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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第93話 hiroshi様、始動 (4)
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漸く期末テスト終わった~。
中学校の勉強難しいわ。数学と理科はまだ良いんだけど、英語と社会科がヤバい。
元々余り出来た方じゃなかった上に、最早四十年以上前の勉強覚えている訳がない。しかも地理も歴史も別物だしね。
感覚としては漢字が解るからって中国に行ったら、お互いちんぷんかんぷんだったって奴。
あれ本当に別物なんだよね。
熱狗でホットドックって舐めてんのかって思ったもん。
現国はどうしたかって?
私に人の機微が解るとでも?
漢字は小学校の頃から苦手ですが?
前世おっさんやぞ、ワープロスマホ世代やぞ、辞書なんぞ知らん、自動変換舐めんな。
桜泉学園からの楽曲提供依頼は、竹田先生といじくり捲って何かイイ感じに仕上げました。
「Summer Beach」
タイトル有りがちって思ったけど、元々曲の発想が"鬼ごっこ同好会の連中に夏の砂浜を走らせる"って計画からだったんで、まあいいかなと。
出来上がった後はマネジメント部の吉川さんにポイ。
そっから先は、大人のお仕事でよろしくお願いします。
「お母さん、おはよう。今朝はパンでいい?」
「あら、おはようさん。試験も終わったから、遅く迄寝てるって言ってなかった?」
「ん、何か目が覚めちゃって。牛乳取って。」
「はいよ。」
マイマザー、今日はきちんと起きてるようです。日曜日は寝こけてる事が多いのに、珍しい事もあるもんだ。
「今週の芸能ニュースは、今ヨウツーベで話題沸騰、謎のアーティスト"hiroshi"の特集です。」
"ブフォッ"
「馬鹿、何牛乳吹き出してんの!
汚いから早くふきなさい!!」
ぐぅおっ、思いっ切り頭殴るなよ、不可抗力だっての。
すぐ拭きますから、ちゃんと二度拭きしますから。はいはい、雑巾も何度も濯すすぎますから。
まさかテレビから"hiroshi"の話しが出るとは思わなかった。
いや、売り出したとは聞いていたけど、その後どうなったかって聞いてなかったんだよね。興味なかったし。
因みに"hiroshi"ってのはひろし君のアーティスト名。
そんで俺が"SASAKI"、竹田先生が"Bamboo"。
あの人絶対ふざけてるって、うけ狙ってるとしか思えないもん。
曲作ってるときもノリノリだったし。
こっちの業界行かないのって聞いたら、
「全力でバカやれるから楽しいんじゃない。仕事だったらそうは行かないでしょ?」
って言われた。
暗に”お前もそうなんだろ?”って目をされたんだけど、まあ実際そうなんだけどね。
おふざけじゃなきゃやってられないっての。
そんなこんなで送り出したのが今度の新曲「Summer Beach」だったんだよね。
それがまさかニュースバラエティーとは言え全国ニュースになるとは。
竹田救護司令官、今頃腹抱えて笑ってるんだろうな~。
(side:??)
「はぁ、今日も疲れた。」
部屋のドアを開けると、着替えもせずにベットに飛び込む。
「私、何やってるんだろう。」
男性のいる職場での花のOL暮らし。
田舎では味わえない都会の喧騒。
夢見ていた、憧れていた。
でも現実は…
脱ぎ散らかした洋服。
独り暮らしのアパート。
その問いに答えるものは居ない。
”ピンコン”
レインの通知音にスマホを手に取る。
着信は友人からのモノだ。
”ヨウツーベの音楽配信動画見た?今凄い子が出てきたんだけど!
ミキも絶対気に入るから見てみなよ♪”
音楽配信動画?
そう言えばこのところゆっくり音楽を聴く事も無かったな。
添付されているURLをクリック。
アーティスト名:hiroshi
聞いた事ない名前、新人だろうか。
”サクラ咲く 校庭の 片隅で
君と~ 笑い会えたなら
どんなに 楽しい 事でしょう
決して~ 夢何かじゃ ない~"
涙が止まらなかった。
私の冷え切った感情が、擦れ切れていた心が、
温かく優しい声音で、
ゆっくりと包み込まれていく。
泣き疲れた頃、ふと我に返った。
”わたし、こんなに疲れていたんだ。”
部屋を見渡すと衣類やごみが散乱している。
明日は休日、しっかり部屋の掃除をしよう。
今夜は久々にぐっすり眠れそうだ。
私の顔には自然と笑みが浮かんでいた。
中学校の勉強難しいわ。数学と理科はまだ良いんだけど、英語と社会科がヤバい。
元々余り出来た方じゃなかった上に、最早四十年以上前の勉強覚えている訳がない。しかも地理も歴史も別物だしね。
感覚としては漢字が解るからって中国に行ったら、お互いちんぷんかんぷんだったって奴。
あれ本当に別物なんだよね。
熱狗でホットドックって舐めてんのかって思ったもん。
現国はどうしたかって?
私に人の機微が解るとでも?
漢字は小学校の頃から苦手ですが?
前世おっさんやぞ、ワープロスマホ世代やぞ、辞書なんぞ知らん、自動変換舐めんな。
桜泉学園からの楽曲提供依頼は、竹田先生といじくり捲って何かイイ感じに仕上げました。
「Summer Beach」
タイトル有りがちって思ったけど、元々曲の発想が"鬼ごっこ同好会の連中に夏の砂浜を走らせる"って計画からだったんで、まあいいかなと。
出来上がった後はマネジメント部の吉川さんにポイ。
そっから先は、大人のお仕事でよろしくお願いします。
「お母さん、おはよう。今朝はパンでいい?」
「あら、おはようさん。試験も終わったから、遅く迄寝てるって言ってなかった?」
「ん、何か目が覚めちゃって。牛乳取って。」
「はいよ。」
マイマザー、今日はきちんと起きてるようです。日曜日は寝こけてる事が多いのに、珍しい事もあるもんだ。
「今週の芸能ニュースは、今ヨウツーベで話題沸騰、謎のアーティスト"hiroshi"の特集です。」
"ブフォッ"
「馬鹿、何牛乳吹き出してんの!
汚いから早くふきなさい!!」
ぐぅおっ、思いっ切り頭殴るなよ、不可抗力だっての。
すぐ拭きますから、ちゃんと二度拭きしますから。はいはい、雑巾も何度も濯すすぎますから。
まさかテレビから"hiroshi"の話しが出るとは思わなかった。
いや、売り出したとは聞いていたけど、その後どうなったかって聞いてなかったんだよね。興味なかったし。
因みに"hiroshi"ってのはひろし君のアーティスト名。
そんで俺が"SASAKI"、竹田先生が"Bamboo"。
あの人絶対ふざけてるって、うけ狙ってるとしか思えないもん。
曲作ってるときもノリノリだったし。
こっちの業界行かないのって聞いたら、
「全力でバカやれるから楽しいんじゃない。仕事だったらそうは行かないでしょ?」
って言われた。
暗に”お前もそうなんだろ?”って目をされたんだけど、まあ実際そうなんだけどね。
おふざけじゃなきゃやってられないっての。
そんなこんなで送り出したのが今度の新曲「Summer Beach」だったんだよね。
それがまさかニュースバラエティーとは言え全国ニュースになるとは。
竹田救護司令官、今頃腹抱えて笑ってるんだろうな~。
(side:??)
「はぁ、今日も疲れた。」
部屋のドアを開けると、着替えもせずにベットに飛び込む。
「私、何やってるんだろう。」
男性のいる職場での花のOL暮らし。
田舎では味わえない都会の喧騒。
夢見ていた、憧れていた。
でも現実は…
脱ぎ散らかした洋服。
独り暮らしのアパート。
その問いに答えるものは居ない。
”ピンコン”
レインの通知音にスマホを手に取る。
着信は友人からのモノだ。
”ヨウツーベの音楽配信動画見た?今凄い子が出てきたんだけど!
ミキも絶対気に入るから見てみなよ♪”
音楽配信動画?
そう言えばこのところゆっくり音楽を聴く事も無かったな。
添付されているURLをクリック。
アーティスト名:hiroshi
聞いた事ない名前、新人だろうか。
”サクラ咲く 校庭の 片隅で
君と~ 笑い会えたなら
どんなに 楽しい 事でしょう
決して~ 夢何かじゃ ない~"
涙が止まらなかった。
私の冷え切った感情が、擦れ切れていた心が、
温かく優しい声音で、
ゆっくりと包み込まれていく。
泣き疲れた頃、ふと我に返った。
”わたし、こんなに疲れていたんだ。”
部屋を見渡すと衣類やごみが散乱している。
明日は休日、しっかり部屋の掃除をしよう。
今夜は久々にぐっすり眠れそうだ。
私の顔には自然と笑みが浮かんでいた。
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