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第三章 アレな波乱の幕開け
どんどん違う事をしてみるクロ
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クロが皆と食事を取り始めてから少しした頃の事。
「…あの、アレな人の皮を剥いでアレな衣服を作るのが大好きなアレなデザイナーさん。ちょっとお願いしたい事があるんだけど」
「…うん、お金はちゃんと払うから、お願い。…申し訳無いんだけど、出来るだけ早めに作って欲しいんだ」
「…1週間くらいで出来る?うん、ありがとう。…ごめん、皆や、特にシロには内緒にしておいて」
1週間くらい後。
「…は?いやクロ、お前何着てんの」
「…うん、気分変えたくなって。別の衣装作ってもらった」
「いや、お前ボケてるとは言えおかしいでしょ。僕に相談も無くさ。僕の好みと全然違うし」
「…もう半世紀以上も着てるから、たまには全然違うもの着たくなって」
「…いや、これが大正義だって。あーもう、で、そのクソダサ衣装僕のもあるんでしょ?しょうがないから一回だけ着てやるよ」
「…ううん、無い」
「は???」
「…シロはたぶんこういうの嫌いだと思って、作ってもらってない」
「いや、お前ほんとどんだけいかれてんの。あーもうまた保健室連れてかなきゃ。前野クソウザいから会いたく無いんだけどー。ほらとっとと行くよ」
「…うん」
「…でー。そういう訳でこいつの脳みそ更にいかれてるの確実だから。とっとと診て治して」
「あーはいはい分かった分かった。じゃあ例によって時間かかるからお前は授業受けて来な」
「…ほんと勲章貰ってるとは言えクソフランク過ぎでしょ。本気で不敬罪で訴えるぞコラ」
「だからこの程度じゃ無理だっつの。好きに訴えな」
「…ほんっっっとクソすぎ。じゃあ放課後寄るからさっさとしろよなクソ医者」
またもやドアをぶっ壊しかねないくらいの勢いで閉じ、ついでに華奢な足で扉を蹴り飛ばしシロは去って行った。
「あー、またお疲れさん、クロ」
「…うん、また巻き込んでごめんね、前野」
「まあ気にすんな。俺もアイツからかうの楽しいしよ。だが今回はまた思い切ったな」
「…うん、もっと違う事してみたくなって」
「おう、良いと思うぞ。どんどんあいつの度肝抜いてやんな」
「…何でかな。今までシロの事、悲しませたり怒らせたくなんてなかったのに」
「…あー、何でだろうな。もしかしたら昔、覚えてねえけどひどい思い出でもあったのかもな」
「…そうなのかな。…うん、もしかしたらそうなのかも」
「…俺はもちろん生まれてねえから分からねえけどな。…元仲間の奴らなら何か知ってるかもな」
「…そうかもね」
「…だが、たぶん憶測だが。知ったら知ったで、相当辛いと思うぞ」
「…うん、そうかもね」
放課後。
「あー、で診断結果どうだった?脳みそに虫湧いてたでしょ」
「おう、虫はいないが結構深刻な腫瘍あるかもな。ちょっと俺でもリスク高すぎてすぐに処置は無理だからとりあえず投薬しといた。しばらく様子見だな」
「あ”あ”?脳腫瘍なんて医療ものあるあるの乗り越えるべきハードルだろ。お前超天才なんだからその程度速攻でどうにかしろよ」
「だからフィクションと一緒にすんなっての。言ったろ。お前らてうてうの奴らの体は特別すぎて迂闊な事できねえんだっての」
「…ほんっっっと口だけで使えねえクソヤブでやんの。何で国もこんなクソに勲章与えるかなー」
「あーはいはい好きに言ってろ。お前本当口悪いよな」
「まあ僕の口や性格クソなのは物心付いた時からですけどー。あーもうクソウザい。クロ帰るよ」
「…自分で帰る」
「…もうマジクソ過ぎ。さっさと脳みそ爆発して正常になれよ」
「いや、いくらお前らでも頭爆発したら死ぬから」
「…もうこの国クソ過ぎ」
ドアを本気でぶっ壊しかねない勢いで閉め、また数発蹴りを入れシロは去って行った。
「…本当ごめんね、前野」
「あー、気にすんなって。お前の反抗見てるとこっちも小気味いいからよ」
「…うん、ありがと」
翌日の昼食時。
「わー、クロ君新しい衣装可愛いね。キルト調だね」
「…うん、全然違うの着てみたくなって」
「良いと思うよ。クロ戦時中からずっとセーラー服だったもんね。たまには違うの着たいよね」
「ああ、新しい試みをするのは良いと思う」
「うん、アレデザイナーさんほんといい仕事するよね」
「…ありがと」
「…おいクロ。なんで今日はまたこんなクソ新鋭どもとご飯食べてんの」
「…誰と食べたって、いいでしょ」
「…いや口答えするとか脳腫瘍ヤバすぎでしょ。もう僕が狂わせて治してやろうか」
「…シロ、そういう狂わせできないでしょ」
「…もう、マジクソ。さっさと脳みそ治せっての」
「…シロ君、当然だけど最近ずっと機嫌悪いよね」
「まあ、いい気味でしょ。…俺も人の事、悪く言いたくは無いんだけどさ」
「ああ、俺もあいつだけは例外だ」
「…うん、悪いけど僕もだな」
「…みんな、シロの事嫌いだよね。…大体想像は付くけど、なんで?」
「…ごめんね。詳しくは言えないんだけど、あの子絶対許せない事しちゃったの」
「…うん、言いたいんだけど、ごめんね」
「…そうだな。済まない」
「…皆、本当は教えてあげたいんだけどね」
「…そっか、分かった」
その数日後。
「…あの、アレな人の断末魔を聞いてインスピレーションを刺激するアレな作曲家さん。お仕事をお願いしたいんだけど」
「…ありがとう。本当に悪いんだけど、早めにお願いしたいんだ」
数週間後。
「あークソ過ぎ。ほらクロ、ステージ行くよ」
「…うん、今日は新曲やるから」
「は!?いや僕聞かされて無いんだけど。いくら僕が可愛くて天才でもぶっつけ本番とか無理でしょ」
「…大丈夫。僕がソロで歌うから」
「いやいやいやお前何してんの。普通ユニットでソロ曲とか駄目でしょ。代行に申請しなきゃ無理だっての」
「…もう申請して、許可すぐに出たから」
「…いや、マジでお前イカれ過ぎでしょ」
「…うん、そうだね」
「わー、クロ君ソロでも上手いんだね」
「うん、あいつ口数少ないけど、実は歌上手いから」
「…シロ君はものすごく嫌そうだけどね」
「まあ、当然だよね。やっぱ悪いけど、いい気味だな」
「ああ、あのくらい痛い目を見ないとあいつは分からないと思う」
「まだまだ分かってないみたいだけどね」
「あーもう。前野こいつヤバ過ぎだから、もう数日ここぶち込んで徹底的に脳みそいじくって腫瘍全部掻き出して」
「あーはい分かった分かった。じゃあ数日超精密検査すっから。お前は自室で一人寂しく寝てな」
「いや、こんなクソボケ老人と一緒になるくらいなら一人の方が絶対安眠だし」
「うっわー、ついに扉ちょっとガタが来たな。やっぱあいつてうてうなだけあって見かけによらず体強いよな」
「…設備壊しちゃってごめんね、前野」
「あー、ここのアレ技術ですぐ直るし気にすんなって。鈴蘭なんか毎回壁や床ぶっ壊してるしよ」
「…うん、そうだね」
「で、まあ折角数日離れられたんだし、ゆっくり羽伸ばしな。まあお前は自分の羽あんまり好きじゃねえだろうがよ」
「…そうだね。昔はシロが綺麗って言ってくれたから嫌いじゃ無かったんだけど、なんか最近また好きになれなくなって来た」
「…そうだろうな」
「…脳の検査、する?」
「あー、まあ一応ちょっとだけしとくか。俺も気になる事あるしな」
「…うん」
その夜、クロが眠りに就いた頃。
「…あー、確かに洗脳解けかかってるな」
「まあ、いつかは向き合わなきゃいけねえことだ。しんどいだろうが頑張んな。あいつ以外全員、お前の味方なんだからよ」
「…あの、アレな人の皮を剥いでアレな衣服を作るのが大好きなアレなデザイナーさん。ちょっとお願いしたい事があるんだけど」
「…うん、お金はちゃんと払うから、お願い。…申し訳無いんだけど、出来るだけ早めに作って欲しいんだ」
「…1週間くらいで出来る?うん、ありがとう。…ごめん、皆や、特にシロには内緒にしておいて」
1週間くらい後。
「…は?いやクロ、お前何着てんの」
「…うん、気分変えたくなって。別の衣装作ってもらった」
「いや、お前ボケてるとは言えおかしいでしょ。僕に相談も無くさ。僕の好みと全然違うし」
「…もう半世紀以上も着てるから、たまには全然違うもの着たくなって」
「…いや、これが大正義だって。あーもう、で、そのクソダサ衣装僕のもあるんでしょ?しょうがないから一回だけ着てやるよ」
「…ううん、無い」
「は???」
「…シロはたぶんこういうの嫌いだと思って、作ってもらってない」
「いや、お前ほんとどんだけいかれてんの。あーもうまた保健室連れてかなきゃ。前野クソウザいから会いたく無いんだけどー。ほらとっとと行くよ」
「…うん」
「…でー。そういう訳でこいつの脳みそ更にいかれてるの確実だから。とっとと診て治して」
「あーはいはい分かった分かった。じゃあ例によって時間かかるからお前は授業受けて来な」
「…ほんと勲章貰ってるとは言えクソフランク過ぎでしょ。本気で不敬罪で訴えるぞコラ」
「だからこの程度じゃ無理だっつの。好きに訴えな」
「…ほんっっっとクソすぎ。じゃあ放課後寄るからさっさとしろよなクソ医者」
またもやドアをぶっ壊しかねないくらいの勢いで閉じ、ついでに華奢な足で扉を蹴り飛ばしシロは去って行った。
「あー、またお疲れさん、クロ」
「…うん、また巻き込んでごめんね、前野」
「まあ気にすんな。俺もアイツからかうの楽しいしよ。だが今回はまた思い切ったな」
「…うん、もっと違う事してみたくなって」
「おう、良いと思うぞ。どんどんあいつの度肝抜いてやんな」
「…何でかな。今までシロの事、悲しませたり怒らせたくなんてなかったのに」
「…あー、何でだろうな。もしかしたら昔、覚えてねえけどひどい思い出でもあったのかもな」
「…そうなのかな。…うん、もしかしたらそうなのかも」
「…俺はもちろん生まれてねえから分からねえけどな。…元仲間の奴らなら何か知ってるかもな」
「…そうかもね」
「…だが、たぶん憶測だが。知ったら知ったで、相当辛いと思うぞ」
「…うん、そうかもね」
放課後。
「あー、で診断結果どうだった?脳みそに虫湧いてたでしょ」
「おう、虫はいないが結構深刻な腫瘍あるかもな。ちょっと俺でもリスク高すぎてすぐに処置は無理だからとりあえず投薬しといた。しばらく様子見だな」
「あ”あ”?脳腫瘍なんて医療ものあるあるの乗り越えるべきハードルだろ。お前超天才なんだからその程度速攻でどうにかしろよ」
「だからフィクションと一緒にすんなっての。言ったろ。お前らてうてうの奴らの体は特別すぎて迂闊な事できねえんだっての」
「…ほんっっっと口だけで使えねえクソヤブでやんの。何で国もこんなクソに勲章与えるかなー」
「あーはいはい好きに言ってろ。お前本当口悪いよな」
「まあ僕の口や性格クソなのは物心付いた時からですけどー。あーもうクソウザい。クロ帰るよ」
「…自分で帰る」
「…もうマジクソ過ぎ。さっさと脳みそ爆発して正常になれよ」
「いや、いくらお前らでも頭爆発したら死ぬから」
「…もうこの国クソ過ぎ」
ドアを本気でぶっ壊しかねない勢いで閉め、また数発蹴りを入れシロは去って行った。
「…本当ごめんね、前野」
「あー、気にすんなって。お前の反抗見てるとこっちも小気味いいからよ」
「…うん、ありがと」
翌日の昼食時。
「わー、クロ君新しい衣装可愛いね。キルト調だね」
「…うん、全然違うの着てみたくなって」
「良いと思うよ。クロ戦時中からずっとセーラー服だったもんね。たまには違うの着たいよね」
「ああ、新しい試みをするのは良いと思う」
「うん、アレデザイナーさんほんといい仕事するよね」
「…ありがと」
「…おいクロ。なんで今日はまたこんなクソ新鋭どもとご飯食べてんの」
「…誰と食べたって、いいでしょ」
「…いや口答えするとか脳腫瘍ヤバすぎでしょ。もう僕が狂わせて治してやろうか」
「…シロ、そういう狂わせできないでしょ」
「…もう、マジクソ。さっさと脳みそ治せっての」
「…シロ君、当然だけど最近ずっと機嫌悪いよね」
「まあ、いい気味でしょ。…俺も人の事、悪く言いたくは無いんだけどさ」
「ああ、俺もあいつだけは例外だ」
「…うん、悪いけど僕もだな」
「…みんな、シロの事嫌いだよね。…大体想像は付くけど、なんで?」
「…ごめんね。詳しくは言えないんだけど、あの子絶対許せない事しちゃったの」
「…うん、言いたいんだけど、ごめんね」
「…そうだな。済まない」
「…皆、本当は教えてあげたいんだけどね」
「…そっか、分かった」
その数日後。
「…あの、アレな人の断末魔を聞いてインスピレーションを刺激するアレな作曲家さん。お仕事をお願いしたいんだけど」
「…ありがとう。本当に悪いんだけど、早めにお願いしたいんだ」
数週間後。
「あークソ過ぎ。ほらクロ、ステージ行くよ」
「…うん、今日は新曲やるから」
「は!?いや僕聞かされて無いんだけど。いくら僕が可愛くて天才でもぶっつけ本番とか無理でしょ」
「…大丈夫。僕がソロで歌うから」
「いやいやいやお前何してんの。普通ユニットでソロ曲とか駄目でしょ。代行に申請しなきゃ無理だっての」
「…もう申請して、許可すぐに出たから」
「…いや、マジでお前イカれ過ぎでしょ」
「…うん、そうだね」
「わー、クロ君ソロでも上手いんだね」
「うん、あいつ口数少ないけど、実は歌上手いから」
「…シロ君はものすごく嫌そうだけどね」
「まあ、当然だよね。やっぱ悪いけど、いい気味だな」
「ああ、あのくらい痛い目を見ないとあいつは分からないと思う」
「まだまだ分かってないみたいだけどね」
「あーもう。前野こいつヤバ過ぎだから、もう数日ここぶち込んで徹底的に脳みそいじくって腫瘍全部掻き出して」
「あーはい分かった分かった。じゃあ数日超精密検査すっから。お前は自室で一人寂しく寝てな」
「いや、こんなクソボケ老人と一緒になるくらいなら一人の方が絶対安眠だし」
「うっわー、ついに扉ちょっとガタが来たな。やっぱあいつてうてうなだけあって見かけによらず体強いよな」
「…設備壊しちゃってごめんね、前野」
「あー、ここのアレ技術ですぐ直るし気にすんなって。鈴蘭なんか毎回壁や床ぶっ壊してるしよ」
「…うん、そうだね」
「で、まあ折角数日離れられたんだし、ゆっくり羽伸ばしな。まあお前は自分の羽あんまり好きじゃねえだろうがよ」
「…そうだね。昔はシロが綺麗って言ってくれたから嫌いじゃ無かったんだけど、なんか最近また好きになれなくなって来た」
「…そうだろうな」
「…脳の検査、する?」
「あー、まあ一応ちょっとだけしとくか。俺も気になる事あるしな」
「…うん」
その夜、クロが眠りに就いた頃。
「…あー、確かに洗脳解けかかってるな」
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