28 / 31
二章
23、大好きよ【2】
しおりを挟む
どれくらい時間が経ったのだろう。
ようやくお嬢さんはすべての釦を外して、肩をはだけて袖から腕を抜いた。
すとん、と柔らかなワンピースが床に落ちていく。それは小さな布の海となり、波打っているように見えた。
「静生……あの、だ、抱いて、くだ……さい」
よく言えました、と俺は微笑んだ。
「おいで、冨貴子」
両腕を広げると、一糸まとわぬ姿の冨貴子お嬢さんが飛び込んでくる。
彼女の柔らかな胸が俺の硬い胸に触れ、一刻も早く寝間着を脱ぎ捨ててしまいたくなる。
もどかしい気持ちで腰紐を解き、素肌に彼女を感じる。
ああ、なんて滑らかで柔くて。まるで天鵞絨を撫でているかのようだ。
唇を重ねると、恥じらいながらも冨貴子さんは応じてきた。
幼い時から、何度も抱き上げて。山では最後と思ってあなたを愛したというのに。
本当に、大人になったあなたを抱けるやなんて。
貪るようにくちづけを交わすと、冨貴子さんは必死に応じてくる。舌を絡め、彼女に口を閉じる暇さえも与えない。
「あ、しず……お」
ぼうっと頬を上気させて、冨貴子さんの唇がてらりと濡れる。
「悪い子ぉですね。こんなに淫らに育ってしまって」
「言わないで。静生以外とは、こんなことしない、もの」
「ええ、させませんよ。お嬢さんのすべては俺のものです」
「……冨貴子よ」
しっとりと濡れた黒い瞳が、間近で俺を見つめる。
ほんまに困ります。そんなに誘われたら、加減ができませんから。
◇◇◇
静生の手が、わたくしの肌を隅々まで撫でます。
大きくて乾燥していて、指は節くれだっていて。強く力を入れられたら、痛いのに。
胸を掴まれて、わたくしは呻き声すら上げたのに。
それでも、もっと触れてほしくて。静生に体を寄せたの。
好きよ、静生。
もっと触れて。肌を重ねたいの。
不謹慎で淫らで、こんなことを考えているなんて、女學校の先生に知られたら、きっと卒倒なさるわね。
でも、わたくしはそうは思わない。
静生と愛が交わせるんですもの。これがふしだらだなんて、考えたくないの。
くちづけが口から顎へ、そして首筋へと降りていきます。
わたくしの腰を支えていた大きな手は、腿を撫で、そして閉じていた脚を開かされます。
「ん、やっ……恥ずかしいの」
「そうですか? 俺はお嬢さんのすべてが欲しいから。恥ずかしい部分も全部見せて、触れさせてもらいますよ」
意地悪を言われて、ああ、彼はもう使用人ではないのだわと納得しました。
「ん……んんっ、んっ」
「声を上げてもええですよ。この家は広いですし、扉はきちんと閉じてありますから」
「でも……」と恥じらうと、静生はわたくしの耳元で囁きました。
「俺にだけ聞かせてくれますよね」
「は、はい」
小さく頷き、わたくしは彼の背に手を回しました。
ようやくお嬢さんはすべての釦を外して、肩をはだけて袖から腕を抜いた。
すとん、と柔らかなワンピースが床に落ちていく。それは小さな布の海となり、波打っているように見えた。
「静生……あの、だ、抱いて、くだ……さい」
よく言えました、と俺は微笑んだ。
「おいで、冨貴子」
両腕を広げると、一糸まとわぬ姿の冨貴子お嬢さんが飛び込んでくる。
彼女の柔らかな胸が俺の硬い胸に触れ、一刻も早く寝間着を脱ぎ捨ててしまいたくなる。
もどかしい気持ちで腰紐を解き、素肌に彼女を感じる。
ああ、なんて滑らかで柔くて。まるで天鵞絨を撫でているかのようだ。
唇を重ねると、恥じらいながらも冨貴子さんは応じてきた。
幼い時から、何度も抱き上げて。山では最後と思ってあなたを愛したというのに。
本当に、大人になったあなたを抱けるやなんて。
貪るようにくちづけを交わすと、冨貴子さんは必死に応じてくる。舌を絡め、彼女に口を閉じる暇さえも与えない。
「あ、しず……お」
ぼうっと頬を上気させて、冨貴子さんの唇がてらりと濡れる。
「悪い子ぉですね。こんなに淫らに育ってしまって」
「言わないで。静生以外とは、こんなことしない、もの」
「ええ、させませんよ。お嬢さんのすべては俺のものです」
「……冨貴子よ」
しっとりと濡れた黒い瞳が、間近で俺を見つめる。
ほんまに困ります。そんなに誘われたら、加減ができませんから。
◇◇◇
静生の手が、わたくしの肌を隅々まで撫でます。
大きくて乾燥していて、指は節くれだっていて。強く力を入れられたら、痛いのに。
胸を掴まれて、わたくしは呻き声すら上げたのに。
それでも、もっと触れてほしくて。静生に体を寄せたの。
好きよ、静生。
もっと触れて。肌を重ねたいの。
不謹慎で淫らで、こんなことを考えているなんて、女學校の先生に知られたら、きっと卒倒なさるわね。
でも、わたくしはそうは思わない。
静生と愛が交わせるんですもの。これがふしだらだなんて、考えたくないの。
くちづけが口から顎へ、そして首筋へと降りていきます。
わたくしの腰を支えていた大きな手は、腿を撫で、そして閉じていた脚を開かされます。
「ん、やっ……恥ずかしいの」
「そうですか? 俺はお嬢さんのすべてが欲しいから。恥ずかしい部分も全部見せて、触れさせてもらいますよ」
意地悪を言われて、ああ、彼はもう使用人ではないのだわと納得しました。
「ん……んんっ、んっ」
「声を上げてもええですよ。この家は広いですし、扉はきちんと閉じてありますから」
「でも……」と恥じらうと、静生はわたくしの耳元で囁きました。
「俺にだけ聞かせてくれますよね」
「は、はい」
小さく頷き、わたくしは彼の背に手を回しました。
0
お気に入りに追加
135
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ねえ、私の本性を暴いてよ♡ オナニークラブで働く女子大生
花野りら
恋愛
オナニークラブとは、個室で男性客のオナニーを見てあげたり手コキする風俗店のひとつ。
女子大生がエッチなアルバイトをしているという背徳感!
イケナイことをしている羞恥プレイからの過激なセックスシーンは必読♡
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる