、固い根っ子もザクザク切れる。普通の鎌だとこうは行かないもんね。刈った草は端に避けて山にしておけばいいか、こんなところ誰も来ないしね。
ジャジャ~ン、万能のこぎり~。(折り畳み式)
持ち運び便利、太い枝もガンガン切れる優れもの。
そこは鉈じゃないのかって?馬鹿野郎、鉈は難しいんだよ。素人がおいそれと扱える代物じゃないんだよ、第一山の中で怪我なんてしたらシャレにならないから。
こちとら一般人、ただの中学生、ボーイスカウトなんか入ってないの。
ちまちまのこぎりで切るのがお似合いなのさ、それでも細心の注意で扱わないと怪我するってのに。(ぷんすか)

うし、あらかた片付いた。草も根から抜いたから当面大丈夫でしょう。っておっちゃん大丈夫か?なんか顔色悪いぞ。そっちの岩の所で少し休憩しときなって、雑草は俺が片しておくから。

まぁ、片付けると言っても林の中に山にするだけなんだけどね。ん?なんか黒い塊って犬じゃん。去年のワンワンと言い、野良犬凄いな。野犬の野は野生の野だな、本当。にしてもえらい痩せてるなこいつ、飯食べてないのか?
本当は野生動物にエサやるのって駄目なんだけどな~、こんな衰弱し切った姿見ちゃうと良心の呵責が…。昼飯の御裾分けで悪いけど食べるかお前?ここ置いておくから好きにしな。
お、警戒しつつも食べたじゃないか。よく見ると目が理性的だし、元飼い犬か何か、しかもいい所のお犬様と見た。
そんじゃ、俺は行くけど頑張って生き残れよ、ブラザー。

おっちゃん、片付け終わったよ~。あとは祠にお供えして早く帰ろうか。
って本当大丈夫?マミーみたいに気合入れてやろうか?まあ出来ないけど。
こないだ床屋のおばちゃんに教わった背中ポンポン叩く奴なら出来るぞ、あれって掌を少し丸めるのがコツなんだってさ、チョッと背中向けてみ?

”パンパンパンパンパンッ、パンパンッ”

ね?結構すっきりするでしょ?床屋のおばちゃんにも才能あるって褒められたんだよね。んでどうよって顔色良くなってるじゃん。
これなら帰りも大丈夫じゃね?
さっさとお参りして帰るべ帰るべ。

”パンパン“
祠の神様、どうか安らかにお過ごしください。
帰りの道中もよろしくお願いします。

”ワォーーーーンッ“
”ブワッ”

うわ、突風?おっちゃん大丈夫?凄い風だったね。
ん?辺りなんか明るくない?
日差しは変わってないのに妙にキラキラして見えるんだけど、気のせい?

「・・・・・・」

ま、いいか。おっちゃん早く帰ろうぜ~♪


ん、もう到着したの?
あ、ごめんね俺すっかり寝てたみたい。ってここ何処?おっちゃん家?
お、マイマザー。おっちゃん家にまでお迎えご苦労様です。

「は?何言ってんだい息子、ここが我が家だよ。」

いやいやいや、何馬鹿言ってるの?どう見たって人の家じゃん、忙し過ぎてとうとうボケた?

「おい息子、大事な事だからよく聞けよ。
我が家は引っ越しました。」

・・・・・はぁ~!?
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