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本編
サベージへ
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「もう、そろそろね。」
馬車の外の懐かしい景色をみて思う。
「不安か?」
レオンが声をかける。それに、なんといえばいいのか分からず苦笑で返す。
「大丈夫だ、私がそばにいるから。」
それに頷き少し浮ついた気持ちが、落ち着き再び背筋を伸ばし外を眺める。
今、ルナリアは、レオンと共にサベージへと向かっていた。
というのも数週間前にさかのぼる。
ーーーー数週間ほど前
「サベージがドラニアに交渉を持ちかけている。」
ルナリアがその話を聞いたのは、仕事に明け暮れていたその時、侍女や文官たちの噂がたまたま耳に入ったのだった。
ドラニアはサベージの国力を削っていった。
魔法の行使しすぎで、疲弊した兵士に合わせてハイングルの食料の供給、他国からの物資を止められたサベージはたった数週間で衰えた。
ついに、根をあげた国王が交渉を持ちかけたのだ。正式な交渉のため皇帝であるレオンが王都に向かうことになったらしい。勿論、護衛は最高の部隊でサベージの王都には既にドラニアの軍が入っている。
「はぁ、はぁ!・・レオン様!!」
バタァン!!
サベージの話しを聞いて、はしたないとおもいつつもレオンのいる執務室に駆け込んだ。
「ルナ?どうした?」
驚きつつもルナリアの元に寄ってきたレオンに息を整えいう。
「サベージに行くというのは本当ですか?」
「・・あぁ。もう、伝わったか。」
少し困ったような顔で、レオンは言う。
「レオン様!私も連れていってくださいませ!」
走ってきた勢いのままレオンに向かっていう。
レオンは、眉間にシワを寄せ難しそうな顔をする。
「だが、サベージの今の治安はあまり・・・」
「ですが!!」
居ても立っても居られないのだ、ただ事務処理をして報告を待つだけなんて仕事をしていてもらしくないミスをしている。
「お願いします。レオン様!!文官達と混ざればきっと、私もサベージに入れます!」
一心にレオンを見つめる。
「お願い、します。」
「・・・・はぁ」
深く頭を下げた。そうすれば、深い深いため息が落ちる。
「分かった。だが、今のサベージはとても危険だ。飢えた王都の民主が暴徒と化して荒れている。本来、王族が自重し、食料を民主に分けていればそんな事にならないはずだがな。とりあえず、一人で勝手に動くな。約束できるか?」
「は、はい!」
パッと顔を上げレオンを見る。諦めたように笑みを浮かべていた。
己がノクスの捜索に加わっても、さしたる協力がないのは分かっているけれど、ドラニアの間諜よりノクスと関わって魔力の質を知っているルナリアなら少なからず協力できると思った。
だから、このままこの場にとどまるよりかは協力したかった。
レオンが許してくれたことに、嬉しく思い笑みをこぼす。
「ルナ、お願いがあるだが貴方のミサンガは持っているか?」
「は、はい?」
「それに君の魔力を流してくれ。」
言われた通り、空間からミサンガを取り魔力を流してレオンの差し出された腕に巻きつける。ルナリアが持っていた赤と白のミサンガが白い部分がルナリアの魔力がながれあおにかわっていった。
レオンがやった様に、あの夕日の中の息を飲む様な雰囲気ではなかったけれど私の青とレオンの赤が折り重なっているミサンガに心から愛しく思った。
馬車の外の懐かしい景色をみて思う。
「不安か?」
レオンが声をかける。それに、なんといえばいいのか分からず苦笑で返す。
「大丈夫だ、私がそばにいるから。」
それに頷き少し浮ついた気持ちが、落ち着き再び背筋を伸ばし外を眺める。
今、ルナリアは、レオンと共にサベージへと向かっていた。
というのも数週間前にさかのぼる。
ーーーー数週間ほど前
「サベージがドラニアに交渉を持ちかけている。」
ルナリアがその話を聞いたのは、仕事に明け暮れていたその時、侍女や文官たちの噂がたまたま耳に入ったのだった。
ドラニアはサベージの国力を削っていった。
魔法の行使しすぎで、疲弊した兵士に合わせてハイングルの食料の供給、他国からの物資を止められたサベージはたった数週間で衰えた。
ついに、根をあげた国王が交渉を持ちかけたのだ。正式な交渉のため皇帝であるレオンが王都に向かうことになったらしい。勿論、護衛は最高の部隊でサベージの王都には既にドラニアの軍が入っている。
「はぁ、はぁ!・・レオン様!!」
バタァン!!
サベージの話しを聞いて、はしたないとおもいつつもレオンのいる執務室に駆け込んだ。
「ルナ?どうした?」
驚きつつもルナリアの元に寄ってきたレオンに息を整えいう。
「サベージに行くというのは本当ですか?」
「・・あぁ。もう、伝わったか。」
少し困ったような顔で、レオンは言う。
「レオン様!私も連れていってくださいませ!」
走ってきた勢いのままレオンに向かっていう。
レオンは、眉間にシワを寄せ難しそうな顔をする。
「だが、サベージの今の治安はあまり・・・」
「ですが!!」
居ても立っても居られないのだ、ただ事務処理をして報告を待つだけなんて仕事をしていてもらしくないミスをしている。
「お願いします。レオン様!!文官達と混ざればきっと、私もサベージに入れます!」
一心にレオンを見つめる。
「お願い、します。」
「・・・・はぁ」
深く頭を下げた。そうすれば、深い深いため息が落ちる。
「分かった。だが、今のサベージはとても危険だ。飢えた王都の民主が暴徒と化して荒れている。本来、王族が自重し、食料を民主に分けていればそんな事にならないはずだがな。とりあえず、一人で勝手に動くな。約束できるか?」
「は、はい!」
パッと顔を上げレオンを見る。諦めたように笑みを浮かべていた。
己がノクスの捜索に加わっても、さしたる協力がないのは分かっているけれど、ドラニアの間諜よりノクスと関わって魔力の質を知っているルナリアなら少なからず協力できると思った。
だから、このままこの場にとどまるよりかは協力したかった。
レオンが許してくれたことに、嬉しく思い笑みをこぼす。
「ルナ、お願いがあるだが貴方のミサンガは持っているか?」
「は、はい?」
「それに君の魔力を流してくれ。」
言われた通り、空間からミサンガを取り魔力を流してレオンの差し出された腕に巻きつける。ルナリアが持っていた赤と白のミサンガが白い部分がルナリアの魔力がながれあおにかわっていった。
レオンがやった様に、あの夕日の中の息を飲む様な雰囲気ではなかったけれど私の青とレオンの赤が折り重なっているミサンガに心から愛しく思った。
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