ようこそ精神障害へ

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序章-初出勤

精神障害

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かつてはIT系中小企業で働いてた私だが、あまりの職場の環境に過度な精神的ストレスから、
少し重めのうつ病を発症してしまった。それ以来、回復後も軽いうつ症状が出ていた。
その時、家族から精神障害の自立支援をしているのだが来てみないかと?打診があり、私も職場環境を変えたく迷わずに依頼を受けた

さて時は八月、暑さの厳しい日であった。出勤日初日スーツに身を包み、施設へ到着した。
入口が何処か迷いかけてた時、玄関に立っていた青年に声をかけられた。
「今日から入る方ですか?こちらです!」と、案内された。若い職員さんかなと思ったが
後からすぐに軽度の知的障害の方だったと分かった。
施設長から、明日新しい職員がくると利用者へ案内があり、彼はそれが気になり朝から玄関で待っていたそうだ。
知的障害の性質である何かに固執するとにかかってたそうだ。

そして、施設へ入りスタッフルームへと進んだ。施設は社員寮みたいな感じの二階建てであった。
※元々社員寮として使われてたそうだ
そして緊張を携え、上司の入江施設長へ面会した。彼は大袈裟に私がデキル人間だと吹聴し
周りのスタッフへも余計なことを言ってくれたそうだ。今に思えば彼が一番の障害者だったと思う笑
そして初日から「K君には事務長をやってもらうから」といきなり役職をあてられた。

さて右も左も分からない内に昼食の時間となった。昼食はホールで利用者と職員が見守りつつ食べるのだが、
私も例にもれなく、施設長から利用者への私の入職のお知らせ後に、昼食をともにすることとなった。
この時一番見守りが必要な方々の席へ配置された。
そこで初めて””あぁ、これが精神障害かー””と納得できた。

というのも、話し方が抑揚がありすぎる、社会性がなさすぎる。恐らく幼いころからの精神疾患で、
社会経験というものがなかったのだろう。話し方は乱暴で
「俺、気に入らないことがあったらこコレだからね!」と拳を握りしめた彼の名前は雄一郎さん。
そして隣の席から聞こえてくる先祖と会話しているという日下さん。
いやはや、まったく面白いものだとその時は楽観的に捉えていた私だった。
先祖との交信が終わると日下さんも食事を始めた。
食後は利用者さんの服薬チェックがあり、名前と顔が一致しなくて中々に時間がかかり、
周りをイラつかせてしまったようで、何人かに怒鳴られた笑
(すまんな皆、私は名前を覚えるのが苦手なんや)と内心思いつつも食事は終わった。

食後は13時からプログラムがあり、それに私も見学として参加することになった。
今思うと入江施設長のやりたい放題で自立支援なんて「じ」の字もないようなプログラムだった。
やはり入江、お前が一番の所障害だったと改めて思う笑

その日のプログラムは社会参加という名の映画鑑賞だった。てっきりホールで映画を流すのだと思っていた。
しかし、本当に映画館へみんなで行ったのだった。新作映画を見て帰ってきたのだ。
当時はこれが当たり前なのかと思っていた。

そしてホームに戻り、その日は夕食前に一日目の仕事を終えたのだった。
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