男女比世界は大変らしい。（ただしイケメンに限る）

第一章 男女比世界へようこそ

第47話 学芸会は華やかに （４）

｢なんだ、この胸が締め付けられる様な気持ちは
彼女たちと共に有った日々では確かに感じていたのだ
温かく優しさ溢れ
互いに支え合いたいと言う想いを
ああ、あれが幸福
わたしが追い求めていたものは
既にこの手に有ったのか　　　　｣


おぉ、ひろし様はハーレムルートを選択されましたか。
この舞台〔幸福の王子様〕は、マルチエンディング方式。ラスト前、このシーンの台詞で今後の展開が分かれるんだよね。
"共に有った"の前の台詞に入るのが
一人の場合⇒一人と結ばれる
彼女たち＋複数の名前⇒複数ハーレム
彼女たちと⇒オールキャストハーレム
今回は無事、オールキャストハーレムルート決定です。
これで誰か選ばれなかった、もしくは一人だけ選んだ場合…
怖、鳥肌立ったんだけど！
ひろし様、流石でございます。

でもこの〔幸福の王子様〕、実在したって言うんだからびっくり。顔を隠して城下に出没していたのは本当の事らしいよ。
様々なエンディングが語られているのは、モデルになった妃や側室の方々が、各々それぞれに都合のいい話を流布したからなんだってさ。
いつの時代も一番でありたいってのは女性の本能なのかね～。

お、クライマックス。
ひろし様、ヒロインを抱き寄せて愛を囁いていらっしゃる。そんなに見詰め合ったら…
"ドサッ"

膝から崩れ落ちちゃったよ。
なんで耳元で語り掛けるかな～、黒子さんナイスキャッチ。
先生方がなんで黒子やってるんって思ったら、こう言う事だったのね。
美穂先生の動き素早かったもんな、すべて想定済みだったのか。
フォローも完璧、やるな校長先生。

舞台は無事閉幕、会場はスタンディングオベーション、割れんばかりの拍手喝采。
来賓席の私立桜泉学園の関係者、超満足気。他の私立関係者相手にどや顔してんの。
"素晴らしい舞台でしたね～。特に主役の男の子、まさに王子様。
あの子、ウチの入学予定者ですの。パンフレットにも載ってますのよ、一部お持ちになります？"
完全にマウント取りに行ってるし！

あ、幕上がった…って女子誰も居らんやん、村人役とかの男子だけじゃん。
うゎ～、舞台裏行きたくね～。

舞台中央、スポットライトに照らされ感謝の言葉を伝える"ひろし様"。

格が違うわ。