雷鬼

まるたこ

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何が違うの?

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 「ぐっ!?!」

 いつもとは違う肌触りの布団の中、急に襲いかかる腹部の痛みで目を覚ました。・・・最悪の目覚めだよ。
 昨日話が終わってお風呂も入り寝ようとしたらシロにベッドへと引き込まれホールドされてそのまま動けなくなった。無理矢理払っても良かったけどめんどくさかったのでそのまま寝たら、シロもそのまま寝たらしい。そして、今寝返りを打ったのか私の上に乗っている。
 ・・・はよ起きろ!!肘でその頭かち割ってやる!

「いたっ!痛い痛い!痛いよー!クロ!何すんの!!」

 うるさい!早く退いて!完全に人の上で寝てたよね?痛いのはこっちなんだが?その足切り落としてやろうか!こちとら回復魔法使いやぞ!1回や2回切り落として再生させるなんて朝飯前やぞ!

「え、な、なんか怒ってる!?目がやばい!鬼の姿の時より怖いよ!?ほ、ほらもう朝だよ!朝ごはんを食べよう!あはははは~」

 布団で寝てた時は寝相良かったのになんでこのベッドだと寝相悪くなんの?そんな謎体質なの?意味分かんない。・・・着替えてリビングに向かうか。

「はい、朝ごはん!こんなのしかないけど。」

 おぉ菓子パンだ。ダンジョンにはこんなのないから食べれないし、久しぶりだ。いただきます。・・・美味!1年ぶりのあんぱん美味い!一時あんぱんだけでいいくらいには食べれそうだわ。

「なんか嬉しそうだね?あんぱんで??」

 そりゃ美味しいものを久しぶりに食べたら嬉しいよね。そんな顔に出てたかな?まぁいいけど~。もう1個貰い~。

「とりあえず、この後クロの携帯を買いに行こうかなって思っているんだけどいい?」

 携帯?要らないよ?持ってても使わないし携帯代勿体ないじゃんね。

「・・・その顔要らないって思ってそうだね。要らないことはないと思うよ。ずっと私と居る訳じゃないでしょ。何かあった時の連絡手段は持ってた方がいいと思うよ。」

 ふむ。そりゃ私もシロとずっと居るとは思ってないよ。でも、あんまり出歩くきもないからいいやって思ってたけど一応、連絡手段は必要だよね。

「なんか納得したような顔してるし、いいってことかな?まぁ嫌だって言っても買うけどね?」

 強制じゃん。それ聞く意味ないじゃん。なんか、このままだとシロのヒモみたいになる。いや、探索者になれば大丈夫か。危ない危ない。

「じゃあ、時間もいいしさっさと買いに行っちゃおう!ほら行くよ!他にも買うものがあるんだから!」

 えぇ?聞いてないんですけど。携帯以外に何買いに行くの?ちょ、引っ張んないで、自分で歩けるよー。


 てことで、携帯販売店なう。ホログラムとか使ってるのにこの辺は変わんないんだね?進んでそうで全然進んでない。1年だとそんなものなのかな?
 ・・・うわー最新機種だ。私が使ってた携帯って当時出たばっかりだったんだよ。年1くらいで新機種出るけどなんか改めて実感するね。

「なんかいいのあった?」

 何がいいのかすら分からないけど?何でもいいよ。前のやつでもいいし。毎回思うけどこんなに新しい携帯出してるけど何が変わってるんだろうね?

「・・・分かんないんだったら私と一緒のやつにするよ?ダンジョン内でも使えるやつだからいいと思うよ」

 へぇ、そんなのあるんだ。まぁシロが使い方知ってれば知らない機能があっても聞けるしそれでいいよ~。

「じゃあ決まりね。色は黒でいいの?」

 うん?なんで?クロって呼んでるから?まぁ別にこだわりないから何色でもいいよ。

「じゃあ手続きして来るけど、一緒に行く?ここにいる?」

 ここに居てもする事ないし、付いて行ってもする事ないけど・・・一緒に行くか。
 シロがあれこれ手続きしてくれるから座ってるだけだ。なんかめっちゃ定員さんに見られてる。なんで?なんかこわ、目合わせんとこ。・・・まだ見られてるんだけど!!

「よし!終わったよ!え、ちょ、どうしたの!?」

 じゃあ早く出よう!早く!!あの定員の雰囲気?なんかキモい。もう絶対ここには来ない。

「どうしたの?何かあった?」

 はぁ、なんか嫌な気分だわ。もう帰ろ。家でゴロゴロする。それかダンジョンに行く。

「えぇ、なんか怒ってる?いや、落ち込んでるのかな?えぇ分かんない。・・・そうだ!気分転換に美味しいパフェ食べに行こう!人が居ない良いところ知ってるんだよ!」

 ・・・パフェ、行くに決まってるじゃん!早く行こうパフェを食べに!シロ!早く!

「なんか、元気になったね?いや、元気になったのは良かったよ。けどさ、家出る時より元気じゃない!?」
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