だるまパイロットと生体ユニット

幻肢痛出ちゃった時の話

乗り込んで割と間もない頃。

「いったー。あ”－、幻肢痛出ちゃった」

「あー確かに。俺達手足無いしたまには出ちゃうよね。じゃあほらアームでさするから」


ういーんと伸びてきたアームが、僕の手足をさする。

「うー、ごめんありがと」
「大丈夫そう？」
「うーんまだ無理。ごめん。今回の結構しんどい」

「あーじゃあ、無いよりはマシ程度だけど痛み止めの座薬入れようか」
「え、座薬なの？…う、うん。かなり恥ずかしいけどお願い」

「ほい、じゃー寝転がして、服脱がすよー」
「…う、うん。超恥ずかしい…」

「はい、入れた。たぶんすぐ効くよ」
「あ、ありがと。いやマジで恥ずかしい…」


「うん、わかる超わかる。俺も初めてかなりきつい奴出て入れられた時超恥ずかしかったし」
「あーうん、だよね。これマジで恥ずかしい」

「当然同じ事あっただろうあいつは慣れっこで、笑ってしてくれたけどさ」
「うん、まあそうだろうね」

「正直鬱だ死にたいまで言ったけどさー。あいつ笑って頭撫でてくれたし」
「…うん、正直僕も鬱すぎて死にたい…いや舌噛んだりは流石にしないけどさ」

「まーほら。そういう訳でみんな分かってるし平気だよ。ほらよしよし」
「…う、うん。それにしても恥ずかしすぎる…」


※おまけ　相方の子が出ちゃった時の話

「うっっっわ。今日やばい幻肢痛出ちゃった。無理」
「あらあら。じゃあすぐさすって、暖かいハーブティー飲ませてあげるからね」


「結構時間経ったけど、大丈夫そう？」
「…ごめん、まだかなり無理」

「うーん。じゃあ気休め程度ではあるけど、痛み止めのお薬入れようか」
「…え、入れるって座薬なの？」

「うん。まあ仕方ないよ。ほら皆似たようなものだしさ」
「…う、うんまあそうだけど。それにしても恥ずかしすぎる」

「あはは。僕も初めて同じ事あってあの子に入れられた時、本気で恥ずかしかったから」
「…うん。だろうね。…超わかる」

「まああの子も当然同じ事あったろうしさ。そんな気にしないで―って笑って入れてくれたけどさ」
「…う、うん。俺もいつかそんな日が来るのかな…」


「大丈夫、絶対来るよ。じゃあほら、うつ伏せにして、服脱がせてっと。はい、入れるよ」
「…い、いやこれマジで恥ずかしい…」

「はい、終わったよ。たぶんすぐ効いてくるよ」
「…い、いやほんと恥ずかしすぎるこれ…無いけど手で顔を覆いたい…」

「あはは。わかるよ。僕もほぼ同じ感じだったし」
「…うん、だろうね。マジで鬱過ぎて死にたい…」


「わかるわかる。まあでも結局、僕達舌噛んで死んだりはしないし。その程度だよ」
「…うん、流石にそこまではしないけどさ、それにしても鬱過ぎる…」