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第四章 驚天動地のアレ事件
どんどん転落していくシロ
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クロがてうてうと組む事を宣言した日の夜、破壊の限りが尽くされたシロの自室にて。
「…もう、クソ。ほんとクソ」
「…あー、まあ一昼夜壁殴り続けたから当然だけど僕の両手ひっでえな。もうグローブみたいに腫れ上がってるし麻痺して痛みすらあんまり感じないし」
「…ってか可愛くて超人気者の神が丸一日出てこないんだから誰か様子くらい見に来いよ。まあ来たら来たでクソウザいけどさ」
「もう壁穴ぼこだらけで足ダンもかなりしたから床もヒビ入ってるし。鈴蘭とかがぶっ壊した時は速攻で直すのに職務怠慢だろクソ業者」
「…あーお腹空いた。まあ丸一日近く飲まず食わずだしそりゃそうだよね。ブチ切れ過ぎてて忘れてたけど」
「…ここコンビニ遠いし今あのクソババアの顔見たく無いし。絶対あいつろくでもない物出して来るだろうし」
「出前取ろうにもスマホぶち割っちゃったし、人に頼むとか絶対したくないしどうしよ。ってか今何時かな、部屋の時計もぶっ壊しちゃって時間分からないし」
「…あー、今更だけどお腹超空いてきたし手もかなり痛くなって来た。前野の顔も見たくないけど流石にこれ自分で治すのは無理だよね」
「…クソウザいけど、保健室行くしかないか」
僕はよれよれになったセーラー服で、ふらふらと階段を降り保健室へ向かった。
「…おい前野、手当てしろ」
「おー、そろそろかと思ってたらやっぱ来たな。ほら手見せな」
「…お前僕がこんだけズダボロなのに他に何か言う事無いのかよ」
「んー?じゃあお言葉に甘えて。ばーかばーか、ざまぁ」
「…お前マジでクッソ失礼だな。神バカ呼ばわりとかほんと不敬罪で訴えるぞ。まあいつもの如く無理だろうけど」
「あー無理だろ。実際代行がユニット解消の件裏政府に伝えたら関係者一同爆笑してたみてえだし」
「…ほんとこの国クソ過ぎだろ。僕もうほんと海外行こうかな」
「あーそれも無理だって。お前クソとは言え相当な立場で神だし数日ならともかく永住は絶対無理だろ」
「…僕もう、詰んでるじゃん。マジでクソ」
「それもこれも全部お前の自業自得だろっての。この前も言ったが年貢の納め時って奴だな。ほい、手当て終わり」
「…僕クッソお腹空いてるし喉乾いてるんだけど、あのクソババアの食堂絶対行きたくねえからなんか用意しろ」
「あー?ったくしょうがねえな。じゃあほらこのお茶とカ〇リーメイトでも食っときな。神の食べ物だしお前も好きだろ」
「…いや、確かにカ〇リーメイトは僕も好きだけどそれにしても適当過ぎだろ。もうちょっと気の利いたもの出せよ」
「あー本当わがままだなお前、神の捧げ物でもトップクラスに人気あるのによ。実際神託で要求して来る神様結構いるし。じゃあしょうがねえからピザでも取ってやるよ。もう9時過ぎてるけどピザヌッコさんまだやってるかな」
「…僕、クソ屋敷生活思い出してピザ大嫌いなんだけど」
「おう、前クロから聞いた。でもコンビニ結構遠いし他に出前取れそうな店も無いし仕方ねえだろ。流石にこれ以上わがまま言ったらシカトするぞ」
「…クソが。もう勝手にしろ」
「あー、じゃあどうせ嫌いだし適当に頼むから。俺も夕飯まだだし多目に頼むか。あーもしもしピザヌッコさんですか?夜分にすみません、流れ星学園の前野です。まだやってますか?ちょっと腹空かせた急患が入りまして。ああ、どうもすみませんねー。ありがとうございます」
僕は前野の適当な注文を聞き流し、ぼんやりと包帯の巻かれた両手を見つめた。
「…ここまでケガするとか何十年ぶりだろ。クソな体とは言えクソ屋敷生活中もケガは滅多にしなかったし。風邪とか引いても嫌々だけどちゃんと薬は与えられたし」
「…軍でも狂わせまくってたし佐紀の奴が守ってくれてそんなにケガしなかったし。…ここまでケガしたの、クロと戦ってとっ捕まえた時くらいか」
「…それからはずっとクロが守ってくれたし。…アレの後はあいつらは死ねとか言うくらいだし何一つ助けてはくれなかったけどさ」
「…クロ」
「あー来た来た。良かったな、もう店じまいする所だったけど急患ならって事で焼いてくれたぞ。今度お礼言っときな」
前野がピザやサラダを数箱差し出して来た。
「…いや、僕超上級国民の神だしこのくらい当然だろ。二十四時間即対応しろよな」
「まあとっくのとうに知ってたけどお前本当に終わってんな。自覚はあるだろうがよ」
「…うんまあ、自覚はあるけどさ」
「ほら、じゃあさっさと食いな。ここのピザ美味いぞ」
僕はぼんやりと包帯の巻かれた手でピザを取り、口に運んだ。
半世紀以上ぶりに食べる大嫌いなピザは、お腹ぺこぺこの極限状態のせいか思いのほか美味しかった。
「…うん、まあ思ったよりは悪く無いじゃん」
「お?クソ生意気なお前が素直に褒めるなんて珍しいな」
「…うるせえな。人が珍しく褒めてやってんだから黙って聞けよ」
「…そういえば、軍でピザが出た時もクロと一緒に食べた時は、何か悪くなかったかもな」
「ふーん、まあ好きな奴と食えばそうだろうな」
「…うん」
「あー、あと代行が言ってたが。流石に一日二日程度なら大目に見てやるがそれ以上授業参加しなかったり活動無かったら評価にかなり響くって言ってたぞ」
「…あいつマジでクソだな。僕これだけメンタル傷付いてるんだから1か月くらい休養させろよな」
「いや、だからそれもこれも全部自業自得だろっての。数日大目に見てやってるだけ代行も慈悲あるだろ」
「…あいつの慈悲とか余計なお世話なんだけど」
僕は全てにムカつきながらも、意外と美味しかったピザやサイドメニューを完食した。
「おーあっという間に完食したな。お前見た目に寄らず大食いだもんな。じゃあもう遅いしさっさと帰って寝な」
「…うん、そうする。あー昨日からシャワー浴びて無いし、クソ面倒だけど浴びるか」
「あー、包帯巻いてるしビニール手袋でもしときな。お前体強いし明日には包帯取れるだろ」
「…ビニール手袋持ってないし寄こせ」
「本当お前上から目線だよな。ほらよ」
「…どーも。じゃあ帰る」
僕は強化されまくったドアに八つ当たりする気力も無く、静かにドアを閉め保健室を出て行った。
「おー、流石のあいつもあれ程の目に遭うと凹むんだな。いい気味だ」
「…クロは、もっと辛いだろうがな」
僕はやっぱり力なく荒れ果てた自室に戻り、セーラー服を脱ぎ捨てシャワーを浴びた。
「…あーもう。相変わらず部屋世紀末のままだしクソ業者夜でも速攻来いよ。マジでクソ」
「…丸一日シャワー浴びてないとか初めてだな。クソ屋敷でも毎日体は綺麗にされてたし。クソメイド僕の体触るときいっつも気持ち悪そうだったけどさ」
「…クロが来てからは、クロがずっと体洗ってくれてたっけ。クロも大変だったのに、僕の体見るたび可哀想だねって言ってくれたな」
「…僕がアレしちゃったから、その少し後洗ってもらえなくなったけどさ」
「…クロ。何であんなひどい事言うの。何で僕から離れちゃったの」
「…まあ、あれだけクソな事したんだし当然か」
翌日、僕は相変わらずメンタルボロボロだが評価を下げられたくも無いので仕方なく授業に出席した。
「…おはよ、クロ」
「…うん、おはよう」
「クロ君、こんな奴に挨拶なんていらないって」
「そうそう、もう一生シカトしちゃいなよー」
「…それも、ちょっと悲しいから」
「……」
悲しそうなクロに、ムカつくがそれ以上何も言えなかった。
クソ生意気な教師の授業も、何一つ頭に入って来なかった。
「えー、ではここで問題です。はい、シロ君回答をお願いします」
「…はー?いや聞いてなかったんだけど。質問内容言えよ」
「…授業は力を入れて聞くように。アレな技術が発達し君達が正常な肉体になれたのは西暦何年ですか」
「えー、もう昔すぎて覚えて無いし。確か70年代初頭でしょ」
「…君達にとって大事な事ですししっかりと覚えておくように。1972年です。…特に、君は忘れてはいけません」
「…うっせえな。もう皆健康体だし済んだ事だし良いじゃん」
「…君は、本当に反省しませんね」
「まあとっくのとうに知ってたけど本当あの子最低だよねー、蓬くん」
「だねー、椿くん」
「……」
「…クロ、やっぱり辛そうだね。皆言いはしないけど、たぶんもう思い出してるんだろうね」
「うん、だろうね。エターナルの人とかにそれとなく聞いたら、もう大体察してるらしいし」
「…支えてあげるしか出来ないのが、本当可哀想だな。…あいつ、マジで地獄に落ちればいいのに」
「…だね。でも代行も相当締めるつもり満々らしいし、あの調子じゃ評価もガタ落ちするでしょ」
「うん、本当もう見る影もなく没落して、ここから出て行けばいいのにね」
それから少し後の昼食時。
「シロ君、やっぱお察しの通りだけど最近評価散々だね」
「うん、振り付けもしょっちゅう間違えるし歌詞飛んだりしてるし。やっぱファンの人達も何か変だなーって感じになってるしね」
「ああ、元々相当性格がアレだったのをクロが上手く中和していたのも大きいしな。最近ファンも離れつつあるな」
「だよね。いくら可愛くて狂わせられるとはいえ、あれだけアレじゃファンも引くよね」
「やっぱ悪いけどいい気味だな。流石にあれだけの立場だし退学はそうそう無いだろうけど、いつか居づらくなってここ出て行けば良いのにね」
「うん、悪いけど私もあの子に限ってはそう思っちゃうな」
散々なステージを終え、引き気味な観客からアンコールも無く僕はクソな気分でステージを後にした。
「…もう、マジでクソオブクソ。ちょっとのミスくらい僕のファンなら大目に見ろよ」
「…僕、どうすれば良いの」
「…もう、クソ。ほんとクソ」
「…あー、まあ一昼夜壁殴り続けたから当然だけど僕の両手ひっでえな。もうグローブみたいに腫れ上がってるし麻痺して痛みすらあんまり感じないし」
「…ってか可愛くて超人気者の神が丸一日出てこないんだから誰か様子くらい見に来いよ。まあ来たら来たでクソウザいけどさ」
「もう壁穴ぼこだらけで足ダンもかなりしたから床もヒビ入ってるし。鈴蘭とかがぶっ壊した時は速攻で直すのに職務怠慢だろクソ業者」
「…あーお腹空いた。まあ丸一日近く飲まず食わずだしそりゃそうだよね。ブチ切れ過ぎてて忘れてたけど」
「…ここコンビニ遠いし今あのクソババアの顔見たく無いし。絶対あいつろくでもない物出して来るだろうし」
「出前取ろうにもスマホぶち割っちゃったし、人に頼むとか絶対したくないしどうしよ。ってか今何時かな、部屋の時計もぶっ壊しちゃって時間分からないし」
「…あー、今更だけどお腹超空いてきたし手もかなり痛くなって来た。前野の顔も見たくないけど流石にこれ自分で治すのは無理だよね」
「…クソウザいけど、保健室行くしかないか」
僕はよれよれになったセーラー服で、ふらふらと階段を降り保健室へ向かった。
「…おい前野、手当てしろ」
「おー、そろそろかと思ってたらやっぱ来たな。ほら手見せな」
「…お前僕がこんだけズダボロなのに他に何か言う事無いのかよ」
「んー?じゃあお言葉に甘えて。ばーかばーか、ざまぁ」
「…お前マジでクッソ失礼だな。神バカ呼ばわりとかほんと不敬罪で訴えるぞ。まあいつもの如く無理だろうけど」
「あー無理だろ。実際代行がユニット解消の件裏政府に伝えたら関係者一同爆笑してたみてえだし」
「…ほんとこの国クソ過ぎだろ。僕もうほんと海外行こうかな」
「あーそれも無理だって。お前クソとは言え相当な立場で神だし数日ならともかく永住は絶対無理だろ」
「…僕もう、詰んでるじゃん。マジでクソ」
「それもこれも全部お前の自業自得だろっての。この前も言ったが年貢の納め時って奴だな。ほい、手当て終わり」
「…僕クッソお腹空いてるし喉乾いてるんだけど、あのクソババアの食堂絶対行きたくねえからなんか用意しろ」
「あー?ったくしょうがねえな。じゃあほらこのお茶とカ〇リーメイトでも食っときな。神の食べ物だしお前も好きだろ」
「…いや、確かにカ〇リーメイトは僕も好きだけどそれにしても適当過ぎだろ。もうちょっと気の利いたもの出せよ」
「あー本当わがままだなお前、神の捧げ物でもトップクラスに人気あるのによ。実際神託で要求して来る神様結構いるし。じゃあしょうがねえからピザでも取ってやるよ。もう9時過ぎてるけどピザヌッコさんまだやってるかな」
「…僕、クソ屋敷生活思い出してピザ大嫌いなんだけど」
「おう、前クロから聞いた。でもコンビニ結構遠いし他に出前取れそうな店も無いし仕方ねえだろ。流石にこれ以上わがまま言ったらシカトするぞ」
「…クソが。もう勝手にしろ」
「あー、じゃあどうせ嫌いだし適当に頼むから。俺も夕飯まだだし多目に頼むか。あーもしもしピザヌッコさんですか?夜分にすみません、流れ星学園の前野です。まだやってますか?ちょっと腹空かせた急患が入りまして。ああ、どうもすみませんねー。ありがとうございます」
僕は前野の適当な注文を聞き流し、ぼんやりと包帯の巻かれた両手を見つめた。
「…ここまでケガするとか何十年ぶりだろ。クソな体とは言えクソ屋敷生活中もケガは滅多にしなかったし。風邪とか引いても嫌々だけどちゃんと薬は与えられたし」
「…軍でも狂わせまくってたし佐紀の奴が守ってくれてそんなにケガしなかったし。…ここまでケガしたの、クロと戦ってとっ捕まえた時くらいか」
「…それからはずっとクロが守ってくれたし。…アレの後はあいつらは死ねとか言うくらいだし何一つ助けてはくれなかったけどさ」
「…クロ」
「あー来た来た。良かったな、もう店じまいする所だったけど急患ならって事で焼いてくれたぞ。今度お礼言っときな」
前野がピザやサラダを数箱差し出して来た。
「…いや、僕超上級国民の神だしこのくらい当然だろ。二十四時間即対応しろよな」
「まあとっくのとうに知ってたけどお前本当に終わってんな。自覚はあるだろうがよ」
「…うんまあ、自覚はあるけどさ」
「ほら、じゃあさっさと食いな。ここのピザ美味いぞ」
僕はぼんやりと包帯の巻かれた手でピザを取り、口に運んだ。
半世紀以上ぶりに食べる大嫌いなピザは、お腹ぺこぺこの極限状態のせいか思いのほか美味しかった。
「…うん、まあ思ったよりは悪く無いじゃん」
「お?クソ生意気なお前が素直に褒めるなんて珍しいな」
「…うるせえな。人が珍しく褒めてやってんだから黙って聞けよ」
「…そういえば、軍でピザが出た時もクロと一緒に食べた時は、何か悪くなかったかもな」
「ふーん、まあ好きな奴と食えばそうだろうな」
「…うん」
「あー、あと代行が言ってたが。流石に一日二日程度なら大目に見てやるがそれ以上授業参加しなかったり活動無かったら評価にかなり響くって言ってたぞ」
「…あいつマジでクソだな。僕これだけメンタル傷付いてるんだから1か月くらい休養させろよな」
「いや、だからそれもこれも全部自業自得だろっての。数日大目に見てやってるだけ代行も慈悲あるだろ」
「…あいつの慈悲とか余計なお世話なんだけど」
僕は全てにムカつきながらも、意外と美味しかったピザやサイドメニューを完食した。
「おーあっという間に完食したな。お前見た目に寄らず大食いだもんな。じゃあもう遅いしさっさと帰って寝な」
「…うん、そうする。あー昨日からシャワー浴びて無いし、クソ面倒だけど浴びるか」
「あー、包帯巻いてるしビニール手袋でもしときな。お前体強いし明日には包帯取れるだろ」
「…ビニール手袋持ってないし寄こせ」
「本当お前上から目線だよな。ほらよ」
「…どーも。じゃあ帰る」
僕は強化されまくったドアに八つ当たりする気力も無く、静かにドアを閉め保健室を出て行った。
「おー、流石のあいつもあれ程の目に遭うと凹むんだな。いい気味だ」
「…クロは、もっと辛いだろうがな」
僕はやっぱり力なく荒れ果てた自室に戻り、セーラー服を脱ぎ捨てシャワーを浴びた。
「…あーもう。相変わらず部屋世紀末のままだしクソ業者夜でも速攻来いよ。マジでクソ」
「…丸一日シャワー浴びてないとか初めてだな。クソ屋敷でも毎日体は綺麗にされてたし。クソメイド僕の体触るときいっつも気持ち悪そうだったけどさ」
「…クロが来てからは、クロがずっと体洗ってくれてたっけ。クロも大変だったのに、僕の体見るたび可哀想だねって言ってくれたな」
「…僕がアレしちゃったから、その少し後洗ってもらえなくなったけどさ」
「…クロ。何であんなひどい事言うの。何で僕から離れちゃったの」
「…まあ、あれだけクソな事したんだし当然か」
翌日、僕は相変わらずメンタルボロボロだが評価を下げられたくも無いので仕方なく授業に出席した。
「…おはよ、クロ」
「…うん、おはよう」
「クロ君、こんな奴に挨拶なんていらないって」
「そうそう、もう一生シカトしちゃいなよー」
「…それも、ちょっと悲しいから」
「……」
悲しそうなクロに、ムカつくがそれ以上何も言えなかった。
クソ生意気な教師の授業も、何一つ頭に入って来なかった。
「えー、ではここで問題です。はい、シロ君回答をお願いします」
「…はー?いや聞いてなかったんだけど。質問内容言えよ」
「…授業は力を入れて聞くように。アレな技術が発達し君達が正常な肉体になれたのは西暦何年ですか」
「えー、もう昔すぎて覚えて無いし。確か70年代初頭でしょ」
「…君達にとって大事な事ですししっかりと覚えておくように。1972年です。…特に、君は忘れてはいけません」
「…うっせえな。もう皆健康体だし済んだ事だし良いじゃん」
「…君は、本当に反省しませんね」
「まあとっくのとうに知ってたけど本当あの子最低だよねー、蓬くん」
「だねー、椿くん」
「……」
「…クロ、やっぱり辛そうだね。皆言いはしないけど、たぶんもう思い出してるんだろうね」
「うん、だろうね。エターナルの人とかにそれとなく聞いたら、もう大体察してるらしいし」
「…支えてあげるしか出来ないのが、本当可哀想だな。…あいつ、マジで地獄に落ちればいいのに」
「…だね。でも代行も相当締めるつもり満々らしいし、あの調子じゃ評価もガタ落ちするでしょ」
「うん、本当もう見る影もなく没落して、ここから出て行けばいいのにね」
それから少し後の昼食時。
「シロ君、やっぱお察しの通りだけど最近評価散々だね」
「うん、振り付けもしょっちゅう間違えるし歌詞飛んだりしてるし。やっぱファンの人達も何か変だなーって感じになってるしね」
「ああ、元々相当性格がアレだったのをクロが上手く中和していたのも大きいしな。最近ファンも離れつつあるな」
「だよね。いくら可愛くて狂わせられるとはいえ、あれだけアレじゃファンも引くよね」
「やっぱ悪いけどいい気味だな。流石にあれだけの立場だし退学はそうそう無いだろうけど、いつか居づらくなってここ出て行けば良いのにね」
「うん、悪いけど私もあの子に限ってはそう思っちゃうな」
散々なステージを終え、引き気味な観客からアンコールも無く僕はクソな気分でステージを後にした。
「…もう、マジでクソオブクソ。ちょっとのミスくらい僕のファンなら大目に見ろよ」
「…僕、どうすれば良いの」
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