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かなり高位の女神に転生前の実家について教えて貰った
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「あー、女神様。少々お久しぶりですー」
「ええ、貴女もお変わり無いようで何よりだわ」
「まあ女神様も、あのクソ魔王に相当な目に遭わされてましたよね。下手すると私やあの子以上に」
「…ええ、でも当然の報いだけれど」
「あの魔王の子が酷い目に遭わされているのに、私のお父様やお母様も加担して、良く楽しんでいたのだから」
「とは言え、女神様は無関係ですし何も悪くないじゃないですか」
「…そうは言ってもね、その事実に気づいてしまってから何もしてあげられなかったのは、やっぱり許される事では無いと思うわ」
「うーん、女神様本当にお優しいからそう仰られますけど、でも当時は高位とはいえまだ子供だった訳ですし仕方ないと思いますよ」
「ありがとうね。でも、一応すぐにお母さま達に進言したけれど聞いてはくれなくて、私相当怒られて少しぶたれたりしたし。もっと上の神様方に伝えようかとも思ったけれど、やはりどんな折檻を受けるかと思うと怖くて何も出来なかった」
「…それから結構な時が流れて、素質がとても上がってしまったあの子が堪忍袋の緒が切れて、お母様達や使用人含めて皆殺しにしてしまったのだけれど。…表向きには言えないけれど、私はそれで良かったのだと思うわ」
「まー、あいつがその後やらかした事を考えると絶対許せはしないですけれど。初めは完全被害者だった訳だしそこは可哀想ですよね」
「…それで一応は止めようとしたからという事で辛うじて命は救われたけれど。私もやはり相当な傷を負わされ、ほとんど何も出来なくさせられた」
「…ええ、女神様、口元以外のお顔を大半吹き飛ばされて、体も大半消し飛ばされて常時装置に接続しないと生きていけなくされて。本当に大変でしたよね」
「…まあ、でもそれだけの事をしてしまったと自分でも思っているし、当然の罰だと思うわ」
「…そう思われているのでしたら良かったですが。初めてお会いした時に、どうしてここまで酷い事が出来るのかと悲しくなりました」
「…けれど、それ程の体にされたお陰で、私も相当神力が上がって、呼び出した召喚獣等に手伝わせて色々な事が出来るようになったわ」
「ええ、神様も私達とそういった部分は同じなんですね」
「…それで、相当な時間はかかったけれど、あの子も討伐されて。それからは元の姿に戻る事が出来たわけだし、私はその罰を受けて良かったと思っているわ」
「ええ、そう思われているのでしたら、本当に良かったです」
「…そう言った経緯を知っているから、私あの子が地獄へ送られた時、可能な限り最高神様に減刑を嘆願したわ」
「女神様、本当にお優しいですよね」
「まあ当然長きに渡って罪も無い民草を苦しめた訳だから、相当の罰は下ってしまったけれど」
「まあ、あの子や他の可哀想な子達にした事を考えれば、当然の処遇でしょう」
「…それでも多少は私の意見を聞いてくださって、神様も本当にお優しくなったと思うわ」
「ええ、まあ昔の神様は私知らないけど、相当感化されたみたいですもんね」
「そうね。あまりこういう事あの方に言いたくは無いけれど、昔は本当に氷のような方でしたから」
「ふーん、そうだったんですね。まああれだけ長期間あいつのさばらせておくんだからそうでしょうね」
「ええ、頑張ってくれた貴女たちには、本当に感謝しているわ」
「いえいえ、お気遣いなく」
「…それでね。ほんのお礼と言っては何だけれど、貴女の昔居た世界のご実家について教えてあげられるんだけど」
「へー」
「…結構、残酷な事も言わなければいけないから。聞きたく無かったら言わないわ」
「…うーん。まあ相当アレな世界を見て来たので大半の事は受け入れられると思うので、教えて下さいますか」
「分かったわ。…まず、貴女がいなくなった後。残念ながらご両親はあまり心配しなかったの」
「まあ、そりゃそうでしょうね。私あの頃は相当アレだったし、無断で泊まり歩くとかザラだったので」
「ええ、そういう事。まあ良くない友人に誘われたのだろう、という事になって、それ程真剣には捜索されなかったわ」
「はい、まあ正直両親ともさほど仲良くは無かったので、別にそれは良いです」
「…でもね、貴女の少し年の離れた妹さんは、とても心配して悲しんでいたわ」
「…あー、あの子ですか。アレな私もすごく慕って懐いてくれた、本当に優しい子ですね」
「ええ、あの子もまあ、当然幼子の出来る範囲でだけど、ずっと貴女の事探していたの」
「…それは、悪い事しちゃいましたね」
「…それでね。もっと残酷な話をするけれど。それから数年後、妹さんがある程度の歳になった頃、貴女の家は没落してしまったの」
「あー、なるほど。まあ親もかなりアレだったし、私の世界も結構情勢危ない所あったし仕方ないですね」
「ええ、まあ要するに、部下や親族にひどい裏切りをされてしまってね。もう何もかも無くしてしまったの」
「…それで、ご両親は命は助かったものの、貧困にあえいで失意のうちに一生を終えたわ」
「まあ、ひどい事言っちゃうけど親も相当な事して来てたので、当然の報いだと思います」
「…でも、妹さんは本当に気の毒だった」
「…ああ」
「まあそんな事になったから、ろくな引き取り手がいなくて。やっぱり相当に酷い人に買われてしまったの」
「…そうなっちゃいますよね」
「…貴女の世界も錬金術とか魔術とか色々あったから、要するにそういう技術を駆使して、ほとんど不老不死にされてね。…貴女とほとんど同じか、もしかしたらそれ以上に残酷な目に遭わされてしまったの」
「…あの子、可哀想に」
「当然長い間そんな目に遭ったから、心が完全に壊れてしまって。もうほとんど何も反応の無い、屍のような状態になってしまった」
「…そうだったんですか」
「それからしばらくして、何も反応が無くなったのに飽きられて、適当に棄てられてしまったの」
「…本当に、可哀想に」
「…でも、その状態の彼女を拾ってくれたのが、まあやっぱりかなり性癖には問題があるんだけど、根本的には善良な人でね。その人も相当な長寿だったから、長い間優しくして、ずっと話しかけてくれたの」
「…ああ、まあ救いがあって、良かった」
「それで、やっぱりまあ相当に歪んでしまったのだけれど、体もある程度は戻してあげて。長い間手厚く看病していくうちに、もうほとんど別の人格だったけれど、少しづつ心も戻って行ったの」
「…良かった」
「それからまた長い時が流れて、その子もかなり元気になって、酷い目に遭った頃相応の心にまで戻る事が出来て。その人に深く感謝して、結ばれて最後は幸せに過ごしたわ」
「…ああ、本当に良かった」
「まあ、本当に辛い思いをしてしまったし、生まれ変わったようなものだったけどね。その人が天寿を全うした時に、彼女も呪いを解いて一緒に旅立ったわ」
「ええ、最後は幸せになってくれて良かったです。…辛かったけど、教えて下さってありがとうございました」
「そう思って貰えて、良かったわ」
「そんな悲しい人生を送った子だから、来世はきっと幸せになれるでしょうしね」
「ええ、きっとそうでしょうね」
「まあ、あちらの世界の神様も、かなり残酷だけれど根底は優しい方ですから。可哀想な子には慈悲を下さりますよ」
「でしたら良かったです」
「…ふふ、今はもうほとんど平和で私も元通りだけど。やっぱりまだ私、弱かった自分を許しきれない事があって。秘密だけれどもあの頃の姿に時々戻る事があるのよね」
「へー、そうなんですか。まあベクトルは全く違いますが私やあの子もですし、分かりますけどね。アレ過ぎるあの体、あれはあれで大好きなので」
「…あ、貴女本当に相当よね…」
「あーはい、マジで相当です」
「ええ、貴女もお変わり無いようで何よりだわ」
「まあ女神様も、あのクソ魔王に相当な目に遭わされてましたよね。下手すると私やあの子以上に」
「…ええ、でも当然の報いだけれど」
「あの魔王の子が酷い目に遭わされているのに、私のお父様やお母様も加担して、良く楽しんでいたのだから」
「とは言え、女神様は無関係ですし何も悪くないじゃないですか」
「…そうは言ってもね、その事実に気づいてしまってから何もしてあげられなかったのは、やっぱり許される事では無いと思うわ」
「うーん、女神様本当にお優しいからそう仰られますけど、でも当時は高位とはいえまだ子供だった訳ですし仕方ないと思いますよ」
「ありがとうね。でも、一応すぐにお母さま達に進言したけれど聞いてはくれなくて、私相当怒られて少しぶたれたりしたし。もっと上の神様方に伝えようかとも思ったけれど、やはりどんな折檻を受けるかと思うと怖くて何も出来なかった」
「…それから結構な時が流れて、素質がとても上がってしまったあの子が堪忍袋の緒が切れて、お母様達や使用人含めて皆殺しにしてしまったのだけれど。…表向きには言えないけれど、私はそれで良かったのだと思うわ」
「まー、あいつがその後やらかした事を考えると絶対許せはしないですけれど。初めは完全被害者だった訳だしそこは可哀想ですよね」
「…それで一応は止めようとしたからという事で辛うじて命は救われたけれど。私もやはり相当な傷を負わされ、ほとんど何も出来なくさせられた」
「…ええ、女神様、口元以外のお顔を大半吹き飛ばされて、体も大半消し飛ばされて常時装置に接続しないと生きていけなくされて。本当に大変でしたよね」
「…まあ、でもそれだけの事をしてしまったと自分でも思っているし、当然の罰だと思うわ」
「…そう思われているのでしたら良かったですが。初めてお会いした時に、どうしてここまで酷い事が出来るのかと悲しくなりました」
「…けれど、それ程の体にされたお陰で、私も相当神力が上がって、呼び出した召喚獣等に手伝わせて色々な事が出来るようになったわ」
「ええ、神様も私達とそういった部分は同じなんですね」
「…それで、相当な時間はかかったけれど、あの子も討伐されて。それからは元の姿に戻る事が出来たわけだし、私はその罰を受けて良かったと思っているわ」
「ええ、そう思われているのでしたら、本当に良かったです」
「…そう言った経緯を知っているから、私あの子が地獄へ送られた時、可能な限り最高神様に減刑を嘆願したわ」
「女神様、本当にお優しいですよね」
「まあ当然長きに渡って罪も無い民草を苦しめた訳だから、相当の罰は下ってしまったけれど」
「まあ、あの子や他の可哀想な子達にした事を考えれば、当然の処遇でしょう」
「…それでも多少は私の意見を聞いてくださって、神様も本当にお優しくなったと思うわ」
「ええ、まあ昔の神様は私知らないけど、相当感化されたみたいですもんね」
「そうね。あまりこういう事あの方に言いたくは無いけれど、昔は本当に氷のような方でしたから」
「ふーん、そうだったんですね。まああれだけ長期間あいつのさばらせておくんだからそうでしょうね」
「ええ、頑張ってくれた貴女たちには、本当に感謝しているわ」
「いえいえ、お気遣いなく」
「…それでね。ほんのお礼と言っては何だけれど、貴女の昔居た世界のご実家について教えてあげられるんだけど」
「へー」
「…結構、残酷な事も言わなければいけないから。聞きたく無かったら言わないわ」
「…うーん。まあ相当アレな世界を見て来たので大半の事は受け入れられると思うので、教えて下さいますか」
「分かったわ。…まず、貴女がいなくなった後。残念ながらご両親はあまり心配しなかったの」
「まあ、そりゃそうでしょうね。私あの頃は相当アレだったし、無断で泊まり歩くとかザラだったので」
「ええ、そういう事。まあ良くない友人に誘われたのだろう、という事になって、それ程真剣には捜索されなかったわ」
「はい、まあ正直両親ともさほど仲良くは無かったので、別にそれは良いです」
「…でもね、貴女の少し年の離れた妹さんは、とても心配して悲しんでいたわ」
「…あー、あの子ですか。アレな私もすごく慕って懐いてくれた、本当に優しい子ですね」
「ええ、あの子もまあ、当然幼子の出来る範囲でだけど、ずっと貴女の事探していたの」
「…それは、悪い事しちゃいましたね」
「…それでね。もっと残酷な話をするけれど。それから数年後、妹さんがある程度の歳になった頃、貴女の家は没落してしまったの」
「あー、なるほど。まあ親もかなりアレだったし、私の世界も結構情勢危ない所あったし仕方ないですね」
「ええ、まあ要するに、部下や親族にひどい裏切りをされてしまってね。もう何もかも無くしてしまったの」
「…それで、ご両親は命は助かったものの、貧困にあえいで失意のうちに一生を終えたわ」
「まあ、ひどい事言っちゃうけど親も相当な事して来てたので、当然の報いだと思います」
「…でも、妹さんは本当に気の毒だった」
「…ああ」
「まあそんな事になったから、ろくな引き取り手がいなくて。やっぱり相当に酷い人に買われてしまったの」
「…そうなっちゃいますよね」
「…貴女の世界も錬金術とか魔術とか色々あったから、要するにそういう技術を駆使して、ほとんど不老不死にされてね。…貴女とほとんど同じか、もしかしたらそれ以上に残酷な目に遭わされてしまったの」
「…あの子、可哀想に」
「当然長い間そんな目に遭ったから、心が完全に壊れてしまって。もうほとんど何も反応の無い、屍のような状態になってしまった」
「…そうだったんですか」
「それからしばらくして、何も反応が無くなったのに飽きられて、適当に棄てられてしまったの」
「…本当に、可哀想に」
「…でも、その状態の彼女を拾ってくれたのが、まあやっぱりかなり性癖には問題があるんだけど、根本的には善良な人でね。その人も相当な長寿だったから、長い間優しくして、ずっと話しかけてくれたの」
「…ああ、まあ救いがあって、良かった」
「それで、やっぱりまあ相当に歪んでしまったのだけれど、体もある程度は戻してあげて。長い間手厚く看病していくうちに、もうほとんど別の人格だったけれど、少しづつ心も戻って行ったの」
「…良かった」
「それからまた長い時が流れて、その子もかなり元気になって、酷い目に遭った頃相応の心にまで戻る事が出来て。その人に深く感謝して、結ばれて最後は幸せに過ごしたわ」
「…ああ、本当に良かった」
「まあ、本当に辛い思いをしてしまったし、生まれ変わったようなものだったけどね。その人が天寿を全うした時に、彼女も呪いを解いて一緒に旅立ったわ」
「ええ、最後は幸せになってくれて良かったです。…辛かったけど、教えて下さってありがとうございました」
「そう思って貰えて、良かったわ」
「そんな悲しい人生を送った子だから、来世はきっと幸せになれるでしょうしね」
「ええ、きっとそうでしょうね」
「まあ、あちらの世界の神様も、かなり残酷だけれど根底は優しい方ですから。可哀想な子には慈悲を下さりますよ」
「でしたら良かったです」
「…ふふ、今はもうほとんど平和で私も元通りだけど。やっぱりまだ私、弱かった自分を許しきれない事があって。秘密だけれどもあの頃の姿に時々戻る事があるのよね」
「へー、そうなんですか。まあベクトルは全く違いますが私やあの子もですし、分かりますけどね。アレ過ぎるあの体、あれはあれで大好きなので」
「…あ、貴女本当に相当よね…」
「あーはい、マジで相当です」
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