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第一章 男女比世界へようこそ

第59話 駄菓子屋で駄弁る

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春休み最高~。しかも卒業生の休みは普段より長い。
そう、普段より長い、これ重要。
なんかすごい得した気分。
おじさんとしては、”この期間にしっかり準備して新しく始まる中学校生活に備えなさい。”と言う教育機関からの温かい配慮ってのも分かってはいるんですよ?
でもあれじゃん、やっぱ遊びたいじゃん?
それにほら、別々の学校に行く連中も多数いる訳だし。
って事で本日はこうた君と駄菓子屋で”もんじゃパーティー”です。
なんと卒業記念に「海老玉もんじゃ」を頼んじゃいます。
そこの君、”ププッ、桜エビごときで喜んでやんの、貧乏人はこれだから”とか思ってないかい?
チッチッチッ、この駄菓子屋を舐めてもらっちゃあ困るな~。あの女傑よ、美魔女の経営する趣味のお店よ?
なんということでしょう、このぷりっぷりのエビは。
この海老玉もんじゃ、一日限定五玉まで、売り切れ必至の人気メニューなんですねこれが。
わたくし、コネの限りを尽くし、本日の為に二玉の入手に成功しました!!
引き換え条件が一週間毎日のマッサージってのが…、美魔女め、流石にゲスい!
しかもこれ前払い、有耶無耶で誤魔化せんやん、通いましたよ一週間。(涙目)
先ずはジュ-スで乾杯だ~!!

で、最近どうよ、こうた君の方は。
お父さん、めっちゃ喜んでいたと、それは良かったじゃん。んで、これを機に一緒に暮らす事になったと。
え、マジ!?
なにこうた君、名実共にお父さん持ち!?
凄いじゃん、めちゃくちゃステータス上がっちゃうじゃん!
今の世の中お父さんの居るご家庭って超絶セレブよ?同じ金持ちでも居るのと居ないのじゃ、貴族と平民くらい扱いが違うのよ?
これからは敬意をこめて”康太様”って御呼びしようか?
気持ち悪いから止めてくれ?む、失礼な。
んじゃ、康太君で。
え、今までと変わらないんじゃないかって?頭の中で平仮名から漢字に代えてみました。
”ブホッ”
バカ、きたねえ!ジュ-ス飛ばしてんじゃねーよ、もんじゃに掛かったらどうするんだよ。これには一週間の俺の汗と涙の苦労が詰まってんだよ、大事に食え!

「君って本当に阿保だね~。」

え、何その可哀そうな子を見るような眼は。止めて、本当。最近マイマザーにも同じような目で見られたばっかりだから、僕の心はガラス細工のように繊細なのよ。

「あんたが阿保なのは前からだろ?馬鹿言ってないでさっさと食べな。豚玉もんじゃ二玉おち。卒業記念だ、あたしの奢りだよ。」
うぉ、美魔女、突然声かけて驚かすなし。俺たちこれから中学生よ、もう子供じゃないんだから余り揶揄わないで頂戴。(ぷんすか)

「ふん、何言ってやがる。あんたのどこが大人だよ、これからも一生揶揄ってあげるから感謝するんだね♪」
うげ~、やっぱこの人苦手~。
康太君さっきから何笑ってんのよ、”無理、もうダメ限界、助けて。”ってさっきから失礼すぎるでしょ。隣の席のお姉さま方から「尊い、笑い転げる男子最高~♡」って凄い事言われちゃってるから。
あ、お姉さま方、写真撮影はご遠慮ください。動画にしてヨウツーベにアップしたい?いや本当勘弁して、いろいろ問題が発生するから。拡散されると収拾がつかなくなるから。
康太君もそろそろ復帰して!?

「おばちゃ~ん、お冷持ってきて~。」
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