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四章

22、ショバ代が払えません【3】

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 蒼一郎さんの手が、指が、わたしの体中をまさぐります。
 わたし、頑張るって言ったのに。これじゃあ、いつもと同じです。

 それを言おうと思ったのに。口から出てくるのは、
感極まったような喘ぎ声ばかりで。

「ん……ふぁ、ちが……うの、わたし、が」
「絲さんが、どうするん?」
「わたしが、する……あぁ、するって、言って……んんっ」

 いっそう敏感な部分に触れられて、言葉が乱れてしまいます。
 でも、伝えなくては。なのに、うまくいかないから。

 快感に溺れながらも、かろうじて蒼一郎さんの腰の方へと手を伸ばしました。
 指先が、布越しに硬い昂りに触れて。
 蒼一郎さんがびくりと身をすくませたのが、指に伝わってきました。

「無理せんでもええのに。けど、絲さんには動いてもらうから。な?」
「は……い」

 屋根やお庭の木々の葉を叩く雨音。雷鳴は、まだ時おり鳴り響いています。

 不思議なんです。恥ずかしいのに、いつもだったら怖いのに。
 どうして今はこんなにも蒼一郎さんが欲しいの?

 蒼一郎さんは、ご自分で寝間着を脱いでしまわれました。

 そして、わたしに手招きなさいます。

「そこまで決意しとんやったら、自分で俺のを挿れてみ」
「わたしが……?」
「難しいことあらへん。腰を落とすだけでええから。ああ、ゆっくりな」

 仄かな明かりに照らされて屹立するそれから、思わず目を背けそうになります。
 いつも、あんな大きいのが体に入っていたの?
 わたしが、自分から挿れるの?

「できへんか?」

 優しく問いかけられて、わたしは首を振りました。
 自分で決意したんですもの。怖いからと言って逃げてはいけません。
 それに、いつも抱かれているんですもの。

「失礼します」
「お、おう」

 わたしは覚悟を決めて、蒼一郎さんの腰の辺りをまたぎました。
 さっきまで散々弄られていたから、すでにわたしはしっとりと濡れています。

「……っ」

 腰を沈めた時、圧倒的な圧迫感に息が止まりそうになりました。
 苦しい、です。体がみしみしと裂かれそう。

「あ……ぁ、んん……ぁ、あ……ん」

 ふいに蒼一郎さんの指が、わたしの花芯をそっと撫でました。突然のことに腰を引こうとしたのですが、お尻をしっかりと掴まれて逃げられません。

「だめ、触れない、でぇ」
「この方が、入りやすいから」
「でも……ぉ」

 ああ、蒼一郎さんを受け入れようとしている部分が次第に濡れていくのが分かります。
 彼の屹立を伝い、滴っていくのが分かるんです。

 恥ずかしい。逃げてしまいたい、なのに自分ですると決めたんですもの。

「……ふぁ、ぁ……っん」

 痛みと快楽が同時に襲ってきて、わたしは蒼一郎さんを受け入れました。
 
「絲さん。動くんやで」
「は、い」

 敷布団に膝を立てている状態で、蒼一郎さんをまたいでいるから。ただ腰を下に落とすだけでいいはずなのに。

「ん……っ、んん……っ」

 みしりと裂けそうな圧迫感に、なかなか動くことが出来ません。

「困ったなぁ。なんか犯してるような気分になるわ」
「が、頑張ります、から」
「うーん。こういうのは頑張るもんなんやろか」

 蒼一郎さんは、そう仰いますが。相当に苦しくて。身動きが難しいんです。

「絲さん。ちょっと我慢しぃや」
「え?」

 突然、腰の左右を蒼一郎さんの大きな手で掴まれたと思うと、わたしの視界がぶれました。

「や、ぁ、なに?」

 浅いところを抜き差しされて、ひときわ強い快感に襲われます。

「待って。ぁ……あ、待って、ください」
「絲さんは浅いところが好きやから」

 繰り返し繰り返し、同じ場所を擦られて。しかも蒼一郎さんに導かれているとはいえ、自分が体を上下に動かしているのだから。
 まるで、わたしがねだっているように思えて。

「はぁ……ぁ、あぁ……ん」
「ええなぁ。すごい色香やで」
「言わない、で、ください」

 恥ずかしいの。とても淫らで、こんな風に自分から動くなんて、したことなくて。
 ただ蒼一郎さんの上で、乱れることしかできませんでした。
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