1 / 2
魔王様
しおりを挟む
暗い部屋の中に、少年が1人。
黒髪黒目の可愛らしい少年。その少年が手にしているのは、コントローラー。明るい画面の前で残像が見えそうな速度で指を動かした。
コンコン
「朝でございます。」
「あ、ごめんね。もうちょっと、」
そう言って少年は険しい顔で画面を見つめた。
ーーーーーーーーー
「んー。やっぱ手強いなぁ…。」
部屋がノックされた数分後、少年はやっと手を止め息をついた。今さっきまで少年がやっていたのは、お察しの通りゲームである。昼間は基本的にゲームができないため、すべて夜にゲーム時間を回した故の五徹である。ちょうどイベント期間中で、たまに寝たりはしていたもののラストスパートの5日間、寝ずにゲーム三昧であった。結果トップ10に食い込んで、報酬もバッチリ受け取り済。それが今朝の出来事だ。と言ってもまあ、今やっていたのはイベントが終わった後寝るのを諦めて暇つぶしにPvPをやっていただけなのだが。
重い体を起こし、別のゲーム機を持ってのそのそとドアの前まで移動した。ゆっくりとドアを開けると、目に飛び込んできたのはーー眩しい太陽の光だった。
「ウッッッ。め、目がぁ…目が死ぬ…。」
「おはようございます、魔王様。今日も、寝ずにゲームをしていたようですね…?」
「うぅぅ。おはよう、爺。食堂まで連れてって。早くしないと僕灰になりそう。」
手を広げると、爺と呼ばれたダンディな髭おじは少年魔王を抱き上げた。
食堂へ向かう中、すれ違った使用人達は端に寄り礼をする。魔界を統べる最強の主人に向かって。
黒髪黒目の可愛らしい少年。その少年が手にしているのは、コントローラー。明るい画面の前で残像が見えそうな速度で指を動かした。
コンコン
「朝でございます。」
「あ、ごめんね。もうちょっと、」
そう言って少年は険しい顔で画面を見つめた。
ーーーーーーーーー
「んー。やっぱ手強いなぁ…。」
部屋がノックされた数分後、少年はやっと手を止め息をついた。今さっきまで少年がやっていたのは、お察しの通りゲームである。昼間は基本的にゲームができないため、すべて夜にゲーム時間を回した故の五徹である。ちょうどイベント期間中で、たまに寝たりはしていたもののラストスパートの5日間、寝ずにゲーム三昧であった。結果トップ10に食い込んで、報酬もバッチリ受け取り済。それが今朝の出来事だ。と言ってもまあ、今やっていたのはイベントが終わった後寝るのを諦めて暇つぶしにPvPをやっていただけなのだが。
重い体を起こし、別のゲーム機を持ってのそのそとドアの前まで移動した。ゆっくりとドアを開けると、目に飛び込んできたのはーー眩しい太陽の光だった。
「ウッッッ。め、目がぁ…目が死ぬ…。」
「おはようございます、魔王様。今日も、寝ずにゲームをしていたようですね…?」
「うぅぅ。おはよう、爺。食堂まで連れてって。早くしないと僕灰になりそう。」
手を広げると、爺と呼ばれたダンディな髭おじは少年魔王を抱き上げた。
食堂へ向かう中、すれ違った使用人達は端に寄り礼をする。魔界を統べる最強の主人に向かって。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
二度目の転生は傍若無人に~元勇者ですが二度目『も』クズ貴族に囲まれていてイラッとしたのでチート無双します~
K1-M
ファンタジー
元日本人の俺は転生勇者として異世界で魔王との戦闘の果てに仲間の裏切りにより命を落とす。
次に目を覚ますと再び赤ちゃんになり二度目の転生をしていた。
生まれた先は下級貴族の五男坊。周りは貴族至上主義、人間族至上主義のクズばかり。
…決めた。最悪、この国をぶっ壊す覚悟で元勇者の力を使おう…と。
※『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも掲載しています。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる