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番外編集 アレな世界のいろいろな話
復讐は何も生まない ~ある日の流れ星学園一般生徒の雑談~
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「あーそういえばさ、昨日自宅でかなり衝撃を受けた事があってさー」
「えー、どんな?アレな殺人鬼にでも押し入られたの?」
「いや、そういうのじゃないんだけどさ。俺んち豪邸って訳じゃないけど番犬に強化柴飼ってたりセキュリティはそれなりに力入れてるし」
「あー、何度か遊びに行ったけどそうだったね。強化柴犬、賢くて可愛いし十分鍛えてればヒグマも倒せるレベルで強いしいいよね。じゃあどうしたの?」
「うん、ほら俺色々演技に幅が出たり、見聞が広まるかなーと思ってネットで海外のドラマとか映画結構観るんだけどさ」
「うん、良いんじゃない?この国も文化レベルはかなり高いけど事実上鎖国状態みたいな物だし、倫理観相当終わってる超アレな国だから視野を広げるのは大事だよね」
「そうそう。それで昨日見てた海外ドラマがさ、まあありがちな話だけど主人公の家族が幼少期何者かに惨殺されて、そんで成長して刑事になって紆余曲折の末犯人を突き止めてもうちょっとでそいつを捕まえられそうってなった時に、当然主人公は職務なんて二の次で速攻ぶっ殺そうとしたんだけどさ」
「うん、そりゃ当然そうするだろうね」
「でもその犯人が表向きは相当身分高い奴で、刑事とはいえ一般人が殺したら主人公も相当処罰されるって分かってさ。んでそんなの構わないから相討ちになってでも地獄に落としてやるって主人公は銃持って突っ込もうとしたんだけど、同僚の捜査官のヒロインが頬引っぱたいて制止してさ、こう言ったの」
「考え直して。復讐は何も生まないわ、ってさ」
「あー、なるほどね」
「うん、そのセリフ聞いた瞬間マジで理解が追い付かなくてさ。数十秒頭がフリーズしてた。リアルに某猫ミームの『は?』って状態になってた」
「うん、僕もいきなりそのセリフ飛び出たらそういう反応するかも」
「だよねー。本当どうにか理解が追い付いてからはマジで衝撃だった。仇討ち令現役の俺達の国でんな事言ったら速攻マジキチ扱いされるけど、そういう文化無い国からしたらまあそんな意見もあるのかなーってさ」
「うん、だろうね。一応社会科の授業で仇討ち令現代でも施行されてる国は世界的にもごくわずかってのは習ってるから、世界規模で見たら僕等の国の方がおかしいんだろうね。捕虜の子孫とか以外で外国人と接する機会なんてほぼないから分からないけどさ」
「まあ、たぶん国外では俺達の国イカれてるとか、そういう文化や思想丸出しの俺達の国で作ったドラマやアニメなんかの感想でクレイジーだの言ってる配信者やレビュワーは腐るほどいるんだろうけどさ。うちの国怒らせたら何されるか分かったもんじゃ無いから基本俺達の国からはそういうの見れないようになってるしさ」
「だよね。またアレ誤爆とか要人狂わせられたりしたらたまったもんじゃないしね」
「つっても例の超アレな子以外は全員もう二度とそういうのしたくないだろうけどさ。今も戦時中の英雄全員元気に生きてるってだけで相当な抑止力になるよね」
「まあ、実質核とか超兵器持ってるに等しいわけだしね」
「で、話を戻すけどさ。この国以外の大半ではその主張もまかり通るんだろうけど、うちの国で本気でんな事言ったら完全狂人扱いされるよね。最悪そのまま精神科に直送されるでしょ」
「うん、実際この国復讐超推奨されてる訳だしね。冗談にしても悪趣味だよね」
「ねー。そんな綺麗事言える奴なんて、本気で理不尽に暴力を受けた事の無い奴だけだよね」
「うん、ある意味そういう事言えるって平和な世界で生きてる証拠だし、若干羨ましくはあるけどさ」
「まあ確かに。この国に生まれちゃった時点でもう腹くくって世紀末な日常を受け入れるしか無いよね。でさ、そのセリフ聞いたちょっと後に思い出したんだけど。俺のクラスメイトで仇討ち令否定まではいかないけど、この国にしてはかなりの平和主義者な奴がいたんだけどさ。ちょっと前にそいつが下校中公園を通過したら、アレ施策の一環で広場の手入れ作業してた元庭師のアレな奴が急に発狂して、草刈り機で両足膝下くらいからぶった切られちゃったの」
「うわー、まあこの地域ではよくある話だけどお気の毒に」
「うん、んで当然大量出血で死にかけたけどどうにか気を失う前に自動通報装置付きの防犯ブザー鳴らしてすぐ警官や救助が来て、病院より学園の方が近かったからすぐ保健室に運び込まれて、前野に治療してもらって事なきを得たんだけどさ」
「そっかー、良かった良かった。前野君本当凄腕だよね」
「うん、んですぐ応急処置や輸血して、意識戻ったら保険下りるし好きな義肢や元通りにも出来るって言われたんだけど、そいつは普通の体が良いって事でクローンで完璧な足速攻作ってもらって、もう数日後には元通り歩けるようになってたよ」
「うーん、殺人鬼や狂人多いのはアレ過ぎるけどこの国の医療技術流石だね」
「で、それやった奴警官が来た頃には逃げちゃってたんだけど。手術終わった後前野がぶった切った狂人の特徴聞いて、病葉も同行してもらって公園周辺を探したら見つけたから、両手足医療用電ノコでぶった切って死なない程度に腹掻っ捌いてそのまま警察突き出してくれたらしくてさ。基本温厚なそいつも、やっぱりそれ聞いた時は超スカッとしたって言ってたよ」
「だろうねー。やっぱ自分や身内がえらい目遭ったら復讐してやりたいよね」
「うんうん、やっぱ復讐最高だよねー」
「あー、そういや僕も思い出した。もう三十年くらい前だけど、このアレ過ぎる国だってのに仇討ち令は野蛮過ぎる、復讐しても新たな怨恨や復讐を生み出すだけだって大真面目に主張する自称人権派の教師だったかがいたんだけどさ」
「うっわー、この国でその主張は無理ありすぎでしょ」
「うん、当然国民の大半は見向きもしなかったんだけど、ごくまれに運よく理不尽だったり嫌な目に遭わずに大人になれた、言ったら悪いけどお花畑気味な人とかは多少賛同したりもしてて。白い目で見られたり警官からもアレな奴に目を付けられるから止めなさいって言われても、懲りずに各地で演説やらビラ配りとかしてたんだけどさ。案の定その内アレな愉快犯に目を付けられて、じゃあ飛びきり地獄を見せてやるけどそれでも復讐は無意味っていうんだな?って、そいつの子供と奥さんえげつなく殺されちゃったの」
「うわー、まあ当然そうなるだろうけど家族はとばっちりで殺されて可哀想に」
「で、その自称人権派代表の男は速攻で心へし折られて活動も辞めてしばらく引きこもった後、妻子殺した奴見つけ出して自ら包丁でメッタ刺しにしたの。当然殺人許可出てお咎め無しだったけどね」
「うーん、綺麗事はいくらでも言えるけど、やっぱり傷付けられる側にならないと分からないよねー」
「で、それで終わってればまあ悲しい話で済んだんだけど。愉快犯のクソ仇討ちした後、その教師人を殺す快感に目覚めちゃったらしくて。しばらくは仇討ち許可出てる奴を狙ってたけど、次第に完全に狂っちゃってもう誰彼構わず手当たり次第にぶっ殺す、そいつも立派な殺人鬼になっちゃったんだよね」
「うわー、ミイラ取りがミイラになっちゃったのね。にしても極端だなー」
「まあ、この国で復讐を本気で否定する時点である意味狂ってるし、アレ殺人鬼になる素養は十分あったんじゃないのかな」
「かもねー。確かにこの国イカれてる自覚は十二分にあるけど、郷に入っては郷に従えって言うし、世紀末でアレな思想や文化を受け入れてやってくしかないよねー。…あー、でもさ」
「ん、どしたの?」
「…正直さ、奇跡でも起きなきゃ無理だろうけど。復讐は何も生まないってセリフ、狂ってるとかじゃなくて、まあそれも一理あるかなー、って受け入れられるくらいここも平和な国になれればいいのになー…ってのはちょっと思うんだよね」
「あー、確かにね。まあ例の女神様がブチ切れてるうちは無理だろうし、本当奇跡でも起きない限り難しいだろうね。僕達が生きてるうちに仲直りしてくれたら、本当嬉しいのにね」
「だねー。本当もうこの国がひっくり返るレベルの奇跡でも起きないと無理だろうけどさ。あー、すっかり話してたらこんな時間だ、もう昼休み終わるし合同レッスン行かなきゃ。俺のユニットかなり地味で売れてないけど最近特例でソロ活動してる子とよく組んでて、彼ギター上手いし参考になるんだよね。中二気味なのはちょっとアレだけどさ」
「あー、去年代行に相当理不尽に解散させられた子ね。中二だけど腐らず立派にやってて偉いよね。僕も似た感じだから大体ライブやレッスンも合同だけど、弱小ながら結構固定ファンいるふわふわ隊の子達とか組んでると楽しいしさ」
「あー、あの子達も散々な目に遭ってるのに立派にやってて偉いよね。佑真君もアレはアレで気の毒だし」
「うん、確かに一人だけ異色すぎて可哀想だよね。ある意味個性だけど。…あ、そういやソロ活動といえばさ。例の人気だけど超アレな子も、ちょっと前突然ソロ活動になったじゃん」
「あー、だったね。急にどうしたんだろうね。流石にどれだけ性格アレとはいえ、戦時中の英雄な訳だし代行もあの子にはそうそう強権使えないと思うけど」
「だよね。何か噂によると相方のあの子からしばらく離れて活動したいって言われて、そのまま代行も承認して相方の子はてうてうの人達に合流する事になったみたい。…あの子本当優しくて忍耐強い良い子だけど、もう半世紀以上もアレな子に振り回されて流石に我慢の限界だったんじゃない?」
「あー、かもね。そりゃ戦時中からアレ過ぎる奴とずっと一緒とかどれだけ寛容な子でもキツいよね。俺だったら一か月でも無理だと思う」
「うん、僕も絶対無理。流石に詳細は教えられて無いけどあの子、相方の子に昔相当酷い事やらかしたらしいし。あ、でしかも代行が言ってたけど。明日臨時集会でソロになった例の子のユニット名そのお仕置きで強制で変更してやりたいから、ギリ公序良俗に反しない程度にアレなユニット名皆で考えといてだってさ」
「うわー、英雄にそこまでやるとかどんだけアレな事やらかしたんだろうね。まあ俺も正直あいつかなり嫌いだったから良いけどさ。んー、罵倒は俺割と自信あるけど公序良俗にギリ反しない程度って難しいなー。便所に吐き棄てられたタンカスとかは流石にNGだろうね」
「うーん、それは下品すぎるからダメだと思う。僕どうしようかなー。あー、この前うっかり腐った牛乳一気飲みして保健室のお世話になったしそのまんま腐った牛乳とかでいいか。方向性被る子結構いそうだけど」
「もーお前、その程度なら笑い話だけどこの国でんな調子だとそのうちマジで命無くすぞー?」
「あはは、まあ気を付けるよ。じゃあ教室行こ」
「えー、どんな?アレな殺人鬼にでも押し入られたの?」
「いや、そういうのじゃないんだけどさ。俺んち豪邸って訳じゃないけど番犬に強化柴飼ってたりセキュリティはそれなりに力入れてるし」
「あー、何度か遊びに行ったけどそうだったね。強化柴犬、賢くて可愛いし十分鍛えてればヒグマも倒せるレベルで強いしいいよね。じゃあどうしたの?」
「うん、ほら俺色々演技に幅が出たり、見聞が広まるかなーと思ってネットで海外のドラマとか映画結構観るんだけどさ」
「うん、良いんじゃない?この国も文化レベルはかなり高いけど事実上鎖国状態みたいな物だし、倫理観相当終わってる超アレな国だから視野を広げるのは大事だよね」
「そうそう。それで昨日見てた海外ドラマがさ、まあありがちな話だけど主人公の家族が幼少期何者かに惨殺されて、そんで成長して刑事になって紆余曲折の末犯人を突き止めてもうちょっとでそいつを捕まえられそうってなった時に、当然主人公は職務なんて二の次で速攻ぶっ殺そうとしたんだけどさ」
「うん、そりゃ当然そうするだろうね」
「でもその犯人が表向きは相当身分高い奴で、刑事とはいえ一般人が殺したら主人公も相当処罰されるって分かってさ。んでそんなの構わないから相討ちになってでも地獄に落としてやるって主人公は銃持って突っ込もうとしたんだけど、同僚の捜査官のヒロインが頬引っぱたいて制止してさ、こう言ったの」
「考え直して。復讐は何も生まないわ、ってさ」
「あー、なるほどね」
「うん、そのセリフ聞いた瞬間マジで理解が追い付かなくてさ。数十秒頭がフリーズしてた。リアルに某猫ミームの『は?』って状態になってた」
「うん、僕もいきなりそのセリフ飛び出たらそういう反応するかも」
「だよねー。本当どうにか理解が追い付いてからはマジで衝撃だった。仇討ち令現役の俺達の国でんな事言ったら速攻マジキチ扱いされるけど、そういう文化無い国からしたらまあそんな意見もあるのかなーってさ」
「うん、だろうね。一応社会科の授業で仇討ち令現代でも施行されてる国は世界的にもごくわずかってのは習ってるから、世界規模で見たら僕等の国の方がおかしいんだろうね。捕虜の子孫とか以外で外国人と接する機会なんてほぼないから分からないけどさ」
「まあ、たぶん国外では俺達の国イカれてるとか、そういう文化や思想丸出しの俺達の国で作ったドラマやアニメなんかの感想でクレイジーだの言ってる配信者やレビュワーは腐るほどいるんだろうけどさ。うちの国怒らせたら何されるか分かったもんじゃ無いから基本俺達の国からはそういうの見れないようになってるしさ」
「だよね。またアレ誤爆とか要人狂わせられたりしたらたまったもんじゃないしね」
「つっても例の超アレな子以外は全員もう二度とそういうのしたくないだろうけどさ。今も戦時中の英雄全員元気に生きてるってだけで相当な抑止力になるよね」
「まあ、実質核とか超兵器持ってるに等しいわけだしね」
「で、話を戻すけどさ。この国以外の大半ではその主張もまかり通るんだろうけど、うちの国で本気でんな事言ったら完全狂人扱いされるよね。最悪そのまま精神科に直送されるでしょ」
「うん、実際この国復讐超推奨されてる訳だしね。冗談にしても悪趣味だよね」
「ねー。そんな綺麗事言える奴なんて、本気で理不尽に暴力を受けた事の無い奴だけだよね」
「うん、ある意味そういう事言えるって平和な世界で生きてる証拠だし、若干羨ましくはあるけどさ」
「まあ確かに。この国に生まれちゃった時点でもう腹くくって世紀末な日常を受け入れるしか無いよね。でさ、そのセリフ聞いたちょっと後に思い出したんだけど。俺のクラスメイトで仇討ち令否定まではいかないけど、この国にしてはかなりの平和主義者な奴がいたんだけどさ。ちょっと前にそいつが下校中公園を通過したら、アレ施策の一環で広場の手入れ作業してた元庭師のアレな奴が急に発狂して、草刈り機で両足膝下くらいからぶった切られちゃったの」
「うわー、まあこの地域ではよくある話だけどお気の毒に」
「うん、んで当然大量出血で死にかけたけどどうにか気を失う前に自動通報装置付きの防犯ブザー鳴らしてすぐ警官や救助が来て、病院より学園の方が近かったからすぐ保健室に運び込まれて、前野に治療してもらって事なきを得たんだけどさ」
「そっかー、良かった良かった。前野君本当凄腕だよね」
「うん、んですぐ応急処置や輸血して、意識戻ったら保険下りるし好きな義肢や元通りにも出来るって言われたんだけど、そいつは普通の体が良いって事でクローンで完璧な足速攻作ってもらって、もう数日後には元通り歩けるようになってたよ」
「うーん、殺人鬼や狂人多いのはアレ過ぎるけどこの国の医療技術流石だね」
「で、それやった奴警官が来た頃には逃げちゃってたんだけど。手術終わった後前野がぶった切った狂人の特徴聞いて、病葉も同行してもらって公園周辺を探したら見つけたから、両手足医療用電ノコでぶった切って死なない程度に腹掻っ捌いてそのまま警察突き出してくれたらしくてさ。基本温厚なそいつも、やっぱりそれ聞いた時は超スカッとしたって言ってたよ」
「だろうねー。やっぱ自分や身内がえらい目遭ったら復讐してやりたいよね」
「うんうん、やっぱ復讐最高だよねー」
「あー、そういや僕も思い出した。もう三十年くらい前だけど、このアレ過ぎる国だってのに仇討ち令は野蛮過ぎる、復讐しても新たな怨恨や復讐を生み出すだけだって大真面目に主張する自称人権派の教師だったかがいたんだけどさ」
「うっわー、この国でその主張は無理ありすぎでしょ」
「うん、当然国民の大半は見向きもしなかったんだけど、ごくまれに運よく理不尽だったり嫌な目に遭わずに大人になれた、言ったら悪いけどお花畑気味な人とかは多少賛同したりもしてて。白い目で見られたり警官からもアレな奴に目を付けられるから止めなさいって言われても、懲りずに各地で演説やらビラ配りとかしてたんだけどさ。案の定その内アレな愉快犯に目を付けられて、じゃあ飛びきり地獄を見せてやるけどそれでも復讐は無意味っていうんだな?って、そいつの子供と奥さんえげつなく殺されちゃったの」
「うわー、まあ当然そうなるだろうけど家族はとばっちりで殺されて可哀想に」
「で、その自称人権派代表の男は速攻で心へし折られて活動も辞めてしばらく引きこもった後、妻子殺した奴見つけ出して自ら包丁でメッタ刺しにしたの。当然殺人許可出てお咎め無しだったけどね」
「うーん、綺麗事はいくらでも言えるけど、やっぱり傷付けられる側にならないと分からないよねー」
「で、それで終わってればまあ悲しい話で済んだんだけど。愉快犯のクソ仇討ちした後、その教師人を殺す快感に目覚めちゃったらしくて。しばらくは仇討ち許可出てる奴を狙ってたけど、次第に完全に狂っちゃってもう誰彼構わず手当たり次第にぶっ殺す、そいつも立派な殺人鬼になっちゃったんだよね」
「うわー、ミイラ取りがミイラになっちゃったのね。にしても極端だなー」
「まあ、この国で復讐を本気で否定する時点である意味狂ってるし、アレ殺人鬼になる素養は十分あったんじゃないのかな」
「かもねー。確かにこの国イカれてる自覚は十二分にあるけど、郷に入っては郷に従えって言うし、世紀末でアレな思想や文化を受け入れてやってくしかないよねー。…あー、でもさ」
「ん、どしたの?」
「…正直さ、奇跡でも起きなきゃ無理だろうけど。復讐は何も生まないってセリフ、狂ってるとかじゃなくて、まあそれも一理あるかなー、って受け入れられるくらいここも平和な国になれればいいのになー…ってのはちょっと思うんだよね」
「あー、確かにね。まあ例の女神様がブチ切れてるうちは無理だろうし、本当奇跡でも起きない限り難しいだろうね。僕達が生きてるうちに仲直りしてくれたら、本当嬉しいのにね」
「だねー。本当もうこの国がひっくり返るレベルの奇跡でも起きないと無理だろうけどさ。あー、すっかり話してたらこんな時間だ、もう昼休み終わるし合同レッスン行かなきゃ。俺のユニットかなり地味で売れてないけど最近特例でソロ活動してる子とよく組んでて、彼ギター上手いし参考になるんだよね。中二気味なのはちょっとアレだけどさ」
「あー、去年代行に相当理不尽に解散させられた子ね。中二だけど腐らず立派にやってて偉いよね。僕も似た感じだから大体ライブやレッスンも合同だけど、弱小ながら結構固定ファンいるふわふわ隊の子達とか組んでると楽しいしさ」
「あー、あの子達も散々な目に遭ってるのに立派にやってて偉いよね。佑真君もアレはアレで気の毒だし」
「うん、確かに一人だけ異色すぎて可哀想だよね。ある意味個性だけど。…あ、そういやソロ活動といえばさ。例の人気だけど超アレな子も、ちょっと前突然ソロ活動になったじゃん」
「あー、だったね。急にどうしたんだろうね。流石にどれだけ性格アレとはいえ、戦時中の英雄な訳だし代行もあの子にはそうそう強権使えないと思うけど」
「だよね。何か噂によると相方のあの子からしばらく離れて活動したいって言われて、そのまま代行も承認して相方の子はてうてうの人達に合流する事になったみたい。…あの子本当優しくて忍耐強い良い子だけど、もう半世紀以上もアレな子に振り回されて流石に我慢の限界だったんじゃない?」
「あー、かもね。そりゃ戦時中からアレ過ぎる奴とずっと一緒とかどれだけ寛容な子でもキツいよね。俺だったら一か月でも無理だと思う」
「うん、僕も絶対無理。流石に詳細は教えられて無いけどあの子、相方の子に昔相当酷い事やらかしたらしいし。あ、でしかも代行が言ってたけど。明日臨時集会でソロになった例の子のユニット名そのお仕置きで強制で変更してやりたいから、ギリ公序良俗に反しない程度にアレなユニット名皆で考えといてだってさ」
「うわー、英雄にそこまでやるとかどんだけアレな事やらかしたんだろうね。まあ俺も正直あいつかなり嫌いだったから良いけどさ。んー、罵倒は俺割と自信あるけど公序良俗にギリ反しない程度って難しいなー。便所に吐き棄てられたタンカスとかは流石にNGだろうね」
「うーん、それは下品すぎるからダメだと思う。僕どうしようかなー。あー、この前うっかり腐った牛乳一気飲みして保健室のお世話になったしそのまんま腐った牛乳とかでいいか。方向性被る子結構いそうだけど」
「もーお前、その程度なら笑い話だけどこの国でんな調子だとそのうちマジで命無くすぞー?」
「あはは、まあ気を付けるよ。じゃあ教室行こ」
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