7 / 114
CASE1 ホウレンソウは欠かさずに
CASE1-5 「アンタは運がええのう」
しおりを挟む
翌日、イクサは「腹痛と頭痛で家から出られない」と、スマラクトに伝言して仕事を休んだ。
もちろん、仮病である。
万が一にも、マイスはもちろん、職場の同僚にも見られる事のないようにと、過ごしやすい春の気候にも関わらず分厚い外套を着込み、目深にフードを被った姿で、彼は自宅の勝手口から出かける。
行く先は、南ミグ区の古物市場だ。
目当ての品はもちろん、魔晶石――昨日修復を請け負ってしまった、エレメンタル・ダガーの鍔に嵌め込まれていたものと同等のものだ。
「……あるかなぁ、こんなに大きな魔晶石……」
彼は、そう独り言つと、外套の隠しから取り出した、直径3セイムほどの黒く濁った石をじっと見つめる。
イクサが石を太陽に光に翳すと、微かに青く輝く――それは、この石が、元々水属性の魔晶石だった事を示している。
エレメンタル・ダガーに嵌め込まれていたものを取り外して、市場で大きさを比較確認する為に持ってきたのだ。ちなみに、エレメンタル・ダガー本体は、既に工房に回して、先んじて刃の修復作業に取りかかってもらっている。――そうしないと、二週間の納期に間に合わない。
エレメンタル・ダガーの刃の修復と、代替の魔晶石の確保と手配を同時進行で行う――それが、イクサの立てたプランだった。
刃の修復に関しては、差し当たっての問題は無い。確かに錆と亀裂は深刻なレベルだったが、ダイサリィ・アームズ&アーマーが誇る熟練した職人たちの手にかかれば、元の状態に戻す――否、元々よりも精度を上げた仕上がりとなるに違いない。
――問題は、イクサが元の魔晶石と同等のものを見つけ出せるかどうか、だ。
イクサは呻き声を上げると、鳩尾の辺りを手で押さえた。
(うう……胃が痛い)
昨日から色々と思い悩んで食欲が無かったせいで、すっかり空っぽになった胃袋を、自分の胃液が溶かし始めているのが分かる。
これでは、仮病で休んだのに、仮病じゃ無くなってしまう……。
イクサは、胃の痛みに耐えかねてフラフラとよろめきながら、南ミグ区へと急ぐのだった。
◆ ◆ ◆ ◆
「魔晶石ぃ? ごめんよ、今は在庫無いなぁ」
「……そうですか。分かりました……お邪魔しました」
「……おい兄ちゃん。何があったか知らねえけど、あんまり思い詰めちゃあダメだぞ。物事ってのは、大抵何とかなるようになってんだからよ」
「あはは……何とかなるんですかねえ……」
一見だった古道具屋の主人に心配される程に、彼の表情と顔色は悪かったらしい。イクサは、力無く微笑むと、頭をペコリと下げて、15件目の店を出た。
(はあ……次の店は……と)
フードの縁を上げて、沿道の店看板を確認する。30エイム程先に、魔方陣のマークが刻まれた小さな店構えを見付けて、そこへ向かおうと足を向ける。
足取りが重い。入手するのは大変だと予想はしていたが、ここまでことごとく空振るとは、さすがに思わなかった。
何せ、魔晶石を扱っている店自体が稀だ。あったとしても、せいぜい麦粒程の大きさのものしか在庫が無い。
それもそうである。魔晶石は、その希少性の為、質の良いものは王侯貴族か大手武器防具業者の手に渡る。こんな場末の古物市には、インクルージョンが大量に混ざり込んだ粗悪品か、規格外の小さなものしか流通しない。
だが、ごくたまに、没落した騎士などが質入れして流れた魔晶石が店頭に並ぶ事もあるので、イクサはその可能性に賭けたのだが、今のところは、賭けには負けっ放しである。
既に、日は西に傾きつつある。このまま、条件に合う魔晶石を見付けられないと、非常にまずいことになる……。
イクサは、祈るような気持ちで、魔道具店の重い扉を開けた。
◆ ◆ ◆ ◆
「魔晶石――? ああ、あるよ」
店主の老婆の一言に、イクサは耳を疑った。
「……ある? あるっておっしゃいましたですか?」
驚きと興奮のあまり、言葉がおかしくなる。
そんな彼に、カウンターの奥で煙管を吹かせながら、老婆は大きく頷いた。
「ああ、ウチは開店五十年の老舗じゃわい。他じゃ揃えられない類の在庫も用意してるってのが自慢さねえ。 キッヒッヒッ!」
老婆は、気持ち悪い声で高らかに笑う。
が、イクサは、老婆の笑い声などには気も留めず、『魔晶石がある』という事実に食いついた。
「あ――あの! 魔晶石、一つ欲しいんですけど! ほ、本当にあるんですか? ――こんなに……こんなに大きなものが必要なんですけどっ!」
イクサは、目をギラギラさせて老婆に詰め寄る。
「ほほお……こりゃまたでっかい魔晶石じゃのう~。……もっとも、魔素は抜け切って、今じゃただの石コロじゃが」
老婆は、イクサの手から魔晶石を摘まみ上げると、仔細に観察しながら言った。そして、イクサに向かってニヤリと笑いかける。口の端から黄ばんだ歯が覗いた。
「アンタは運がええのう。ちょうど、同じくらいの大きさの魔晶石が入荷しておる。――どれ、ちょっと待っとれ。持ってきてやろう」
そう言うと、老婆は「よっこらしょ」と腰を上げ、店の奥へと入っていく。
「あ、はい! お……お願いします!」
その背中に向けて、声をかけて90度の角度に頭を下げるイクサ。その表情は、先程と打って変わって、太陽のように明るくなっている。
(勝った――!)
俺は、賭けに勝った! ――そう、叫び出したい気分だった。
絶望を感じていた魔晶石の手配の目処がつきそうなのだ。飛び上がって喜びたい気持ちを抑えるのも一苦労だ。
「――おまちどおさん」
やがて、老婆が、小箱を手にして戻ってきた。イクサは、ゴクリと唾を飲んで、目の前の小箱を凝視する。
「……これが……」
「おお、そうだよ。お望みの魔晶石さね」
「――中を検めさせて頂いて宜しいですか?」
「ああ、当然だよ。しかと確認しなされ」
老婆が頷くやいなや、イクサは小箱を素早く手に取り、震える手で小箱の蓋を開け、
――彼の目に、正に探し求めていた大きさの、紅い魔晶石の姿が映った。
「……………………紅……い……」
「そりゃあそうさね。火属性の魔晶石なんだから」
「…………水じゃないんですかああああああっ?」
イクサに絶叫に驚いた老婆は、椅子からずり落ちる。
「あ……ああ、そうだよ? だってアンタ、『水属性の魔晶石が欲しい』とは、一言も言ってなかったじゃないのさ」
「……そ、そうでしたっけ? ……でも、でもっ――!」
イクサは、頭を激しく掻きむしり、再び老婆に詰め寄る。
「す、すみません! この大きさで、水属性の魔晶石って、あ、あり――」
「無いわい」
イクサの懇願に、無情にも首を横に振る老婆。
「3セイム級の魔晶石が、そんなにホイホイと転がってて堪るかい。お前さんには気の毒だがね……」
「……そ、そんなぁ」
老婆の一言に、絶望して項垂れるイクサ。
――と、彼の頭に、一つの考えが浮かんだ。
(……この際、属性が違う魔晶石でも良いんじゃないか?)
大きさは同じなのだ。これ以上探しても、老婆の言う通り、同等の水属性の魔晶石が見つかる可能性は限りなく低い。――事情を説明すれば、依頼主も納得してくれるのでは……いや、してくれるに違いない!
イクサは、脳内でそう結論づけると、目をギラギラと輝かせながら、老婆に向かって頷いた。
「……分かりました。もう、火属性でいいです。コレ下さい!」
「おや、いいのかい? 毎度まいど~」
老婆は目を丸くしたが、商談が成立した事に、上機嫌で笑みを見せた。
イクサは、ゴクリと生唾を呑み込むと、一番大事な事を訊いた。
「……で、こちらの魔晶石……おいくらですか?」
「お……おお、それを言い忘れとったか。すまんのぉ」
老婆は、「出血大特価じゃ」と前置きして、ホクホクしながら右手を広げた。
「――5本……50万エィンかぁ……」
……やはり、希少な魔晶石だ。かなり値段が張る。しかし、そのくらいなら、何とか自腹で収ま――、
「50? ……アホかお前は。一桁足りんわ」
「……へ?」
老婆の言葉の意味が解らず、呆けた顔をするイクサ。老婆は、呆れた表情を浮かべると、噛んで含める口調でゆっくりとイクサにトドメを刺した。
「この大きさの魔晶石が、たったの6ケタで手に入る訳が無いじゃろうが。――大まけにまけて、500万エィン。これ以上は、鐚一文もまけられんぞい」
もちろん、仮病である。
万が一にも、マイスはもちろん、職場の同僚にも見られる事のないようにと、過ごしやすい春の気候にも関わらず分厚い外套を着込み、目深にフードを被った姿で、彼は自宅の勝手口から出かける。
行く先は、南ミグ区の古物市場だ。
目当ての品はもちろん、魔晶石――昨日修復を請け負ってしまった、エレメンタル・ダガーの鍔に嵌め込まれていたものと同等のものだ。
「……あるかなぁ、こんなに大きな魔晶石……」
彼は、そう独り言つと、外套の隠しから取り出した、直径3セイムほどの黒く濁った石をじっと見つめる。
イクサが石を太陽に光に翳すと、微かに青く輝く――それは、この石が、元々水属性の魔晶石だった事を示している。
エレメンタル・ダガーに嵌め込まれていたものを取り外して、市場で大きさを比較確認する為に持ってきたのだ。ちなみに、エレメンタル・ダガー本体は、既に工房に回して、先んじて刃の修復作業に取りかかってもらっている。――そうしないと、二週間の納期に間に合わない。
エレメンタル・ダガーの刃の修復と、代替の魔晶石の確保と手配を同時進行で行う――それが、イクサの立てたプランだった。
刃の修復に関しては、差し当たっての問題は無い。確かに錆と亀裂は深刻なレベルだったが、ダイサリィ・アームズ&アーマーが誇る熟練した職人たちの手にかかれば、元の状態に戻す――否、元々よりも精度を上げた仕上がりとなるに違いない。
――問題は、イクサが元の魔晶石と同等のものを見つけ出せるかどうか、だ。
イクサは呻き声を上げると、鳩尾の辺りを手で押さえた。
(うう……胃が痛い)
昨日から色々と思い悩んで食欲が無かったせいで、すっかり空っぽになった胃袋を、自分の胃液が溶かし始めているのが分かる。
これでは、仮病で休んだのに、仮病じゃ無くなってしまう……。
イクサは、胃の痛みに耐えかねてフラフラとよろめきながら、南ミグ区へと急ぐのだった。
◆ ◆ ◆ ◆
「魔晶石ぃ? ごめんよ、今は在庫無いなぁ」
「……そうですか。分かりました……お邪魔しました」
「……おい兄ちゃん。何があったか知らねえけど、あんまり思い詰めちゃあダメだぞ。物事ってのは、大抵何とかなるようになってんだからよ」
「あはは……何とかなるんですかねえ……」
一見だった古道具屋の主人に心配される程に、彼の表情と顔色は悪かったらしい。イクサは、力無く微笑むと、頭をペコリと下げて、15件目の店を出た。
(はあ……次の店は……と)
フードの縁を上げて、沿道の店看板を確認する。30エイム程先に、魔方陣のマークが刻まれた小さな店構えを見付けて、そこへ向かおうと足を向ける。
足取りが重い。入手するのは大変だと予想はしていたが、ここまでことごとく空振るとは、さすがに思わなかった。
何せ、魔晶石を扱っている店自体が稀だ。あったとしても、せいぜい麦粒程の大きさのものしか在庫が無い。
それもそうである。魔晶石は、その希少性の為、質の良いものは王侯貴族か大手武器防具業者の手に渡る。こんな場末の古物市には、インクルージョンが大量に混ざり込んだ粗悪品か、規格外の小さなものしか流通しない。
だが、ごくたまに、没落した騎士などが質入れして流れた魔晶石が店頭に並ぶ事もあるので、イクサはその可能性に賭けたのだが、今のところは、賭けには負けっ放しである。
既に、日は西に傾きつつある。このまま、条件に合う魔晶石を見付けられないと、非常にまずいことになる……。
イクサは、祈るような気持ちで、魔道具店の重い扉を開けた。
◆ ◆ ◆ ◆
「魔晶石――? ああ、あるよ」
店主の老婆の一言に、イクサは耳を疑った。
「……ある? あるっておっしゃいましたですか?」
驚きと興奮のあまり、言葉がおかしくなる。
そんな彼に、カウンターの奥で煙管を吹かせながら、老婆は大きく頷いた。
「ああ、ウチは開店五十年の老舗じゃわい。他じゃ揃えられない類の在庫も用意してるってのが自慢さねえ。 キッヒッヒッ!」
老婆は、気持ち悪い声で高らかに笑う。
が、イクサは、老婆の笑い声などには気も留めず、『魔晶石がある』という事実に食いついた。
「あ――あの! 魔晶石、一つ欲しいんですけど! ほ、本当にあるんですか? ――こんなに……こんなに大きなものが必要なんですけどっ!」
イクサは、目をギラギラさせて老婆に詰め寄る。
「ほほお……こりゃまたでっかい魔晶石じゃのう~。……もっとも、魔素は抜け切って、今じゃただの石コロじゃが」
老婆は、イクサの手から魔晶石を摘まみ上げると、仔細に観察しながら言った。そして、イクサに向かってニヤリと笑いかける。口の端から黄ばんだ歯が覗いた。
「アンタは運がええのう。ちょうど、同じくらいの大きさの魔晶石が入荷しておる。――どれ、ちょっと待っとれ。持ってきてやろう」
そう言うと、老婆は「よっこらしょ」と腰を上げ、店の奥へと入っていく。
「あ、はい! お……お願いします!」
その背中に向けて、声をかけて90度の角度に頭を下げるイクサ。その表情は、先程と打って変わって、太陽のように明るくなっている。
(勝った――!)
俺は、賭けに勝った! ――そう、叫び出したい気分だった。
絶望を感じていた魔晶石の手配の目処がつきそうなのだ。飛び上がって喜びたい気持ちを抑えるのも一苦労だ。
「――おまちどおさん」
やがて、老婆が、小箱を手にして戻ってきた。イクサは、ゴクリと唾を飲んで、目の前の小箱を凝視する。
「……これが……」
「おお、そうだよ。お望みの魔晶石さね」
「――中を検めさせて頂いて宜しいですか?」
「ああ、当然だよ。しかと確認しなされ」
老婆が頷くやいなや、イクサは小箱を素早く手に取り、震える手で小箱の蓋を開け、
――彼の目に、正に探し求めていた大きさの、紅い魔晶石の姿が映った。
「……………………紅……い……」
「そりゃあそうさね。火属性の魔晶石なんだから」
「…………水じゃないんですかああああああっ?」
イクサに絶叫に驚いた老婆は、椅子からずり落ちる。
「あ……ああ、そうだよ? だってアンタ、『水属性の魔晶石が欲しい』とは、一言も言ってなかったじゃないのさ」
「……そ、そうでしたっけ? ……でも、でもっ――!」
イクサは、頭を激しく掻きむしり、再び老婆に詰め寄る。
「す、すみません! この大きさで、水属性の魔晶石って、あ、あり――」
「無いわい」
イクサの懇願に、無情にも首を横に振る老婆。
「3セイム級の魔晶石が、そんなにホイホイと転がってて堪るかい。お前さんには気の毒だがね……」
「……そ、そんなぁ」
老婆の一言に、絶望して項垂れるイクサ。
――と、彼の頭に、一つの考えが浮かんだ。
(……この際、属性が違う魔晶石でも良いんじゃないか?)
大きさは同じなのだ。これ以上探しても、老婆の言う通り、同等の水属性の魔晶石が見つかる可能性は限りなく低い。――事情を説明すれば、依頼主も納得してくれるのでは……いや、してくれるに違いない!
イクサは、脳内でそう結論づけると、目をギラギラと輝かせながら、老婆に向かって頷いた。
「……分かりました。もう、火属性でいいです。コレ下さい!」
「おや、いいのかい? 毎度まいど~」
老婆は目を丸くしたが、商談が成立した事に、上機嫌で笑みを見せた。
イクサは、ゴクリと生唾を呑み込むと、一番大事な事を訊いた。
「……で、こちらの魔晶石……おいくらですか?」
「お……おお、それを言い忘れとったか。すまんのぉ」
老婆は、「出血大特価じゃ」と前置きして、ホクホクしながら右手を広げた。
「――5本……50万エィンかぁ……」
……やはり、希少な魔晶石だ。かなり値段が張る。しかし、そのくらいなら、何とか自腹で収ま――、
「50? ……アホかお前は。一桁足りんわ」
「……へ?」
老婆の言葉の意味が解らず、呆けた顔をするイクサ。老婆は、呆れた表情を浮かべると、噛んで含める口調でゆっくりとイクサにトドメを刺した。
「この大きさの魔晶石が、たったの6ケタで手に入る訳が無いじゃろうが。――大まけにまけて、500万エィン。これ以上は、鐚一文もまけられんぞい」
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる