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第一章 男女比世界へようこそ
第54話 女達の闘い (2)
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「受験生の皆さんのー、頑張りを讃えてー!」
「フレーッ、フレーッ、み・ん・な!
それ~!!」
「「「フレッ、フレッ、みんな、フレッ、フレッ、みんな!!」」」
"ドンッ"
「其ではこれより!
"みんなの事を応援し隊"隊長のひろし君より、応援の言葉を送りまーす。」
「みんなが今、無事にこの時を迎えた事、本当に嬉しく思います。
僕は知っているよ?
みんなが凄く頑張っていたと言うことを。
僕は知っているよ?
みんながいっぱいいっぱい、努力をしていたと言うことを。
僕は君を見ているよ、
桜泉学園で待ってる。」
"ゾクッ"
一瞬にして空気が変わった。
さっきまで落ち込んでいた子が、
不安に怯えていた子が、
強迫観念にイライラしていた子が。
もう、泣き虫はいない。
彼女等は戦士。
俺たちに出来る事は、ただ信じるのみ。
"サクラ咲く 校庭の 片隅で
君と~ 笑い会えたなら
どんなに 楽しい 事でしょう
決して~ 夢何かじゃ ない~"
静まり返った体育館に、
彼の独唱が響き渡る。
覚悟は決まった。
いざ、試験会場へ。
(side: 俺 )
いや、ちょっと待って?
なにこれナニコレ?
想定してたのと違うんですけど?って言うか違いすぎるんですけど?
確かに”激励会を開いてほしい”って校長先生にお願いしたのは俺たちよ?
と言うかアイディア出したのは俺よ?
でもさ、俺がやりたかったのはこれじゃないからね。
女子たち本当に頑張ってたからさ、少しでも元気付けたくて校長先生に”激励会”なんて提案した訳ですよ。女子を元気付けると言ったら”ひろし君”しかないでしょ、大体騒動の原点は”ひろし君と離れたくない”って言う女子たちの願望なんだから。
じゃあ”ひろし様にも一肌脱いでもらおうか”って事で、”みんなの事を応援し隊”隊長を依頼したらあっさり承諾。分かってたけどね、彼って基本的に目立つの大好きだから。
そんで応援の言葉を、こうた君曰く”稀代の詐欺師”のわたくしが作成。
ちょっとこれだけじゃ弱いかな?と思って駄目押しにひろし君独唱歌「君と二人で」を作成(作詞作曲:俺 アレンジ:保険教諭の竹田先生)。
竹田先生めちゃノリノリで付き合ってくれるんだもん、こっちも本気で作っちゃったよ。昭和・平成の卒業ソングテイストをガンガン詰め込んでみました。(どや顔)
そんでデモテープを二日前に渡しての本番ですよ。監修の竹田先生からはばっちり仕上がってるとのお墨付き。先生がボソッと「私も桜泉行こうかな…。」なんて呟いてたのは気になったんだけどね。
そんで本番。俺たち、四年五年六年の男子生徒合同による”みんなの事を応援し隊”の初舞台。ノリはまんま男子応援団のソレ。
これがかなり受けた。
やっぱ男性からこれだけの声援を受けることって、今の世の中ありえないからね。
三年生以下の下級生なんかは口”ぽか~ん”としてるし、四年生以上の受験勉強に励んでいた女子生徒たちは、ものすごい笑顔になってたからね。
いくらひろし君以外ガン無視の彼女たちだって、男子に応援されたらそれは嬉しいでしょ。もうDNAに刻まれた本能だから。
これよこれ、これですよ。
もう激励会は大成功、校長先生もにっこりですよ。いや~、いい仕事したわ、俺。
そして始まる総仕上げ。
今回のメインイベント、”ひろし君の声援と歌のプレゼント”。
どうしてこうなった…
先ほどまで喜んでいた子が、
笑っていた子が、
”桜泉学園で待ってる”
その一言で、”戦士”になった。
前世でおばあちゃんが言っていた。
「戦争に行く兵隊さんはな、それは立派だったよ。私の住んでいた街には特攻隊の訓練施設があってな、周辺の街から来た兵隊さんは始めは悲しそうな顔をしていたもんさ。でもいざ出兵の時が来ると、みんな何か吹っ切れたような顔をして。
子供だった私らにもにっこりとほほ笑んでくれたもんさ。
わたしはあの顔が忘れられなくてね。」
死兵、己の命はもう無いものと覚悟し、すべての力をもって敵を葬る最終兵器。
静まり返った体育館。
ひろし君の独唱が響く中、彼女たちは静かに涙を流した。
しかしその顔には、柔らかな笑みをたたえていた。
本当、どうしてこうなった。
あと美穂先生、「私も桜の木の下でひろし君と一緒に…」ってぶつぶつ言ってますけど、あんた受験生じゃないからね?
あなたは先生ですから!!
「フレーッ、フレーッ、み・ん・な!
それ~!!」
「「「フレッ、フレッ、みんな、フレッ、フレッ、みんな!!」」」
"ドンッ"
「其ではこれより!
"みんなの事を応援し隊"隊長のひろし君より、応援の言葉を送りまーす。」
「みんなが今、無事にこの時を迎えた事、本当に嬉しく思います。
僕は知っているよ?
みんなが凄く頑張っていたと言うことを。
僕は知っているよ?
みんながいっぱいいっぱい、努力をしていたと言うことを。
僕は君を見ているよ、
桜泉学園で待ってる。」
"ゾクッ"
一瞬にして空気が変わった。
さっきまで落ち込んでいた子が、
不安に怯えていた子が、
強迫観念にイライラしていた子が。
もう、泣き虫はいない。
彼女等は戦士。
俺たちに出来る事は、ただ信じるのみ。
"サクラ咲く 校庭の 片隅で
君と~ 笑い会えたなら
どんなに 楽しい 事でしょう
決して~ 夢何かじゃ ない~"
静まり返った体育館に、
彼の独唱が響き渡る。
覚悟は決まった。
いざ、試験会場へ。
(side: 俺 )
いや、ちょっと待って?
なにこれナニコレ?
想定してたのと違うんですけど?って言うか違いすぎるんですけど?
確かに”激励会を開いてほしい”って校長先生にお願いしたのは俺たちよ?
と言うかアイディア出したのは俺よ?
でもさ、俺がやりたかったのはこれじゃないからね。
女子たち本当に頑張ってたからさ、少しでも元気付けたくて校長先生に”激励会”なんて提案した訳ですよ。女子を元気付けると言ったら”ひろし君”しかないでしょ、大体騒動の原点は”ひろし君と離れたくない”って言う女子たちの願望なんだから。
じゃあ”ひろし様にも一肌脱いでもらおうか”って事で、”みんなの事を応援し隊”隊長を依頼したらあっさり承諾。分かってたけどね、彼って基本的に目立つの大好きだから。
そんで応援の言葉を、こうた君曰く”稀代の詐欺師”のわたくしが作成。
ちょっとこれだけじゃ弱いかな?と思って駄目押しにひろし君独唱歌「君と二人で」を作成(作詞作曲:俺 アレンジ:保険教諭の竹田先生)。
竹田先生めちゃノリノリで付き合ってくれるんだもん、こっちも本気で作っちゃったよ。昭和・平成の卒業ソングテイストをガンガン詰め込んでみました。(どや顔)
そんでデモテープを二日前に渡しての本番ですよ。監修の竹田先生からはばっちり仕上がってるとのお墨付き。先生がボソッと「私も桜泉行こうかな…。」なんて呟いてたのは気になったんだけどね。
そんで本番。俺たち、四年五年六年の男子生徒合同による”みんなの事を応援し隊”の初舞台。ノリはまんま男子応援団のソレ。
これがかなり受けた。
やっぱ男性からこれだけの声援を受けることって、今の世の中ありえないからね。
三年生以下の下級生なんかは口”ぽか~ん”としてるし、四年生以上の受験勉強に励んでいた女子生徒たちは、ものすごい笑顔になってたからね。
いくらひろし君以外ガン無視の彼女たちだって、男子に応援されたらそれは嬉しいでしょ。もうDNAに刻まれた本能だから。
これよこれ、これですよ。
もう激励会は大成功、校長先生もにっこりですよ。いや~、いい仕事したわ、俺。
そして始まる総仕上げ。
今回のメインイベント、”ひろし君の声援と歌のプレゼント”。
どうしてこうなった…
先ほどまで喜んでいた子が、
笑っていた子が、
”桜泉学園で待ってる”
その一言で、”戦士”になった。
前世でおばあちゃんが言っていた。
「戦争に行く兵隊さんはな、それは立派だったよ。私の住んでいた街には特攻隊の訓練施設があってな、周辺の街から来た兵隊さんは始めは悲しそうな顔をしていたもんさ。でもいざ出兵の時が来ると、みんな何か吹っ切れたような顔をして。
子供だった私らにもにっこりとほほ笑んでくれたもんさ。
わたしはあの顔が忘れられなくてね。」
死兵、己の命はもう無いものと覚悟し、すべての力をもって敵を葬る最終兵器。
静まり返った体育館。
ひろし君の独唱が響く中、彼女たちは静かに涙を流した。
しかしその顔には、柔らかな笑みをたたえていた。
本当、どうしてこうなった。
あと美穂先生、「私も桜の木の下でひろし君と一緒に…」ってぶつぶつ言ってますけど、あんた受験生じゃないからね?
あなたは先生ですから!!
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